W1 近藤修司、羆嵐、ペガソインタビュー

『W-1 TAG LEAGUE 2019』に征矢学とのタッグで出場していた近藤修司。最後の公式戦となった11月11日の新木場1stRING大会で吉岡世起&エル・リンダマン組に敗北し、リーグ戦はまさかの全敗に終わってしまった。試合後、征矢とのタッグ解消を宣言した近藤は、新たな刺激を求めて因縁浅からぬ#STRONGHEARTSのCIMAとのタッグ結成をぶち上げた。さらに副社長としての権限で、11.27後楽園ホール大会で芦野祥太郎&黒潮“イケメン”二郎とタッグマッチで試合をすることも決定してしまった。果たして、CIMAとタッグを結成する真意とはなんなのか? 話を聞いてみた。

──征矢さんとのタッグでタッグリーグを闘ってきましたけど、残念な結果に終わってしまいましたね。

近藤 そうね。全敗だからね。しかも、征矢と組んでの全敗だから。

──お二人の実績を考えるとこの結果は非常にまずいですよね(笑)。

近藤 まずい。しかも、全敗するにしてもプロレス的に何も生めなかったっていうのがダメ。あいつと正式にタッグを組むのは初めてだったんだけど、何かが生まれるって期待してたから。彼も生もうとしてるけど、何も生めないじゃん? でも、生もうとチャレンジしている。それでも何も生まれなかった。結果も全敗だったし、それが現実だよね。もう上がっていたモチベーションが下がったよ。じゃあ、征矢とのタッグを解消した先に自分自身、何があるのかなと。今、他団体に呼んでもらったりしてるんで精力的に出ているんだけど、W-1が小さくなっているのを感じるんだよ。だって、俺がでかくなっているわけがないんだから。俺が有名になって、実力がついて、ここで押さえきれなくなって外に出るっていうパターンじゃないじゃない?

──それをやるのはもう少し若い世代の選手ですよね。

近藤 そうそう。イケメンとかがそのパターンだよね。年齢的にもやりたいことがある。でも、俺はそういうんじゃないから。今までのキャリアやストーリーがあるから呼ばれるんであって、そこに出ることによって俺が成長しているわけじゃないからね。そこにW-1のスケール感が小さくなっているのを感じるんですよ。初期の頃は武藤さんがいて、船木さんがいて、稔さんがいて、金本さんがいて、他団体の選手もたくさん出ていた。プロレスファンだったら誰でも知っているような名前の選手が揃っていたんですよ。じゃあ、今のウチの選手でプロレス界で知られている選手ってどれぐらいいるのって考えると、やっぱりスケールは小さくなっているよね。

──団体がそういう状況にある中で近藤選手が仕掛けたのがCIMA選手とのタッグということですか?

近藤 そう。自分自身で枠を飛び出そうという気持ちが大きくなって……というか自然とそうなったんだろうね。何が生まれるかわからないけど、何かが生まれるなら#STRONGHEARTSと絡もうかなと。今まで組んだこともない、好きでもない先輩と組むことで何が生めるかなという期待はあるよね。結果として仲良くなっても、ケンカになってもいいしね。リング上でも言ったけど、この1年、#STRONGHEARTSから刺激っていうことを言われ続けてきて、その大事さは俺もわかってるから。その#STRONGHEARTSの刺激もウチの団体ではなくなりつつある。じゃあ、内側から刺激を作るのも手かなと思っているんですよ。でも、征矢とのタッグではそれに失敗したと。

──征矢選手とでは刺激を生めなかったけど、じゃあ現在W-1のリングで刺激を生めるのは誰かと考えると、やっぱりCIMA選手になるということですか?

