RAW番組構成RK-Bro御前でタッグ勝ち抜き戦ゼイビア・ウッズ職人芸

©2021 WWE, Inc. All Rights Reserved.


 前週のRAWが、やはりビンス・マクマホンの気まぐれで直前変更を繰り返し、まるでバラバラでテーマがないオリンピック開幕式ショーのようになってしまい、不評だったのを反省したのか、今回は次期タッグ王座への挑戦を決める勝ち抜き「タッグチーム・ターモイル(騒ぎ)戦」という統一感を打ち出し、内容の巻き返しを実行していた努力は誉めないといけない。WWEにとって他の世界はなかったことにしているとはいえ、なにしろAEWが『All Out』PPV大会で大爆発した翌日というプレッシャーを意識しなければ、もはや脱落していくしかなくなってしまう。


 ということで、7チームが参加してまずはバイキング・レイダースvs.ニューデイからとなるのだが、あれよあれよという間にニューデイの快進撃となるのだ。これはブッキングよく考えてあって評価大。なにしろ本誌拡大版では度々指摘してある過小評価賞だったゼイビア・ウッズが特に輝くのだからニンマリである。ちなみに、途中に入る現地翌日USAネットワーク放送(海外は日本時間木曜以降WWEネットワーク配信)NXTのCMまで統一感というか、男女のタッグ王座戦が目玉だと告知されるのだから、正式に新装開店するNXTはさらに次の週からでこのタッグ王座戦の分は事前収録済みなんだが、そちらからの報告が義務事項になったことでRAWもこの企画になったのかも。あと、現王者のランディ・オートン&リドルという凸凹組が、狙い通りにうまく機能していることも背景にあろう。


 そのニューデイ快進撃、ウッズが巨体エリックを丸め込んでからなんだが試合はちゃんとしていた。続くインド軍ジンダー・マハル&ヴィア組ともテンポ良くどんどん続いて試合であり、実況席にはオートンとリドルが見ているという構図を作っている。


 インド軍を片付けてからは、ルチャ・ハウスパーティ(グラン・メタリック&リンセ・ドラド)となり、決して単なる咬ませ犬役ではなく、見ごたえのある攻防の試合にデザインされているのも良いこと。またルチャ組が酷い扱いだったら怒っているところなのだが・・・。こちらもまた、ウッズがメタリックにフェイスバスターを見舞うケツで「おお!」となったかと。


 続いてがT-bar&Maceの大型コンビなのだが、ウッズの凄いところはセール(受け)も抜群に上手い事に違いない。ここも散々やられたウッズが、最後にメイスを丸め込んで勝利というもの。ただ、ここは長身組、納得いかずにリングに居残り痛めつけるのを止めようとしないばかりか、次の中東組ムスタファ・アリ&マンスール組にも暴行を初めて、セキュリティーが動員だけでなく、アダム・ピアース&ソーニャ・デヴィルの執行役員が「いったん中断、あとで再開」と。なるほど、「タッグチーム・ターモイル」企画うまくやっている。


 ということで、シングル戦は中身太鼓判になるシェイマスvs.ドリュー・マッキンタイア戦へ。そもそも先週やるハズだったのだが、ビンスがなぜか難色を示してダミアン・プリーストとの3way戦になっていたもの。3人ともがんばっている筆頭なんだから、アップダウンはどうでもイイとも思うのだが、今回はシェイマスがフォールを取ってUS王座挑戦権を得る先週案に戻った格好に。ただ、終わってからマッキンタイアがクレイモアを叩きこんでという絵にしていた。本誌的には何度でもやってくれだけであって、中身が良ければ文句ナシなんだが・・・。


 そうかと思えば、例によって「コンテンダーズ戦」という名目で女子タッグ王座を狙うナタリア&タミーナvs.ニッキーA.S.H.&リア・リプリーというカードが組まれるのだが、なにを訴えたいのかよくわらない。そりゃリアがナタリアにリップタイドを見舞って勝利なんだが・・・。無理やり組んでいるだけのベビーフェイス組である。


 事前収録のジョン・モリソンのMOIST TV、キャリオン・クロスがゲストで、引き続き試合になるんだが、キャリオンのプッシュのやり方、NXTから見ている方なら「なんか違う」と不満だし、モリソンは便利屋に逆もどり。水鉄砲で反撃するコメディ要員って、凄い試合やれるのに勿体無いことこの上ない。早くスカーレットも出せよ!


