NXT星条祭MSK防衛-Zスターク紫雷イオ戴冠-AコールKオライリー2

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 故ダスティ・ローズ(旧表記ローデス)の声から始まり、なんと今回の特番にはBud Light Seltzerが付いたのだから凄いことである。そして期待大のMSK(ウェス・リー&ナッシュ・カーター)に、ティモシー・サッチャー&トマソ・チャンパというNXTユニバース待望のタッグ王座戦から。実況はお客の気配を感じ取って、最初からMSKがアンダードック、つまり下馬評では若手組がベテラン勢にやられる観測を強調する作戦に出た。そうきたか。

 これが2021年の新しいタッグ戦である。いかにも強豪の怪物組が若き王者組を痛ぶるも、目を見張る新たなコンビネーションを駆使したテクニックでやられるのを防ぎ、最後は丸め込みながら勝利を拾う。

 久しく国内のプロレスで面白いと思えるタッグ戦にお目にかかれないでいる。このカードの組み立て方を教材にすべきだろう。タッグ戦はどんどん進化している。そして新鋭をoverさせるべきなのだ。これが未来を見据えたNXTの回答である。特番回、最高のオープニングであった。


 かといってバランスは必要である。サモア・ジョーの存在感が増している。次週がキャリオン・クロスの王座にジョニー・ガルガノが挑戦だ。そしてエンフォーサー、ジョーがレフェリーである。うまく回してくれたんだが、ギーク役のガルガノもヒール、昇格が予定されるクロスもヒール王者なので、お客にしたらイマイチ盛り上がってはいない。


 ミリオンダラー・ベルトも王座戦になるのか?という突っ込みは置いておいて、LAナイトとキャメロン・グライムスだからこれも純プロレスが堪能できた。リング下でやったナイトのDDTはレフェリーには見えないという設定で、なんとかカウント9でリングに生還したグライムスだが、BMTにやられてしまう。これでグライムスは、ナイトのバトラー(使用人)に転落だって。スキットが面白いから続けて下さい。


 今年のブレイクアウト・トーナメントの全選手紹介セグメントに。もっともこの企画、過去の優勝者は問題あったり逃げられたりと、色々あったのだが、今年はイケメン二郎がいるから面白くなるかも。期待しております。


 さて、日本の視聴者にはお待ちかね。紫雷イオ&ゾーイ・スタークと、THE WAYのキャンディス・レラエ&インディ・ハートウェルの女子タッグ王座戦である。期待のイオとキャンディスの絡みはちょこっとで、尺は貰えなかったのだがミスはなく試合は悪くはない。ケツはわかりきっていたことだが、紫雷イオはSmackDown-RAWには行かないということの確認ではある。まして前日RAW、女子8人タッグの余りにも酷い出来を嘆いたあとだと、一般向きにはあんな雑なので満足なのか?との愚痴は出てこよう。本隊の女子革命は後退しているじゃないかという・・・本誌は活字に残します。あと、数字は嘘つかないというか、そのRAWの平均視聴者数は前週比6.2%減の平均視聴者数147.2万人と、記録更新の最低数値に落ちたことに驚きは皆無なのだ。

 ここ数週間、ザブリミナル・メッセージというか、バッテリーが段々とチャージされていくのが挿入されていて、誰のことなのか記者も知らなかったのだが・・・充電が99%になり、ついに100%で完了。パソコン一般普及の象徴なのかも。
 あ、ティーガン・ノックス(ニクソン・ニューウェル)だ。もっとも、試合の途中で会場が暗転しての登場であり、試合がこれで中断になるのは本来なら怒るところなんだが、ティーガンちゃんの復帰なら許すしかない(苦笑)。その介入も絡む試合レイアウトだから、女子のタッグ王座戦は記憶の残らないものに。

 ただまぁ、さらに隠し味エンディングは用意されていて、ゾーイのK360に沈んだインディを、かの無表情デクスター・ルミスがお姫様抱っこして連れて帰るという・・・。これはお客さんをニヤりとさせて満足なのでは? メデタシ、メデタシ(としておこう)。


 アイゼア”SWERVE”スコットがNXT北米王座を戴冠したので、HIT ROW軍がラップを唄うというセグメントも。紅一点のB-FAB、足長いし肢体はそそります。ラップを歌唱というのかどうかはともかく、歌ってました。試合しているところは見たことないけど。曲の全長?やってたから、ちょっとセグメント長過ぎには思えた。


