[ファイトクラブ]MLW収録大会から紐解く米プロレス黄金期とWWEに忍び寄るリスク

[週刊ファイト2月13日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼MLW収録大会から紐解く米プロレス黄金期とWWEに忍び寄るリスク
 photo by George Napolitano タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・WWE株価急落と最高幹部2名の退職-スーパーボウルCMにレスラー多数
・MLWデイビーボーイ・スミスjrとエリック・スティーブンスの好勝負
・次世代スター本物ブライアン・ピルマンjr!AEWジミー・ハボック戦
・Strikeforce/Combate Americasにも関与してきたコート・バウワー
・MLW誕生秘話!故ゲイリー・オブライトと出会いWhen Destines Align
・MMAキング・モーとロウ・キーのUWFシュートスタイルは白旗決着に
・どうなる新生ノア #STRONGHEARTSとの関係と日本進出計画スクープ
・キラー・クロス&ティモシー・サッチャーWWE契約と米国の各団体事情
・新日USA巡業アトランタ悲惨「本当に米国はプロレスブームなのか?」
・NET数字異論:ストリーミングサービス過多からWWEネットワーク下降
・新日後楽園火、水、木3連戦の不入りと2・9大阪城ホールの前売り満杯


 WWEの株価が現地月曜の終値、夜にはRAW生中継があるわけだが、一時は$100超えを達成したというのに$46.08まで下がった。翌日少しだけ買い戻しこそ入ったが、木曜の決算発表は増収にもかかわらず本稿発表時点で$42-44と、急激な下落ということでNYSE取引銘柄のワーストが今週の話題だからよろしくない。これは巨大企業の経営面でのビンス・マクマホンの後継者としてウォール街も認知していたジョージ・バリオスと、ミッシェル・ウィルソン女子が意見の衝突から両名とも前触れもなくクビにされたため。地上波FOXにSmackDownが移行したら大変なことになる、ブーム再来だとの思惑から上昇を続けていたわけだが、数字的にはFOXとの契約前の水準に戻ったことになる。

 タイミング的には全米は現地日曜スーパーボウルの話題一色であり、このプリショーの方にはピザハットのCMにローマン・レインズ、サーシャ・バンクスらとか、リック・フレアーはトルティーヤ系スナック用ディップのCMだし、もちろんロック様ことドウェイン・ジョンソンも別のに出ていると。地上波FOXのおかげではあるんだが、結構プロレスラーも目立ってそこかしこにアピールされていた。結構なことである。なにしろ配信系を足すと合計1億200万人が視聴したアメリカの国民行事なのだ。
 ただ、アメリカの通信員のなかには、「出てきただろう?」とかイマイチわかってない者が連絡してきて大笑い。そりゃスーパーボウルは日本でもゲームや、本年はマイアミ開催にちなんだラテン系賛歌ということでハーフタイムショーはシャキーラとジェニファー・ロペスだったことは、ニュース番組でも報道されている通りだが、CMが同じわけないじゃないかと思うんだが、なんでもアメリカ中心に世界が回っていると思いがちな能天気なアメリカンの発想である。
ましてや延々とやってたらしいFOX版プリショーなんか、外国での中継版では流れるわけないんだが、そりゃ「RAWもSmackDownもリアルタイムになっている」ことは知ってるから勘違いは無理ないのかも。そりゃプリショーの時にピザやペプシの広告ガンガンやって、「今オーダーしましょう」となるのはビジネスを思えばまっとうなんではあるが・・・。

大会屈指のバチバチだったのがデイビーボーイ・スミスjr vs.エリック・スティーブンスの好勝負!

両雄が繰り広げたのは明らかに日本流のストロング・スタイルだったと本誌ジョージ・ナポリターノ記者も伝えている。最後はランニング・パワーボム(ブルドッグ・ボム)からのダイビング・ヘッドバットだったが、エリック・スティーブンスには要注意だろう。

 スーパーボウルが終わったということは、ビンスが「個人プロジェクトであってWWEとは関係ない」と主張しているオフシーズンのXFLがいよいよ始まることを意味する。そんな大切な時期に、経営の重鎮が辞めた(辞めさされた)となれば、ウォール街の反応が厳しくなるのは仕方がない。あと、「それじゃジョージ・バリオスらはAEWに行くのか?」という声もあったが、両名ともに年俸1300万ドル+の事実上の社長である。『ロイヤルランブル』ではエッジの9年ぶりの復帰が話題だったが、エッジは「今ならAEWとの天秤を交渉に使えるタイミングだ」と判断して、「AEWは300万ドルだと言っている」とふっかけたんだそうだ。一般のファンには馴染みがないのだろうが、この二人の幹部は桁が違うからそれはない。プロレス界はWWEが最後だったことになろう。ただ、ミッシェル・ウィルソンが面接して雇ったスタッフだって大勢いるんだから、トップ2名の退職をウォール街が懸念するのは無理もない。

