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UFC『ファイトナイト・ラスベガス 3』はなといってもセミに組まれたフェーザー級戦だった。アメリカの現地事情感覚がある方なら、空手系の総本山であるタイガー・シューマンの所属であり、時代の要請に従い現在はタイガー・シューマンMMAとなるのだが、やはり打撃がベースであることに変わりない。シェーン・ブルゴスはアルファメール所属でレスリング系だが、両者の激しい打ち合いにはデイナ・ホワイトが立ち上がって拍手を送ったほどだった。
■ UFC Fight Night: Blaydes vs. Volkov
日付:6月20日(現地時間)
会場:米ネバダ州ラスベガス UFC APEX
<ヘビー級 5分5R>
○カーティス・ブレイズ(米国)
判定3-0(49-46, 48-47, 48-46)
●アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
カーティス・ブレイズ
「この階級では俺が一番のレスラーだ。家に帰って早く娘にハグしたいよ」
<フェザー級 5分3R>
○ジョシュ・エメット(米国)
判定3-0(29-28 29-28, 29-27)
●シェーン・ブルゴス(米国)
ジョシュ・エメット
「2018年はかなり惜しかったんだけどね。ランキング4位につけていたのに、ちょっとヘマしたばかりにリセットだ。リセットして巻き返さないといけなくなった。前はトップ5という好位置にいたんだ。ランキング4位、タイトル挑戦まであと一歩だった。今はまたそこにいる気がしている。次の試合はもしかしたらタイトル挑戦権がかかるかもしれないから、どでかい勝ち星をあげて、タイトルを争ってみせる。俺はそれを目指している。今年中に少なくとも、もう一度戦って、2021年に入ってすぐくらいにタイトルに挑戦したい。このクレイジーなパンデミックやいろんなことがなければね。ま、ちょっとどうにかなっていたらあれだけど、俺を知っている人なら分かるように、俺は試合を断らない。自分の腕を上げてもらうためなら何だってやってやると言った通りだろ。俺と同じ状況になれば多くの人は、俺が経験したばかりのようなことがあると、それで辞めてしまうだろう。最初の45秒くらいで、ACL(前十字靱帯)をやっちまったと思う。動かなくなった。こんなのは今まで経験したことがない。痛かったけど、俺の頭に最初に浮かんだのは、それを受け入れて足1本で戦わないといけない、ということだった。半分の金で帰るわけにはいかないから、マウスピースを思いっきり食いしばろうと思って、そうしたんだ。なんだか、あそこに立っているだけのような感じだった。俺の試合はたくさん見てきてくれたと思うけど、いつもなら動き回って横の動きも激しいのに、それができる気がしなかったから、立っているしかなくて、ロボットのドツキ合いみたいだった」
<女子バンタム級 5分3R>
○ラケル・ペニントン
判定3-0(29-28、30-27、29-28)
●マリオン・レノー
ラケル・ペニントン
「ものすごくドキドキしているの。今回のトレーニングキャンプはそれぞれのファイトキャンプに集中した感じだったわ。スパーリングセッションでも、テシアが私の前にやって、彼女の後に私がやる。この数週間はジムでやっていることをとにかく繰り返していた。静かな環境で、なんだか家にいるような感じだったわ。ジ・アルティメット・ファイターのときみたいだったから、あの頃が蘇ってきたみたいで、思い出して楽しかったし、こういう雰囲気は嫌いじゃないわ。今日はまさに予想通り。彼女の映像とか、いろいろ見ていたからね。確か、彼女は前回の試合が2年前のはずだから、戻ってきたばかりの彼女ならとにかく打撃と乱闘で押してくるだろうと考えて、私たちは自分の手でテクニカルな殴り合いに持ち込むことにしたの。観客を沸かせられたかどうかと言われると、きっと思い通りにできたと思うわ。基本的には自分たちが取り組んできたことをすべて今日の試合で出そうとしていたから。コーチにもチームメイトにも、他のコーチにもずっと前から、私はトラックみたいに打ち込むし、男の子たちよりも強く打っていくって言われるの。それを試合で発揮して、スーパーアグレッシブにいかないとダメだって。ジムでのアスリートとしての姿があって、試合になったらまた違う姿がある感じだから、それをすべてひとつにまとめようとしているところ。まだやり残したことがあると思っているし、もう目立たない存在は嫌なの。私には大きくてたくさんの武器があるから、引き出しをひとつずつ開けるのではなく、すべてを引き出して楽しんでいきたいと思っているわ」
