ファン総反対の中で「IWGP世界ヘビー級」制定 内藤破り飯伏が2冠統一 新日本

 1日、新日本プロレスが記者会見を開き、IWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座の統一、ならびにIWGP世界ヘビー級王座の制定を発表した。

菅林直樹会長
「二冠王者の飯伏幸太選手よりかねてより要望がございました二冠統一に関してですが、昨日(2・28大阪城ホール大会)の結果も踏まえ、当社で協議した結果、現王者の意向も尊重し、IWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座を統一し、両王座の歴史を継承したIWGP世界ヘビー級王座を新たに制定することになりました。また、ベルトも新調いたします。これにより、初代王者は飯伏幸太選手に認定(この点については、会見後半の飯伏発言により3・4日本武道館大会でのエル・デスペラード戦が初代王者決定戦となることに会見後変更)し、初防衛戦は4月4日両国国技館大会にて『NEW JAPAN CUP 2021』の優勝者とおこなうことといたします」

 IWGPヘビーには34年、ICには10年の歴史がある。この2本を「同時に巻きたい」という内藤哲也の野望に端を発して、ファンは2020年1月5日の2冠王座戦実施に投票結果をもってGOを出した。権威落ちと見なされる“片方王座戦”は事実上の封印となって1年経過。2021年1月5日、2年連続G1制覇の実績を背景に年始ダブルドーム2冠初戴冠&初防衛を果たした飯伏が「(2本のベルトを)一つに統一したい」と発言する。2冠統一は既定路線となっていた。「いつかIWGP戦線復帰」を目論む棚橋弘至がNEVER戦線に加わって同ベルト底上げを加速させたことも、この流れに沿うものだ。

 内藤には「いつか別々に防衛戦」をインタビュー等でチラつかせる一面もあり、2冠解体の担い手として期待を込めたファンもいたようだ。その内藤も、2020年秋のG1覇者への贈呈がドーム2冠挑戦権利証となった際には「今のような『なんとなく2本で一つ』みたいな姿は俺の望んだものではなかった。これが続くようなら、いっそ統一したほうがまし」と腰砕け。内藤による最後の悪あがきアングルで実現した「例外としての2・28大阪城IC王座戦」が、皮肉なことにファイナルアンサーとなる。一夜明け早朝、菅林直樹会長の「勝者・飯伏の要望を踏まえた2冠統一、IWGP世界ヘビー級王座の制定」コメントを東スポがネットニュースで伝えた。

 同日午後の新日本による会見を待つことなく、ツイッターでは「IWGP世界ヘビー級王座」がトレンド入り。ニュースコメント欄含めてファンは「歴史あるIWGPヘビー級をなくすな」と総反対するも、決着の場がリング上であるプロレス界においては空転するばかりとなった。歴史で団体が潤うのなら新日本はもっとビッグビジネスになっているはずであり、反対理由そのものも「IWGPの志とは『統一』である」「遡れば遡るほど限られたベルトで雌雄を決してきた」との過去から逸脱をみせた。もっとも、ベルト化される前のリーグ戦である第1回IWGP(1983年、猪木失神敗退)・第2回IWGP(1984年、長州乱入で暴動発生)からすると、『呪われたIWGP』は健在なのかもしれない。

 
【主な他選手の発信】

エル・デスペラード「新しい時代が始まる時周りはゴタゴタ言うもんだ 
伝統は大切なもんだが『新しく始める事』も同じくらい大事なはず」(ツイッター)

棚橋弘至「闘いが先か?ベルトが先か?と、考えると 闘いがあってこそのベルト と、自分を納得させました
(中略)
結局、肯定派か否定派か、どっちかって? そんなのチャンピオンしか言う権利ねーよ!」(ブログ)

グレート-O-カーン「余よりも支配者らしいのはムカつく…
だが、チャンピオンってのはこうでなければならん
チャンピオンの言うことが全て
IWGPの歴史? ICの歴史?
【強い者】を分かりやすく示すアクセサリーごときに訳がわからん
勝者が歴史を作るんだ
余がIWGP世界ヘビーを持った暁には………」(ツイッター)

【対戦カード発表】

■ 新日本プロレス 旗揚げ記念日
日時:3月4日(木)17:00
会場:東京・日本武道館

<第1試合>
DOUKI
ザック・セイバーJr.
鈴木みのる
タイチ
(1/20)
マスター・ワト
ゲイブリエル・キッド
本間朋晃
後藤洋央紀

<第2試合>
石森太二
ジェイ・ホワイト
チェーズ・オーエンズ
KENTA
EVIL
(1/30)
田口隆祐
トーア・ヘナーレ
デビッド・フィンレー
ジュース・ロビンソン
棚橋弘至

<第3試合>
BUSHI
SANADA
鷹木信悟
(1/30)
SHO
石井智宏
オカダ・カズチカ

<第4試合/「NEW JAPAN CUP 2021」1回戦>
ジェフ・コブ
(1/無)
小島聡

<第5試合/「NEW JAPAN CUP 2021」1回戦>
グレート-O-カーン
(1/無)
内藤哲也

<第6試合/IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合>
[挑戦者]
エル・デスペラード
(1/60)
飯伏幸太
[第73代IWGPヘビー級&第27代IWGPインターコンチネンタル王者]
※飯伏がIWGPヘビー級王座3度目の防衛戦、IWGPインターコンチネンタル王座4度目の防衛戦。勝者を初代IWGP世界ヘビー級王座に認定する


☆もっとプロレス&格闘技を楽しむ!!
新日本プロレスを独自目線で追い続けるのは「タブロイド」時代からの伝統!! 「WEBで見る本」としての週刊ファイトに引き継がれています。

[ファイトクラブ]迷走脱出か? 呪われたIWGPか? 50周年に向けて野球場5月2大会発表

[ファイトクラブ]上谷沙弥Phoenix Rising~新日大阪城2日間計5164人~ミャンマー

☆レポート総ざらいの電子書籍版は毎週金曜発売!!
プロレス&格闘技の最新情報&見解を1冊に凝縮しています。

’21年03月11日号新日大阪城-大田区 スターダム武道館 SEAd SSプロレス Rebels Rise