「聖地と言われるところでやりたかった」プロレスの美学に魅せられた希代の空中戦士SUGIにインタビュー!2月11日(月=祝)後楽園ホールで、デビュー15周年記念大会!

■ SUGI・15周年記念興行『天下無双~そして未来へ~』
日時:2月11日(月=祝)開始:12:00~ (開場 11:00~)
会場:東京後楽園ホール

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【対戦カード】
<第5試合 メインイベント 6人タッグマッチ>
ウルティモ・ドラゴン、ザ・グレート・サスケ、SUGI vs. 新崎人生、新井健一郎、めんたい☆キッド

<第4試合 タッグマッチ>
田中将斗、火野裕士 vs. 谷嵜なおき、鈴木槙吾

<第3試合 タッグマッチ>
日高郁人、菅原拓也 vs. がばいじいちゃん、宮本裕向

<第2試合 タッグマッチ>
大谷晋二郎、高岩竜一 vs. 剣舞、阿部史典

<第1試合 タッグマッチ>
アジャ・コング、佐藤耕平 vs. KENSO、ハイビスカスみい

※諸事情により対戦カードが変更となる場合もあります。
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【以下インタビュー】
――2月11日(月=祝)、東京・後楽園ホール大会でSUGI選手のデビュー15周年記念大会「天下無双~そして未来へ~」がおこなわれますが、なぜ記念興行を開催しようと思ったのですか。
「記念大会というのはずっと考えておりまして、10周年のときも本当はやりたかったのですが、諸事情により実現には至らず(苦笑)。それでも、15周年には後楽園ホールが取れたらやりたいと考えていたんです」
――後楽園ホールで自主興行をやりたかった。会場限定なんですね。
「ハイ。今回、後楽園ホールを確保できたので、開催することになりました。私自身で記念大会をやるのも初めてのことになります」
――昨年11月に、ZERO1の天下一ジュニアで優勝。そのときの願い事として「2019年の天下一ジュニアは後楽園でやりたい」とのことでしたが、それよりも先に自身の記念興行を後楽園で開催することになりました。
「後楽園ホールは(プロレスの)聖地ですので。みちのくプロレスで言えば矢巾(町民総合体育館)になりますね。その聖地と言われるようなところで独特の空気感に包まれながら、私自身の記念大会を開催したいという思いが強かったです」
――ただ、2003年5月デビューですから、本当の15周年は昨年(2018年)ですよね。
「そうなのですが、今申し上げた通り、後楽園ホールにすごくこだわりがありましたので。しかも、開催するならば、いい曜日いい時間でと思っていたところ、今回、運良くそういう曜日と時間で取れたので」
――ということは、ずっと以前から計画はしていたわけですね。
「そうです。実際、一昨年の7月くらいから話はしていたんです。でも、なかなかいい日が取れなくて。ちょっとずれ込みましたけど、ようやく実現できることになりました」
――SUGI選手は闘龍門11期生としてメキシコでデビューしたわけですが、なぜレスラーになろうと思ったのですか。
「やっぱり強さにあこがれるというか、強さだけじゃない技術も含め、プロレスっていう美学に魅せられてというか」
――美学とは?
「なんていうか、私としては、プロレスは芸術だと思うんです。受けることもそうですし、どう受けたら相手が光るだろうか、相手が光ることによって自分も光るという、強さとかを超越しているという部分に惹かれました」
――勝ちを狙うだけではなく、相手のことも考えてと。
「ハイ。相手のことも考えて。相手の強さを引き出して勝てば、自分がより強いことになりますし、そういうのをプロレスから感じたんです。中学2年生のときです。あ、これしかないなって思ったんです。」
