[週刊ファイト12月5日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼記者座談会
空前のチャンピオン乱立に苦言!
・マット界発展のためにも放っておけない問題ではある
・ベルト作り放題という現状についてマスコミが何も言わないのもおかしい
・オカダら今の主力選手にプロレスのチャンピオンのオーラがない
・タイトルを新設するにあたって、最低限やってもらいたいこと
プロレスの王者の腰に巻かれたチャンピオンベルトが光り輝いて見えた時代が懐かしい。またベルトから権威や歴史も感じられた。で、現在はと言えば、各団体のタイトル乱造によりベルトはアイテムやコスチュームの一部に成り下がっている。「今さら何を言う」という意見もあるだろうが、マット界発展のためにも放っておけない問題ではある。
王座が新設されるプロレスリング・ノア
(*編注 A=『マット界舞台裏』特約記者、B=スポーツ紙記者 C=フリーのべテラン記者)
A 目に余るチャンピオン乱立について、どこも書かない。誰も言い出さない・・・というのであればウチが言わせてもらおうということで、お2人の見解を聞かせて頂くことになりました。
B その件について目クジラを立てる今のファンは少ないでしょうが、ベルト作り放題という現状についてマスコミが何も言わないのもおかしいと思います。ハッキリ言うと、歴史なし、権威なし、興行的な価値なし、ファンのリスペクトなしというタイトルが多過ぎる。
C 結局、プロレスにはコミッショナーや協会が存在しないし、団体側にプロレス=スポーツ、格闘技という認識がないのでこういう状況になってしまった。団体を運営していく上でタイトルが必要なことは理解しますが、百歩譲っても1団体、二つか三つにしてもらいたい。ノアにしても三沢さん、小橋さんらが体を張って価値を高めたGHCヘビー級王座があるわけだから、五つ目になるナショナル選手権を新設する必要なかったと思います。
権威のあった時代のBI砲
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A DDTの11・3両国では8大タイトルマッチが行われています。
B 完全エンタメ路線のDDTの場合、タイトルをアングル作りに活用しているだけと見てましたが、今回は8大タイトルマッチを興行のウリにしてましたね。
C そもそもタイトルマッチのバーゲンセールをやり始めたのは新日プロで、それがビッグマッチ用のカード編成のモデルになって他団体も真似し始めたんじゃないですか。
A その新日にしても現在、ブリティッシュ・ヘビー級を併せると九つのタイトルを運営してますが。

B 昔の新日プロと違ってベルトに重みがなくなりましたね。業界のリーダーを自負するのなら、そこの所をちょっと考えてもらいたい。
C ベルトに重みを感じられないのは格闘技にほど遠い試合スタイルに激変してしまったこともありますが、それ以上にオカダら今の主力選手にプロレスのチャンピオンのオーラがないことが原因でしょ? ただ、いかにも強そうな風ボウの選手をトップに仕立て上げていたら今日の新日本プロレスがなかったことも事実。消滅していたかもしれない。
IWGP王者のオカダ・カズチカ