往年の名王者がスクランブル参戦!4大王者集結!豪華絢爛1・17岡山ジム主催興行

 岡山ジム主催興行は、
「地方から東京に負けないチャンスを!」
 というキャッチコピーを掲げ2014年9月28日、キャパシティー1000人以上の倉敷山陽ハイツ体育館で旗揚げした。

 その後好評のうちに回を重ね、節目の五回目にはついに県内最大の岡山武道館に拠点を移し、トーナメント勝利者がKNOCK OUTプロデューサー小野寺力の推薦によってKNOCK OUT出場権を得るというサプライズ企画に加え、WPMF世界戦が3つとINNOVATIONタイトルマッチと併せて4つの王座戦を開催、飛躍の大会となった。
 
 1月17日コンベックス岡山・大展示場で開催される「JAPAN KICKBOXING INNOVATION 認定 第7回岡山ジム主催興行」2大タイトルマッチのひとつ、INNOVATIONスーパーウェルター級王座決定戦、吉田英司vs.高木覚清は、高木負傷欠場のため喜多村誠の緊急参戦が決定した。
 吉田が勝利した場合に限りINNOVATIOスーパーウエルター級王者に認定される特殊な試合となる。

◎吉田英司インタビュー

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

――今回、JAPAN KICKBOXING INNOVATION(以下略:INNOVATION)のオフィシャルでは初のインタビューになるので、まずはキックを始めたきっかけを教えて下さい。

元々、21か22歳の時に和術慧舟會HEARTで総合格闘技を2年間ぐらいやっていて今と比べても全然練習していなかったのですが、時間が経つうちに打撃だけの方が面白いなと。6年前に強い選手が集まっているのでクロスポイント吉祥寺に入会し、アマチュアでは10戦ぐらいやって1~2戦ぐらい負けました。

――プロでも10戦して1敗しかしていませんが、素質はあるなと感じたことはありますか?

アマチュアで勝って当たり前だと思っていたので全くそう考えたことはなく、山口(元気)代表からも褒められた記憶がありません。でも自分は身長188cm、リーチがあるので体格的には恵まれているのかなとは思います。ちなみにオヤジは176㎝と背が高い方なのでそういう家系なのかなと。

――プロ2戦目(2017年11月24日、瑞慶覧長風戦)で唯一の黒星がありますね。

調子は凄く良かったのですが、負けて何がダメだったのかを凄く反省しました。

――プロデビューして僅か10戦でタイトル(2019年10月6日、REBELS-REDスーパーウェルター級王座決定戦)に挑戦してチャンピオンになりましたが、それも当然の結果でした?

プロ7戦目でタイトルの懸かったリーグ戦のメンバーに選ばれたのですが、獲るのは当たり前だと思っていて、そこでポカしないでしっかり獲れたので良かったと思います。でもここからがスタートだと思います。

――今回、岡山での試合が決まりましたが、岡山に行ったことはありますか?

初めて行く場所なので楽しみですね。70kg級の選手で自分のような身長の選手はなかなかいないので、長身から出される打撃を楽しみにしてもらいたいです。

――2019年10月のタイトルマッチで津崎善郎選手に勝利して以降、約1年間、試合から遠ざかっています。昨年は試合をしていませんが、その理由を教えて下さい。

コロナの影響で何度か試合が流れたのもそうですけど、昨年7月に原因不明の膵炎(すいえん/※1)になってしまい10日間入院して、医者に言われて昨年12月になってやっと普通の食事に戻せるようになりました。

――ではその期間は全然練習できず?

そうですね。退院してからはランニングなどできることを少しずつやり始め、普通の練習は9月末ぐらいからようやくできるようになりました。

――もう本調子には戻っていますか?

体重も戻りましたし、じっかり練習はできていたので調子はいいですね。本当は12月に試合をやりたかったのですが、決まりませんでした。

――当初、対戦を予定していた高木覚清選手が昨年末の怪我で出場不能となったことで今回の試合自体も中止になった時はかなりのショックだったのでは?

欠場理由を聞いて仕方ないとは思ったのですが、ショックでしたね。

――さらに強敵の喜多村誠選手が相手になりました。喜多村選手の印象を教えて下さい。

ジムの先輩のT-98さんが喜多村選手と対戦(2018年10月21日)してヒジで斬られているのでヒジがうまい選手なのかなと。あと、自分が3度対戦している津崎選手とREBELSで対戦した試合(2020年2月29日、喜多村が延長判定勝ち)をちょうど会場で見ていて良い選手だなと思いましたが、スピードは全然自分の方がありますし、勝てるとは思いました。

――T-98選手が敗れていることで敵討ちを狙っていたり?

そうですね。いつか自分がやり返したいという想いがずっとありました。

――T-98選手から今回の試合に向けてアドバイスをもらっていますか?

T-98さんは聞けば何でも教えてくれますし、喜多村戦に向けて特別なものではなく全ての動きに関してアドバイスをいただいてます。

――どういう試合をしたいですか?

スカッと勝ちたいのですが、僕は距離感がうまくなって攻撃力、スピードが上がって強くなっている自信があるので前回のタイトルマッチのような凄く熱い試合をしたいですね。以前とは全然違う自分になっているので期待していて下さい。

――8勝のうち6KOとKO率が高いのは、毎回KOも狙っているんでしょうか。

行ける時に行ったらそういう結果になっています。70kg級の試合で倒せる試合というのは面白いと思うんですよ。攻撃力があって殴って蹴っての攻防はお客さんにとってはわかりやすいですし、面白いので倒せる試合というのは一番いいですよね。ちなみにパンチでのKOが一番多く、あとはヒジ、ローキックでのKOもありました。今回はタイミングによっては、喜多村選手はT-98さんをヒジで斬って倒しているので、僕もヒジで切って喜多村選手に斬って勝ちたいですね。

――主戦場としている『REBELS』『KNOCK OUT』ではヒジあり、ヒジなしの路線がありますが、ヒジありにこだわりはあります?