 前回がああなったんで良くも悪くも注目のナイア・ジャックスvs.シャーロットなんだが、シェイナ・ベイズラーの不穏な動きでなにをどうするか読めた方も少なくないかも。派手に殴り合っては、今回のは単にそういう試合デザインにしただけのこと。緩く緩くやってます。実況がアホらしいので買ったのに聞けてないアイアン・メイデンの和太鼓から始まる新作『戦術』に音だけ変えた(笑)。ただ、そうしたのは果たして記者だけなのか、という話なのであって・・・。仕事なんで画面はしっかり見ますけど、音声は音楽に変える方は世界中に大勢いる。案の定、元のアレクサ・ブリスとの抗争に計画を戻すのだが、そちらも興味が湧きません。


 パラリンピックの閉会式、美味しいところを次の開催地パリの現地中継が持っていくのは毎回のことなんだが・・・。それにしてもサーカス団との紹介の義足の方、跳躍力といいウルトラC技が凄かったなぁ。そんなどっちが金とかの競技に興味示さず、日々のパフォーマンス芸術にて自身の障害の限界に挑戦している方々なんか世界中に沢山いるということの確認でもあった。ということでシルク・ド・ソレイユ出身のレジー、この男もオリンピックに出たら凄いことになるのかも。でも、あっちは巨大なアマの祭典ですから。
 ということで、今回は公園ロケではなくリング上で、職人・戸澤陽が受けます。五輪レスリング金メダルのガブレダン・スティーブソンのWWE契約発表あったけど、レジーの存在自体がWWEのオリンピックに対するアンチテーゼなんであって・・・。あ、ベルト持って逃走するレジーに、花道に現れたのはドレイク・マベリックでした。へぇ~。続く。


 ここで「タッグチーム・ターモイル」に戻って、仕切り直しのニューデイvs.アリ&マンスールから再開。ここでもゼイビア・ウッズが目立つのです。アリにダイビングエルボー見舞ってこれで5連勝なのだ。但し、次がAJスタイルズ&オモスである。そんなのあとから出てきたチームが超有利じゃないかと思うのだが、固いことは言わなくていいの(笑)。
 そこからどうなるかは毎週マメに見ている方はわかったかと。まぁ、ひとつの企画で統一感を持たせたのだから、今回のRAWは誉めないといけないのだ。

■ WWE RAW
日時:9月6日(現地時間)
会場:米フロリダ州マイアミ FTX・アリーナ

◆PPV「エクストリーム・ルールズ」は“女王”シャーロットと“小悪魔”アレクサのRAW女子王座戦に計画戻す

 “女王”こと王者シャーロット・フレアーがRAW女子王座戦で対戦した“大女”ナイア・ジャックス(withシェイナ・ベイズラー)をナチュラルセレクションで沈めて王座防衛に成功するも、突如現れた“小悪魔”アレクサ・ブリスがベルトを指さして2人の王座戦がPPV「エクストリーム・ルールズ」で決定した。前週のノンタイトル戦因縁からシャーロットとナイアがRAW女子王座戦で対戦すると、序盤からセコンドのシェイナが「ナイアが連勝できるとは思わない」と言い出して不仲を露呈。さらに終盤にはナイアとシェイナが口論に発展すると、その隙にシャーロットがコーナートップからナチュラルセレクションをナイアに叩き込んで王座防衛に成功した。

