(C)新日本プロレス
2011年から、毎年開催されているルチャの祭典「CMLL FANTASTICA MANIA」。2015年度も大成功に終わったようだ。新日本プロレスとCMLL合同興行となっているが、通常の新日本プロレスではなく、本場のルチャリブレをそのまま日本で行なうという事で非常に意義のあるシリーズとなっている。この時ばかりは、棚橋弘至も、中邑真輔、オカダ・カズチカも脇役に回り、そのままアレナメヒコで行なわれているカードが並んでいる。こうしたやり方により、普段、新日本プロレスなど見ないがルチャだから見ようというファンも集まって、東京3連戦、大阪、京都、香川でも満員という結果だ。日本に馴染みのない外人ばかりが並んでいて興行的にどうかという声もある様だが、逆に、新日のおまけでルチャが出るなら見る気はないが、こういうのなら見たいというファンも一定数は存在する。2014年にW-1の協力で全米第二のメジャー団体TNAが後楽園ホールで「バウンド・フォー・グローリー」という現地でPPV放送する大会を行なった所、日本で知名度がほとんどない外人選手ばかりなのが、逆に本場そのままのを見れると超満員になった事も記憶に新しい。
マット界舞台裏10月23日号新日両国1.4考TNA後楽園深淵K-1タイ発覚GFC稲垣收サムイYokkao
▼10・12TNA BOUND FOR GLORY from Tokyo, Japan
Photo & Text by斉藤雅治Fb.ワールド・レスリング・アライアンス
さて、2015年の「CMLL FANTASTICA MANIA」は、過去最高となる17人のルチャドールが集結。目玉は、「CMLL FANTASTICA MANIA」常連ではあるが、2014年CMLL年間最大大会アニベルサリオのメインで、マスカラ戦(敗者、覆面剥ぎマッチ)を行なった“レジェンド”アトランティスとウルティモ・ゲレーロだろう。実質、シリーズのクライマックスだった2015年1月18日大会のメインでは、この2人のシングルマッチ(マノ・ア・マノ)再戦が組まれた。もっとも、結果は、開幕戦の大阪大会でも、2015年1月17日新木場大会タッグトーナメントでも、アトランティスが、必殺のアトランティーダでウルティモ・ゲレーロを仕留めた事から、星を返すという事でゲレーロがゲレーロ・スペシャルで勝利するのは、誰もが分かっていただろう。アニベルサリオでは、ウルティモ・ゲレーロがトリオ王座を奪い、カンペオン・ウニベルサル優勝、直前の対決でアトランティスを倒した事から、逆にアトランティスが勝利する事が読めたのと逆パターンだ。しかし、結果が分かっていてもレジェンド2人による伝統芸が見事というしかないし、日本ではウルティモ・ゲレーロの方が馴染みが深く、観客を乗せる技術に長けている事から、満点の試合であった。
この試合だけではなく、シリーズを通して、試合結果に波乱はなく、予定調和の勝敗となったが、現存する最古のプロレス団体であるCMLLにしても、猪木時代とは違う現在の新日本プロレスにしても共に勝敗は、予定調和でいく団体であるので、非常にかみ合っている。また、近年は組体操プロレスと称される新日本プロレスだけに、ルチャとの相性も非常に良い感じだ。ともあれ猪木時代は白星配給係になっていたメキシカンが、こうして評価されるのは嬉しい事だ。
また、今回は売り出し中の原始人バルバロ・カベルナリオや、新日本プロレスとメキシコマットのかけ橋となり、今シリーズでもメモリアルが組まれたブラック・キャットの甥であるスティグマら初来日勢も多く、盛り上がった。二代目ミスティコもこのシリーズで長期の怪我から復帰。もっとも、これは長期欠場していた選手が、復帰後すぐに、目の肥えたアレナメヒコの観客の前でぶっつけ本番で試合する前に調整させたいという配慮もあるだろう。とにかく、初代ミスティコ(現ミステシス)と比べ辛口の批評をされる事の多い二代目ミスティコだけに、このシリーズにラ・ミスティカを連発して感を取り戻していた。
2015年1月18日のアトランティス対ウルティモ・ゲレーロが本場直輸入のクライマックスとしたら、2015年1月19日のメインは中邑からIWGPインターコンチネンタル王座を奪った実績があるラ・ソンブラと、試合前に1年間新日本プロレス所属となる事が発表されたマスカラ・ドラダという、同じルチャでも新日本プロレスのストーリーに絡む2人による対決で、そのまま通常の新日本プロレスにつなげる一戦となっていた。これも当然、ドラダが肉薄するもラ・ソンブラが勝利するという結果に波乱はなかったものの、若き次のエース候補対決で未来に繋ぐと計算されたマッチメークだったと思われる。
マット界舞台裏’13年05月30日号全日不穏IGF失速椿志保fivePan新日本K
ムンド・デ・ルチャリブレ! ・CMLL遠征中の中邑真輔がソンブラに敗れる!