僕の場合、特にそのこだわりはないのでヒジなしの試合でもいいのですが、ヒジありの方が好きですね。

――今回、INNOVATIONスーパーウェルター級王座決定戦になりますが、T-98選手のように何本もベルトを獲りたいという欲はあります?

何本も獲りたいという欲は特にありません。70kg級戦線は選手層が厚いわけではなく、ちゃんと勝っていけばタイトルマッチのチャンスも増えていくと思っています。

――今年初戦をクリアーしてどういう1年にしたいですか?

REBELSチャンピオンになって全然試合ができていないので、とにかく今年はいっぱい試合をしたいですね。REBELS-REDスーパーウェルター級チャンピオンとして守りに入ってもしょうがないのでどんどん強い選手とやっていきたいです。クロスポイントにはT-98さんをはじめ日菜太さんと70kgでキャリアを残されている先輩方がいて、選手としてだけでなく人としても尊敬しているので、そういう先輩方のように自分の名前もどんどん売っていきたいです。

※1 膵炎 アルコールの多飲が原因で膵臓の機能が著しく低下する病気。吐き気や嘔吐、発熱などの症状がある。

吉田英司 プロフィール

リングネーム:吉田 英司
フリガナ:ヨシダ・エイジ
所属:クロスポイント吉祥寺/Japan Kickboxing Innovation
生年月日:1991年9月19日(29歳)
出身地;福島県東白川郡
身長:188cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2017年4月16日
戦績: 10戦8勝(6KO)1敗1分
ステータス:REBELS-REDスーパーウェルター級王者
Facebook:https://www.facebook.com/zttaakyjyk/
Twitter:https://twitter.com/akundayo35
Instagram:https://www.instagram.com/eiji_0919/
所属ジム公式サイト:https://www.shibukichi.com/

◎喜多村誠インタビュー

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

——元来、INNOVATIONスーパーウェルター級王座決定戦として行われる予定だった吉田英司×高木覚清が、昨年末、高木選手の負傷により消滅危機だったところ、試合3週間前を切った直前オファーでまさか喜多村誠選手ほど実績のある大物が代打参戦されるとは驚きました。

元旦のオファーでした(笑)。

——それを受けることのできる喜多村選手の胆力とコンディションに驚きます。

岡山ジム主催興行、毎年でっかい規模でやられていて凄いなって憧れがあったんです。T-98選手が世界戦(※1)されたりしていましたよね?

——喜多村選手は、2018年10月21日、新日本キックボクシング協会の後楽園ホール興行においてT-98選手を飛び肘下ろし打ちの大技で4ラウンドTKO勝利を収めています。

「自分に負けたすぐ後の試合で世界戦のチャンスがあるっていいなー」って羨ましく思っていただけに、その岡山ジム主催興行から声がかかった時は、とっても嬉しかったです。

——吉田×高木は、INNOVATION(JAPAN KICKBOXING INNOVATION)認定の王座決定戦だったので、(INNOVATION団体加盟ジムのみ対象のタイトル故)吉田選手が勝てば同王者となりますが、喜多村選手が勝利してもそうとはなりません。

それは当然心得ています。けど、うちのジム(ホライズン・キックボクシングジム)が、昨年、長年お世話になった新日本キックボクシング協会を脱退してフリーとなって、自由に試合ができるようになった今、REBELSチャンピオンの吉田選手と戦うことができるのは望むところなので、元旦だろうがなんだろうが喜んで受けさせていただきました。

——年末年始、緩みきって飲み食いだっていつも以上にされるのが普通でしょうに、このレベルの試合をすぐに受諾できる心身の在り方に驚きます。しかも喜多村選手は、新日本時代、ミドル級(72.57kg)王者だったわけで、今回はスーパーウェルター級(69.85kg)契約ですから。

毎日鍛錬は欠かしていませんからね。ウェルター級(66.68kg)に落とすのは時間もかかりますが、70kgくらいでしたら怪我でもない限り問題ありません。

——プロの凄みを感じます。昨夏までホライズン・キックボクシングジムは、新日本キックボクシング協会加盟ジムで伊原道場新潟支部だったとは聞き及んでおりますが、フリーとなって第一弾の試合が昨年11月28日、シュートボクシングの後楽園ホール興行で、70kgでは国内最強が確実視されているエースの海人選手と試合で、結果は3ラウンドKO負けと残念ながら、慣れないルール(投げやスタンディング状態での関節技や絞め技あり)に初挑戦で前方への投げを見せるなど善戦されたことにも驚きました。

自分でも「決まった!」と思ったんですが、三方向のジャッジが認めないとシュートポイント(SBルールの投げ技に与えられるアドバンテージ)はもらえないんですね。1名は支持してくれたから惜しかったです。

——柔道やレスリングをされていた?

いえ、自分は空手です。小学校ではソフトボール、中学は野球で格闘技を始めたのは高校の空手道部が最初でした。

——高校はどちらに?

九州産業高等学校です。その空手道部活動のおかげで九州産業大学に推薦入学されましたので、そのまま大学も空手道部です。年代はかなり離れていますが、同じ福岡出身の石井一成選手が大学の後輩に当たるらしいですね。

——九産大の空手道部は、国体競技の全日本空手道連盟で有名な名門校です。

全国大会は常連でナショナルチームメンバーもいますからね。

——喜多村選手もご活躍を?

自分は、高校から始めて個人でも団体戦でも県大会入賞はしましたけど、少年時からやられておられた先輩方ほどではないです。元々、格闘技を見るのが大好きで入った空手道部でしたが、試合は寸止めでしたし、K-1全盛期をテレビで見ながら「やりたいことと違う」とはずっと思っていました(笑)。

——それでキックボクシングに?

空手道部に夢中になりすぎては言い訳ですけど、それ以外、勉強などもせずに就活シーズンを逃してしまって、父親が警官だったからって警察官の採用試験を受けはしましたけど落ちちゃって、そこから自棄を起こしたわけではありませんが「なら、キックボクシングで身を立ててやろう!」って、地元のFKDファイティングスポーツジムに入会しました。

——キックに就職?

