3・10RISE WORLD SERIESフェデリコ・ローマ、ウラジスラフ・ミキータス、ルンキット・ウォーサンプラパイ、志朗、スアキム・PKセンチャイムエタイジム、“ブラックパンサ-”ベイノア、鈴木真彦

❐フェデリコ・ローマ インタビュー『天心、リングで会おうぜ。本物のチャンピオンはリングで決まる』
「打倒天心」を合い言葉にアルゼンチンが再び指客を送り込んできた。現地では「イグナシオより強い」と言われるフェデリコ・ローマだ。
 
──まず生い立ちを教えてもらえますか。
フェデリコ 僕はアルゼンチンの南部のリオネグロ州という、大自然が広がるとても美しいところで生まれた。その後、まだ幼い自分や妹を連れ、家族は首都であるブエノスアイレスのカステラールに移り住んだ。父は責任感のある働き者で、母も僕と妹の教育に力を注いでくれる、幸せな家庭だったよ。それからずっとカステラールに住んでいる。
 
──子供の頃の夢は?
フェデリコ もともとスポーツが好きだったので、一番の夢はアスリートとして活躍することだった。練習をしたり、努力して自分を鍛えることがとても楽しかったからね。
 
──キックボクシングとの出会いは?
フェデリコ テニスを10年、サッカ-を数年、そして水泳も8年やったよ。格闘技は空手を皮切りにボクシングも。でもボクシングは自分に合っている気がしなかったので、19歳の時にキックボクシングに転向したんだ。その後現在のコーチのクリスティアンと出会い、道が開けた。もう彼との付き合いは14年になる。キックを始めた頃は、こんなに活躍できるようになるとは夢にも思っていなかった。
 
──キックボクサーとしてのキャリアは?
フェデリコ アマチュアの大会では少なくとも30回は優勝していると思う。プロデビュー戦はウルグアイでやったけど、KO勝ちでした。通算戦績は68戦62勝(30KO)5敗1分。これまでにWKNムエタイ&K-1の世界58㎏級王座、WKN南米王座など、7~8つのタイトルを獲得している。
 
──ニックネームは?
フェデリコ スペイン語で”PEQUE O GRAN HOMBRE”。英訳すると、リトル・ビッグメンという意味だ。
 
──選手として一番の夢は?
フェデリコ RISEのチャンピオンに輝くことだ。だから今回RISEの世界トーナメントに出場できるというニュースを聞いた時には信じられなかった。
 
──一回戦では、優勝候補の那須川天心選手と激突することになりました。
フェデリコ 光栄なことだ。同じアルゼンチンのイグナシオが天心と闘った時には(セコンドとして)イグナシオの傍らに立って応援していたので天心のことはよく覚えている。
 
──イグナシオ選手の敗因をどう分析する?
フェデリコ ちょうど天心と闘う時、イグナシオは父親の健康上の問題と直面していた時期と重なっていたので全力を出し切ることができなかったんだよ。
 
──だったらイグナシオ選手からも天心選手と闘う時のアドバイスを得ていますね。
フェデリコ イグナシオと一緒に練習するたびに学ぶことは山ほどある。天心はとても強くスピードのあるファイターだ。倒すのが簡単だとは思っていないけど、闘っていく中で弱点は見えてくると信じている。
 
──イグナシオ選手と二人三脚で打倒天心を果たしたい、と。
フェデリコ そうだね。僕とイグナシオが所属するジムにとってはリベンジ戦ともいえる。ただ、誰かのために闘うというより自分がどこまでできるのかを試したい。
 
──メイウェザーと闘うことで世界中にその名を轟かせた天心選手を倒せば、あなたの知名度は世界で知られることになるでしょう。
フェデリコ アルゼンチンファイターの魅力を世界に届ける、絶好の機会だと思う。この一戦のために私は他に負けないぐらいほどハードな練習を積み重ねている。天心戦でアルゼンチンファイターの素晴らしさを見せつけ、その勢いで優勝したい。そしてRISEの会場でアルゼンチン国旗を高々と掲げたい。それはアルゼンチン人にとって大きな誇りになる。天心、リングで会おうぜ、本物のチャンピオンはリングで決まる。
 
