WAR GAME+SS直前全員集結NXT:至宝”タッグ・チーム・レスリング”満開

©2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.

 現地時間土曜夜の『NXTテイクオーバー:WAR GAME』、日曜夜『サバイバー・シリーズ』の3大ブランド対抗戦のシカゴ決戦を前に、トリプルHの予告通りにSmackDownからもRAWからもオールスターがフロリダ州オーランドに飛来した豪華な中継大会となった。


 冒頭はRAW女子王者ベッキー・リンチから。そしてリア・リプリー戦である。日本に来ていた時はデミ・ベネット名義だったが、あっと言う間に上り詰めたことになり、またその期待に応えて、様々なレベルで互角の勝負を見せるのである。リアが「そうか、お前がThe MANか。だったらお前に金玉があるかどうか試してやる」とかまして、プロモ(しゃべり)ではリアが先行か。ただ、レスリングでもちゃんと、「もっと続きをみせてくれ」と思わせてくれた掴みは大成功のカードであった。
 もっとも、「これは二人とも落とせない」とは大人のファンならすぐに読めたと思うが、格闘技フォー・ホースウィメンが乱入してきてケツはなしと。RAWのレビューでも批判したのだが、とにかく人数集めろとばかり、肝心の『サバイバー・シリーズ』出場が予定されてない関係ない選手たちも含めて、赤シャツのRAW、青シャツのSmackDown、黒シャツNXTが大乱闘という絵を、このNXT2時間番組だけでも複数回やったのは余りにも意味がなかった。そこが唯一の不満なのだが、今回のNXTも単に面子が豪華になったことを割り引いても、非常に中身充実の必見回であったことは強調して足りない。これを見逃していたら、他に国内なりで面白い大会あったのかと問うことになろう。


 続いては、結局カードがマット・リドルvs.リコシェに変更になるという進行にしたんだが、これは短すぎたかも。おまけに意味もなく中邑真輔やセザーロも乱入してきてと、どっちが勝ったとか忘れた(笑)。ケツをうやむやにするのはどうなのかと思うのだが、なるほど次は職人リバイバル(スコット・ドーソン&ダッシュ・ワイルダー)と、元reDragonのカイル・オライリー&ボビー・フィッシュである。リバイバルはタッグ王者から陥落しているし、『サバイバー・シリーズ』にも発表されてないから、これはちゃんとケツをつけることは読めたが、どっちが勝った負けたはどうでもいいこと。そしてたっぷりの尺を貰って、本物のタッグ試合が提供される、お客さんが”タッグ・チーム・レスリング”と合唱を始める至宝戦の開幕である。

 RAWやSmackDownの制約ではやらしてもらえない、こういうタッグ試合の醍醐味を見たかったとばかり、やがては会場は”NXT、NXT”の熱狂に昇華していく。映像の時代に試合展開を書いてもしょうがない。「WWEネットワークに加入して見てください、最高です」としか評しようがない。リバイバルの凄さを堪能できると保証はつけておく。ちなみに激しい試合でボビー・フィッシュの鼻頭が切れて流血になったようだが、折れてはいないとのことだ。


 NXT UK女子王者ケイ・リー・レイvs.ダコタ・カイも、スターダムでやっていたハズだから良かったかと。ダコタのことは前もレビューに残したが、WAR GAMEのメンバーに選ばれるとか落とされたより、負け役でもシングル戦させてもらえる方が美味しいのではなかろうか。この試合前にはPoppyのビデオ音楽がWAR GAME紹介を兼ねて流れていたから、お待ちかね紫雷イオも乱入してくることは読めていたものの、またも結局は赤シャツのRAW、青シャツのSmackDown、黒シャツNXTが大勢出てきてというのは・・・。

 カーメラがムーンウォークする場面しか印象に残らないとか、実況ですら一部の選手しか名前も出してないんだから、オーランドまで来たんだから全員出せというのはいかがなものかとは苦言を残しておく。

 但し、以下の紫雷イオとカイリ・セインのリング上の再会場面は大笑いだった。久しぶりに顔を合わせてみたら、二人ともグレていてワルになっていたという。「なんじゃ、おりゃ~」とかお互いメンチ切って・・・


 最終的には、ニッキー・クロスがリングを一掃してという絵にしてたのは正解だろう。NXTの常連さんにはニッキーの人気が高いのだ。SmackDownのおちゃらけな扱いに比べたら、ゴミ箱の蓋を振り回すだけのちょこっとの出番でも、皆がニンマリだったのは間違いない。


 今回はタッグの日ということなのか、バイキング・レイダース(エリック&アイバー)とフォゴットン・サンズも、最初はスクワッシュ試合にするのかと心配したんだが、両方大型なのに全員が柔軟で動けるところを見せたカードになった。全員ヒゲ面なんで誰がとか未だ名前が覚えられず、それこそ「忘れられている」とユニバースからも懸念の声が出ていたフォゴットン・サンズは出来ることを証明したし、元IWGPタッグ王者でもあるバイキング・レイダースが、RAWでは短いスクワッシュ試合しか尺をもらってなかったのに、こちらでは輝いて見えるという皮肉のオマケ付きだ。


 トリはアダム・コールvs.ドミニク・ダイジャコビックのハシゴ戦である。紫雷イオとミア・イムの女子が先週だから、男子もというのは賛成はしないプログラム編成だと指摘はするが、なにしろ出来るし、うまく練って考えたメインを成立させていた。もっとも絵的な最後は、ドリュー・マッキンタイヤーにはキース・リーが出てきてとか、ブーイングされながらもセス・ロリンズもマイク持ってとくれば、Daddy’s Homeでトマソ・チャンパとやりあう場面で番組終了。まぁ、『サバイバー・シリーズ』を売ることが主目的だから仕方ないにせよ、前日『NXTテイクオーバー』の宣伝が不十分のままとか、Tシャツ3軍の大乱闘はやり過ぎの極みとか苦言はあるにせよ、レスリング充実にして堪能させてくれる必見回であった。予想されたことではあるが、平均視聴者数は916,000と前週比で22%の増加、AEWの893,000人を抜いて開戦以来初めて逆転したことになる。