まぁ、それが甘い考えだってことは、その先、嫌と言うほど思い知らされるのですが、結果的に乙川敏彦会長という最高の恩人と出会い、元々は縁も所縁もなかった新潟でジムの代表と選手をさせていただいているのですから、それがキックに身を捧げたきっかけではありました(笑)。

——FKDジムというと九州在住で活動しWKBA日本スーパーフライ級王者など複数のベルトを巻く日畑達也選手が代表を務める?

現在は日畑君がやっていますが、自分が入門したのは創設された土谷亮会長がおられた頃です。

——土谷亮というと昭和のキックボクシング黄金期、“キックの神様”藤原敏男戦の名勝負が語り継がれる元全日本ライト級王者ですね。では、土谷会長がキックの最初の師匠ということに?

はい、基礎を教えていただいたのは土谷会長で、とても可愛がっていただきました。会長が長江国政館長(治政館館長で当時は新日本協会の役員)と親しかった関係から東京まで新日本の後楽園ホール興行を見に連れて行っていただいたのも1度ではありません。その影響もあって「東京で本格的にキックを極めたい」と代官山の伊原道場に入門しました。

——長江館長と関係がおありなら“超合筋”武田幸三が全盛期で所属していた治政館に行かれるのが普通の流れのような。

とても迷ったのですが、魔裟斗選手がいた伊原道場(※2)を選びました。

——伊原道場は、数多くの名王者を輩出している新日本キックボクシング協会の基幹ジムであり、伊原信一代表とセットで超硬派の厳しい指導が目立つ虎の穴と聞いております。

確かにそうかもしれませんけど、自分は大学空手部での経験が酷過ぎて、世間からすればとんでもなく厳しい生活に慣れていたので、正直、普通でした。

——それは、泰然自若の不動心を感じさせる喜多村選手の佇まいに大いに関連していそうです。

思い返せば、本当にお世話になったし、タイ人トレーナーも強い先輩方もおられて、素晴らしい練習環境でした。特に深津さん(元日本フライ&バンタム級王者、深津飛成)の試合前のピリピリ感は記憶に刷り込まれています。

——お話を聞けば聞くほど、これまでの超硬派道の詳細に関心しか湧きません。

まぁ色々ありましたが、大学一年生時代の過酷さに耐えられたから後は大丈夫だったのだと思います。

——それはどんな?

ちょっと言えないことばかりですが、常時の鉄拳制裁で口の中がいつも血鉄の味がしていました。試合じゃ寸止めなのに(笑)。

——そうやって培われた鉄の心あってこそ、レベルが高いことに定評がある新日本で王者になられたのだと察します。それにしてもプロ選手時代の苦節は相当もののでした。

同じ階級で後藤龍治先輩がチャンピオンでしたから、仕方なくランキング万年1位状態が長かったなどありました。それと「キックで身を立てる」と勇んで上京したのはいいのですが、日本ランカーになろうともチャンピオンになっても、到底それだけで食える状態じゃなくって、そのうち結婚して子供も産まれたので、生活の安定の為、正社員待遇の働き方が必要で、満足がいく練習ができなくなっていたジレンマが強かったですね。仕事が終わるのが遅くてどうしたってジムに入るのが21時過ぎだから、スパーリングなど対人練習ができないから、タイ人トレーナーのミット打ちだけで終わるみたいな。

——そんな中、日本ミドル級王者となったわけですね。

治政館の宮本武勇志(初期のリングネームは宮本武蔵/ミヤモトタケゾウ)選手と6度戦って、結果、自分の2勝3分1NCなんですが、2007年に連戦で2度やって両方判定ドローのところ、2009年に肘で斬ってTKO勝ちしまして、その丁度1年後、武田幸三選手の引退記念興行のメインで後藤さんを破ってチャンピオンになっていた宮本選手にタイトル初挑戦したのですが、これも判定ドローで王座は奪取できず、そのまた1年後、再挑戦で今度はバッティングのアクシデントとかでノーコンテストになってしまい同じくベルトは巻けず、その約半年後の再々挑戦、石井宏樹さんがラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者になった前の試合で、肘でTKO勝ちして悲願過ぎたベルトを巻くことができました。

——同じ相手と6度も戦い、最後に王座奪取とは苦節ドラマにも程があります。

宮本選手が生涯最大の好敵手扱いと見られがちですが、自分は一度も負けていないですからね(笑)。

——そして、勝利した技はいずれも肘打ちです。

元々は、K-1に憧れて入った業界ですけど、練習と試合を繰り返すうちに肘の魅力に憑りつかれまして(笑)。

——その魅力をお聞かせください。

本当の“強さ”を感じます。グローブで保護された拳よりも硬いのに剥き身で危険で痛くって(笑)。一発ですべてをひっくり返す怖さをリングで戦う両選手が持っている緊張感は、文字通り真剣勝負そのものです。当てる技術も必要なら、その為に踏み込む勇気も持ち合わせなくてはならない。そんなスリリングさこそが格闘技が麻薬とまで言われる理由だと自分は思います。

——そんな極限技にこだわる喜多村選手は、当然、次の吉田選手にもそれを狙う?

狙いますし、斬りますし、倒します。けど、それ以上に得意なのは蹴りですし、もっともっと自信がある最大の武器は“気持ち”です。

——これまでのお話を聞いても尋常じゃない精神的苦労をされてきた喜多村選手が口にされるブレイブハートは説得力が違います。普通なら同じ相手と6度試合のライバルストーリーなんて紡げるわけがありません。

どんなに劣勢でも絶対に勝負を諦めません。急な参戦で見知らぬ選手かもしれませんが、岡山の皆さんに自分の脚、肘、拳、そして、心からそれを感じていただければ嬉しいです。

——対戦相手の吉田選手への印象は?

