ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス 67』[ファイトクラブ]夢にまで見た早稲田大学卒業

[週刊ファイト4月9日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス 67』
 夢にまで見た早稲田大学卒業
・コロナウィルスの影響で卒業式中止!
・有志での卒業写真撮影会
・決して順風満帆ではなかった大学生活
・大学生活でやり残したこと
・どうしても入りたかったサークルとは?


 この度、お陰様で早稲田大学人間科学部を卒業しました。
 しかしながら、楽しみにしていた卒業式は、コロナウィルスの影響で中止になってしまいました。全国的に卒業式・入学式が軒並み中止になる中、早稲田大学の卒業式も例に違わず中止になってしまったのです。

 それでも、卒業式が予定されていた3月26日、有志が集まって卒業写真を撮ることになりました。満開の桜の下、快晴にも恵まれ早稲田大学最後の思い出を残すことができました。
 キャンパスには、我々と同じことを考えていた卒業生が大勢いました。女子は一同に、お気に入りの柄の袴を着ています。中には、着付けの予約をキャンセルできず、卒業式は無くとも写真だけを撮りに来た学生も多かったことでしょう。

 オイラのスタイルはというと、一見オーソドックスに見えますが、ニューヨークの老舗デパート『Macy’s』で購入した一張羅です!
 しかも、今回はちょっと奮発をして、ラルフローレンの上下をチョイスしました。嬉しいのは、オイラでも“普通サイズ”でスーツが買えることです。ワイシャツは、悩んだ末に思い切ってエンジの早稲田カラーにしました。この際ですので、かなり攻め込んでみました。これもニューヨークで買ったものです。日本ではなかなかこんな色のワイシャツは売っていないでしょうからね(笑)。
 ネクタイは、もちろん大学のオフィシャル…。どうですこのコーディネート、決まってますか?

 本来だと、卒業式当日にゼミの先生から手渡しされる学位記も、後日郵送となりました。写真で手にしている学位記は、実は先輩からの借り物なのです(笑)。

 気付けば、初めて早稲田大学を受験してから実に34年の歳月が流れていました。

 中学生の頃、漠然と“早稲田に行きたい”と思ってから、必死に受験勉強しましたが、思うように学力は上がらず…。ニ浪までしましたが、結局早稲田大学には受からず終いでした。思えばこの時からオイラの“いじけ人生”はスタートしたのです(笑)。

今から5年前の2015年4月1日、御年47歳でオイラは早稲田大学に入学しました。ついに中学からの夢を叶えたのです! 前述の通り、それまで学歴コンプレックスでいじけてばかりいたので、早稲田に合格した時は天にも昇る思いでした。

 しかし、浮かれていたのも入学式まで。いざ授業が始まると、およそ30年ぶりの学習に戸惑うことばかりでした。レポートや課題に追われる毎日に加え、当然語学や体育の授業だってあります。
 何より大きな壁としてオイラの前に立ちはだかったのは、他ならぬパソコンでした! 今や、パソコンは勉強する上で欠かすことのできないアイテムです。レポートの提出はもちろん、大学からの連絡は全て個人メールに届きます。突然の『休講』を、大学の掲示板を見て初めて知る…などということも今は昔なのです。

 ちなみに、オイラの大学でのメールアドレスは『wasedaisuki@〜』。ここでも、早稲田愛爆発です(笑)! これまでは、自分専用のパソコンは持っていたものの、使うのはもっぱらインターネットとメールくらいでした。若い子なら誰でもわかるであろう『Excelで解きなさい。』とか、『pdfで提出しなさい。』などといった先生からの指示が、何がなんだかさっぱり分からないところからスタートしたのです。

 辛かったのは勉強だけではありません。

 “キャンパスライフ”といえば、サークル活動が付き物ですよね。オイラには、早稲田に入学したら絶対に入りたいサークルがありました。それは学プロ! つまり学生プロレスのサークルです。

 今でこそ、学プロ上がりがプロの世界に入ってくることは珍しくありません。以前は、学プロ出身ということを隠してプロになる選手もいましたが、今では堂々とカミングアウトしている選手がほとんどのように思います。“学プロ”から“プロレスラー”になった選手は多数存在しますが、“プロレスラー”が“学プロ”に入ったら前代未聞でしょう。

 早稲田には『U○F』という、ちょっと名の知れた学プロサークルがあります。学プロの学生連合として、関東の大学の学プロサークルを牛耳るとても大きなサークルです。オイラは昔からここに入りたかったのです!

 年に一度の『早稲田祭』で試合をするのがオイラの夢でした。オイラが本物のプロレスラーだろうが、年齢が47歳だろうがそんなことは関係ありません。やっとの思いで、晴れて早大生になれたのです。U○F入りのチャンスも、もうそこまで来ている・・・はずでした。

11.2-DWA.jpg
藤波MSGデビューと学生プロレスの起源『マット界の黙示録』


記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン