NXTリア・リプリー時代へ!シェイナ陥落アダム・コール防衛フィン・ベイラー

©2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.

 WWEは年内最後のPPV大会という売りで『TLC』をやったものの、カイリ・セインは途中で「覚えてない」状態なのは本誌が徹底解明するにせよ、目玉のブレイ・ワイアットvs.ミズ以下、スーパースターたちのカードがいずれも不評に。しかし、年末最後のクライマックスはやはりNXTであった。難攻不落の長期政権を続けた女子王者シェイナ・ベイズラーの執拗な左腕攻撃に何度もピンチに陥りながらも、会場客の圧倒的な支持を受けたリア・リプリーが、コーナーポストからの雪崩式リップタイドを見舞ってフォール、新たな時代の扉が開いたことになろう。

ドロップキックがレフェリーも巻き込んでしまいフォールしてもカウントする者不在という古典劇も。
一方、必殺・切札クラッチが極まりそうになるも、レフェリーのシャツを掴んで脱出するリア

 トランプ大統領の弾劾訴追中継があり、視聴率は影響を受けざるを得ないが、冒頭のNXT王座戦アダム・コールvs.フィン・ベイラーから、USAネットワークでの生中継では極力CMナシで総力戦を投入したWWEである。こちらもまた視聴率戦争で重要な冒頭に組まれたように、さすがの白熱内容になり、最後にはフィン・ベイラーに怪我させられてしばらく番組から消えていたジョニー・ガルガノも現れてと、PPV大会に匹敵する凝縮のレスリング大会に。

 キリアン・デインと元パニシュメント・マルチネスことダミアン・プリーストも良かったし、いきなり再戦じゃ面白くないので、二連敗させられていたキャメロン・グリムスがKUSHIDAに一矢報いるカードも、ケツはどうでもよくて、KUSHIDAが素晴らしいのである。
 紫雷イオとサンタナ・ギャレットは、スターダムでもやっていたからお互い手の内がわかっている。イオ様を忘れてもらっては困るということだ。ピート・ダンとトラビス・バンクスのNXT UK対決が組まれたのは、1月25日(ロイヤルランブル前夜!)にNXT米国勢とNXT UKが激突する『Worlds Collide』大会があるから。トラビス・バンクスも凄い職人というのがお披露目された格好だ。もちろん、ミア・イムの危険なテーブル落としで8針頭を縫うことになったダコタ・カイのプロモもあり、とにかく最初から最後まで、圧巻の質の高さであった。

■ WWE NXT
日時:12月18日(現地時間)
会場:米フロリダ州 オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ

◆ベイラーがNXT王座奪取に失敗!ガルガノとの遺恨再燃!

 王座挑戦権を獲得したフィン・ベイラーと王者アダム・コールがNXT王座戦で激突した。コールがスーパーキックやドロップキックでベイラーの左ヒザを集中攻撃すれば、ベイラーもスリングブレイドやペレキックで反撃して白熱の攻防を展開。さらにベイラーは必殺のクー・デ・グラを避けられて痛めた左ヒザをかばうと、コールがすかさずラスト・ショットを放つもカウント2。挽回とばかりにベイラーがジョン・ウーからクー・デ・グラを決めるも、今度はステージから因縁のジョニー・ガルガノが突如現れるとベイラーが動きを止めて動揺してしまう。するとコールがレフェリーの死角でローブローをベイラーに放つと、最後は再びラスト・ショットを炸裂させて3カウント。コールがベイラーを撃破して王座防衛に成功した。

 試合後にはガルガノが以前ペレキックで襲撃されたお返しとばかりにベイラーをパイプ椅子で襲撃した。  

◆KUSHIDAがグライムスまさかの逆転負け

 抗争を展開するKUSHIDAとキャメロン・グライムスが激突した。KUSHIDAは先週奪ったグライムスの帽子をかぶって挑発すると、試合序盤からグラウンドテクニックでグライムスを圧倒。さらにKUSHIDAはアームバーやオクトパスホールドを決めて攻め込めば、報復を狙うグライムスもクロスボディやジャーマン・スープレックスで反撃。試合終盤、KUSHIDAはダブル・ヒールキックやマサヒロ・タナカを放ってグライムスを追い詰めたが、これを耐えたグライムスが必殺のケイブ・インをKUSHIDAに炸裂させて3カウント。KUSHIDAが因縁のグライムスにフォールを奪われて逆転負けした。

◆紫雷イオがサンタナをムーンサルト葬

 “黒い”紫雷イオがサンタナ・ギャレットと対戦した。サンタナがスーパーキックを放てば、イオがフラップジャックを決めるとサンタナを踏みつけて激しい攻防を展開。追撃を狙うイオはダブルニーを放つも、サンタナに避けられるとエルボーやスープレックスを食らって一時防戦となってしまう。しかし、2発目の串刺しダブルニーをしっかり決めると最後は必殺のムーンサルトでサンタナを沈めて3カウント。イオがサンタナを破り、会場から“イオ”チャントが起こる中で勝利をアピールした。

 もっとも困った客が「チャイニーズ、Go Home」と罵声を出したのに怒ったイオが、「ジャパニーズ、ビッチ!」とやり返したことがTwitter上で話題になっている。ご心配なく。NXTユニバースの大半はイオ応援であり、「なんでヒールやらせるのか!」の抗議の方が多数派なのである。

◆ついにシェイナが王座陥落!リアが新NXT女子王者に

 王者シェイナ・ベイズラーとリア・リプリーがNXT女子王座戦で激突した。試合序盤、パワーに勝るリアがクローズラインやスーパープレックスでシェイナを圧倒すると、苦戦したシェイナの元にMMAフォー・ホースウィメンのマリナ・シェファーとジェサミン・ デュークが駆けつけた。しかし、リアは2人をビックブーツで蹴散らすと、その隙にシェイナがリアの左腕を踏みつけて形勢逆転。続けてシェイナはリアの右腕を捻り上げるとポストに叩き付けて攻撃した。
 リアも反撃とばかりにドロップキックから必殺のリップタイドを決めたが、シェイナとぶつかったレフェリーがそのまま起き上がらずにチャンスを逃してしまう。すると今度はシェイナが持ち出したパイプ椅子上にDDTを決めてキリフダクラッチでリアを追い詰めると、リアはもがき苦しんで失神寸前となったが、なんとか抜け出すとシェイナの顔面にストンピングを叩き込み、最後はセカンドロープからのスーパーリップタイドを決めて3カウント。ついに416日間君臨したシェイナが王座から陥落し、リアがNXT女子王座を戴冠すると、リングに上がり込んだファンと共に勝利を祝った。


※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
▼レネ・グレイ訃報-TLC失策考-令和元年総括-ペイジ/リア・リプリー未来

[ファイトクラブ]レネ・グレイ訃報-TLC失策考-令和元年総括-ペイジ/リア・リプリー未来

※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’19年12月26日号TLCカイリ ActwresGirl’Z ノア金剛 1・4-5令和回顧 ラウェイ DEEP