試合のお話をいただいてすぐにVTRを見て、何度も繰り返してすでに「ここだな」って隙を見つけました。REBELSさんでチャンピオンになった若者ですから強いに決まっています。けど、勝つのは自分です。

——代打出場選手でここまで高いモチベーションを感じさせるファイターと初めて接しました。

昨年までは、大きな団体の傘の下にいさせていただいて護られた部分もあると思います。しかし、乙川会長からジムをお預かりしてフリーとなった今、自分が率先して後輩たちにも勝ち切る姿を見せなくては。自分が巻かせていただいた日本ミドル級王者のベルトは終生の誇りですけれど、40歳となったこれからでも、もう1本はベルトを増やしたいですから。今回の試合をそのきっかけにさせていただきます。

——T-98、ゲンナロン、喜入衆などの強豪王者たちに勝利し、海人、緑川創といった一流と拳を交え、ラジャダムナンスタジアム認定タイトルマッチまで経験してきた喜多村選手なら、無数のタイトルが混在するキック戦国時代の昨今、まだ何本でもベルトを増やすことは可能だと思われます。

いえ、そこにはこだわりがあります。海人選手や緑川選手のような本物から奪うタイトルこそが自分の巻くべきベルトです。それを実現させる為にもチャンピオンと肩書のついた選手との試合は大歓迎、強い奴とどこでだって何だって闘います!

——前回のショートボクシングルール初挑戦でその意気込みは理解できました。海人戦は、肘打ちありでしたが、K-1やRISEが大人気の中、肘打ちなしの試合はどんなものでしょう?

肘ありが嬉しいのは確かですが、RISEさんとか凄く興味があります。言ったじゃないですか。自分の最大の武器は“気持ち”だって。それがあればいつどこでどんなルールでも闘えるんです。

——地元興行のタイトルマッチが決まっていた高木選手の欠場は残念ですが、その代わり岡山ジム主催興行は、素晴らしいサムライを招き入れることとなった気がします。

まず必ず勝ちます。そこに自分の格闘技キャリア25年を込めた“気持ち”を乗せて。更に肘でも蹴りでも倒しにいきます。そんな想いを岡山のリングで燃やしますので、応援の程、よろしくお願いたします!

※1 T-98選手が世界戦 2018年12月16日、岡山武道館「第5回岡山ジム主催興行」にてWPMF世界スーパーウェルター級暫定王者決定戦でT-98×シンマニー・ゲーオサムリットが組まれ、T-98が判定0-3で敗れた。

※2 魔裟斗選手がいた伊原道場 魔裟斗はK-1世界王者になる以前、キックを始めた藤ジムを脱会して結成されたチーム「シルバーウルフ」がまだ自前のジムを持たなかった時期、伊原道場を練習拠点としていた。業界のボス的存在である伊原信一会長のジムでは、この他にもボブ・サップやルスラン・カラエフといった有名選手たちが練習をしていたものだった。その後、シルバーウルフは、渋谷区三軒茶屋の一等地に拠点を設け、現在は「K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ」に改名して運営されている。

喜多村誠 プロフィール

リングネーム:喜多村 誠
フリガナ:キタムラ・マコト
所属:ホライズン・キックボクシングジム
生年月日:1980年7月22日(40歳)
出身地;福岡県太宰府市
身長:176cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2005年7月17日
戦績:50戦33勝(17KO)9敗7分1NC
ステータス:元日本ミドル級王者(新日本キックボクシング協会認定)
Facebook:https://www.facebook.com/makoto.kitamura.980
Twitter:https://www.instagram.com/kitamura.makoto/
Instagram:https://www.instagram.com/yusei_kick/
所属ジム公式サイト:https://horizon-kickboxing-gym.com

■ 岡山ジム JAPAN KICKBOXING INNOVATION 認定 第7回岡山ジム主催興行
日時:2021年1月17日(日) 12:30開場 13:30開始予定
会場:コンベックス岡山・大展示場

<第10試合 セントラルグループ presents 岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント 決勝戦 3分3回戦(延長1R)>
トーナメントAブロック決勝戦進出選手
トーナメントBブロック決勝戦進出選手

岡山ZAIMAX MUAYTHAI 65kg賞金トーナメント出場メンバ—

岩浪 悠弥(イワナミ・ユウヤ/橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元INNOVATIONフライ級及びバンタム級王者、元WBCムエタイ日本フライ級王者、ルンピニースタジアムジャパン認定バンタム級王者、MuayThaiOpenバンタム級王者)

元山 祐希(モトヤマ・ユウキ/武勇会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/ICO認定インターコンチネンタルフェザー級王者、INNOVATIONスーパーバンタム級3位)

壱・センチャイジム(イッセイ・センチャイジム/センチャイムエタイジム/元ルンピニースタジアムジャパン認定バンタム級王者)

加藤 有吾 (カトウ・ユウゴ/RIKIX/WMC日本スーパーバンタム級王者)

※トーナメント準決勝戦の組合せは、前日計量終了後、出場者全員がカードを引き、1枚の当たりを引いた選手が対戦相手を指名する(4名トーナメントなので、それにより自動的に全試合決定)システムを採択。

◎二重丸の優勝候補、岩波悠弥インタビュー

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

——今回の「岡山ZAIMAX MUAYTHAI 65kg賞金トーナメント」、4名によるワンデイトーナメントは、チャンピオンクラスのトップファイターが見事に集結しましたが、圧倒的な実績からして岩浪選手が頭一つ以上抜けた優勝候補であることは異論なきところでしょう。

ありがとうございます。そういっていただけるのは嬉しいのですが目下連敗中で……。
——連敗? 昨年10月29日、NO KICK NO LIFE渋谷興行メイン、石井一成戦は、初回、岩浪選手が絶妙なインサイドワークを見せながら、第2ラウンド、石井選手が目を覚ましたかのような鮮やかな肘打ちで痛烈KO負けとなってしまいました。しかし、その前の試合、9月12日、NJKF後楽園ホール興行メイン、WBCムエタイ日本バンタム級王座決定戦は、NJKF王者の一航選手と一進一退のテクニカルな攻防の末、ドロー(チェアマンの支持で一航が新王者に認定)で、白星ではないものの実際連敗などしておりません。

一航戦、負けたとは自分でも思いませんが、はっきりと勝利を主張できるような見せ場が作れなかった反省も大きくて自分の中では黒星同然です。

——それよりも国内随一の高い防御力を誇る岩浪選手が石井戦で喫したKO負けが衝撃でした。

昔、タイ人に肘打ちでカットされてのTKO負けはありましたけれど、意識を飛ばされてのKO負けは初めてですし、だいたいあれが生まれて初めてのダウンでした。

——30戦のプロキャリアがありながら初ダウン?

