A・シュレメンコ豪快KO勝利!2・13『Bellator 133』+同時刻TNA『Impact Wrestling』Kアングル、Bラシュリー空中分解?+『Legacy FC 38』+CMLL金曜定期戦

(C)Bellator

 2015年2月13日にカリフォルニア州フレズノで『Bellator 133』が開催された。
 UFCに次ぐ全米第二のMMA団体として、スパイクTVで生放送、更に今年からは、スコット・コーカー体制となり、シーズン制、トーナメント制を廃止し、月に1度の大会開催及び、数カ月に1度のビッグマッチ開催という方針転換で更に人気を高めようという戦略だ。

 そして、今大会はメインに、前ミドル級王者であるアレキサンダー・シェレメンコと、かつて桜庭和志らをKOで沈めた剛腕ファイター、メルヴィン・マヌーフの一騎打ちというド派手な殴り合い必至のカードが組まれた。前日計量でも、シュレメンコは「とにかくノックアウトを狙う」と宣言し、マヌーフは「ベラトールでは王座を奪う」と揃って臨戦態勢。

 しかし、試合は、なんとシュレメンコがテイクダウン狙いのタックルを混ぜながら仕掛ける。マヌーフと真正面から打ち合うのは得策ではないという戦略の様で、マヌーフもタックルをきるが、殴り合いの展開にはもっていけない。2Rも同じくシュレメンコが組みつく戦法も見せつつ、打撃も織り交ぜる。マヌーフが両方を警戒せざる得なくなったところで、なんとシュレメンコが右のバックブロー。これがマヌーフを捕え、マヌーフは崩れ落ちるようにダウン。追撃のパウンドをレフェリーがストップし、シュレメンコが電光石火のKO勝利でマヌーフを沈めた。結果的には、豪快なKOで決着となり、会場も大歓声に包まれたのだった。

 セミファイナルには、前フェザー級王者であり、2010年にベラトールと契約してからベラトール一筋の生え抜きパット・カーランが再起戦に挑んだ。パトリシオ・ピットブルに敗れ王座を失ったが、ここで勝利して、王座を取り戻したい。相手はドイツ人ファイター、ダニエル・ヴェイケルとなった。格的に考えてもカーラン優勢の下馬評だったが、なんとカーランが大苦戦。前半こそ、なんとかポイントを奪うも、試合が進むにつれ、タックルは切られ、逆にヴェイケルにテイクダウンを許すカーラン。
 2Rには、カーランがヴェイケルの打撃で追い込まれた事もあり非常に接戦だったが、僅差のスプリットでヴェイケルが判定勝ち。試合内容から負けも仕方ないとしていたカーランは、判定が読みあげられると潔くヴェイケルに拍手。これで連敗となったカーランは再起出来るだろうか?

 なお、2月27日の大会からベラトールは “Bellator MMA Presented by Miller Lite”という冠大会表記となる。すでにビール大手ブランドとはスポンサー契約が実施されており、本大会でも目立っていたが、次回からはより顕著に画面にも登場することになる。
 昨年末に日本視察もしていたスコット・コーカー代表、スポンサー資金もあり、UFCを訴える=事実上の引退、映画俳優に専念と思われていたカン・リーにせよ、資金があるならベラトールに戻る可能性も出てきた。

■ Bellator 133
日時:2015年2月13日
場所:アメリカ・カリフォルニア州フレズノ

<メインイベント ミドル級>
○アレキサンダー・シェレメンコ
 2R 1分25秒 KO
●メルヴィン・マヌーフ

<フェザー級>
○ダニエル・ヴェイケル
 判定 2-1
●パット・カーラン

<女子フェザー級>
○ジュリア・バッド
 判定 3-0
●ガブリエル・ハロウェイ

<ウェルター級>
○クリス・ハニーカット
 3R 4分16秒 TKO
●クレイトン・マックファーレン

 2015年2月13日に放送された『Impact Wrestling』は、番組を取り仕切るディレクターでありながら、現役復帰も果たしたカート・アングルが、2015年2月6日に放送された「ロックダウン」でチーム・アングル勝利の立役者であり、善玉転向した現TNA世界ヘビー級王者ボビー・ラシュリーと改めて握手。完全に、ベビーフェイスとなったラシュリーを讃え、その上で、アングルも王座に挑戦する事をアピールした。勿論、ラシュリーも快諾しようとしたところ、現れたのが、超党派ヒールユニットBDCを率いるMVPだった。当然、MVPはアングルを罵倒し、メインで、アングル&ラシュリーとBDCととタック対決を決めてしまう。更に、BDCは、タッグ戦でアングル側の味方をしそうな、ベビーフェイス勢、ボビー・ルード、オースチン・エリーズを闇打ちする念の入れよう。そんな中、メインが開始された。

 試合は、ラシュリーが圧倒的パワーで攻めるも、BDCがインサイドワークでアングルとラシュリーの同士討ちさせ、隙をついてMVPがラシュリーを丸めこみフォール勝ち。同士討ちしてしまったアングルとラシュリーは試合後、口論となり、早くも空中分解になりそうな不穏な空気。MVPが悪の策略でしてやったりという感じだが、このままラシュリーは、アングルと組む事が出来るのだろうか?