近藤 それしかないですよね。ただ、先のことは何も考えてないんだけど。

──まずは組んでみるということですね。

近藤 うん。芦野&イケメンというこれから何かを作らなければいけない世代が相手になったわけだし、それをW-1の選手に伝えたいっていうのもあるよね。ただいい試合をしたって今の時代は評価されないから。いや、昔からそうだよね、プロレスって。勝った負けたよりも、そこから何が生み出されたかっていうほうが結局歴史に残るじゃない。

──試合がゴールじゃなくて、スタートみたいなところはありますからね。

近藤 そうそう。そこをウチの若い連中は勘違いしているのかもしれない。というか、まだキャリア的にそこまで至ってないんだろうね。今は一生懸命いい試合をする方向にしか向いていない。でも、プロレスはそれだけじゃないんですよ。変化を求めてもらいたい。多分、変化をしなければ楽なんですよ。その場にい続けるのは楽。でも、楽な場所って刺激がないし、自分から積極的に刺激を求めに行ってもらいたい。それが変化を求めるということでもあるから。若手のくせに何を40代や50代のような顔をしてプロレスやってんだよって言いたいよ。

──というふうに若い選手が見えます?

近藤 うん、見える。ただ、そこは教えてきてない部分でもあったからね。特にウチの団体は今、かなり内々になっているよね。マスコミとかもあまり取材に来てくれないでしょ? 某新聞にも見向きもされないし。本来はそことも闘っていかないといけないし、いろんなメディアに働きかけて取り上げもらえるようにしないといけないんだけど、それができない状況だと結局内に内に入っていっちゃうから。それが現状だし、スケール感の小ささになっているのかもしれない。そこの部分を教育する意味合いもあるかもしれないね。

──では、今回、CIMA選手とタッグを組むことで、自身が先頭に立って「こうやるんだよ」っていうのを見せようということですか?

近藤 というのもあるかもしれないし、自分自身に何かっていうのもあるし。

──ちなみにこれまでCIMA選手とコミュニケーションを取ったことはあるんですか?

近藤 全然ない。現状が全然わかんない。

──W-1のリングで闘った以外では接点もないわけですよね?

近藤 全くない。何を考えているのかもわからないし。

──それこそまともにしゃべったのもドラゴンゲート時代からないんですかね?

近藤 それすらもないんじゃない? だって、結構先輩だからね。へたしたら社長と平社員ぐらいのレベルで離れてるから。当時だと本当に上の上の人なんですよ。団体のトップであり、ウチで言えば武藤さんだから。あっちは1期生で俺は8期生だからね。かなり離れた存在だよね。

──なるほど。でも、W-1に上がるようになったCIMA選手についてはどのように見ているんですか?

近藤 変わったでしょ。俺も変わったんじゃないかな。だって、あの頃はみんな20代だからね。20代がトップを張って、下も20代。ほぼ全員20代の団体だったから、みんなギラギラしてたよね。でも、今は俺たちは40代だからさ(笑)。

──あの当時のギラギラ感がなくなって、落ち着いちゃったところがありますか?

近藤 というより視野が広がるからね。物事がわかるようになるし。それがオッサンのつまんないところだと思うんだけどね。どうにもならないことは諦めるし。20代の頃ってどうにもならなくたってあがくでしょ? それでドラゴンゲートを辞めたんだから(笑)。どうにもならないから辞めてやるって。今はそんなことを選択しないでしょ。どうにもならなかったら諦めるよね。それぐらい変わった。彼もそうなんじゃない? 今までずっと同じところで一人で踏ん張ってきたけど、今は外に出て世界がわかるわけじゃん? いろんなことを勉強していると思うよ。それがキャリアを積み重ねるっていうことだから。

──そういうお互いに大人になって組むタッグって楽しみですか?

近藤 今じゃないと組めないからね。ちょっと前だったら絶対に無理。デビューして一切組んだことがないし、ずっと対角線で闘っていた存在だから。でも、そこで何かが生まれるかもしれないっていう期待があるから組むわけで、それは楽しみだっていうことになるのかな? まあ、当日になってみないと俺もわからないね(笑)。

レネ・デュプリとのタッグで『W-1 TAG LEAGUE 2019』のBブロックを3戦全勝で突破した羆嵐。11.27後楽園ホール大会で行なわれるT-Hawk&入江茂弘との決勝戦に向けて、自信満々に吠えまくった。

──タッグリーグは全勝でBブロックを突破しましたけど、振り返ってみていかがですか?