――実際のプロレスを見るようになったきっかけは?
「実際のプロレスに関しては、兄が好きで、当時はVHSなんですけど、録画してためてあったワールドプロレスリングとか、全日本の中継とかを寝る間も惜しんで見てました」
――では、実際のプロレスを見てさらにその美学に魅了されたという感じですか。
「そうですね」
――プロレスラーになると決めてからは、どういう選手をめざしていたのですか。いまのような空中殺法を駆使するスタイルなのか、それともまったく違うものだったのか。
「一番最初にすごいなと思ったのは、アントニオ猪木さん、長州力さん。そこから橋本真也さん、蝶野正洋さん、武藤敬司さんとなって」
――闘魂三銃士ですね。
「ハイ。また、グレート・ムタ、獣神サンダー・ライガー。基本、パワー系の人が好きだったんです。その後、いろいろ見ていくうちにハヤブサさんだったりとか、ドラゴン・キッドさんだったりとか。でも、空中殺法を使う選手になりたいなと思ったことはなかったんです。空中殺法にとくに興味があったわけではなくて、むしろパワーファイターのほうに興味があったんです。なんですけど、(身体が)小さいので相手を持ち上げることもできない。持ち上げたらなんかナンセンスというか、辻褄が合わないような気がして。辻褄を合わせるために無理矢理飛び技をやったという感じです」
――本当はパワーファイターになりたかったけれども、実際にやるとなるとそうではないだろうと。
「ハイ。そうです。ほぼ最小なので(苦笑)」
――ただ、身体が小さいハンディを克服する運動神経のよさというか、空中殺法のセンスなど優れたものを持っていたわけですよね。
「そうみたいです」
――そこに気づいたのは?
「中学生のときに気づいていました。でも、気づいていたとしても、見せたいものではなかったんです。本当に見せたいのは力の方でした。でもしょうがないですよね、持って生まれたものなので」
――とはいえ、その運動センスがあったからこそプロレスラーになれたわけですよね。
「そうですね」
――デビュー後は、本来めざしていたパワーファイターではなく、空中殺法中心のスタイルになりましたが、それに関してはどう感じていましたか。
「やるならとことんやりたいなって思っていました。(空中戦を)やりたくないってことではないです。お客さんが喜ぶ最善の方法を考えようってことでやっていました」
――当時は、その空中殺法が実に驚異的で、すごい新人が出てきたなという印象がありました。その後、さまざまなリングネーム、キャラクターでやってきていますが、マスクマンは望んでいたことですか。
「望んではいなかったです。望んでいたのはやっぱり、本名で素顔でした」
――素顔のときでも本名ではなかったですからね。
「ハイ。でも葛藤とかはべつになかったです。(デビュー時のミニCIMAは)コピーキャラでしたし。ただ、CIMAさん以外だったらちょっと残念だったなっていう感じがありました。CIMAさんだったので全然よかったし、受け入れられました。偉大な先輩ですから。ミニとしてCIMAを受け継ぐのは光栄でした」
――なるほど。では、どのキャラクターがもっとも思い入れが大きいですか。
「義経です。なぜかというと、期間も長かったですし、(みちのくで初めてシングルの)チャンピオンになったというのもありますし、ライガーさんに勝ったとか。義経になってからは、素顔でやりたいとか本名でやりたいとかいうのがなくなりました。義経をやっていて、よけいな思いがなくなりました」
――自分は義経なんだと。
「ハイ、そうです」
――現在はSUGIというリングネームで闘っていますが、2009年7月、メキシコのAAAでこの名前になったんですよね」
「そうです」

