足4の字固め・卍固め・弓矢固めを電話で女性に説明できるか!?

 6月19日(水)のTBS系『水曜日のダウンタウン』で、プロレス技に関するとんでもない実験が行われた。同番組は、様々な説を持ち寄ってそれを検証するというのがコンセプトだが、今回の説は『足4の字固め、女性に電話口で伝えるのは不可能説』である。

 この説を持ってきたのは、DDTプロレスリングのスーパー・ササダンゴ・マシン。ちなみに彼は新潟市在住だが、先日の地震では何とか無事だったようである。もちろん、同番組の収録が行われたのは地震発生前だ。

 果たして、プロレスを知らない女性に足4の字固めを電話で説明して、女性は相手に足4の字固めを掛けることができるのか!? 番組ではこのバカバカしくも興味深い説の検証が始まった。


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武藤敬司は電話で足4の字固めを説明できるのか!?

 最初に、足4の字固めを電話口で説明すべく現れたのは武藤敬司。言うまでもなく、1995年10月9日の東京ドームでは、UWFインターナショナルの絶対的エースだった高田延彦に、足4の字固めでギブアップ勝ちした。

 武藤から電話を受けて、その説明で足4の字固めを掛けるのは、プロレスのことなど全く知らない阿佐ヶ谷姉妹。電話で武藤の説明を聞いて足4の字固めを掛けるのが木村美穂、掛けられるのが渡辺江里子だ。
 阿佐ヶ谷姉妹は番組スタッフからは何も聞かされず、いきなり武藤からの電話を受けて、実際に足4の字固めを掛けることができるのか? という実験である。
 武藤から掛かってきた電話を、訳も判らず言われるがまま、木村美穂が渡辺江里子にプロレス技を掛けようとした。

武藤「相手をまず、仰向けに倒してください」
木村「今やっちゃっていいんですか?」
武藤「いや時間がないからさ」
渡辺「何? 『やっちゃっていい』って何?」
武藤「早く倒して!」

 渡辺江里子の不安をよそに、とりあえず相方を仰向けに倒す木村美穂。なお、武藤は『4』など直接のヒントとなるワードを使ってはならない。

武藤「相手の股の付け根の所に自分の右足を入れて置いて、左足は相手の右足の外に置いて。自分は立ってるんだよ。そして腰を屈曲に曲げて、相手の左足のかかとを持ってくれない? で、取ったと同時に、尻もちをついて、相手の左足は『く』の字になってて、『く』の字になってるかかとよりちょっと内側に自分の左足を、その上に乗せてよ」
木村「左足、乗っけましたよ?」
武藤「相手、スゲェ痛がってるでしょ?」
木村「全然もう、眠そうな顔をしてます」

 傍にいたレフェリーが、阿佐ヶ谷姉妹の形を判定した。そのジャッジは? 「ノー!」。
 残念ながら、ここでタイム・アップ。武藤は、電話口で足4の字固めを伝えることはできなかった。
 よって、この説は立証されたのである。

▼説通り、武藤敬司は電話で足4の字固めを説明できなかった

天龍源一郎が電話で卍固めの説明に挑む!

 足4の字固めを電話で説明するのは無理だったが、他の技ではどうだろうか?
 そこで登場したのは天龍源一郎。これは伝える能力云々ではなく、そもそも相手が天龍の言葉を聞き取れるのか? という問題がある。
 今回、天龍が伝える技は卍固め。受ける相手はガンバレルーヤだ。よしこが天龍の電話を受けて卍固めを掛け、まひるが技を掛けられる。

天龍「まひるちゃんがねえ、四つん這いの形になってくれる? よしこちゃんがねえ、まひるちゃんの左側に回ってくれる? で、右足でまひるちゃんの左足にフックしてくれる?」

 ここでよしこは、まひるの左足を全力でキック! よしこは、天龍が言う『フック』を『キック』と聞き間違えたのだ。思い切り痛がるまひる。
 ここで仕切り直し。

天龍「まひるちゃんが、ちゃんと立ってないとダメなのよ。まひるちゃんが中腰になって、下半身に力を入れて、前屈みの☆◎×△□※……」
よしこ「すみません、もうちょっとハッキリ言ってもらってもいいですか?」
天龍「まひるちゃんの左足に、あなたが右足を足首に絡める」
よしこ「私の右足は、まひるちゃんの前から行くのか、後ろから行くのか……」
天龍「前から。前から通すと、ちょうど足首の所でストップするでしょ。まひるちゃんが前屈みになってるから、あなたがまひるちゃんの右脇の下から左手を首の所まで通り抜ける」
よしこ「あ、判った。はい、判りました。通りました」
天龍「いい値段の高いガーターを☆◎×△□※……」
よしこ「ん? なんて??」
天龍「いい値段の高いガーターをしてるから大丈夫だろ」
よしこ「なんて????」
天龍「あー、いいや別に」