 試合後にシャーロットがベルトを掲げて勝利をアピールしているとアレクサ(with リリー)がビジョンに登場して「試合が終わったんだから楽しいことしようよ。私たちのプレイグラウンドに招待するわ」と声を掛けたが、シャーロットは「心理戦に興味ないから行かないわ」と返答。するとアレクサは「来ないなら私から行くわ」と暗闇から突如リングに瞬間移動で現れて、トラスポーテーションのイリュージョン劇場なのか。ベルトを指差すとシャーロットは「王座戦が狙いなの? いいわ。でもここはあなたのではなく私のプレイグラウンドよ」と承諾して2人の王座戦がPPV「エクストリーム・ルールズ」で決定した。シャーロット vs. アレクサのRAW女子王座戦が行われるPPV「エクストリーム・ルールズ」は日本時間9月27日にWWEネットワークで配信される。

◆“忍者”戸澤陽が24/7王座戦に挑むもレジーに一撃も当てられず完敗

 “忍者”戸澤陽が王者レジーと24/7王座戦で激突するもレジーに攻撃を当てられずに完敗した。これまで配達員やゴミ箱、子犬などに変身してきた“忍者”戸澤が、今回は会場のリング上で王者レジーとの24/7王座戦に挑むと、クローズラインやスピンキックを繰り出して果敢に攻め込んだが、レジーはこの攻撃を華麗にかわしてドロップキックを放った。さらに攻撃を狙う戸澤だったが、レジーにソバットやフライングヒールキックを決められると最後は前転セントーンで3カウントを奪われて完敗。試合後にはレジーが王座を狙うRトゥルースやセドリック・アレキサンダーを蹴散らして、最後にいつもの追い駆け軍(+ジェフ・ハーディ)にスカイツイスターを見舞って逃走した。きりもみ式で飛ぶって、どんだけ凄いことか。プロレスファンは、五輪体操競技級のことを毎週見られるのです。

◆ラシュリーとオートンの遺恨激化!次週RAWタッグ王座戦、PPVではWWE王座戦が決定

 WWE王者ボビー・ラシュリーと“毒蛇”ことRAWタッグ王者ランディ・オートンの遺恨が激化して次週、タッグ王座戦、PPV「エクストリーム・ルールズ」ではWWE王座戦が決定した。オープニングにRK-Broが登場するとオートンは「先週、WWE王者ラシュリー&MVPはこのタイトルを奪いに来たが惨めに失敗した。奴は欲張り野郎だ」と2冠に失敗した王者ラッシュリーを侮辱すると「今日は7チームの誰が挑戦者になるのか見てみよう」と次の挑戦者を決めるタッグチーム・ターモイル戦に言及した。するとそこへラシュリー&MVPが現れるとラシュリーが「俺と男らしく1対1で対戦しろ。臆病者のオートンにはハートロックを食らわせてやる」と挑発したが、オートンがWWE王座戦を要求して睨み合いに発展するとラシュリーに耳打ちしたMVPは、「エクストリーム・ルールズで1対1のWWE王座戦だ」とオートンの要求を受諾してタッグチーム・ターモイル戦参戦も示唆した。

 その後、WWEオフィシャルのアダム・ピアース&ソーニャ・デビルがラシュリー&MVPのタッグチーム・ターモイル戦参戦を伝えるとタッグ王者オートン&リドルが見守る中、勝ち残ったAJスタイルズ&オモスと最後に登場したラシュリー&MVPがメイン戦で激突。場外戦では因縁のラシュリーとオートンが睨み合いに発展するとAJがクロスボディで2人を蹴散らしたが、最後はラシュリーがスピアーでAJを沈めてタッグチーム・ターモイル戦を制した。

 試合後にはオモスが背後からラシュリーをチョークスラムで襲撃すれば、オートンもRKOを2週連続でラシュリーに叩き込むと次週のRAWで王者オートン&リドルと挑戦権を奪取したラシュリー&MVPがタッグ王座戦で対戦することが発表された。ラシュリー vs. オートンのWWE王座戦が行われるPPV「エクストリーム・ルールズ」は日本時間9月27日にWWEネットワークで配信される。


※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
▼金網ルチャ兄弟Yバックス突出-CジェリコCMパンクKオメガPPV全容

[ファイトクラブ]金網ルチャ兄弟Yバックス突出-CジェリコCMパンクKオメガPPV全容

※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’21年09月16日号AEW爆発AllOut スターダム 西武ドーム新日 虎女王新木場 猪木ドリー