◯フェデリコ・ローマ(Federico Roma)
・所属 Dojo Serpiente ・身長 171cm ・生年月日 1985/6/27(33歳)
・出身地 アルゼンチン ・戦績 68戦62勝5敗1分(30KO)
・タイトル WKNムエタイ世界-58kg級王者、WKN K-1世界-5kg級王者、WKNムエタイ・インターナショナルー57kg級王者、WKCムエタイ・インターナショナル-58kg級王者

 

❐ウラジスラフ・ミキータス インタビュー『日本で闘うことが夢でした。この大会のために、週11回練習しています』
ウクライナ出身のファイターといえばイゴール・ボブチャンチン、アルトゥール・キシェンコが有名だが、最近“ウクライナの神童”呼ばれるキックボクサーが現れた。-58㎏級トーナメント一回戦で志朗と激突するウラジスラフ・ミキータスだ。
 
──日本の大会からオファーが来た感想は?
ミキータス(声を大にして)以前から日本でファイトすることが夢だったので本当にうれしかった。キックボクシングやK-1発祥の地は日本という話も聞いていたので、参加できて本当によかったと思います。
 
──世界中から強豪たちが集うトーナメントにウクライナ代表としての参戦です。
ミキータス 参加する価値がある大会なので、この試合に向けてたくさん練習しているし、いろいろな努力を積み重ねています。
 
──キックを始めたきっかけは?
ミキータス 父がボクシングのファンだったんですよ。毎週日曜テレビで父親と一緒にボクシング中継を見るのが好きで、自分でも格闘技をやってみたいと思っていました。7歳の時、父の友達でムエタイのコーチをやっている人がいて、僕の存在を知るや、「息子がいるなら連れてこい」と誘ってくれたのがきっかけです。父と一緒にジムに行ったけど、その時のジムは地下にありサンドバックも少ないところだったので、ちょっと怖かったですね。
 
──子供の時からやっているなら、最初の試合はアマチュアだった?
ミキータス ハイ。やり始めてから半年くらいしてから出て勝ちました。その時にもらった賞状がうれしくて、自宅の壁に誇らしげに飾っていましたね。それからずっとキックを続けているけど、子供時代やジュニア時代にはほとんど負けた記憶がありません。ジュニアではムエタイのヨーロッパカップやワールドカップで優勝しています。
 
──ウクライナの神童じゃないですか。
ミキータス 続けて16歳からはシニアのムエタイ大会にも出るようになりました。大人が相手だったので初めて出たシニアの大会では優勝できなかったけど、2度目の出た大会では優勝することができたので、それからシニアの第一線で闘えるようになりました。
 
──時にはタイまで足を伸ばして練習したり、試合をしているという話も聞きました。
ミキータス ハイ、タイには5回ほど行っています。滞在期間はいつも2週間ちょっと。ワールドカップやヨーロッパカップに向けて現地で調整する時にはウクライナの仲間たちと一緒に行きます。
 
──今回初戦で拳を交わす志朗選手も同じように母国とタイを行き来してキャリアを積んでいます。志朗選手の印象は?
ミキータス 私は対戦相手全てに尊敬の念を持っています。(試合映像を見る限り)志朗選手は強いので、闘えることを光栄に思います。
 
──ともに格闘技のベースはムエタイ。ファイトスタイルや行動様式も結構似ていると思いませんか?
ミキータス 今回もルールはムエタイとは違うけど、みな同じ条件で闘わないといけない。
 
──志朗選手は「同じような経歴を持ち、同じようなファイトスタイルだけど、経験は僕の方が上」と断言しています。
ミキータス そうですか。自分の能力を証明するためにも、早く日本で試合をしたいと思います。
 
──志朗選手より上回っている部分は?
ミキータス 試合の流れ次第ですね。いまのところ何ともいえない。主導権をどちらが握るかが問題になってくると思います。
 
──どんな試合にしたいですか?
ミキータス 第一の目標はきれいに闘うことです。ファンを喜ばせるために素晴らしいパフォーマンスをお見せしたい。第二の目標はもちろん勝つことです。キックを始めるきっかけを作ってくれた父は5年前に亡くなりました。生きていたら志朗との試合を生で見たいと言っていたかもしれませんね。
 
