WWEサマースラムお化け新王者もローマン・レインズ復帰!アスカRAW王座奪回

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 サンダードームだが、もともとLIVE中継といっても家庭に電波が届くのは最短で7秒かかるらしく、さらにそれのフィードバックで参加している客が親指下げてブーイングとか、両手を上げて喜ぶリアクションが画面に出るのはさらに遅れてしまう。ベビーフェイスが勝利して手が上がる頃になってようやく画面の視聴者が反応しているから、音声にしても結局はもの凄く後ろの方でワァー、ワァー響いているのがサウンドで足されている程度に。主催者側が意図した観客のリアクションと違うものが出てくる場合があるのが、プロレス芸術の怖いところであり醍醐味なんだが、そういうのは難しいというのを確認することになる『サマースラム』であった。
 レッスルマニアと並んでそれまでの集大成的なイベントだから、どっちが勝った負けたは順当であるべきで、外れたらむしろ「なんでやねん」と言われてしまう位置づけになる。その観点からだと概ね満足させた内容に違いないし、特に悪い試合があったわけでもない。ただ、昔のPPV制約からは2時間50分で終了、なにかあって伸びても3時間枠内までのハズが、今回も超えてしまっている。すでにSmackDownでサンダードームお披露目を乗り切ったとはいえ、本格的なLIVE大会中継の初回であり、作り手の側に立てば課題は多かったことになろう。
 賞賛しかないドミニクのデビュー戦他、大会の全容と詳細は週刊ファイト9月3日号収録でたっぷりお届けする。

【試合結果】
<第1試合 SD女子王座戦>
[王者]○ベイリー
 11分35秒 スモールパッケージ・ホールド
[挑戦者]●アスカ

 男女問わずベストワーカーとの横綱番付で、ロッカールームの選手もモニターで勉強しているという二人のカードから。実際はライトに、ライトに手合わせしているとか、ざっと見ているファンにはわからなくとも教科書試合である。

<第2試合 RAWタッグ王座戦>
[王者]ストリート・プロフィッツ(○モンデス・フォード&アンジェロ・ドーキンス)
 7分50秒 フロッグスプラッシュ
[挑戦者]●アンドラデ&エンジェル・ガザ

<第3試合 No DQ + Loser Leave戦>
○マンディ・ローズ
 10分05秒 ランニング・ニー
●ソーニャ・デヴィル

<第4試合 ストリートファイト>
○セス・ロリンズ W/マーフィー
 22分35秒 カーブストンプ
●ドミニク

<第5試合 RAW女子王座戦>
[王者]●サーシャ・バンクス
 11分25秒 アスカロック
[挑戦者]○アスカ

 どっちかの試合を短いものにするとか、介入の邪魔でとかにせず、アスカは二試合連続となったのはさすがに首脳陣の信頼がいかに厚いかだ。第1試合の激闘のままということで足を引きづってという設定で、フィニッシュに至る返し返されも見ごたえあり。寝ることになるサーシャにも十分に”出来る”選手であることが盛り込まれてある。

 唯一、ベイリーとの仲間割れがここでは起こらず、エプロンのベイリーの介入というのが中途半端のままで実況が伝えていることとチグハグになっていたが、それでも今大会のベストマッチであることは間違いない。

<第6試合 WWE王座戦>
[王者]○ドリュー・マッキンタイア
 20分35秒 バックスライド(逆さ抑え込み)
[挑戦者]●ランディ・オートン

<明日のRAWキース・リー登場告知>
 そうなります(笑)。NXTユニバースはRAWユニバースとは別世界なので、前日負けたことは明日も触れません。ただ、大変喜ばしいことには違いない。またぬぅ~と背後に登場するのをやって欲しい。受けると思う。

<第7試合 ユニバーサル王座戦>
[王者]●ブラウン・ストローマン
 12分00秒 板の上にシスター・アビゲイル
[挑戦者]○“ザ・フィーンド”ブレイ・ワイアット
 
 やはり、これをメインにするのかというところから。最後にその意味がわかるんだが・・・。説明なく坊主頭になっているストローマンに関しては、ルイジアナの沼地に埋められたから毛を失ったんだろうという陰口が大会前までのSNS皆さんのつぶやき。再度のまとめの煽り映像ではアレクサ・ブリスが普通に出ているのに、結局出てこないのはがっかりか。
 さすがに少しはまともな試合やっていたお二人だが、エニウェア・フォール・マッチということで、バックステージの部屋でごちゃごちゃ暴れる箇所は事前収録かも。今回はLIVE中継番組ではあるが、それは技術的に可能だから。
 怪物がカッターを取り出してキャンバスを切り出して、パッド下の木材板をむき出しにするも、そこにやられるのは本人というのもお約束なら、一応趣向は変えているものの、カッター使っていいならそれでフィーンドのマスクを切れよとも思うんだが・・・知能の足りない怪物キャラだからあれでいいのか。