――現時点ではSUGIがもっとも長期間使っているリングネームになりますが、SUGIがもっとも素の本人に近いですか。
「というか、SUGIは義経の進化形みたいな感じです。確かにメキシコでは義経だと呼びにくそうですし、背景を知らないとわからないと思うんです。だったら普通にSUGIの名前でとなったのかもしれないです。実際、(AAAから)名前なににする?と聞かれてなにも思い浮かばなかったですから(笑)」
――それでAAAがつけたリングネーム?
「いや、違います。自分で“SUGI”と言ったら、短いなとかけっこういちゃもんつけられたんですけど(笑)」
――自分で自分の名前を言ったと。
「そしたらそれがそのまんまリングネームになってしまったんです(笑)」
――以来、SUGIでやってきていますが。
「本当は義経でずっといたかったんですが、エル・ブレイザーもやめて、それらも経てのSUGIなので、ほかのキャラクターとかをもう考えなくていいのかなって思っています。実際、SUGI以外でのオファーもあるんですけど、それは断っています」
――自分としては、SUGI一本で通したい?
「そうです」
――現在、ZERO1所属ですが、入団して1年が経過しました。
「ZERO1に入団したのは、すごくおもしろい団体なんですけど、その頃、お客さんが入っていなかったんです。なので、自分が入れば力になれるかなって思いました。ヘビーのぶつかり合いみたいなものが多かったので、そこになにかまたひとつスパイスが加われば、よりよくなると思ったんです」
――新しい風景を見せられると?
「ハイ。さらにバラエティーに富んだものが見せられるかなと思いました」
――実際、昨年は大きな活躍を見せました。天下一ジュニアトーナメントで優勝し、インターナショナルジュニア王座とNWA世界ジュニア王座の2冠王、風林火山タッグトーナメントも佐藤耕平選手と組んで制しました。
「ヘビーと当てられることが多くて、肉体的にはだいぶきつかったんですけど、すごく有意義な時間を過ごしてるなっていう感覚でいましたね。なので、今年はヘビーのベルトにも挑戦したいなと思います」
――ジュニアだけではなく、ZERO1では必然的にヘビー級との絡みも出てきますからね。そういう意味では以前からめざしていたパワーファイター的なものもできるのではないですか。
「いずれはそういうものも出さざるを得なくなるというか、そうなってくると思います」

――田中将斗選手や耕平選手らとも対抗しないといけない。
「そうですね」
――ジュニアの方では、1・19新木場でZERO1ジュニアの顔とも言える日高郁人選手を相手に2冠王座を防衛しました。また、1・27大阪では若い北村彰基選手のタイトル初挑戦も退けました。
「ZERO1ジュニアに関しては、ちょっと層が薄いかなっていう感じがします。ほかから借りてくるということはなくてもいいですけど、なんか考えないといけないかなっていう気持ちはあります」
――「日高郁人じゃない、大谷晋二郎じゃない、田中将斗じゃない。主役はオレだ!」という宣言もありましたが。
「それは、ヘビーとかジュニアとか関係ないんだと。ウェートに関係なく、すべて総なめするという。ジュニアだけで満足していない。ジュニアとかヘビーとかなくしてしまえばいいんじゃないかくらいの気持ちで言いました」
――「ZERO1の主役になる」と宣言したなかでの2・11後楽園、15周年記念大会となりますが、後楽園のラインアップはどういう思いで組んだのですか。
「いろいろ断られているんですけど(笑)。結果的にウルティモ・ドラゴン校長に出てもらえるということで、ゆかりのある人たちに出てもらうころができたのかなって」
――第1試合、佐藤耕平&アジャ・コング組vsKENSO&ハイビスカスみぃ組は?
「KENSOさんは私がメキシコにいたときに組んでいたので、この大会に入ってもらいたかったんです。アジャさんも仲良くさせてもらっているんで、そこでミックスドマッチにしたんです。昨年8月に、火野プロレスというのが千葉Blue Fieldであったんですが、そのときに田中将斗vsハイビスカスみぃというとてつもないカードがあったんです。そのとき、ハイビスカスみぃがメチャクチャ頑張っていて。これだったら耕平さんと当ててもおもしろいんじゃないかなと思って。ハイビスカスみぃが耕平さんの蹴りを受けるのか、アジャ様の裏拳を受けるのか(笑)。それに、耕平さんとKENSOさんもあまり絡んだことないんじゃないですかね」
――大きい者同士で見応えありそうですね。
「そうですね。両方とも身長が190センチくらいありますから」
――第2試合の大谷晋二郎&高岩竜一組vs剣舞&阿部史典組は?
「大谷&高岩というのはZERO1を代表する2人になりますから。そこになにか、みちのくプロレスのカラーを入れようかなと。そこで剣舞。阿部史典とのタッグがこの2人にどう噛みついていくのかなっていうのが見たいので、組みました。剣舞はいま(みちのくの東北ジュニアヘビー級)チャンピオンですし」
――第3試合の日高郁人&菅原拓也組vsがばいじいちゃん&宮本裕向組については?
「これはもう、お笑いです(笑)」
――がばいじいちゃんの世界になると。
「ハイ。こういうのをカードにはさんでいってもいいのかなって。日高さんも裕向もけっこうこういう試合に対応するじゃないですか。なので、お笑いで組んでみました」

