[ファイトクラブ]記者座談会:あのマスクマンは全日プロにとって救世主?それとも厄病神?

[週刊ファイト1月28日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼記者座談会
 あのマスクマンは全日プロにとって救世主?それとも厄病神?
・エース諏訪魔の奮闘、急激な若手の成長でメジャー復帰への手応えは十分
・去年は相当こたえて台所事情はひっ迫していたと思います
・全日プロは青柳、芦野ら若手が急成長して戦力が充実してきた
・団体として最大の課題は、やはり体力を付けること


 70~90年代の全日プロと比較した場合、現在の同団体は見る影もない。それはかつて全日ファンが熱狂した『世界最強タッグ』の参加メンバーや3冠ヘビー級戦のカードにも現れている。ただ、エース諏訪魔の奮闘、急激な若手の成長でメジャー復帰への手応えは十分。そんな状況下で昨年12月に新設の6人タッグ王座に就いたのがカーベル伊藤である。果たして全日プロに必要な選手なのか?

(*編注 A=『マット界舞台裏』特約記者、B=スポーツ紙記者 C=フリーのべテラン記者)

A 全日プロの1・24後楽園で3冠ヘビー級戦(王者・諏訪魔VS挑戦者・芦野)など3大タイトルマッチが組まれたでしょ? 別に珍しくはないけれど、この1・24のラインナップからコロナ禍で全日プロも必死なんだなァという印象を受けます。

B 本当は3冠戦だけは安売りしてほしくないが、特に全日プロの場合、後楽園大会の興行収入が経営の基盤になっているので(3冠戦を)組まざる得ないというか・・・。でも、1・3の諏訪魔VS青柳はタイトルマッチにふさわしい内容でした。

C コロナ以前、全日プロの後楽園大会は大盛況で完全にドル箱になっていたじゃないですか。だから、去年は相当こたえて台所事情はひっ迫していたと思います。

A コロナ禍では目いっぱい客を入れても800人程度ですからね。『㈱カーベル』とのスポンサー契約がなかったら全日プロはヤバかったかも?

B 助かったのは間違いないにしても、みんなが思っているほどスポンサー料は出ていないのでは? 年間3000万はいかないと見ています。

C 年商75億円の優良企業と言っても『㈱カーベル』は全日プロの親会社じゃないので、そこは新日プロやスターダム、ノアとは違いますよ。早い話、コロナ感染が広がりかけた頃、全日プロの興行が中止になって、チケット購入済みの大勢のファンに返金しなければならなくなった。福田社長がこのピンチをどうしのいだかと言うと、幸運にも投資した映画が大ヒットを飛ばして、その配当金をチケット代返金に充てたんです。割と有名な話。

A ところで、『㈱カーベル』の伊藤一正社長は、カーベル伊藤のリングネームで全日マットに上がっていますが、一部のファンからは「あんなド素人を上げるべきではない」という厳しい声が上がっている。


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