はい。けど、今では前向きに捉えています。“殻(から)”を破ることができたなって。

——殻?

「生涯ダウンなし」とかアンタッチャブル的に倒されたことがないことを売りにしたいという欲がどこかにあって、無意識でもダウンしないような過剰防御をしていたかもしれないと自分で思っていたんです。もちろん、相手の攻撃を喰わないことは大切ですが、そこから即時攻撃に繋げるには、距離やタイミングなどギリギリに絞らなきゃならないところがあって、その微妙な選択で自分は安全策を取ってしまっていたんじゃないかなって。

——トップ選手だからこその微妙なミリの世界の話に聞こえます。

そのミリの違いが自分にとっては大きくて、そこを吹っ切れたことで今まで不十分だった大切な武器を手に入れることができた気がするんです。

——芸術家のこだわりのようでありながら、革命的な何かが起こる胎動も感じます。

だから、楽しみでならないんです。新しい自分をリングで爆発させる時が。

——『ドラゴンボール』で悟空がスーパーサイヤ人になるような変身が?

ワクワクします!

——そこは「オラ、わくわくするぞっ!(悟空のものまね)」では?

そ、その方向の殻はまだ破れません(笑)。

——すみません、調子に乗って失礼しました。正統派6冠王者の岩浪選手ですから、何の殻でも破ればいいというものではりありませんでした。閑話休題は終えて、そのワクワクは、今度のZAIMAXトーナメントに向けられるわけですね?

プロで30戦しながらワンデイトーナメントは初めてですが、毎回豪華で神興行連発の岡山で「あのトーナメントやばかったな!」って、こんなコロナで大変な最中、チケットを買って見に来てくれた方々に楽しんでいただけるものを魅せたいです。

——そんな意気込み高いところで、出場他3選手の寸評をいただきます。まず、同じINNOVATIONの雄、元山祐希選手。

圧倒的なフィジカルがありますよね。気持ちも強くて下がらずに前に出続けるイメージです。

——スーパーフェザー級(58.97kg)のINNOVATION王座争奪争いをしていた選手が55kgにまで落としてくるのですから相当な減量です。

それができる核心あっての参戦でしょうし、コンディショニングが上手くいけば、(バンタム級から55kgで戦ってきた)僕らの攻撃は“軽い”としか感じないかもしれません。そこに減量で損なわれないタフネスがあると想定するとやっかいです。

——今回の4名ではダークホース的存在の元山選手への警戒も怠らない?

一番無名と見られるということは「喰ってやろう」ってハングリーさが強くあると思うんです。元山選手には、ベテラン的な落ち着きも感じますが、その気持ちが空回りすることなく噛み合うのでは? なんとなく内に秘めた強さも伝わってきます。

——昨年2019年12月1日、ムエタイオープン新宿FACE興行でルンピニージャパンとMuayThaiOpenのバンタム級王座統一戦として行われた大一番、岩浪選手が1ラウンドKO勝ちで14連勝中の猛進撃を粉砕した壱(イッセイ)・センチャイジム選手は?

本当に強い選手だと思います。自分とやった約1年前は、14連勝で調子に乗った隙を突いたところもあると思っているので、舐めることはできません。昨年の壱選手は、小笠原瑛作選手にKOで敗れ(2020年9月13日、KNOCK OUT、後楽園ホール、1ラウンドKO負け)、コロナで試合もあまりできなかったので良い年ではなかったかもしれません。けど、自分と瑛作選手に倒されたことで、これまで無謀なまでにイケイケだった部分が修正されて手堅く勝つ部分を身に着けていると見ています。その分、僕が撃ち抜いた右ストレート(※1)のような不意な一発はもらいにくくなっているでしょう。それだけに次やる時は、まったく別人と戦うつもりでいます。

——最後に現在7連勝と勢いに乗っている加藤有吾選手です。

一番警戒しています。見るからに危険な一発を持っていますが、僕が怖いのは、そこに自信を乗せているであろう点です。恐れ知らずに踏み込んでくるパンチは、プラスアルファでスピードも重さも増すものです。

——14連勝中だった壱戦では、その隙を突いたのでは?

そこは紙一重で、一歩間違えば自分が沈みます。この前、石井選手にやられて、記憶もなくなっていますが、パンチアイ(※2)じゃないかなって思う症状があって。

——それは深刻な。ここで告白してよろしいのでしょうか?

悟さん(橋本道場の同門、橋本悟)に指摘されて、自分でもそうだなって感じるところもあって、そのリハビリに頑張って、今はすっかり大丈夫です。けど、加藤選手の強打は、そのパンチアイをまた呼び起こすような威力があるかもしれません。

——こうして対戦相手候補分析をお聞きするだに、岩浪選手の真摯な慎重さにこそ強さの秘密があるような気がします。

研究して相手の悪いところもインプットしますけれど、自分はそれより最強の状態を想定します。それは怖い作業でもありながら楽しい部分も確かにあるんです。

——そればかりはトップファイターにしか味わえない特権的なマインドゲームでしょう。それとトーナメントの組合せが、前日計量終了後、出場者全員がカードを引き、1枚の当たりを引いた選手が対戦相手を指名する(4名トーナメントなので、それにより自動的に全試合決定)システムを採択しています。岩浪選手が指名権を得たら、誰と初戦を戦いますか?

あえて希望を作らないようにしています。ただ、個人的な興味で壱×加藤を見たいなとは思います。

——元山選手狙いではなく?