 ここでスタジオの松本人志が「いらんこと言わんでええねん!」とツッコんだ。ただでさえ天龍の喋りを聞き取るのは骨が折れるのに、技以外のことを言われるとよしこも混乱してしまう。

天龍「あなたの左足をまひるちゃんの頭の上に乗っける。よいしょと乗っけて」
よしこ「よいしょ」
天龍「おい、レフェリー!」
よしこ「レフェリー」

 ガンバレルーヤの形を見たレフェリーは、両手で大きな丸を作って「OK!」。
 卍固めが見事に完成。なんと、滑舌の悪い天龍の説明を、ガンバレルーヤのよしこが理解したのだ! 時間にして4分12秒。天龍の説明力は、武藤を上回った。いや、殊勲はよしこか?

▼天龍源一郎は見事に卍固めを電話で説明してみせた

弓矢固めの電話での説明は、獣神サンダー・ライガーが挑戦!

お次に登場したのは獣神サンダー・ライガー。電話で説明する技は、ボー・アンド・アロー(弓矢固め)だ。
 挑戦するのは、西野未姫と鈴木奈々。今度は受け手の方が不安なコンビである。しかし、ライガーは「楽勝楽勝」と自信満々だ。鈴木奈々がライガーの電話を受けてボー・アンド・アローを掛け、西野未姫がそれを受ける。

ライガー「マットに西野さんが腹這いで寝転がってもらいたいんです。鈴木さんはちょうど腰の位置ぐらいに立ってください。鈴木さんの爪先を両方、やや『気を付け』みたいな形で、お腹の下に潜り込ますような形。そのまま西野さんの腰の辺りに軽く正座してください。そしたら、西野さんの左足を折り畳んでください」

 その後も、ライガーの的確な指示が飛ぶ。

ライガー「アゴを持ったら、そのままゴロンと後ろに鈴木さんがひっくり返ってください。スネの上に、ちょうど西野さんの腰が乗るような形で」
鈴木「いきます! せーの!!」
西野「ギャー!!!!」

 鈴木奈々が後ろに寝転がり、西野未姫の体を反らせて、見事にボー・アンド・アローが完成した。掛かった時間は3分56秒。天龍の記録を上回った。
 結局、今回の検証結果は『技によっては伝わることもある』。つまり、説は立証ならずか?

▼獣神サンダー・ライガーは、見事な説明でボー・アンド・アローを電話で伝えた
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一度は聴いてみたい、古舘伊知郎によるプロレスのラジオ実況

 考えてみれば、プロレスのテレビ中継はあっても、ラジオ中継はない。その理由が、今回の検証でよくわかった。卍固めとボー・アンド・アローを電話で説明できたとはいえ、言葉だけで伝えるのに四苦八苦していた。
 もしラジオでプロレス中継をするならば、技を説明するのは不可能だろう。特に最近では技も多彩で、次から次へと技が流れて行くのだから、実況アナウンサーはテレビでも大変なぐらいである。ましてや新技など、どうやって説明すればいいのだろうか。

 ところが、力道山が日本にプロレスを伝えた頃、プロレスをラジオ中継していたのだ。何しろ日本にテレビが現れたばかりだったので、テレビを所有している一般家庭などほとんどなく、電波メディアと言えばラジオが主流だったのである。新聞のラテ欄でもラジオがメインで、テレビは隅に追いやられていた。

 当時のプロレスは今と違って技も少なく、しかも単純だったので説明はしやすかったかも知れない。しかし、その頃の日本人は、そもそもプロレスなど見たこともなかったのである。当然、わかりやすい説明が必要だ。当時の実況アナウンサーは、ラジオでどうやってプロレス技を説明していたのだろう。当時のラジオでのプロレス中継を聴いてみたい気がする。

 プロレス実況の第一人者だった古舘伊知郎は、プロレス中継はテレビのスポーツ実況の中で唯一ラジオ的だ、と言っていた。たとえば野球中継の場合、ラジオだと1球1球の状況を伝えなければならないが、テレビでは映像があるので細かく実況する必要はない。というよりも、テレビで1球1球いちいち伝えていたら、視聴者はうるさいと思うだけだ。
 しかし、プロレス中継の場合はテレビであっても、技の一つ一つを全て伝える。特に古舘伊知郎の場合は、絶叫して技を連呼していた。ある意味ではうるさいのだが、それが臨場感のあるプロレス実況に繋がっていたのである。映像があるからと言って、プロレス実況で必要最小限しか喋らなかったら、見ていても物足りないだろう。
 古舘伊知郎が実況する、ラジオのプロレス中継も聴いてみたいものだ。と言っても、テレビでのプロレス実況とあまり変わらないかも知れないが。

▼プロレスのラジオ中継があれば、古舘伊知郎はどんな実況をしていただろうか
タレント名鑑より


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