[週刊ファイト12月16日号]収録
▼大谷翔平なんてメじゃない! 鷹の爪大賞2021~安威川敏樹編
by 安威川敏樹
・MVPは文句なく長州力に決定!
・敢闘賞は67歳で二冠王となった藤波辰爾!
・ウナギ・サヤカには『土用の丑賞』!
・『二刀流賞』として井土徹也!
2021年も間もなく暮れようとしているが、いよいよ『鷹の爪大賞』の季節がやってきた。
新型コロナウイルスは未だに終息せず、さらにオミクロン株なる変異株も登場して、まだまだ予断を許さない中、来年のマット界はどの方向へ向かうのか。
今から来年のことを語っても鬼が笑うだけなので、今年1年を振り返ってみよう。
photo by George Napolitano
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▼[鷹の爪大賞シュート活字年間総括⑤]格闘技要覧2021:タナカ 木村プロ 神宮寺しし丸 イリエマン+X座談会
MVPは文句なく長州力に決定!
MLBのアメリカン・リーグでは二刀流の大谷翔平が満票でMVPを獲得したが、そんなものはメじゃない。
我が『鷹の爪大賞2021』のMVPは、文句なく長州力だ。筆者の中では満票である。
長州の何が凄いかって、一般人にも名前を浸透させたことだ。長州語の「食ってみな、飛ぶぞ」は誰もが知っている。新語・流行語大賞に選ばれなかったのが不思議なぐらいだ。
他にも「形変えるぞ」も話題になった。こんな言葉、長州以外に発することはできない。
さらに、TBSドラマ『俺の家の話』に出演し、存在感を発揮した。数々のバラエティ番組にも登場し、CM出演も果たしている。
長州の一般的な知名度は、アントニオ猪木や大仁田厚を上回り、今やプロレス界№1だろう。しかも、普通なら『ヘンなおじさん』で終わるところだが、一般人にも元プロレスラーとして認知されている。
一つだけ残念なのが、長州並みの知名度を、現役レスラーが持っていてもらいたいところなのだが……。
その点を除けば、プロレスを一般的に広めた最大の功労者として、長州力を2021年度のMVPに推す。『飛ぶぞ大賞』『形変えるぞ大賞』『俺の家の話大賞』の三冠王だ。まさしくインターナショナル・PWF・UNの三冠ベルトに比肩する偉業である(比べる対象が間違ってないか?)。
▼MVPの長州力は『飛ぶぞ大賞』『形変えるぞ大賞』『俺の家の話大賞』の三冠王
敢闘賞は67歳で二冠王となった藤波辰爾!
長州力とくれば藤波辰爾。長州が三冠王(安威川認定)なら、藤波は正真正銘の二冠王だ。長州がテレビで大活躍したなら、藤波は本業のマット上で本領を発揮した。
9月17日、藤波はHEAT-UPユニバーサル&PWL WORLD CHANPIONSHIP王者のTAMURAを破り、齢67歳にして二冠王に輝いたのだ。実に23年ぶりのシングル王座である。決め技は、師匠であるアントニオ猪木直伝のコブラツイストだった。
藤波の肉体は、67歳とは思えないほど若々しい。かつての67歳といえばヨボヨボのおじいちゃんというイメージだったが、炎の飛龍には赤いちゃんちゃんこは無縁だった。
高齢化社会を迎えた世の老人たちに希望を与えたということで、藤波辰爾には敢闘賞として『還暦龍賞』を贈ろう。
▼二本のベルトを手にした藤波辰爾には『還暦龍賞』
ウナギ・サヤカには『土用の丑賞』!
今年、最も輝いていた女子プロレスラーはウナギ・サヤカだろう。フューチャー・オブ・スターダム王者に就いたのもさることながら、ダイナミックなファイトでスターダムのスターダムにのし上がった(ややこしい……)。
そして、なんといってもその容姿。元アイドルだけあって、たちまちプロレス・ファン男性のハートを鷲掴みにした。可愛いだけではなく、多彩なキャラも良い。
これから、もっと地上波テレビにもドンドン出演すれば、一般的な認知度も上がって、かなりの人気を博すのではないか。そうすれば、プロレス界の活性化にも繋がるだろう。
コロナでバテ気味のマット界に栄養を与えるという意味で、ウナギ・サヤカには『土用の丑賞』を捧げる。
▼マット界の栄養源となるウナギ・サヤカには『土用の丑賞』
『二刀流賞』として井土徹也!
11月27日、朝倉未来&海ブラザーズがプロデュースする第3回Breaking Downが開催された。この時、新設されたミドル級1Dayトーナメントで優勝したのがHEAT-UPに所属する井土徹也である。
井土は21歳という若さで、空手やレスリングの経験があり、ガチンコにも慣れていた。
「プロレスラーは噛ませ犬ではないんです! プロレスラーは強いんです!」
初代王者となった井土はそう言った。高田延彦がヒクソン・グレイシーに惨敗して以来、崩れてしまったプロレス最強神話。それを弱冠21歳の若者が打ち破ったのである。
今後の期待も込めて、井土徹也にはプロレス&格闘技の『二刀流賞』を贈呈したい。
▼プロレスでも格闘技でも、今後に期待が持てる井土徹也には『二刀流賞』
以上が、安威川敏樹の選ぶ『鷹の爪大賞2021』だ。来年こそは、超満員の観衆の中で、大声援を受けてファイトする選手たちの姿を見たい。
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’21年12月09日号猪木Last Stand 韓国I編集長 スターダム代々木 RIZIN神戸 師走’70