■ WWE NXT
日時:11月20日(現地時間)
会場:フロリダ州オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ

◆“ザ・マン”ベッキーがNXT女子王者シェイナを返り討ち

 “ザ・マン”ことRAW女子王者のベッキー・リンチがNXTのリングに登場した。ベッキーは「シェイナはRAWを襲撃したが、今は私がお前のリングにいるぞ! どうする?」とNXT女子王者シェイナ・ベイズラーを挑発すると登場したのはリア・リプリー。リアは「お前が“ザ・マン”か!」と睨み合うと2人の試合が決定した。ベッキーが延髄斬りからレッグドロップを放って攻め込めば、リアも豪快なスーパープレックスで反撃すると2人共にダウン。すると突如シェイナ率いるMMAフォー・ホースウィメンが2人を襲撃したが、ベッキーがリアに襲い掛かるシェイナにスーパーキックを放って返り討ちにした。
 チーム・リプリー vs. チーム・ベイズラーが行なわれる「NXTテイクオーバー:ウォーゲームズ」は日本時間11月24日(日)、RAW女子王者ベッキー、SmackDown女子王者ベイリー、NXT女子王者シェイナが三つ巴女子王者対決で激突するPPV「サバイバー・シリーズ」は日本時間11月25日(月)にWWEネットワークでライブ配信される。

◆中邑真輔がNXTを襲撃!ストロングとの因縁激化

 SmackDown所属の中邑真輔がセザーロと共にNXTのリングに殴り込んだ。マット・リドルとコナ・リーブスの入場が始まると、RAW所属のリコシェがリーブスを襲撃して急遽リドルとの対戦が決定。“ミスター・ハイフライ”の異名を持つリコシェはドロップキックからのトペ・スイシーダを放ってリドルに攻め込んだ。しかし、試合途中で中邑とセザーロが突如姿を現して介入を狙うと、その隙にリドルがリコシェを丸め込んで勝利。試合後に中邑とセザーロが再び2人を襲撃すると、リコシェがスプリングボード・クロスボディで客席のセザーロを粉砕。中邑はリドルにスピニング・ヒール・キックを決めて止めのキンシャサを狙ったが、今度は突如登場したロデリック・ストロングが中邑にスーパーキックを放って妨害。さらにフィン・ベイラーも現れてリドルを襲撃したが、リドルがファイナルフラッシュを放ってベイラーを返り討ちにした。
 ベイラー対リドルの一戦が行なわれる「NXTテイクオーバー:ウォーゲームズ」は日本時間11月24日(日)、IC王者中邑、US王者AJスタイルズ、NXT北米王者ストロングが三つ巴王者対決で激突するPPV「サバイバー・シリーズ」は日本時間11月25日(月)にWWEネットワークでライブ配信される。

◆元盟友の紫雷イオとカイリ・セインが一触即発の睨み合い

 RAW所属のカイリ・セインがNXTを襲撃して紫雷イオと睨み合いを展開した。NXT UK女子王者ケイ・リー・レイとダコタ・カイが対戦するとケイがゴリーボムを決めてダコタに勝利。すると突如カーメラらSmackDownの女子スーパースター達が2人を襲撃するとNXTやRAWメンバーも姿を現して大乱闘となってしまう。RAW所属のカイリ・セインはインセイン・エルボーを放って暴れると、元盟友でNXT所属の紫雷イオと激しい睨み合いを展開して一触即発となった。
 カイリが参戦する女子5対5エリミネーション戦はPPV「サバイバー・シリーズ」の方だ。

◆WWE3ブランドが入り乱れての大乱闘

 アダム・コールとドミニク・ダイジャコビッチがメイン戦でウォーゲームズ戦でのアドバンテージをかけたラダー戦で激突した。ダイジャコビッチがチョークスラムでコールをラダーに叩き付けると、コールもパナマ・サンライズで反撃して白熱の攻防を展開。しかし、試合終盤にラダー最上段での攻防となると、コールがダイジャコビッチの後頭部をブリーフケースで強打して勝負あり。コールが勝利してアドバンテージを奪取した。

 試合後にはコールの勝利を祝福するジ・アンディスピューテッド・エラとRAW、SmackDownのメンバーが入り乱れての大乱闘となると、巨体のキース・リーとバイキング・レイダースのアイバーがトペを放って乱闘を沈めたが、突如現れたセス・ロリンズが1人リングに残ったコールにスーパーキックを炸裂。しかし、今度はそこへトマソ・チャンパが現れてコールをランニング・ニーで沈めると、ロリンズとも殴り合いを展開した。

 チーム・チャンパとアンディスピューテッド・エラがウォーゲームズ戦で激突する「NXTテイクオーバー:ウォーゲームズ」は日本時間11月24日(日)、WWE3ブランド対抗の男子5対5エリミネーション戦が行なわれるPPV「サバイバー・シリーズ」は日本時間11月25日(月)にWWEネットワークでライブ配信される。


※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
▼感謝祭WWEシカゴ4連戦NXT浸透~年末世界展望と鷹の爪大賞2019

[ファイトクラブ]感謝祭WWEシカゴ4連戦NXT浸透~年末世界展望と鷹の爪大賞2019

※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’19年12月05日号WWEシカゴ4連戦 メイ社長 鷹の爪大賞1 スターダム会見 ペイジ映画