「パンチで一刺し!」1・18 K-1出場のショウ・ロン / 「60kgが一番面白い!」山本真弘

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 来週末の1月18日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2015 ~-60kg初代王座決定トーナメント~」。今大会ではトーナメント以外にスーパーファイト4試合が決定した。今回のインタビューは瀧谷渉太と対戦するショウ・ロンだ。
 また、トーナメント一回戦でグァニー・バラッジと対戦する山本真弘のインタビューも併せてお届けする。

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1・18K-1 WORLD GP 2015 IN
JAPAN~-60kg初代王座決定トーナメント

――K-1出場が決まった時の心境を教えて下さい。

「K-1のスーパーファイトに出場が決まった時はとても嬉しかったです。ついに世界一流のリングでファイトできるのだと興奮しました」

――K-1というイベントにはどんなイメージを持っていますか?

「中国でも多くの格闘技ファンがK-1を知っています。K-1は間違いなく世界トップレベルのイベントであり、ファイターにとっても夢の殿堂だと思います」

――K-1からどんな影響を受けましたか?

「K-1のことを初めて耳にしてからというもの、ネットを通して数多くのK-1の試合を見てとてもカッコいいと思っていました。自分がそのリングに上がることを夢見て、ずっと苦しい練習をしてきたと言っても過言ではありません」

――K-1ファイターと練習したことや、交流などはありますか?

「あります。中国で行われているK-1の大会で活躍しているリー・ニンとジョー・ジーポンたちと一緒に練習しました。やはり彼らのレベルととても高く、多くのことを学ぶことが出来ました」

――格闘技を始めたきっかけを教えて下さい。

「小さい頃から武術に憧れていましたが、両親が賛成してくれませんでした。その後、ある日見た『武林風』(中国の格闘技イベント)の試合に衝撃を受け、18歳の時に両親の反対を押し切り、武術の本場河南省に単身乗り込み、今のジムに入門しました。それから4年が経ち、中国でも武林風のリングに上がったり活躍できるようになりました」

――今の練習環境・状況を教えて下さい。

「今は鄭州東方飛龍国際格闘倶楽部というジムで毎日ハードなトレーニングを積んでいます。日本の選手がどのようなトレーニングをしているかは分かりませんが、私は自分のジムの会長や仲間を信じて、どんな辛いメニューにもついていくようにしています」

――自分の得意技・ファイトスタイルを教えてもらえますか?

「パンチが得意です。ワンパンチでKOを取る、そんなスタイルが好きですね。パンチで一刺し、とう言う意味で回りからはブラックマンバ(世界で最も危険な毒蛇の一種)と呼ばれています(笑)」

――中国武術の総本山と言われる河南省で練習していたそうですが、どんな練習・特訓を積んでいたのですか?

「私の師匠は嵩山少林寺の在家の武僧ですので、少林寺の禅・武・医の三位一体の精神をとても重要視しています。ウチのジムは通常のキックとトレーニングのメニューにもこの精神が活かされていると思います。つまり精神と肉体のバランスをとても大事に考えているのです」

――中国の立ち技格闘技のレベルは上がっていると思いますか?

「中国の格闘技のレベルは日に日に向上しています。『武林風』や『英雄伝説』、『クンルンファイト』などワールドワイドなイベントが多くなり、私たちも世界のトップレベルのファイターとファイトする環境が整って来ました。その過程で色々なことを学び、そして改善を加えて行っているのだと思います。中国の格闘技は完全に国際化されたと言ってもいいと思います」

――対戦相手の瀧谷選手の印象を教えてください。

「タキヤ選手に関してはプロフィールと試合動画を見たに過ぎませんが、リズムやスピードが速くとてもレベルの高いファイターだと思っています。彼と会うことが今から楽しみです」

――どんな試合をして勝ちたいと思いますか?

「タキヤ選手に負けないくらい華麗なテクニックで勝ちに行きます」

――ロン選手は今回のK-1参戦をどんなものにしたいですか?

「世界に自分の強さを知らしめ、私の名前を憶えてもらいたいです」

――自分のどこをK-1のファンに見てもらいたいですか?

「パンチ、それと決して折れない心です」

――今後のK-1での目標を教えてもらえますか?

「K-1-55㎏級のチャンピオンになりたいです」

――日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のK-1ファンの皆さん、こんにちは! 1月18日に皆さんの前でファイトすることをとても楽しみしています。必ずエキサイト出来る試合をお見せしますのでぜひ応援して下さい」

<選手プロフィール>
ショウ・ロン ShouRong

所属ジム:鄭州東方飛龍格闘クラブ/CFP
出身地:中国
誕生日:1992/12/6
クラス:-55kg
勝敗:53戦48勝(9KO)5敗

タイトル歴
・武林風安陽中泰対抗戦優勝
・2011武林風衡水大会56kg級優勝

 1月9日(金)東京・三ノ輪の藤原ジムにて、「K-1 WORLD GP 2015 ~-60kg初代王座決定トーナメント~」一回戦でグァニー・バラッジと対戦する第4代IT’S SHOWTIME世界-61kg級王者・山本真弘が公開練習を行い、インタビューに答えた。
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「黒いサムライスピリットを見せてやる!」1・18 「K-1 WORLD GP 2015」出場のグァニー・バラッジ