はい、ハズレを引いて当然。誰に指名されようとされまいと全員と戦う準備をしていますので。

——初体験のワンデイトーナメントながら初戦から肘打ちが解禁される(※3)過酷な企画です。

1日2試合することに関するスタミナの不安はまったくありません。完全決着の必要からマスト判定の延長ラウンドがひとつあるので、優勝まで2試合フルであれば4回戦が2回の8ラウンドやるわけですが、師範(橋本敏彦会長)の追い込みで、その程度なら試合が終わってもピンピンしていられる鍛え方をしていただいています。その自信があるから初めてだからの不安はないです。

——今回の試合、どこに注目してほしいですか?

全体的なスペックを上げていますが、スピード、中でも爆発的な瞬発力を集中して師範にご指導いただいています。

——数年前の岩浪選手は「負けないけれども倒せない」という強くとももどかしいところがおありでしたが、2017年8月19日、INNOVATIONバンタム級王座決定戦の若月勇磨でライフルのような一撃で103秒失神KO勝ち以来、開眼したかのような殺気を纏うようになり、壱戦でのKO劇の最中には右直打で倒して膝蹴りの追撃をしてしまい反則減点を課せられる荒々しさも見せました。次々と進化していく岩浪選手が前試合で初ダウンからのKO負けという試練を受け、そこから更なるエボリューションを予告しているわけで、その実際が放たれるZAIMAXトーナメントが楽しみでなりません。ここで完全優勝したとなれば、その先には何が見えるのでしょう?

倒されながらも最高のリングと感じたNO KICK NO LIFEには、また呼んでいただき、そこから石井戦のリマッチまで辿り着くのが理想です。それとホームであるINNOVATIONは、是非とも自分の力で盛り上げたいなと。

——キャリアのほとんどで肘打ちありの純キックボクシングを戦われてきた岩浪選手ですが、53kgトーナメント開催が噂され、55kgには那須川天心を擁するRISEは?

バンタム級(53.52kg)が苦しくなっているのでRISEさんの53kgトーナメントは意識したことはありませんが「肘なしでも岩浪悠弥が見たい」と言われるような活躍をして声をかけていただければ挑戦したい気持ちは十分にあります。石井選手がそういう域にいますよね?

——少年時代のアマから実績を重ね、まだ23歳でこの落ち着き。それでいながらまだ成長中と言われるのですから、これからが楽しみです。

はい! けど、中学卒業からすぐプロデビューでもう7年目ですし、あと10年するものではないと心得ています。だからこそ、今は生活のほとんどを格闘技に集中させて自分の可能性を見極めます。そうやって培った“気持ち”が他とは段違いだということを試合で見せつけますので、よろしくお願いいたします!

※1 撃ち抜いた右ストレート 岩浪×壱は、1ラウンド、スリーノックダウンによるKOで岩浪勝利となったが、ファーストダウンの右ストレートでほぼすべてが決したような一発だった。この試合は格闘技情報サイトの有料会員になることで動画(https://efight.jp/ringsidemovie-20191202_376764)が確認できる。

※2 パンチアイ 強烈なパンチによるノックダウンの後遺症で、自分に迫りくるパンチを見るだけで身体が硬直し、無意識に目を背けてしまうなど過剰な反応をしてしまうことがある。ボクシング漫画『はじめの一歩』で取り上げられ有名になった。

※3 初戦から肘打ちが解禁される 肘打ちや首相撲無制限が通常のムエタイまたは純キックボクシングルールにおいてワンデイトーナメント企画が行われる場合、序盤で裂傷を負うことを避ける必要性から、肘打ちありは決勝戦のみとする場合が多い。

岩波悠弥 プロフィール

リングネーム:岩浪 悠弥
フリガナ:イワナミ・ユウヤ
所属:橋本道場/Japan Kickboxing Innovation
生年月日:1998年1月6日(23歳)
出身地;東京都青梅市
身長:170cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2013年10月14日
戦績:30戦19勝(3KO)9敗2分
ステータス:INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元INNOVATIONフライ級及びバンタム級王者、元WBCムエタイ日本フライ級王者、ルンピニースタジアムジャパン認定バンタム級王者、MuayThaiOpenバンタム級王者
Facebook:https://www.facebook.com/yuya.iwanami.3
Twitter:https://twitter.com/yuya_iwanami
Instagram:https://www.instagram.com/yuya_iwanami/
所属ジム公式サイト:https://www.hashimoto-dojo.com/

◎加藤有吾 インタビュー

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

——昨年10月29日、NO KICK NO LIFE、岡山ジム名うてのハードヒッター、MASAKINGを左フック一撃で昏倒させた1ラウンド88秒のKO勝利、見事という他ありませんでした。

あ、はい、ありがとうございます。

——あれだけの鮮やかなKOと朴訥とした現在の落ち着きのギャップが激しいです。

え、あ、緊張しているので……(汗)。

——あのリング上では、派手なKOに負けず劣らずピースサインに刈り込んだ後頭部が目立ちました。あれは勝利のVサイン?

あれはですね、自分、ファッションが好きなんですけど、友達が「paynestar(ペインスター/https://paynestar.com)ってブランドを教えてくれて、そこで去年発表されたベストのデザインがカッコ良くって入れてみました。

——そのベストを愛用されている?

それが販売されていなくって、あの髪型で目立てばなんか繋がらないかなーって下心もありました(照笑)。

——なんとも可愛い下心です。

それがインスタで髪型をアップしたら、ブランドオフィシャルから「いいね!」と「So fine」ってコメントをいただきまして、すっごい嬉しくて。

——今時のお洒落好きでありながらピュアな加藤選手のキャラクターが伺えます。ラジャダムナンスタジアム王者となった伝説のキックボクサー、石井宏樹の愛弟子で、NO KICK NO LIFEのプロモーターでもあるRIKIXの小野寺力会長が伝承する目黒スタイル(※1)を受け継ぐ孫世代の加藤選手。現在、7連勝中と絶好調ですが、ここまでに至る来歴をお聞かせください。

兄弟三人で自分は真ん中です。小学生時代は1年生から6年生まで野球をやっていました。割と活発な方だったと思います。

——とても誠実な受け答えのご印象からすると真面目な学生時代?