羆嵐 まあ、圧倒的な力で羆嵐&レネ・デュプリが3戦全勝。もう誰も文句のつけようがないぐらい、全て圧倒的な勝利だったよな。まあ、こうなることは見えてたけどな。羆嵐とレネが組んでたら、そりゃW-1の中ではサイキョウだよ。サイキョウっていうのは「最も恐い」と書いて「最恐」で、「最も狂ってる」で「最狂」、そして「最も強い」で「最強」。三キョウということだな。

──リーグ戦の開幕前からどのチームからも警戒されていましたけど、その手の対策は通じなかったということですか?

羆嵐 関係ねえな。止められねえものってあるだろ? 俺たちは相手がロボットでも野獣でも止められねえ。それだけ強えってことだな。

──吉岡&リンダマン戦は撹乱されて苦戦したイメージはありましたけどね。

羆嵐 あれは苦戦してたんじゃねえの。あいつらのやりてえことをやらせてやってただけ。基本的に俺は技を避けることが嫌いなんだよ。プロレスラーは避けちゃダメ。相手の技を全部食らって、全部受け止めた上で勝つ。あの試合を見ていた仙台の客は相当熱狂してたじゃねえか。それは俺たちがちゃんとあいつらの技を受けてやって盛り上げてやったからなんだよ。まあ、がんばったよな、あいつらもよ。特にリンダマンは。ちっこいのに俺のことを2回も投げたから。意外とパワーあんじゃんって感心したよ。なんならシングルをやってやってもいいぜ?

──最後の公式戦は稲葉選手の怪我ということでハプニング的に終わってしまいました。

羆嵐 俺とレネさんはまだまだ、なんならあと1時間ぐらい試合できる力を残してたからな。着地で失敗したのか知らねえけど、レフェリーの神林はいつもと様子が違うし、稲葉はうずくまってるし。それで蹴りを入れたんだよ、ストンピングを。

──またひどいことをしますね。

羆嵐 試合中だから当たり前だろ。そうしたら「やめろ!」ってゴングが鳴っちゃって。これからお楽しみだっていうところだったのによ。最終的にはあそこでハプニングが起きても起きなくても俺たちが勝ってたからな。俺たちの強さをもっと高いレベルで見せたかったのに、あんなところで着地に失敗して怪我? 「はあ?」って感じだよな。俺に言わせれば、「お前はそれでもチャンピオンかよ」って話だよ。

──あのままやってても自分たちの勝ちは変わらないと。

羆嵐 勝ちは見えてたね。逆に客にG.F.Yを見せられなかったのは申し訳ねえと思ってるよ。G.F.Y見たさにあの新木場に客は集まってたんだろ? まったく呆れるよ。あんな奴にベルトを巻かせておくわけにはいかねえな。それだったら俺が巻いて、このW-1の強さの象徴になったほうがいい。

──その強さを見せる舞台はまず27日の後楽園ホール大会ですよね。

羆嵐 おっと先走りすぎて忘れてた。タッグリーグの決勝が残ってたんだな。やっとあのT-Hawkのクソ野郎と試合ができるわけだ。本当は俺が横浜文体でぶちのめしているはずだったんだよ。やっとてめえの腹にセントーンをぶち込むことができるぜ。

──#STRONGHEARTSの選手たちに対しては常々「市民ランナー」だとか辛辣な言葉を吐いてましたよね。

羆嵐 そうだな。やっと市民ランナー狩りができるよ。W-1に来てベビーフェイス面しやがって! ここでW-1の凄さと強さをあいつらに俺が示してやる。

──パートナーの入江選手に関してはいかがですか? 初めての対戦になりますよね。

羆嵐 全くの初めてだな。そっくりなんだよな、あの野郎。同じ髪型だし、俺をちょっと小さくしたみたいな感じだよな。みんなパワーが凄いって言うよな? パワーではもちろん負ける気はしねえ。ただ、あいつ足が速えよな。スピードがある。パワーがあってスピードがあるなら、ちょっとはおもしろくなるんじゃねえか? あのチームはT-Hawkにねえものを入江が補ってるんだろ。だから、入江を潰すのが手だな。あいつを徹底的に潰した上で、T-Hawkには俺のセントーン、レネさんのレッグドロップ、エルボードロップ、フィストドロップでたっぷりいためつける。それもありっちゃありだな。

