[週刊ファイト3月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼迷走地図を描き始めたか新日本
・集客に暗雲の新日本飛ぶ鳥を落とす勢いに陰り
・いまプロレスがじわじわ来ている岡山でもチケット売れ行き奮わず
・プレイバック暗黒期
・不毛のドタバタ噛み合わなさアルティメットロワイヤル再び?
・3・9晴れの国で暗雲払拭おいでんせえ岡山
記者は昨年末関西から岡山県に移住、一昨年頃から関西と岡山県、九州地方のプロレスを渡り歩いて観てきたなかで感じた率直な感想として、集客、観戦マナー、盛り上がり、この3つを比較しても岡山県民のレベルはトップクラスで、ファンの定着率と安定した集客を見てもわかるが、岡山県民のプロレスに対する好感度は、高め傾向と推定される。
(2020年10月3日JR岡山駅東口で開催された鳥取だらずプロレス大会)
そもそも、近年大阪はプロレスに限らず、映画も演劇も、興行がふるわないというのを、各関係者筋からしばしば伺ってきた。
大阪人の芸術鑑賞、芝居観賞ばなれは、かつて芝居小屋が軒を連ねた道頓堀の劇場いまや松竹座のみ最後の砦ということからも明らか。そこにコロナが拍車を掛けた。
岐阜県にあるスポーツバーに常設リングを備えたイベントスペースも大阪には作れないと、とあるプロレス団体の関係者から聞いたことがある。そのときおっしゃっていた理由「スポンサーがついてくれない。大阪人の特色として新しいものには飛びつくが飽きっぽく定着しないというのもあるかもしれません」
大阪のエンターテイメント事業の低迷、不景気はコロナに始まった話ではない。
岡山県民は、プロレスエンターテイメントに対してフレンドリーで、昨年末記者が移住した岡山県の限界集落の人々もプロレスを取材している人が村人にやってきたことをいぶかしく思う人はいない。むしろ好意的に受け入れてくださっている。
地元の学校の先生や社会人が集まった社会人プロレス団体OPGも(俺たちプロレス軍団)も地元のプロレスファンから熱狂的な支持を得ている。
(2019年11月10日俺たちプロレス軍団 せんい児島瀬戸大橋まつり・児島デニムのメーカーや農業漁業団体が一堂に集まって開催される大規模イベント。がむしゃらプロレス(九州)丹の国プロレス(京都)といった県外の社会人団体からも選手が参加した。2020年はイベントがオンライン開催となりプロレスは中止。)
地場産業によって自立出来ている県はそこに根をおろして住んでいる人びとの底力も強いと感じている。関東や関西より遥かに前向きなビジョンが、支えるプロモーターやお客さんたちのなかに確かに育まれおり、記者は鬱屈としたコロナ不景気を打破する鍵を握るのは地方のプロモーターや郷土を愛する地元の人々ではないのかと希望的観測で思う。
今年に入って、新日本の集客に翳りが見受けられるなか後楽園ホール大会の不入りが深刻化、ついに北側に幕が掛けられたとの報を右の耳から聞きながら3月9日開催の岡山大会のチケットの売れ行きをリサーチしてみた。
ファンクラブ先行発売はとっくに終わり、現在はローソンチケット、チケットぴあ及びe-プラスで一般発売中なのだが・・・
2021年2月26日現在、いまだすべてのプレイガイドで席種が余っているという異例の状況。
3月9日が平日の火曜日ということもあるのかもしれないが、それにしてもチケットの売れ行きに明らかな低迷が見受けられる。
岡山の新日本プロレスファンのひとりにその理由を伺ってみたところ
「昨年の10月大会は空席が目立っていましたが、コロナの影響が大きいと思います。ヘビー級のリーグ戦だとジュニアの選手は来ませんし」
果たしてそれだけだろうか。