──そうだったんですか。
ミキータス 天国の父、そしていつも僕をサポートしてくれる家族のために、いまは週11回練習しています。月曜から金曜までは1日2回、土曜は1回というスケジュールです。
 
──ハードですね。
ミキータス 難しいこともありますが、できる限り練習しています。そうしないとキックボクサーとして成功しないので。
 

❐ロッタンを破ってムエタイ王者になった男は現役高校生! 「決勝で天心と闘いたい」
タイから″もうひとりの神童″がやってくる。昨年10月25日、日本では那須川天心と激闘を繰り広げたロッタンとラジャダムナンスダシムア認定スーパーフェザー級王座を争い、弱冠16歳で新王者となったルンキット・ウォーサンプラパイだ。

──まだ十代だと聞きました。
ルンキット ハイ。1月20日に17歳になったばかりです。セクサンは奇しくも同じ誕生日なんですよ。

──幼少の頃からムエタイを?
ルンキット ハイ。TVでムエタイを見るのが好きだったので、7歳から始めました。兄弟は4人いるけど、ムエタイをやっているのは私だけです(微笑)。

──小さい頃、稼いだファイトマネーはどうしたの?
ルンキット お母さんにあげていました。いまもそうです。将来のために、貯金してくれていると思います。

──いまはムエタイ一本?
リンキット いいえ、いまは高校にも通っています。

──現役高校生ながら、ラジャのスーパーフェザー級王者! そのシチュエーションは高校在学中にRISE王者になった那須川天心選手と重なり合います。
ルンキット ラジャには10歳頃から上がっています。

──子供の頃から強かった?
ルンキット たぶん200戦くらい闘っていると思うけど、全く負けたことがなかったですね。

──なぜ強くなったと思いますか?
ルンキット ほかの子より勝負に対する決意が強かったからなんじゃないですか。

──ラジャでの初戴冠は、昨年日本で那須川選手と激闘を繰り広げたことで話題となったロッタンと空位の王座を争い奪取したと聞きました(昨年10月25日、同スタジアム。ルンキットが3-0の判定勝ち)。
ルンキット ハイ。ロッタンとの一戦が僕にとってはベストバウトですね。

──昨年那須川選手とも拳を交わしたスアキム選手とも激闘を繰り広げ、過去1勝1敗のイーブンと聞いています。
ルンキット スアキムも強かった。通算戦績はイーブンなので、近いうちに3戦目が組まれるでしょう。

──過去外国人選手と対戦した経験は?
ルンキット タイで欧米の選手とムエタイルールで闘ったことはあります。だけど、海外で闘ったり、ムエタイ以外のルールで闘ったことは一度もありません。

──そうなんですか! RISEルールの印象は?
ルンキット ヒジが使えないということくらいですかね。

──トーナメント一回戦を争うフレッド・コルデイロ選手の印象は?
ルンキット(VS那須川の試合映像を見ながら)まあまあ使える選手ですね。そこそこやれる。

──実際にコルデイロ選手と闘った那須川選手は「過去闘った選手の中で一番強かった」と証言しています。
ルンキット いやいや、僕から見るとあまり怖い選手ではない。

──コルデイロ選手は小回りが効くタイプです。
ルンキット こういうタイプとは試合をしたこともあるので全く問題はない。

──フレッド選手からメッセージを預かっています。「あなたがしっかりとトレーニングできていることを願う。あなたと闘うことを光栄に思うが、優勝するのは私です」
ルンキット 「お互いたくさん練習して日本で会いましょう」と伝えておいてください。

── 他の組み合わせも気になる?
ルンキット 同じブロックにいる志朗選手のことはよく知っています。彼はよくタイで試合をしているので。自分から見たらそんなに怖いタイプではないけど、自分のスタイルを持った選手だと思います。

──もし闘わば?
ルンキット まあ、負けないと思います。

──順調に自分が勝ち上がっていくことを想定したら決勝では誰と闘いたい?
ルンキット 決勝のリングでは天心と会ってみたい。彼はパンチが強いグッドファイター。カウンターの使い方もうまいので、闘ったら楽しい試合になると思います。