 トリは「アダム・コールvs.カイル・オライリー2」である。『テイクオーバー:スタンド&デリバー Day2』は40分の大激闘で、代償も大きかったのであるが、こちらも尺はたっぷり貰ってレスリングの質で勝負する特番『グレイト・アメリカン・バッシュ』となった。

 以前、キックの試合もやっていたことのあるオライリーが蹴ると、コールの肉体がへこんでいるのが写真でも確認できるようにハードヒットなストロング・スタイルの攻防が繰り広げられていく。例によって、なかなか決まらない2.9キックアウトの消耗戦へ。

 最後は再度のパナマサンライズ⇒ラストショットでのクリーンなピンフォール。LIVE中継ギリギリまでやっていたが、やはりアダム・コールがNXTの顔役なんだと印象付けている。それにしても自由の女神像を花道に設置していたんだが、なんかオリジナルの映画『猿の惑星』のエンディングだったのだろうか。やはり、ここは地球だったのだ。

■ WWE NXT Bud Light Seltzer提供 Great American Bash
日時:7月6日(現地時間、WWEネットワーク日本時間木曜以降)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center

◆イケメン二郎がブレイクアウト・トーナメントに参戦決定!「優勝してチャンスを掴む」

 “ジャパニーズ・ハンサム・スタイル”イケメン二郎がブレイクアウト・トーナメント参戦と次週のNXTでトーナメント開幕戦としてデューク・ハドソンと対戦することが決定した。二郎は熱望していたトーナメント出場者として「NXT ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」に登場すると「キター!」と叫んで参戦をアピール。一方、二郎の1回戦の対戦相手となったハドソンはガムを噛みながら余裕の表情を見せた。さらに二郎は自身のツイッターで「とても興奮している!NXT、ビックチャンスをくれてありがとう! 俺はトーナメントで優勝してチャンスを掴む」と参戦の意気込みを英語で投稿した。

◆紫雷イオ&ゾーイ・スタークNXT女子タッグ王座初戴冠「NXTを盛り上げるぞ!」

 紫雷イオ&ゾーイ・スタークがティーガン・ノックスのサプライズ登場で動揺したザ・ウェイ(キャンディス・レラエ&インディ・ハートウェル)を撃破してNXT女子タッグ王座を初戴冠した。イオ&ゾーイは「NXT ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」で王者ザ・ウェイとNXT女子タッグ王座戦で対戦するとイオは序盤からキャンディスにオーバーヘッドキック、インディにミサイルキックを放って攻め込んだ。

 さらにイオはゾーイとのダブル・スープレックスをインディに決めてチームワークを見せると、ライバルのキャンディスにはショルダータックル2発からフラップジャックやミサイルキックでダメージを与えた。終盤にはイオが決定打のムーンサルトを狙ったが、逆にキャディスがガルガノ・エスケイプでイオを捕まえてピンチとなると突如会場が暗転して欠場していたティーガン・ノックスがサプライズ登場。その隙にイオが動揺したキャンディスをドロップキックで場外に吹き飛ばすと最後はゾーイがK360をインディに叩き込んで3カウント。イオ&ゾーイがザ・ウェイを撃破してNXT女子タッグ王座を初戴冠した。

 試合後、イオはインタビューで「ついにまたこのイオシライ様のもとにタイトルが戻ってきたぞ! ゾーイとイオシライがNXT女子タッグ王座を手に入れたぞ! イェーイ! イオシライ様がチャンピオンとしてNXTを盛り上げるぞ!」とコメントしてタッグ王座戴冠の喜びを爆発させた。

◆王者KUSHIDAが鈴木秀樹らダイヤモンド・マインに宣戦布告「いつでもやってやるよ!」

 NXTクルーザー級王者KUSHIDAが襲撃を受けた鈴木秀樹らダイヤモンド・マインに「いつでもやってやるよ!」と宣戦布告した。「NXT ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」に映像で登場したKUSHIDAは「カイル・オライリー戦は俺たちにとって特別な試合だった。しかし、その余韻をぶっ壊したダイヤモンド・マイン。いつでもやってやるよ!」と宣戦布告すると続けて「俺はNXTクルーザー級王者であることに誇りを持っている。このベルトをKUSHIDAが持っているってことはその輝きはダイヤモンド以上だ。ダイヤモンド・マインが始動するなら俺も準備万端だ」と王者としての誇りと自信を示した。
 さらにKUSHIDAは自身のツイッターで「ダイヤモンド・マインって何だ? 誰か答えてくれ。俺はこの王座をダイヤモンドより輝く価値のあるものにすることができる」と英語で投稿してダイヤモンド・マインを挑発した。


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