［週刊ファイト3月11日号］収録 ［ファイトクラブ］公開中
▼日本人-70kg最強を証明した海人！目指すはペトロシアンが待つONEか？
日菜太は引退を示唆：山口氏「彼とは色々と揉めたりもしたが・・・」
photo & text by 神宮寺しし丸
・事実上の-70kg日本最強決定戦
・海人、日本最強を証明し「世界」へ
・日菜太は引退を示唆
・山口氏「彼とは色々と揉めたりもしたが・・・」
・白幡裕星リベンジ＆王座戴冠！良太郎vs.橋本は大激闘に
・”エキシが似合う男”皇治が最終興行に華を添える
■ 『REBELS ～The FINAL～』
日時：2021年2月28日(日)17:30～
会場：東京・後楽園ホール
2月28日（日）東京・後楽園ホールにて「REBELS ～The FINAL～」が開催された。山口元気氏によって立ち上げられたREBELS。ヒジ無しキックボクシング全盛の当時に、”ヒジあり首相撲ありの純キックボクシングを見せる”というコンセプトで旗揚げ。10年の歴史の間にヒジ無しルールも取り入れ二つのルールで王座を設けたりと試行錯誤して来た。そんなREBELSの最終興行。今後は、REBELSと同じ組織が運営するもう一つのブランド「KNOCK OUT」に統合される。
事実上の-70kg日本最強決定戦
＜【無法島presents】ダブルメインイベント第2試合（第7試合）REBELS-BLACKスーパーウェルター級タイトルマッチ 3分3R延長1R＞
●日菜太（クロスポイント吉祥寺/王者）
判定0-2 ※28-30, 29-29, 28-29
○海人（TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者/挑戦者）
元々65kg級で戦っていた海人。並ぶと日菜太より一回り小さい。しかし、1ラウンドからプレッシャーを掛けていったのは海人。強烈な右ミドルに会場がどよめく。カーフ気味のローキックを中心に日菜太を攻める。日菜太は左ミドルを軸にワンツーと返す。そのミドルをキャッチし転ばす海人。やや海人が優勢な展開で1ラウンド終了。
2ラウンド、海人は引き続きカーフ＆ローを当てる。日菜太がミドル、ハイで反撃に出ると距離を詰めてパンチで応戦。日菜太の左ミドルを掴み、軸足を払ってこかす場面も。前蹴りも決める海人。日菜太はやや海人のスピードに付いていけていない。
3ラウンド、判定では分が悪いと見たか、開始直後から積極的に前に出る日菜太。ワンツー、左ミドルと当てていく。スタミナ切れか何らかのダメージか、この試合初めて下がる海人。クリンチで凌ぐ場面も。しかし、膝を効果的に当て、日菜太に決定的な場合を作らせないまま試合終了。海人2-0の判定勝ちで下馬評通り日本人70g最強を証明してみせた。
海人、70㎏日本最強を証明し「世界」へ！日菜太は引退か・・・
試合後のマイクで「日菜太選手からバトンを渡されたので、これからは僕が世界に行って、テッペンに立ちます」と宣言した海人。もはや日本に敵はいない。名言こそしなかったものの海人の言う「世界」とはONE Championshipであろう。現在ジョルジオ・ペトロシアン、マラット・グレゴリアン、スーパーボン、シッティチャイ・シッソンピンノーン、チンギス・アラゾフ等、70kg級トップ選手のほどんどが集結しているONE Championship。そこで戦う海人の姿は誰しもが観たいところだ。問題はフィジカルか。今日の試合で3ラウンドに押し込まれたのがフィジカル差からのスタミナ切れであったのなら、日菜太以上のフィジカルを誇る外国人相手に不安が残る。それでも！と思わせてくれる魅力が今の海人にはある。あとは、シーザー会長の英断を待つばかり。
一方、敗れた日菜太が自身のSNSで引退を示唆したことについて山口元気氏は大会翌日の一夜明け会見で思いを語った。
「日菜太が試合後、わざわざ僕のところへ戻って来て『会長、僕、もう潮時です。それだけ伝えに来ました』と。僕もラウンドの途中、もうスピードが落ちているし、もう無理だなぁと感じたんで。もう十分に頑張ったと思うんで。彼がジム（クロスポイント）に移籍してから10年。本当に引っ張っていてくれてたので。彼とは色々ね、揉めたりもありましたけど・・・。彼は以前から言っていましたが、これからトップを獲る若い選手と最後に必ずやると。自分も先輩を喰ってのし上がって名前を売って来たので、自分も次の世代に繋げて辞めると。本当にそうだったなと。彼らしい、最後の試合だったなぁと。まだ（引退するのか）分からないですけど。最後は感慨深かったですね」