──このトーナメントはタイでもFITE TVで視聴できると聞きました。
ルンキット もちろんタイの家族にも見てもらいたいけど、世界中の人に楽しんでもらいたいですね。

◯ルンキット・ウォーサンプラパイ(Rungkit Wor.Sanprapai)
・所属 ウォーサンプラパイジム ・身長 173cm ・生年月日 1996年1月20日生(18歳) ・出身地 タイ・ラノーン県
・戦績 75戦58勝16敗1分 ・現ラジャダムナンスタジアム スーパーフェザー級王者


❐志朗インタビュー『背が高い対戦相手を倒せるテクニックをいくつか用意しています』
昨年11月17日、RISEデビュー戦で現RISEフェザー級王者の工藤政英を撃破して、そのポテンシャルの高さを見せつけた志朗。来るRISE WORLD SERIES -58㎏級トーナメント一回戦では未知の強豪ウラジスラフ・ミキータスと激突する。現在ルンピニースタジアムの第一線で活躍中の実力者は「長身のウクライナ人を倒す武器を用意している」と宣言した。
(聞き手・布施鋼治)

──出場メンバーが決まった時点で、どんな対戦カードを予想していましたか?
志朗 -58㎏級トーナメントには3名くらいの日本人選手が出場すると思ったけど、結局は那須川選手と僕のふたり。世界トーナメントをうたっているので世界中のトップが集まると思っていたので、誰と当たっても激しい闘いになると予想していました。
 
──初来日となるウラジスラフ・ミキータス選手の印象は?
志朗 工藤選手もそうだったけど、ミキータス選手もやりづらいタイプだと思う。だから組み合わせが決まった時点で、「なぜRISEは2戦続けてやりづらい相手をぶつけてくるのか?」と思いました(微笑)。試合映像を見る限り、細くて背が高い。結構パンチでガンガン来るタイプ。ベースはムエタイという話だけど、パンチでも結構打ち合っていた。
 
──私もネットに上がっていた試合映像を見たけど、シュートボクシングのようなロングスパッツを履いたり、パンタロンを履いての試合にも出ていました。
志朗 そうなんですよ。タイでも練習しているみたいだけど、全部が全部ムエタイというわけではない。
 
──タイで東欧系の選手と一緒に練習したり、試合をしたことは?
志朗 一度もないですね。
 
──自分より身長が高く、リーチが長いところは意識する?
志朗 はい。しっかりと対策を立てなければダメだと思います。
 
──試合映像を見る限り、ヒザ蹴りやアッパーを得意とする選手ですね。
志朗 そうですね。ただ、ヒザ蹴りは組み付いてからのものなので、RISEだと有効ではない。自分の距離を掴めた時点で勝負は見えてくると思います。
 
──過去にミキータス選手のようなタイプと闘ったことは?
志朗 タイでも(この階級だと)180㎝くらいの選手も結構多いので、闘いづらいことは確かだけど、経験がないわけではない。自分のローキックやパンチは当てやすいと感じています。
 
──東ヨーロッパ系らしく、ミキータス選手はアマチュアムエタイでも数々の実績を残しています。
志朗 ミキータス選手が主戦場にしているアマチュアムエタイの国際大会にはタイから陸軍系の(プロの)現役王者も出ている。かつてのゲーオもそうだし、ブアカーオのジムもプロの強い選手を送り込んでいる。そういうところでミキータス選手は勝っているので、普通に強いと思いますね。
 
──日本人が考えるアマチュアではなく、プロとアマチュアが混在する世界で揉まれた選手だというわけですね。
志朗 ウクライナはアマチュアボクシングが盛んなイメージもある(※北京とロンドンの五輪を連覇。プロ転向後、史上最速で3階級制覇を成し遂げたワシル・ロマチェンコもウクライナ出身)。ミキータス選手はレベルが高い選手だと思いますね。
 
──RISEルールで闘うのは今回が2回目。昨年の工藤政英戦で一度経験しているというのは大きい?
志朗 どんなシチュエーションになったらレフェリーから注意を受けるのかがわかったのでも全然違いますね。自分が対応できるルールだと思いました。それに近い距離でできる技もわかった。自分が得意なムエタイスタイルとRISEルールをどうやって組み立てればいいのか。少しだけ見えた気がします。
 
