[週刊ファイト3月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼プロレス目線で観ると3倍楽しめる映画3本
by 猫山文楽拳
・映画もプロレスも極上のイリュージョンエンターテイメント
・デスマッチの美学満載 サスペリア
・ヒール 遺恨 抗争 プロレスの旨味がギュッと詰まったダークナイト
・ジョーカーにあのレスラーも影響を受けている?
・壮大なるイカサマ感にプロレスシンパシー テネット
・キャット激似のWWEディーバ
卵が先か鶏が先かの如く、記者は幼少期両親から映画とプロレスを交互に見せられ育てられた。どちらを先に見に連れて行ってもらったか覚えていない位小さい頃から、映画館と、プロレス会場に連れて行ってもらった記憶がある。
母の見解はこうだった「砂が水を吸い込むようになんでも吸収できる子どものうちに、いろんなものを体験させたほうが柔軟な大人になれる」
柔軟かどうかはわからないが確かにこだわりなくなんでも取り合えずいったんは興味を持ってみていっちょかみしてみる節操のない大人には成長出来たと思う。
とは言え「鬼滅の刃」は2021年3月現在まだ見ていない。
記者は映画もプロレスも分けて考えていない。
どちらも等しくエンターテイメントであり銀幕のスターもリング上のプロレスラーも、特別な人以外、スターへの階段を昇っていけない。
ちなみに・・・映画好きはプロレスファンが結構いらっしゃるのだが、プロレスファンは案外プロレス以外のことについて食いつきが良いとは言えない傾向があるようだ。
ミュージシャン兼業レスラーの方曰く「プロレスには来てくれるんですが、ライブやるって言っても見に来てくれないんですよね」。
なぜだろう。
というわけで、今回「プロレス目線で観ると3倍面白くなる映画3本」を紹介するので、プロレスファンのみなさん、この機会に、プロレス観戦気分で映画も見ていただきたく。
映画、プロレス、両方にまたがって造詣を深めるとどちらも相乗効果で興奮度倍増しすること請け負います。
デスマッチの美学満載 サスペリア
まずはこちらをご覧あれ。
昭和の映画ファンには超絶おなじみ淀川長治先生セレクションからダリオ・アルジェント監督作品「サスペリア」。
怖いですね、恐ろしいですね、淀川節が聞こえてくるようだ。
ちなみにこのVHSビデオは記者の私物だがテープが伸びてしまって再生不可能なのだが、捨てずに保存してあったのはパッケージに書かれた淀川先生の解説にある。
メインイベント29分闘ってズタボロなって王座を死守したチャンプが対戦相手の健闘を讃えるマイクパフォーマンスばりの名文がつづられているのだ。まるで褒め殺しみたいに。
この映画、昨年惜しまれつつ閉館した大阪の映画館「布施ラインシネマ」の、クロージング上映作品だった。
なにゆえ本作品をクロージング上映作品として選んだのだろう。支配人に聞いておけば良かった。
この映画を形成するものと言ったら、ガラス、ワイヤー、刃物、惨劇 雄たけび・・・
デスマッチですね。