小学生まではヤンチャだったかもしれません。その後も真面目ではなかったかも。授業は全然聞いていないし、あの頃は皆がそんなでしたから学級崩壊している感じでした。

——そんな中、加藤少年が関心を持たれていたのは?

プロレスです。

——現在、21歳の加藤選手の年代からするとオカダ・カズチカなどが華やかな新日本プロレスとか?

いえ、三沢光晴とか昔のです。

——年代がまったく違うのでは?

YouTubeでずっと見まくっていました。BEST OF THE SUPER Jr(90年代に盛り上がった新日本プロレスのトーナメント企画)が特に好きで。

——当時はK-1なども盛り上がっていたのでは?

あ、はい、魔裟斗選手やPRIDEとかも見ていました。けど、なりたかったのはプロレスラーで。

——その為に何か活動を?

アマレス部が学校になかったし、まわりにその環境もなかったので、うちの近くにあった大岡山のRIKIXに中2の2月、入門しました。

——プロレスラーの第一歩としてまずはキックボクシングを?

単なる憧れだったとは思いますが、最初、ジムの階段を下る(言中のジムは地下一階)のが恐ろしくて緊張して。

——目黒ジムの伝統を引き継ぎながらも爽やかなフィットネスも盛んで瀟洒なイメージのRIKIXですがそれでも?

近所の緑道をよく先輩方が「NO KICK NO LIFE」ってプリントされたTシャツを着て走っていて凄い威圧感だったんです。

——RIKIXの選手は、とても爽やかな方が多い気がしますが?

今思えば、田中秀弥さんや前田将貴さんで、後にとても可愛がっていただいたんですけど、当時は恐かったです。

——そんなおっかなびっくりのキックボクシングキャリアのスタートですが練習は?

最初から楽しくてしょうがなかったです。自分が入った時、石井さんがゲーオ選手と試合をする(2014年2月11日/2ラウンドKOでゲーオ勝利)1ヵ月前で、その試合が初の生観戦でしたし、その凄さにやられてキックの虜になりました。

——ということはプロ志望に?

はい、ハッキリと会長に伝えました。

——そんな加藤選手のアマ初試合は?

高1の4月だったか5月だったか、鴇さん(目黒ジムOB、鴇稔之Kick Box会長)が主催された大会で、デカくてゴツい相手でビビってしまって……。

——結果は?

ハイキックが決まって倒せたんです。嬉しかったですけど、とにかく緊張したことが記憶に残っています。

——口調から察するに今も緊張されている感がありますし、相当ナーバスなタイプ?

これでもかなりましになりました。昔は終始カチッコチで。最近、その緊張を良い方向に流せるようになって、試合では冷静さと必要な緊張を共存させることができている気がします。

——そこからプロデビュー戦は?

2016年9月25日のディファ有明、M-1です(MASA BRAVERY戦/判定勝ち)。

——M-1(※2)ということは、デビュー戦から肘打ちあり、首相撲無制限?

はい、一度だけRISEルールだったことはありますが、基本的にそれ以外のルールをやったことがありません。

——それは、小野寺会長の育成方針というかポリシーに思えます。現在、肘打ちなし、首相撲禁止または制限ありのK-1ルール系の打撃格闘技が台頭していますが、RISEなどに興味は?

とっても活気があって魅力的ですが、自分が出るかというとウーンです。

——それは肘ありへのこだわり?

それがなければ自分的にキックボクシングではないと思っています。だから、自分が活躍することでそれをメジャーに引っ張れれば。

——緊張と恐怖の感想が多い中、突然の大風呂敷に驚きました。

会長についていけば必ずできると信じています。

——話は戻って、これまでに印象的な試合は?

MAIKI FLYSKY GYM選手に挑戦したタイトルマッチ(WMC日本スーパーバンタム級タイトルマッチ、2019年12月8日、判定勝ち)です。

——やはりチャンピオンベルトの獲得はキーポイントとなりますか?

それ以上にMAIKI選手は、アマ時代に自分よりも遥か上のレベルにいた選手で、まったく敵わなかったのがプロで2戦2勝できたことは成長を実感できて嬉しかったです。

——そうやって着々と積み上げた17戦、現在7連勝、そして、ZAIMAXトーナメントという大チャンスです。

岩浪選手みたいな強い選手が参戦して、本当に大きなチャンス。それを前から「肘ありの豪華なイベントだな」って憧れていた岡山興行でいただけて感謝しています。自分はダークホースだとは思いますが、必ず優勝してみせます。

——ご自身を大穴扱いされておられますが、興行パンフレットに掲載される優勝レース予想では、岩浪選手に続いて2番人気です。

凄い強い3選手なのでとてもそんな気になれません。

——その3名の寸評をお願いします。

岩浪選手は、テクニックが巧くてやりづらそう。元山選手は、VTRで見る分には噛み合いそうな気がします。ガッツがあって気持ちが強そう。壱(イッセイ)選手は、サウスポーのムエタイスタイルだけどボクシングもできますよね。とにかく、皆、強いです。

——そして、トーナメントの組合せが、前日計量終了後、出場者全員がカードを引き、1枚の当たりを引いた選手が対戦相手を指名する(4名トーナメントなので、それにより自動的に全試合決定)システムを採択しています。加藤選手が指名権を得たら、誰と初戦を戦いますか?

選択権いりません。

——優勝する為の戦略としては重要な一手だと思いますが。

そこは会長にお任せします。全員の研究をしていますから、誰に当たろうとも勝つだけです。

——閑話休題ですが、アパレル好きで今風の若者的な感じもしながら、発言やキックに対する姿勢に失礼ながら古風というか昭和を感じます。

自分、昔のキックボクシングやムエタイが好きなんです。那須川天心選手とか速くて巧くて強いことは間違いありませんが、熱いのは会長や新妻さんたちの試合の方が上だと思います。

——目黒ジムの伝説的なファイター、新妻聡(※3)ですか?