──どんな試合をイメージする?
志朗 前回の工藤戦は判定勝ちだったので、今回はKOで勝ちたい。そのためにいくつか身長が高い相手用のテクニックも用意しています。うまく決まれば、倒せると思います。
 
 
◯志朗(Shiro)
・所属 BeWELLキックボクシングジム ・身長 165cm ・生年月日 1993/6/23(25歳)
・出身地 日本・埼玉県 戦績 32戦23勝5敗4分(10KO)
・タイトル ISKAムエタイ世界バンタム級王者、初代ランシットスタジアム認定インターナショナル・バンタム級王者
 
 
❐スアキム・PKセンチャイムエタイジム事前インタビュー『日本が寒いかどうかが心配です。RISEでも僕はムエタイスタイルで戦います』
日本でもその名前が定着しているタイの強豪選手スアキム・PKセンチャイムエタイジム。
昨年11月両国大会でRISEに初登場。イグナシオ・カプロンチを撃破し今回のWORLD SERIES参戦の切符を手に入れた。
今回が三度目の来日となるが、本人の気になるところは対戦相手よりも日本の寒さか?
 
──一回戦の対戦相手タリソンの印象は?
スアキム 試合の映像は見ましたが特に何も感じませんでした。問題ないと思います。
 
──ブラジル人と戦うのは初めて?
スアキム そうですね初めてです。
 
──特に気をつける所は?
スアキム 試合で気をつけるところはないですが。日本が寒いかどうかが心配ですね。
 
──昨年11月にRISEに参戦済みです。RISEルールに慣れれば誰にも負けない自信がある?
スアキム RISEのルールに慣れてしまったら、タイでは勝てなくなってしまうと思います。RISEの選手はリングをクルクル回って戦います。これをムエタイでやってしまったらニィーヤンリオ(逃げるだけ)と言われてしまい。ムエタイでは負けになります。RISEでも僕はムエタイスタイルで戦います。
 
──優勝賞金で子供に何を買ってあげますか?
スアキム 分からないです。奥さんに全て渡しますから。
 
──ムエタイファンに誓いの言葉をお願いします。
スアキム こんにちは、スアキムPKセンチャイムエタイジムです。この様なチャンスを頂きありがとうございます。僕の田舎は本当に貧しいです。僕が勝って家族を助けます。
 
◯スアキム・PKセンチャイムエタイジム(Serkim PK Saenchai Muay Thai Gym)
・所属 PKセンチャイムエタイジム ・身長 172cm ・生年月日 1995/8/15(23歳)
・出身地 タイ ・戦績 130戦104勝23敗3分 ・タイトル ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者


❐“ブラックパンサ-”ベイノア事前インタビュー『空手VSムエタイの対立図式に“ムエタイにはない空手の技を使って勝つ”』
無敗の快進撃を続ける″ブラックパンサー″ベイノアに試練が訪れた。初めてムエタイ戦士と闘うことになったのだ。
 
――昨年はご自身にとってどういう1年でしたか。
ベイノア お笑いの方では負けが込んでいますが、格闘家“ブラックパンサー”ベイノアとしてはなかなか上出来な一年だったと思います。4月の極真会館の全日本ウェイト制空手道選手権大会では軽量級で優勝できて、キックボクシング戦績でも負けなしの1年でしたから」
 
――今回、ビッグマッチへの参戦が決まって心境はいかがですか?
ベイノア 今大会からRISE WORLD SERIES開幕ですよね? ですが、僕がRISEにコンスタントに出ている現役選手の中では一番WORLD SERIESですから(笑)。僕はアメリカ出身のハーフだけに国際戦のカードを組みたい時は、相手が日本人選手であれば僕はアメリカ人選手として出られるし、相手が外国人選手であれば日本人として出たりと順応出来ます。
 
――前戦となった昨年11月の渡部太基戦は会場が両国国技館でしたが、大観衆を前にしての試合だとテンションは上がりますか?
ベイノア 気持ちいいですね! ですが、会場は小さければ小さい方が僕の試合後のマイクパフェ―マンスはウケる気はしました。
 