来年以降も、またルチャリブレの魅力を広めて欲しいものだ。
■ NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2015
日時:2015年01月13日 (火)
会場:大阪・大阪府立体育会館・第2競技場(BODY MAKER コロシアム)
<6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○アトランティス、ボラドール・ジュニア、棚橋弘至
17分31秒 ラ・アトランティーダ
●ウルティモ・ゲレーロ、グラン・ゲレーロ、オカダ・カズチカ
<6人タッグマッチ 30分1本勝負>
ラ・ソンブラ、○内藤哲也、田口隆祐
10分16秒 プルマブランカ
マスカラ・ドラダ、●キャプテン・ニュージャパン、KUSHIDA
■ NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2015
日時:2015年01月14日 (水)
会場:香川・高松市総合体育館 (第2競技場)
<6人タッグマッチ 30分1本勝負>
ラ・ソンブラ、○内藤哲也、田口隆祐
13分49秒 スターダストプレス→片エビ固め
マスカラ・ドラダ、、棚橋弘至、タイガーマスク
■ NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2015
日時:2015年01月15日 (木)
会場:京都・KBSホール
<6人タッグマッチ 30分1本勝負>
ウルティモ・ゲレーロ、○グラン・ゲレーロ、中邑真輔
11分46秒 ゲレーロスペシャル→片エビ固め
アトランティス、●ボラドール・ジュニア、棚橋弘至
■ NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2015
日時:2015年01月17日 (土)
会場:東京・新木場1st RING
<「ファンタスティカマニア2015タッグトーナメント」決勝戦 無制限1本勝負>
○アトランティス、マスカラ・ドラダ
16分54秒 ラ・アトランティーダ
●ウルティモ・ゲレーロ、グラン・ゲレーロ
<CMLL世界ライトヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
○アンヘル・デ・オロ(王者)
12分13秒 変形羽折り固め
●OKUMURA(挑戦者)
■ NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2015
日時:2015年01月18日 (日)
会場:東京・後楽園ホール
<スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負>
○ウルティモ・ゲレーロ
18分05秒 ゲレーロ・スペシャル→片エビ固め
●アトランティス
<ブラック・キャット メモリアルマッチ 30分1本勝負>
○ミスティコ、スティグマ、棚橋弘至
11分56秒 ラ・ミスティカ
●ポルボラ、中邑真輔、オカダ・カズチカ
■ NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2015
日時:2015年01月19日 (月)
会場:東京・後楽園ホール
<スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負>
○ラ・ソンブラ
18分23秒 シャドードライバー→片エビ固め
●マスカラ・ドラダ
<スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負>
○アトランティス、ボラドール・ジュニア、棚橋弘至、飯伏幸太
12分54秒 ラ・アトランティーダ
ウルティモ・ゲレーロ、●グラン・ゲレーロ、中邑真輔、オカダ・カズチカ
【ルチャリブレ資料満載】
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