Thank You TAKER現地取材Hall of Fame安らかに眠れアンダーテイカー

photo by George Napolitano

■ WWE Hall of Fame 2022
日時:4月1日(現地時間 WWEネットワーク世界同時配信)
会場:米テキサス州ダラス アメリカン・エアラインズ・センター

 それにしても現地深夜過ぎまで2時間35分以上の、長い長い、専門媒体にとってはやや苦痛を伴ういつものWWE殿堂式典だった。なにしろSmackDown(自前写真入稿済みだが、日本での視聴環境に従い明日に紹介)現地プライムタイム地上波生中継のあとに、同じ会場でそのまま今年は殿堂式典になると聞いていた。なのでWWEネットワークをその時間につけたら会場は休憩中でまず17分。まぁその間にビアンカ・ブレアとモンデス・フォード夫妻のドレス姿インタビューとかがあったので「まぁいいか」程度だったのだが、そこからがもう・・・。
 なにしろ5組だけだったので今年は短くやるものだと思い込んでいたのだが、いつまでたっても終わらないので日本時間土曜午後の予定が狂う羽目に。アカデミー賞のように音楽で「長過ぎ、巻き」合図を促すやり方を嫌う向きもあるが、5分と言われているのに時間を守らない受賞者たちには参りました。


 速報版では一部だけの紹介に留めて詳細拡大版は週刊ファイト本誌の収録とするが、はずせないのは最初のスタイナー・ブラザースである。紹介に出てきたのはやはりNXTのブロン・ブレイカー、彼もタキシード姿だった。翌日の現地ダラス時間昼12時から、同じアメリカン・エアラインズ・センター開催の『Stand & Deliver』にてドルフ・ジグラーのNXT王座に再挑戦する。
 出てきたミシガン大学レスリング部出身の二人だが、いきなりスコットが危ないネタをやり出して、マイクを手で覆った絵が上記である。困った人たちだなぁ・・・。


 まぁタッグチームということで、対戦相手に感謝、4人で作ったんだと強調していたのは正論だろう。フランケンシュタイナー元祖スコットが長くやり過ぎて、紙のスピーチ原稿を用意してきたブロン・ブレイカーの親父スコットが「短くします」だったのだが、色々あってWWEとは良い別れ方ではなかったのに、息子ブロンのせいで急遽という政治色の濃い受賞ではあるのだが、レジェンドには違いないし資格は十分。2022年の受賞となった意味は明日、明かされることになろう。

 最後のテイカー紹介時点で1時間半経過。しかし、そこからがさらに1時間近く延々と続くセレモニーになるとは・・・。メタリカの♪Sad but TrueをBGMにしたトリビュートビデオだけで長尺版の特別待遇である。そしてビンセント・ケネディ・マクマーンが例の歩き方で花道からリングに向かった。


 VKM会長のスピーチ、長いリストの選手名、入ってるのと入ってない名前とか、突っ込みどころ満載なのだが、意外にも短く見え尽きた番組『ショットガン・サタディ・ナイト』のテイカーが34丁目ペン・ステーションのエスカレーターでトリプルHをツームストーンした珍場面を話したのは特記に値するかも。いや、確かにあれは住んでいる疲れ切った(jaded)働くニューヨーカーにとっても、「あそこでやるのか?」とビックリしたものだ。許可もなく勝手にやった、と(笑)。

 ただ、「アンダーテイカー、マーク・キャロウェイ程、このビジネスを愛した者はいない」で長いスピーチを締めくくったのは良かった。そして鐘の音の入場曲が鳴った。

 Thank you TAKERの大合唱が、やがてYou deserve itに変わる。みんなが泣いている。そして檀上の本人も。これがLIVE中継である。肝心のスピーチがなかなか始まらなかった。


 「やっとマーク・キャロウェイに戻る」と動けるマイクでリングを歩き回りながら語り始めたテイカーは、TVテーピングでの失敗談、ビンスに怒られたエピソードを語る。スクワッシュ・マッチと言って、WWE用語の「エンハンスメント・マッチ」と言い直して笑いも取った。ビンスに”perception is reality”なんだゾと叱られて、「あれじゃお前はアス・ホールじゃないか」と。以降、自身のイメージを正してきたんだという。


 影響を受けた色んな名前を出して全員は紹介できないが、意外だったのは亡くなったブライアン・アダムスのこと。2週間前にひたすらブロックをチョップで割る特訓?を7時間続けたんだそうで、この話は記者も知らなかったので印象に残った。


 ショーン・マイケルズとの2009年『レッスルマニア 25』をベストマッチとして語るのは当然だろう。映画『レスラー』が一般人にも広く認められてミッキー・ロークが参加した回でもある。そこからもトリプルHや現テネシー州ノックスビル群長ケインことグレン・ジェイコブスなど、延々と感謝の言葉が続いていく。


 「過去30年間、俺と旅を共にしてくれてありがとう」とWWEユニバース(ファン)に真摯なメッセージを伝えた。さらにテイカーは最後に「WWE 殿堂入りして安らかに眠る」の決め台詞でスピーチを締めくくる。

 会場は惜しみない拍手に包まれたが、お客さんの”One more Time”に乗ってジャケットと帽子を被って”Never say Never”と一言。そういうことです。


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