――その渡部戦では、1Rに渡部選手の三日月蹴りで効かされて大ピンチからの大逆転勝ちでした。あの試合内容は、会場を盛り上げるためにビッグマッチ仕様だったのでしょうか。
ベイノア いや、計画的に最初にやられたわけではありません(笑)。あの三日月蹴りは相当効かされましたが、極真の選手として極真の技でもある三日月蹴りでもしあの時負けてしまえば、『どういうことなんだ!?』とシャレにならない展開でした。今では相手が三日月蹴りを蹴ってきたら足の指が折れてしまうんじゃないかというぐらい鍛えて鋼鉄の腹になっているので前回の試合はもう参考になりませんよ。
 
――今回の相手タップロンについてはどのような印象がありますか?
ベイノア 凄く戦績があるからこそのうまさ、非常に倒す力もあって、今まで対戦してきた中でも過去最強といっても過言ではない相手だと思います。距離感、技を出すタイミングも抜群で気を抜いたらそこを突かれてしまうかもしれないので3分3R一切油断出来ない試合になります。
 
――タイ人と対戦するのは空手のキャリアも併せて初?
ベイノア 自分が出ていた空手の大会でタイの選手は見たことがないので初めてです。ムエタイの選手を相手にどういう試合展開になるのか、実際にやってみないとわかりませんが、立ち技最強格闘技と言われるムエタイに対して、怖さは特に感じていません。
 
――空手vsムエタイは意識しますか?
ベイノア そういう見方になりますか? 競技を背負って戦うことを考えるとプレッシャーに感じてしまうので意識はしないようにします。僕はムエタイにはない空手の技をどんどん使って翻弄して勝ちたいと思います。
 
――次の一戦をクリアーして、2019年はどういう1年にしたいですか?
ベイノア まずは連勝記録を伸ばすことです。あとはマイクアピールで滑らないこと(笑)。そこで滑り笑いはいらないので、そろそろ次のステップに行かないといけません。WORLD SERIESに合わせて世界基準で会場が爆発するようなムードを起こしたいと思います。
 
――タップロンに勝利してから考えているマイクアピールはあるのでしょうか。
ベイノア これは言っておきたいという内容はありますので、勝ってからのお楽しみということで! 入場から始まりマイクアピールも長いというクレームが今までに何度かありまして、前回2月に清水先輩とのエキシビションマッチの時に競歩みたいな感じで入場したらクレームは出なかったのでこういうことなのかと(笑)。そういう中でいかに面白いポイントを組み込むかどうか、僕のスキルが次で試されると思います。
 
――その清水さんの引退エキシビションマッチは盛り上がりましたが、満足した内容は見せられました?
ベイノア 色んな形のエキシビションマッチがあり、ガチンコでやると言われつつ、清水先輩と打ち合わせがあるのかな?と思っていたら、『やらない、当日はガチだから』ということでした。終わってみれば、破壊兵器の異名を持っていた清水先輩が僕のことを破壊出来ずに終わったので、先輩は『やはり潮時だったな』と言われていました(笑)。あそこで僕が破壊されていたら困りますよ! 何度、上段ヒザ蹴りを顔面にもらいそうになったことか……あれをもらっていたら3月大会に出られなくなっていたと思います。
 
――先輩から闘魂伝承ならびに破壊兵器伝承されたと思いますが、清水さんからは何か感動的な言葉はかけられましたか?
ベイノア 試合後のインタビューで『最後に拳を交えることが出来たので清水先輩の意思を受け継いでいくのは僕しかいないと思います』と答えたら、横にいた清水先輩からは『いやいや、まだお前には任せられないよ』と(笑)。前回、清水先輩が引退試合をやった日に、僕は渡部選手との死闘を制してRISEのチャンピオンになることが出来たので完璧なストーリーだと思ったんですけどね……。でもここから覆さないといけないので、対戦相手をどんどん破壊していき会場を沸かせて清水先輩に認めてもらえる選手にならないといけないと思っています。
 
――二代目破壊兵器襲名ですね!
ベイノア エキシビションマッチ後のマイクパフォーマンスで『二代目破壊兵器のベイノアです』と言ったら、『勝手に破壊兵器を使わないでくれる?』と言われました……。ですが、清水先輩の意思を引き継いで、次の試合は必ず倒して勝ちます。押忍!
 