――菅原選手は、デビュー戦で絡んだ相手ですよね。
「ハイ、闘龍門の先輩です」
――当時のリングネームはヘンリーⅢ世菅原。
「先輩後輩の関係も今大会では組み込みました。(先輩の)アラケンさんもそうですし、後輩の年上である、めいんたい☆キッドも。谷嵜なおきさんもそうです。浅井さん(ウルティモ・ドラゴン)は師匠であり。そういう闘龍門の血というか、DNAを随所に入れたかったんです」
――なるほど。ではセミファイナルの田中将斗&火野裕士組vs谷嵜なおき&鈴木槙吾組というのは?
「鈴木槙吾ですけど、私の高校には柔道部がなくて、街の道場に通ってたんです。彼は私の3つ下だと思うんですけど、当時中学生でいっしょにプロレスごっこしてました。その後、プロレスラーになるだったか格闘家になるかだったかよくおぼえてないですけど、そういうことを言っていて。それで3、4年前くらいにパンクラスのチャンピオン(ウエルター級キング・オブ・パンクラシスト)になってたのを知ってビックリして。すごい頑張ってるんだなと思ったんですね。それから電話かけたのがきっかけで、プロレス興味ないか聞いてみて、そこからやるとなって出てもらうことになりました。高阪剛さんのALLIANCEに所属している格闘家で、プロレスのリングに上がるのは初めてになります」
――プロレス初チャレンジ?
「ハイ」
――それでいきなり田中&火野組というのも…。
「(当日のパートナーになる)谷やんには怒られました(笑)」
――そして、SUGI選手の登場するメインです。ウルティモ・ドラゴン&グレート・サスケ&SUGI組vs新崎人生&新井健一郎&めんたい☆キッド。
「パートナーがダブル師匠というか。そのダブル師匠と並んだ姿をぜひ写真に収めたくて組みました(笑)」
――記念大会ならではの組み合わせですよ。
「そうですね。このトリオは初めてですね」
――日本の空中戦の歴史、そのDNAが一度に並ぶようなトリオになりますね。
「そうですね。相手の人生さんは、みちのくプロレスの社長。メインで闘うべき人だと思って入ってもらいました。アラケンさんは私が闘龍門に入ったときに一番多く練習を教えてくれていた先輩なんです。めんたい☆キッドは闘龍門時代の半年後輩なんですけど、当時は別のリングネームでした。当時の後輩ということで、ここに入ってもらいました」
――では、SUGI選手はこの大会でなにを見せたいですか。
「闘龍門のすごさというか、校長のすごさも含めて、そういうところを見せたいですね。それにルチャを見せたいですよね。メインはルチャになると思います。自分の原点というか、過去に現在も絡めて」
――では、15周年記念大会の先は?
「その先、国外の試合にも興味あるし、他団体にも興味あります。もちろんZERO1の一員として“ZERO1のSUGI”と言ってもらえるように、ZERO1を盛り上げていけたらなと思っています」
(取材・文:新井 宏)

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