──かなり余裕ですね。向こうもAブロックを3戦全勝で突破してきているチームなんですけどね。

羆嵐 はあ? Aブロックなんて一つクソみてえなチームが混じってたろ? 頓所とペガソ。河野とアレハンドロも元チャンピオンだって言っても俺の中では「?」がつくよ。まともなチームは芦野&児玉しかねえだろう。こっちのブロックは近藤&征矢も稲葉&土肥もヘビー級のチームだし、吉岡&リンダマンも頓所&ペガソよりは上だろ。それを圧倒的に潰してきた俺たちと、楽をしてきたあいつら。修羅場の数が違うよ。闘ってみればわかる。俺はワクワクしてるよ。やっとT-Hawkの野郎をボコボコにできるんだからよ。

──4月の後楽園大会で近藤選手に負けて、T-Hawk選手に挑戦しそこなったことがありましたよね。

羆嵐 イヤなことを思い出させやがって! 半年以上の前のことなんか知ったことか! まあ、あいつの腹にやっと俺の牙を突き立てられる機会がやって来たってことだ。俺のダイビングセントーンを食らったことはねえだろう。どんな顔をするんだろうな? 10回ぐらい食らわせてやりてえな。そして、もう「ごめんなさい。W-1のリングに上がりたくないです」と尻尾を巻いて逃げるぐらいいたぶってやるから覚悟しとけ!

11月12日(火)、都内・GSPメディアセンターにてW-1が記者会見を実施。ペガソ・イルミナルが出席し、11月27日(水)の後楽園ホール大会において5番勝負再開を発表。対戦相手としてヒートが発表された。

昨日の新木場1stRING大会で『W-1 TAG LEAGUE 2019』の最後の公式戦を終えたペガソ。頓所とのタッグで出場していたが、EnfantsTerriblesの芦野祥太郎&児玉裕輔に敗れ、結果として全敗に終わってしまった。その試合後、ペガソは中断されていた自身の5番勝負の再開をカズ・ハヤシに訴え、そのカズより自身が常々やりたいと言っていたヒートを用意したことを告げられていた。

この日の会見で正式にヒートとのシングルマッチが決定したペガソは、憧れの存在だったことを告白。「内容でお客さんの心に残る試合をしたい」と意気込んでいた。

【選手コメント】

ペガソ・イルミナルのコメント

「昨日でタッグリーグも終わって、3戦全敗という形で正直情けない形で終わってしまいました。今年も残り1カ月半ぐらいしかなくて、自分の中で何ができるかなと思って、今年から始まった5番勝負。まだ2戦しか行なっていなくて、残り3戦をやりたいと思い、昨日リング上でハヤシさんに思いを伝えました。ハヤシさんは用意してくれてたって言ってくれたんで、タッグ組んでた時に話していたヒート選手と試合をできることにとても感謝しています。自分がマスクを変えて髪の毛を出したのもヒート選手を意識していて、フィニッシュも名前は違いますが一緒の形をしているので、意識して試合に臨みたいなと思っています」

【質疑応答】

──ヒート選手とやりたいと思っていた理由を教えてください。

ペガソ 自分が小さい時から見ていたのはもちろんそうだし、元々ゲームから出てきた選手でそのゲームをやっていましたし、憧れていた選手の一人ではありますね。

──ヒート選手のどういったところに憧れていたんですか?

ペガソ 動きが華麗だったところとか、自分が使っているファイヤーバードもヒート選手のところから来ていますね。

──昨日の新木場大会のリング上でカズ選手から「なんで自分で何もしないんだ」というようなことを言われましたけど、それに関してはどのように思われているのでしょうか?

ペガソ 正直、甘えていたのかなと思いましたね。5番勝負なんてみんながみんなやれることだとは思ってないし、与えてもらったチャンスに正直最初の1戦目と2戦目は何もできてなかったのかと思います。3戦目以降は気持ちを切り替えて、生かすも殺すも自分だと思っているので、この試合はしっかりと生かしていきたいなと思います。

──それを踏まえた上でこの試合でどういったものを見せたいと思っていらっしゃいますか?

ペガソ そうですね。もちろん今できることを全てぶつけるのは当然だと思っていますし、結果、勝ちに行くのも当然だし。でも、それ以上に内容でお客さんの心に残る試合をしたいと思います。

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