◯“ブラックパンサー”ベイノア(“BlackPanther”Beynoah)
・所属 極真会館 ・身長 178cm ・生年月日 1995/8/20(23歳) 
・戦績 11戦11勝(7KO) ・タイトル 第2代RISEウェルター級王者、J-NETWORKウェルター級王者
 
 
❐鈴木真彦 事前インタビュー『今年も負けなしでいく』
先日、誕生日を迎え22歳になったRISEバンタム級王者・鈴木真彦(山口道場)。12連勝中と絶好調の王者はバンタム級の世界トーナメント開催を訴えながら、那須川天心へのリベンジを誓う。ここで負けるわけにはいかない。
 
――2月21日に誕生日を迎えたばかりですね。おめでとうございます。
鈴木 ありがとうございます。試合が近いということもあり、今年の誕生日は特にこれといったことはしていません。いつもは友達が祝いに来てくれるのですが、試合が終わってからみんなに祝ってもらおうかと思います(笑)。
 
――今までに一番思い出深かった誕生日での出来事はありますか?
鈴木 高校生の時に、0時を回って誕生日になった時にサプライズな感じで顔面にケーキを容赦なくぶつけられたことですね(苦笑)。
 
――2018年を振り返って、ご自身にとってどういう1年でしたか?
鈴木 チャンピオンになりいい1年でしたが、特に気持ち的に変わりはありません。ベルトを獲ってからがスタートなので、強くなること、一番になることを目標にやるだけです。
 
――今回、RISEのビッグマッチ参戦が決まって心境はいかがですか?
鈴木 RISEの大舞台であり、RISEのチャンピオンになっての初戦なのでしっかりと魅せる試合をしないといけないと思います。
 
――対戦相手のユン・ドクジェについてはどのような印象があります?
鈴木 日本人トップ選手(小笠原瑛作、江幡塁)と試合経験があり、日本人選手がみんな判定勝ちしているので判定決着はまずい。他の選手との差を見せ付けるたけに僕は倒して勝たないといけないと思います。先々には(小笠原、江幡などの)日本人トップ選手や海外の強い選手を倒して自分の強さを証明していきます。
 
――長身の選手ですが、やりづらい? それともやりやすいですか?
鈴木 そこはあんまり意識してないですね。特に長身対策もしていません。
 
――試合に向けた練習ではどういうことを強化していますか?
鈴木 いつも通り、その技でも倒せるように全ての技を強化していますね。必殺技ですか? 特にないのですが(笑)、パンチが得意なのでガンガン気持ちを前面に出す試合を見せます。
 
――2015年8月のBLADEトーナメント一回戦で那須川天心選手に1RKO負けして以降、12連勝と絶好調ですね。
鈴木 今年も負けなしでいきます。試合もガンガンやっていきたいですね。でも、まず今度の大会では、一般的に世界トーナメントで盛り上がっているので自分の存在感を示さないといけません。
 
――その世界トーナメントには、リベンジを狙っている那須川選手が出場します。
鈴木 メンバーがめちゃくちゃ豪華ですよね。優勝予想は天心君ですかね。世界チャンピオンになったら僕のリベンジマッチを受けてくれますかね? 後々は僕の55kgでも、優勝賞金1000万円を懸けた世界トーナメントを開催してもらいたいですね。それを実現させるために僕が有名にならないといけないですし、もっと実力を付けないといけません。物欲もあるし、美味しい物も食べたいので1000万円あったら夢が膨らみますよね……(笑)。
 
――最後に会場に来てくれるファンにメッセージをお願いします。
鈴木 RISEバンタム級王者・鈴木真彦が一番面白かったと思われる試合をするのでぜひ注目して下さい!
 
◯鈴木真彦(Masahiko Suzuki)
・所属 山口道場 ・身長 168cm ・生年月日 1997/2/21(22歳)
・出身 大阪府 ・戦績 23戦20勝3敗(11KO) ・タイトル 第7代RISEバンタム級王者

大会概要・対戦カード

3・10 RISE チャンヒョン・リー事前インタビュー『knockoutから試合間隔は短いけど、全く問題ない。前回同様、KOで私がファンでもある裕樹選手を倒します』


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