 また、シングルマッチでボビー・ルードとオースチン・エリーズのベビーフェイス同士の一戦も実現。じっくりとレスリングの攻防の末、ルードが勝利し、「これがプロフェッショナルレスリングだ」とアピール。その上でラシュリーの持つ王座への挑戦を訴えたが、ここで後ろから襲ったのがエリック・ヤングだった。かつては、親友同士だった2人だが、ヤングはヒールターンしBDC入りし、ルードを襲い続けている。そして、今回もWWEでは禁止になっているパイルドライバーをルードに決め狂い咲き。ルードは入場ゲートでもパイルドライバーを食らい虫の息。ルードは王座戦より先に、ヤングとの抗争を終わらせなければならなそうだ。

■ Impact Wrestling 
日時:2015年2月13日(放送日)
場所:イギリス

<タッグマッチ>
○MVP、サモア・ジョー
 ピンフォール
●カート・アングル、ボビー・ラシュリー

<シングルマッチ>
○オーサム・コング
 ピンフォール
●マディソン・レイン

<ハンディキャップマッチ>
○イーサン・カーターⅢ、タイラス
 ピンフォール
●ロックスター・スパッド、マンドリュース、ジェレミー・ボラッシュ

<シングルマッチ>
○ブラム
 ピンフォール
●クレージー・スティーブ

<シングルマッチ>
○ボビー・ルード
 サブミッション
●オースチン・エリーズ

 2015年2月13日にテキサス州アレンで『Legacy FC 38: Njokuani vs. Burrow』が開催された。
 RFAと同じくAXSTVで全米生放送される北米中堅大会として注目される為、ここで実績をあげればUFCやベラトールというメジャー団体と契約の可能性が高まる為、若い選手達が参戦している。そして、そればかりではなく、UFCなどからリリースされた選手も再起を図る為に、参戦し実績を再び積んでUFCと再契約を狙う為に利用する選手も多い。今大会のメインに登場したアンソニー ンジョカーニがまさに、そのケースで、WEC、UFCと北米MMA保守本流のキャリアの持ち主だが、連敗して2014年にUFCをリリースされた。そこで、Legacy FCと契約し、今回がデビューとなる。対するは、ローカル大会で連勝を重ねてきたデウブ・ブロウ。どちらも負けられない一戦となった。

 試合は、荒れた展開となり、1Rにブロウがローブロー、サミングと反則が取られてしまう。それに怒ったのか2Rはンジョカーニが打撃で猛攻、勝負あったかに見えたのだが、今度は3R、なんとブロウがバックに飛び付きテイクダウンに成功。そしてそのまま腕十字。これが極まって見事に一本勝ち。ブロウが大逆転で元UFCファイターから金星を奪ったのだった。

■ Legacy FC 38: Njokuani vs. Burrow
日時:2015年2月13日
場所:アメリカ・テキサス州アレン

<ライト級>
○デイブ・ブロウ
 3R 1分28秒 腕十字
●アンソニー ンジョカーニ

<バンタム級>
○ジェイソン・シンプソン
 1R 1分36秒 TKO
●ジョセフ・サンドバル

<バンタム級>
○ステーブン・ピーターソン
 1R 3分55秒 ギロチンチョーク
●チャオ・マチャド

 2015年2月13日にメキシコ・アレナメヒコでCMLL金曜日定期戦が開催された。
 メインでは怪我で長期欠場から復帰したミスティコ(二代目)が、ボラドールJr.、バリエンテと組んで、CMLLトリオ王座に挑戦。この王座は元々、ミスティコが保持していたが、欠場で返上していたものだ。それを取り返した形になり、大団円となった。更に同じく怪我で欠場していたルーシュも復帰が決定。さっそく、今大会でも姿を現し、盟友のラ・マスカラに加勢し試合に介入した。

 また、2015年のレジェンドを讃える記念大会「オメナヘ・ア・ドス・レジェンダス」が3月20日に正式決定。2015年に表彰されるレジェンドは、CMLL創始者であるサルバドール・ルテロ・ゴンザレス氏(ルテロ氏は毎年、必ず表彰される)とエル・ファラオンに決定した。エル・ファラオンは来日した事がないので、日本のファンにはまったく知名度がないが、CMLL(EMLL)で長きに渡り活躍。1976年4月23日、アレナメヒコ20周年記念大会で、フィッシュマンとマスカラ戦(敗者、覆面剥ぎマッチ)で敗れ、素顔になる。その後もペロ・アグアヨら大物と抗争を繰り広げたレジェンドの一人である。

 そして「オメナヘ・ア・ドス・レジェンダス」のカードも、続々と発表され、ドラゴン・リーとカマイタチのマスカラ戦、ボラドールJr、マキシモ対テリブレ、レイ・ブカネロのカベジェラ戦(敗者、髪切りマッチ)など、凄いカードが揃った。

■ CMLL
日時:2015年2月13日
場所:メキシコ・アレナメヒコ

<CMLLトリオ王座タイトルマッチ>
○ミスティコ、ボラドールJr.、バリエンテ(挑戦者)
 2-1
●ウルティモ・ゲレーロ、エウフォリア、ニエブラ・ロハ(王者)

<6人タッグマッチ>
○レイ・ブカネロ、テリブレ、サンダー
 2-1
●アトランティス、コルレオーネ、マキシモ

<シングルマッチ>
○ラ・マスカラ
 2-1
●ネグロ・カサス

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