山口橋之介プロレスデビュー顛末手記:遅れた”鷹の爪大賞”回顧編!

「プロレスラーになる!!」
 そう言った時、親父が薄ら笑っていた気がする・・・

 ウォーリー山口が亡くなってから僕は悲しさより「お疲れ様です。」との気持ちが大きかった気がする。
 そしてウォーリー山口の追悼興行が始まり、改めて親父の偉大さに気づいた興行でもあった。
 メインが終わりレスラーと記念写真を撮った後、宮本和志選手が「プロレスやりたいんだろ!」っとマイクをしてきました。
 頭が真っ白になり気づいた時にはもう興行が終わってしまった。これがプロレスラー橋之介の始まりでした。

 デビューするために宮本和志選手、タイガー戸口選手のもと練習をする日々、プロレスとは何か、誰のために何のためにぶつかり合うのかを教えていただきました。

 デビュー戦は、実感がないまま当日を迎えた。
 会場入りをして、足がすくむ、震え始めた。試合が始まりガムシャラに、とにかくガムシャラに戦いました。あっという間に終わり、戸口さんにかけてもらった言葉で涙が流れてました。

 デビューしてから色々な選手と戦い、特に印象に残った試合は、池田大輔戦、清水来人戦、石坂ブライアン戦、そして年末に戦った宮本和志&MIKAMI戦です。

 まず池田大輔戦については、親父がノアで仕事をしていた時に一緒に見に行った時に戦っていた選手でした。
間近で見ていた選手と戦う事を考えただけで3日間ぐらい寝れなくなりました。

 試合前は必ず緊張はするけど、この時の緊張はまた別の緊張が襲ってきました。
 試合が始まり、やられる前に攻め続けてだけど、やはり蹴り一発で攻守が変わりました。ヘビー級の蹴りがこんなに重いとは、この時実感しました。
 最後は片エビでフィニッシュ。終わった後は、優しく声をかけていただきました。

 次に清水来人戦は、デビュー前から練習をしていたこともあって、「来人選手に勝ちたい!」って気持ちが人一倍ありました。
 ゴング前から攻めて攻めて、後一歩のところでカウンターの払腰を食って、そこから閉め落とされました。
 あっという間のことだったので何がなんだか分からなくなり、気がついた時にはもう試合が終わっていた。悔しくて悔しくてたまらなかった一戦でした。

石坂ブライアン戦
 この試合では僕の大技を出した試合でした。
 スワーントーンボム。
 この技は小さい頃WWEのジェフ・ハーディーを見て感動した技でした。
 なんと美しい技なんだと思い、いつかレスラーになったらこの技をやりたいと思い続けてその夢が叶った試合でした。

 中盤になり、僕のドロップキックが相手に当たり、ここぞの場面でコーナーに登ろうとしたら、やはりそらされました。けどもう一回やるチャンスが来て、必死な思いで成功しました。
 だが、そう甘くはなかった。
 カウント2で返されて、最後は相手のフィニッシュ技で負けました。ブライアン選手に危なかった、と一言いただき自信が出ました。

 2019年最後の試合は、宮本和志、MIKAMI戦。
 この試合にはいろいろな思いがありました。
 まずMIKAMI選手は、ぼくが小さい頃DDTの会場で遊んでいただいた一人でした。とても懐かしく思いました。小さい頃MIKAMI選手のサングラスを割ると言う事件もあった気がする。

 そしてこの業界に誘ってくれた宮本和志選手。
 プロレス業界でよく会っていた選手ですし、それがきっかけでプロレス界に入ることができました。
 デビュー前には一緒に練習をしていたり、プライベートもよくしてくれてました。

 試合はMIKAMI選手との絡みが少なく、またシングルでもやりたいと思いました。ただ、少ないと言うけどMIKAM選手の試合運び、情熱はガンガン伝わってきました。
 宮本選手は見ての通り体格差がある分、一発一発の打撃が重たく何度も心が折れそうになりましたけど、「それでも立ち向かわないと!」と思い頑張りました。

 最後のパワーボムの時は、なにがなんだか未だに覚えてない部分がありました。なんとか返したけど最後は逆エビで終わりました。
 試合終わって二人に握手してもらったときは嬉しかったです。


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