ブライアン・ピルマンjr vs.ジミー・ハボック(AEW)って、アメプロ通なら歓喜の涙だろう。


ピルマンは親父似のルックスだけでなく間違いなく本物! 次世代スターがここにいた。ハボックには当然プリシラ・ケリーがついて、何度も何度もちょっかいを出してフォールさせないんだが、最後は得意技のエア・ピルマン(スプリングボード・クロスライン)が決まった。ハボックもデスマッチ形式でなくても十分やれる職人ぶりを証明している。

 さて、詳細分析を冒頭部分がサイト公開になる[ファイトクラブ]に出すわけにはいかないから、先に記者をフィラデルフィアに派遣したMLW大会拡大版と、MLW代表カート・バウアーCEOの本誌独占インタビューからにするが、もちろんすべての流れは関連している。WWEの経営シェイクアップがどうであれ、AEWという強力ライバルの誕生により、アメプロのレベルがさらに向上したことは間違いない。
 このMLW大会にせよ、本誌が報告をもとに速報を出したあと、現地媒体のレポートも出始めているが、どこも大絶賛だったことは驚きに値しない。実際、あの旧ECWビンゴホールはガチの札止め盛況であり、4週分のTVテーピングだからやたら長かった点を除けば、どの試合も素晴らしかったと本誌に続いて他媒体がやり出している最中である。単純なヒット数比較ではmiruhon.netは国内の他媒体の後塵を拝するものの、海外からのアクセス割合の高さではダントツであろう。業界関係者がサイトをブックマークしているからに他ならない。そして大会の高評価を確認したので、コート・バウワー代表に話を聞いてみた。

Strikeforce/Combate Americasにも関与してきたコート・バウワー

 リアルタイム配信時代のことは本誌が執拗に繰り返していることだが、記者がニューヨークに住んでいた頃との最大の違いは膨大な国際電話代に悩まされることなく、便利なSkypeで海外とも無料で繋がることになる。本誌が、現地英語媒体にも載ってない膨大な裏ネタを詰め込めるのは直接にアムステルダムからニューヨークまで関係者と情報交換できることが大きい。但し、大半がオフレコ前提となるため、恰好として「インタビュー記事」とは謳えないのは仕方がない。

 コート・バウワーCEOは、本人が「インタビュー記事」の体裁を了承しただけでなく、写真も送ってきたので今回は一部を紹介する。もちろん、MLWとは関係ない日本の情勢、米国の現状など多岐に及んでいるのだが、それは折に触れて出していくとして、やはり日本通であることは無論のことMMAにもやたら詳しく、ストライクフォースを手伝ったり、あのティト・オーティスvs.アルベルト・ロドリゲス(アルベルト・デル・リオ)という、メキシコ系米国人対メキシコ人のカードにも関与。ヒスパニック系を軸にした『コンバッテ・アメリカス 51』にも協力してきたという。本誌はプロレスも格闘技も扱うマスコミなので、話が弾んだのは述べるまでもない。

 「日本のまだよく知らない読者向けにMLWをどう説明するか?」と問うと、「ワールドクラスECW」という答えがかえってきた。なるほど、これはわかりやすい。WWEのようなお笑い色はやらないと、レスリングは日本式のストロング・スタイルである。実績のある格闘家が多数参戦しているのは無論のこと、ルチャリブレAAAワールドワイドのリーダー格コナンは、MLWには当初は現AEWのペンタゴンJr.&フェニックスのマネージャーとして登場、しばらくケガで試合はしてなかったがリング復帰もしている。もちろんコナンの裏の役割はMLWのエージェントになる。
 また、プエルトリコにはサビオ・ベガがエージェントで入閣、リング復帰もしていて人気も高い。そして日本は、本誌速報版でお伝えしたように木戸亨社長率いるドラゴンゲートとの提携発表である。ちなみに先に格闘技プロモーションの話から入ったが、ルチャアンダーグラウンドを筆頭に、様々な団体に関与しているのは驚くに値しない。

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