 結局、このカードがトリになる理由という以上に、サンダードームにする最大の目玉はローマン・レインズの復帰である。ということで新王者のお化けと怪物がビッグドック様にボコられるエンディングなのだった。

■ WWE サマースラム
日時:8月23日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド サンダードーム(アムウェイセンター)

◆アスカが2冠逃すもサーシャを撃破してRAW女子王座に返り咲き

 “明日の女帝”アスカがPPV「サマースラム」で怒涛の王座2連戦に挑んだ。アスカはオープニングのSD女子王座戦で2冠王者ベイリー w/サーシャ・バンクスと対戦すると、ドロップキックの先制からヒップアタックやDDTを場外で叩き込んだ。一方のベイリーもスリーパーでアスカの体力を奪うと必殺のベイリー・トゥ・ベリーを放つもカウント2。激しい攻防を展開する両者だったが、最後はアスカのヒップアタックがかわされてサーシャに誤爆した隙にベイリーがアスカを丸め込んで3カウント。アスカはSD女子王座奪取ならず、ベイリーが王座防衛に成功した。

 続いてアスカは同じく2冠王者サーシャ w/ベイリーとRAW女子王座戦で激突するとヒップアタックやアーム・バーで攻め込んだが、放ったハイキックがポストに誤爆すると、サーシャが強烈なサンセットフリップ・パワーボムを場外に炸裂した。これで大ダメージを負ったアスカだったが、持前の根性でフェイスバスターやアンクルロックを決めて反撃すると、終盤にはアスカがアスカロック、サーシャがバンク・ステートメントを決めて大技の攻防を展開するも決定打とはならず、最後はアスカがベイリーに裏拳を放つと続けてサーシャをアスカロックで捕まえてタップ勝ち。アスカは2冠を逃したものの、因縁のサーシャからRAW女子王座奪還に成功した。

◆マッキンタイアが“毒蛇”オートンとの接戦を制して王座防衛

 頂点に君臨する王者ドリュー・マッキンタイアと王座奪取を狙う“毒蛇”ランディ・オートンがWWE王座戦で激突した。オートンは序盤から場外回避を繰り返すと思えば、いきなりRKOを何度も狙って心理戦を展開すると、解説席やポストにマッキンタイアを叩きつけて試合を優勢に進めた。マッキンタイアもスパインバスターから、ある意味で掟破りになるOld Schoolのフィギュア・フォーで反撃する。但し、リック・フレアーは本日は来ていない。

 オートンはレフェリーの死角でサミング攻撃してこれを回避したが、勢いに乗ったマッキンタイアはベリー・トゥ・ベリーや雪崩式クローズラインでオートンに攻め込んだ。終盤には大技の攻防を展開すると、クレイモアをかわされたマッキンタイアがRKOを狙うオートンをバックスライドで丸め込んで3カウント。マッキンタイアがオートンとの接戦を制して王座防衛に成功した。

◆電撃復帰のレインズが王座奪還したザ・フィーンドとストローマンを襲撃

 常人の域を超えた“ザ・モンスター”ブラウン・ストローマンと“ザ・フィーンド”ブレイ・ワイアットがユニバーサル王座フォールズ・カウント・エニウェア戦で激突した。ザ・フィーンドが不気味に笑いながらストローマンの首を捻り上げ、持ち出したツールボックスで攻撃すると、ストローマンもバリケードを突き破るショルダー・タックルや解説席へチョークスラムを叩き込んで反撃した。

 終盤にはザ・フィーンドが場外で必殺のマンディブル・クローを決めれば、ストローマンも必殺のランニング・パワースラムを放って激しい攻防を展開すると、ストローマンはツールボックスから持ち出したカッターナイフでリングマットを切り裂いて木製部分をむき出しにするも逆にこれが裏目となり、ザ・フィーンドがストローマンにシスター・アビゲイル2連打を叩き込んで3カウント。ザ・フィーンドがユニバーサル王座に返り咲きを果たした。

 しかし、試合直後にローマン・レインズがザ・フィーンドにスピアーで襲い掛かって電撃復帰すると、ストローマンにもスピアーからパイプ椅子攻撃を連打。最後はレインズが起き上がったザ・フィーンドに再び渾身のスピアーを叩き込むと王座ベルトを掲げて勝ち誇った。


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’20年09月03日号WWEサンダードーム真夏祭典 前田ノア武藤 Pan中止DEEP RISE 佐山聡