 公開練習としてシャドー3分1Rとミット打ち1Rを披露した真弘。シャドーではパンチと蹴りの様々なコンビネーションを繰り出し、ミット打ちでは軽量級とは思えない重い左ミドルをバシバシと蹴り込んでいった。

 仕上がりの良さを感じさせる動きを見せた真弘だったが、開口一番「今は絶不調です」と苦笑い。今週いっぱいまで追い込み期間で、来週から疲れを抜く作業に入るため、ちょうど今が疲れのピークなのだという。しかし疲れが溜まっているのは「いい練習が出来ているから」で、トーナメントに向けて藤原ジム出身の伝説のキックボクサー小林聡の指導のもと、猛特訓を積んでいる。今年30歳を迎える真弘は体力的には過去最高の状態だと自信たっぷりに話す。

「小林さんが練習を見てくれるようになって、個人でやっているフィジカル(トレーニング)に加えて、小林さんの練習が増えたので、単純に練習量が増えました。小林さんが来てくれる時には、小林さんに直接ミットを持ってもらって、ガンガン追い込まれて精神面を鍛えてもらっています。

(どんな変化があった?)単純に体力がつきましたね。インターバル中に体力が回復するようになって、動いている時の体力そのものが底上げされている感じです。小林さんの練習が始まった頃はまだ成果を出せなかったのですが、11月頃から成果が出てくるようになりました。練習量も質も増えたけど、今はもっともっと動けるようになって、練習をやればやるだけ体力が上がっています。

 過去のトーナメントと比べても今回が一番体力があるんじゃないかなと思います。そのためのトレーニングでもあると思うし、間違いなく昔よりも今の方が体力があります。さすがに年齢を重ねて疲れはとれにくくなっていますが、一日三試合だったら自信があります。もしトーナメントを二日間に分けてやるんだったら、翌日に疲れが残るけど(笑)、ワンデートーナメントだったら大丈夫です」

 真弘が一回戦で対戦するバラッジは、過去にKrushのリングで山崎秀晃をKOしたことがあるハードパンチャー。バラッジVS山崎戦を見た真弘は「黒人の選手でバネがあって身体能力が高い。理詰めで来るタイプじゃなくて野性的に来るタイプ。突拍子もないところからパンチが飛んでくるイメージ」とバラッジの身体能力とトリッキーな戦い方に警戒している。

 しかし真弘もこれまで様々なタイプの選手と対戦してきた百戦錬磨だ。「際際(きわきわ)の攻防で油断しないように気をつけます。真正面からぶつからないような数学的な戦いを見せたいですね」と今までの経験を活かしてバラッジを攻略するつもりだ。

 対戦カード発表記者会見では「準決勝で(卜部)功也選手と戦うことになって、その勝者が優勝する」とトーナメントの展開を予想していた真弘。今もその気持ちは変わらないが「まず一回戦を勝つことが大前提で、準決勝以降のことは基本的に考えていません。次は功也選手かな?くらいの感じです。勝敗も試合中も必ず予想通りになることはないし、僕が一回戦で消えることだってある。今は自分の試合で勝つこと最優先で考えています」と一回戦のバラッジ戦に集中している。

 真弘はトーナメント出場選手の中で最年長。今回のトーナメントには優勝すること以外に、真弘にしかないモチベーションがある。それはこれからの若い選手のために道を切り開くことだ。

「僕はフランシスコ・フィリオ選手が初めてK-1に出てアンディ・フグ選手と戦った時、パフダディの曲で入場してきた姿が印象的でした。今度は自分がそうなるというのは感慨深いし(※フィリオと真弘は同じ入場曲)、自分がそうだったように今の小さい子たちが僕らの試合を見て、大きくなった時に『K-1に出たい』と思ってくれたらいいなと思います。そのためにもK-1の60kg一発目なので絶対にこけられないし、僕らはインパクトある試合をして、60kgが他の階級よりも面白いということを見せる義務と責任がある。

 ぶっちゃけ一発目がこけると次があるかどうか分からないし、絶対に他の階級のトーナメントと比べられるはず。だからこそトーナメント全体を通じて面白い試合を見せて、みんなが出たいと思うような大会にしたいですね。そうやって次の子たちが出たいと思う場を作ることが自分の使命。優勝するというのは大前提で自分が60kgの新しい道を作りたいです。そして僕らの試合を見た若い子たちが大きくなって、自分と戦うことになっても彼らが越えられない壁でいられるよう、そこまでの選手になりたいです」

 一選手として優勝するだけではなく、若い世代のためにもトーナメントを盛り上げて優勝したいという真弘。K-1-60kgに新しい道を作ることが出来るか?

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