アスカ倒しリア・リプリー新王者！海賊題目WMローマン防衛boo結末

　レッスルマニア2日目、前日の予報では土曜よりも天候悪いとのことで客足は期待ほどでなかったからなのか、会場を広く見せるカメラ絵を使わずのまま。ただ、前日のような開始遅延はなかったものの、せっかくの久しぶりにお客を入れた大舞台なのに、ヒールのランディ・オートンがRKOで、お化けながら体裁はロンパールーム先生にしてベビーフェイスのフィーンドを沈める第1試合から、ヒールのローマン・レインズがユニバーサル王座防衛となる第7試合まで、Bad Endingにしたのは疑問だと活字に残す必要がある。余りに当たり過ぎて面白くないと言われてしまう本誌の場合、予想が外れたほうが「なんでや？」と大騒ぎできて記事がスラスラ膨らむ(笑)メリットがあるが、これらはたっぷりと全試合完全版、ファイトクラブ/電子書籍ジャーナル収録とさせていただく。
　近年の2日連続興行の場合のジンクスでもあるが、初日の方が良い出来で、2日目の方が質が落ちる傾向も指摘されよう。途中の企業スポンサーCMがかなりの数さかんに挿入されていたことからも、WWE的には現地日曜のが本戦の扱いだったのだが、主催者の思い通りにはいかないものだ。
　また選手にとっても、よくケガなどで暫く休んでいた者が復帰する場合、リング感が戻らずとかがあるが、お客さんの存在が最も重要なプロレスの場合、サンダードームの画面の前でやるのとはまた別世界になるのか、いつもよりややゆっくり目のスピードで闘うんだが、感覚に慣れてなくて戸惑っているような場面が二日間通して多々あったことも指摘する必要があろう。プロレス試合の良し悪しを決めるのはお客さんなのであった。

■　WWE レッスルマニア37 DAY2
日時：4月11日（現地時間）
会場：米フロリダ州タンパ　レイモンド･ジェームス･スタジアム

＜第6試合　RAW女子王座戦＞
[王者]●アスカ
　13分30秒　リップタイド
[挑戦者]○リア・リプリー

　自身がメタルヘッドのリア・リプリーは、アッシュ・コステロの生演奏で♪This is my Brutality入場。アスカも大きな扱いしてもらっており目玉扱いだ。本誌、電子書籍ジャーナル拡大版購読者ならケツは示唆してきた通りで、ベルトを渡す際にアスカはお別れのキスをする。嗚呼！
　しかし、これまた本誌指摘通り、問われたのは中身であり、ガチンコ勝負なのはベストマッチ賞を取ることだ。そしてそれはデリバーされていく。アスカの切り替えしのサブミッションが冴えわたり、スムーズな展開に大人のファンはニンマリだったことだろう。

　序盤、アスカは「やってみろ！コラ」と挑発しながらドロップキック２発で攻め込むと、リアも「チャンピオンだろ！オラ」と言いながら馬乗りになってアスカを殴りつけてヒートアップ。さらにアスカがピンポイントに正確無比で鮮やかなミサイルキックからスピンキック、ヒップアタックと連続攻撃をヒットさせて、女帝の称号とはなんであるかが、一年に一度だけプロレスを見るというような末端層にも印象が刻まれていく。見たか、これが世界のトップなのだ。

　リアもドロックキックでコーナートップにいたアスカを場外に吹き飛ばしたが、負けられないアスカはエプロンでリアを捕まえるとDDTを場外に放って激しい攻防を展開。

　終盤にはリアがストンプ連打からプリズムトラップ、アスカもアーム・バーからアスカロックを狙ったが、最後はアスカがリアのリップタイドを食らって３カウント。アスカの王座陥落となり、リアが新RAW女子王者となった。

　2015年8月22日に開催された『NXTテイクオーバー:ブルックリン』はベイリーvs.サーシャ・バンクスの女子カードが男子のトリ試合を食ってしまい、女子革命の最初の記念日とされている。また、この日に、当時の名前KanaとしてアスカがWWEの会場に現れた。Joshi Puroresuの母屋が米国に移った合図でもあったのだ。あれから6年、すでに女子だけのPPV大会『Evolution』の開催、あるいは『レッスルマニア 35』のメイン女子抜擢で既に革命は成就されたとされるが、本日もまたその6年前にはデミ・ベネットとして日本で試合をしていたリア・リプリーという新世代が天下を取ったことで、ひとつのクライマックスを迎えたことになる。
　WWEの殿堂選考は恣意的で権威のかけらもないが、本誌・鷹の爪大賞はアスカを殿堂入りに認定する。女子プロレスの本場はもはや米国に移ったのだ。