<ウェルター級マッチ 5分3R>
○ベラル・ムハマッド
判定3-0(29-28、29-28、29-28)
●ライマン・グッド
ベラル・ムハマッド
「さっきコーチの1人に話していたんだ。デイナ・ホワイトが施設内にいるのはいつものことで、それは分かっているんだけど、いつもなら観客が大騒ぎしたり、そういういろんなことがあったりするから特に気にならないのに、今日はパッと見たらそこに座っているのが分かるから、なんか“ヤバい”なんて思っちゃって、気まずくて変な感じだったんだよね。これまでとは違う経験だし、自分の前にはチームメイトが何人か戦っていて、みんなから全然違う空気感だから覚悟しておけよって言われていた。だから、出ていってからショックを受けないように準備していたんだ。トレーニングでは音楽をかけなかったり、そういうことをやったりして、ちょっと変な環境でも問題ないように、そういう状況を感じながら、いつもと違うようにしていた。ファイターなら俺のことは分かるだろうし、だからこそ俺を怖がって誰も戦おうとしない。俺と戦うなら激闘になるけど、別に俺の肩に番号がついているわけじゃないから、やったところで得られることも多くないからな。でも、ランキング入りしているヤツらのほとんどはランカーであることに満足して、別にチャンピオンになることが目標なわけでもなく、ただ居座っていることをゴールにしている。俺の目標はチャンピオンになることだから、誰と試合を組まれても戦い続ける。一番タフな相手を用意されても、俺はイエスと答えるよ。ライマン・グッドは前回の試合で派手なノックアウトで勝ったけど、俺はそいつを倒した。みんなには俺がノックアウトされるだろうって言われていたけどな。殴られはしたけど、俺はまだ立っている。最終的に、勝ったのは俺だ」
<ライト級マッチ 5分3R>
○ジム・ミラー
1R 2分25秒)サブミッション(アームバー)
●ルーズベルト・ロバーツ
ジム・ミラー
「俺には何よりも大事にしていることがある。正しいことをやり、正しいと思う生き方で生きる、そしてそれを尊重することを自分に課している。そうやって俺は稼いできたから、本気で一番大切だと思っている。ベルトを勝ち取り、自分の腰に巻いたことのある人や、ずっとトップファイターとしてやってきた人、対戦相手のコーチたちが、俺のところにやってきてそういうリスペクトを示してくれるのは本当にすごいことだと思うし、何にも代えがたい。ルーズベルトや、これからの選手たちに対して、俺には責任があるような気がしている。俺は完璧ではないし、全てを完璧にはできない。それは確かだけど、オクタゴンで拳を合わせる相手には最大限の敬意を払っている。特に2020年、今の状況を考えると、そういう気持ちが必要だと感じている。自分のそばで努力している人に敬意を示すだけで、その人の努力が少しは報われるかもしれないし、その人の歩む道はもしかしたら違うものになってしまうかもしれないけれど、誰だって何かしら向き合っていることがある。俺は数年間、ライム病と闘っていたことがあった。その闘病中に自分が戦ったことのある選手がタイトルに挑戦したり、チャンピオンになったりもしたけど、俺はその時間を取り返そうとは思わない。他のファイターが直面した苦難を見てきたから、何も取り返したいとは思わないよ。俺の苦労が人と違うからといって俺の方が厳しいという意味ではない。俺はこのスポーツを愛しているし、ファンが恋しいから彼らがいないのは最悪だけどね。必死に努力してオクタゴンに上がり、その場所を手に入れようとしている人たちばかりだ。誰に与えられたものでもない。自分で取りにいき、試合して勝たなければならない。簡単なことではないし、簡単なライフスタイルでもないけれど、俺はそれを実行している人を心から尊敬している」
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