はい、うちのジムにも教えに来てくれていています。新妻さんのハンマー松井戦が最高の試合だなって。

——インタビューをさせていただいている当方が直撃世代なので、こちらも嬉しくなってしまうセレクトです。

ムエタイもアヌワット(※4)が好きで、現代ムエタイでもロッタンとか古風な感じがするファイタータイプが好きです。格闘技ってスポーツとイコールじゃないと自分は考えています。アスリートとしてゲームを勝ち切る選手は、それはそれでいいですけど、自分はファイターとして相手を倒しにいくのみで。

——オールドスクールのキックボクシングファンが痺れる断言です。

もちろん、テクニックは大切でその追及は怠りません。その点で石井さんや会長は頂点だと信じています。これを言うのは、自分程度がおこがましいと恐縮なんですけど、その上で会長と石井さんと新妻さんを足して三で割ったキックボクサーが自分の理想です。

——小野寺力+石井宏樹+新妻聡……それが成るなら目黒ジムの伝統の権化です。

自分にとって最高に強くてカッコいいのは、そういうファイターが闘い抜く純キックボクシングで、それをこのトーナメントで体現して優勝します!

※1 目黒スタイル キックボクシングの歴史は、ボクシングの名門、野口ジムが分派した目黒ジムが1966年に創設され誕生するが、正統派キックボクシングの象徴として、ムエタイではなくボクシングとキックのコンビネーションを基調としたスタイルが長年にわたり確立され、それはいつしか“目黒スタイル”と呼ばれるようになった。小野寺力がその最高の使い手の一人だが、ジャブ、ローキックを中心としながら対角線に結ばれた連続技で相手を倒しきる美しくも激しい戦法は、まさに王道である。ちなみに目黒ジムは、目黒藤本ジムと名称を変更しながらキックボクサー第1号である藤本勲会長(2020年5月、78歳で逝去)が守り続けていいたが昨年1月に封鎖され国内最古54年の門を閉じた。

※2 M-1 在日ムエタイジムの最大手、ウィラサクレック・フェアテックスジムが2004年1月27日に旗揚げした本格的ムエタイ興行シリーズ。正式名称は「M-1ムエタイチャレンジ」。ゲーオ・フェアテックスやワンロップ・ウィラサクレックなど数々の名ファイターを生み出したが現在は活動休止中。

※3 新妻聡 目黒ジム所属、90年代のキックボクシングを代表するソウルファイター。ハンマー松井戦、ヘクター・ペーナ戦など名勝負多数だが、勝敗に関わらず見る者の魂を震わせる迫力が特徴。それ故、“肉体言語”と呼ばれ尊敬を集めている。

※4 アヌワット 2000年代、ムエタイを席巻した超ハードパンチャー、アヌワット・ゲーオサムリットは、技巧派とは対極の“強い”ムエタイの象徴として伝説になっている。小野寺力は、その全盛期只中、2005年10月29日の引退試合で、自らアヌワット戦を嘱望し、これを実現。結果、2ラウンドKO負けで壮絶に散るが、その興行こそが「NO KICK NO LIFE」シリーズの誕生だった。

加藤有吾 プロフィール

リングネーム:加藤 有吾
フリガナ:カトウ・ユウゴ
所属:RIKIX
生年月日:1999年9月2日(21歳)
出身地;東京都目黒区
身長:169cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2016年9月25日
戦績:17戦14勝(6KO)3敗
ステータス:WMC日本スーパーバンタム級王者
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100009417858210
Instagram:https://www.instagram.com/yugokb/
所属ジム公式サイト:http://rikix.com/

<第9試合 有限会社トータルプランニングルミナス presents INNOVATIONバンタム級王座決定戦 3分5回戦 (延長1R)>
白幡 裕星(シラハタ・ユウセイ/橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーバンタム級4位、MuaythaiOpenスーパーフライ級王者)
vs.
平松 侑(ヒラマツ・ユウ/岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフライ級8位)

<第8試合 幸輝興業株式会社 presents INNOVATIONスーパーウェルター級王座認定試合 3分5回戦(延長1R)>
吉田 英司(ヨシダ・エイジ/クロスポイント吉祥寺/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーウェルター級2位、REBELS-REDスーパーウェルター級王者)
vs.
喜多村 誠(キタムラ・マコト/ホライズン・キックボクシングジム/元日本ミドル級王者)

<第7試合 株式会社ミズケイ presents 54kg契約 3分3回戦>
HIROYUKI(ヒロユキ/RIKIX/元日本バンタム級王者)
vs.
MASAKING(マサキング/岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーバンタム級8位)


<第6試合 株式会社ミズケイ presents ライト級(61.23kg) 3分3回戦>
紀州のマルちゃん(キシュウノマルチャン/武勇会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONライト級5位)
vs.
翔貴(ショウキ/岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONライト級8位)

<第5試合 75kg契約 3分3回戦 肘打ちなし>
RYOTA(リョウタ/一神會館)
vs.
馬木 樹里(ウマキ・ジュリ/岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)

<第4試合 セントラルグループ presents 岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント 準決勝戦(Bブロック) 3分3回戦(延長1R)>
トーナメントBブロック赤コーナー選手
トーナメントBブロック青コーナー選手

<第3試合 セントラルグループ presents 岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント 準決勝戦(Aブロック) 3分3回戦(延長1R)>
トーナメントAブロック赤コーナー選手
トーナメントAブロック青コーナー選手

<第2試合 53kg契約 2分3回戦 肘打ちなし>
黒田 直也(クロダ・ナオヤ/ハーデスワークアウトジム)
vs.
平松 弥(ヒラマツ・ワタル/岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)

<第1試合 INNOVATIONフライ級新人王トーナメント1回戦 2分3回戦(延長1R) 肘打ちなし>
琉聖(リュウセイ/井上道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)
vs.
風太(フウタ/岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)

主催:岡山ジム
会場:岡山市総合文化体育館メインアリーナ(岡山県岡山市南区浦安南町493-2)
チケット前売り:全席指定8,000円(税込)
チケット販売所:岡山ジム、出場各ジム各選手
認定:JAPAN KICKBOXING INNOVATION(http://kick-innovation.com)
後援:岡山市
お問合せ:岡山ジム TEL 086-441-5563