INNOVATION認定、第5回岡山興行、試合結果報告! 浅川大立がメインで勝利!

■Japan Kickboxing Innovation 認定 第5回岡山ジム主催興行
主催:岡山ジム
会場:岡山武道館(岡山県岡山市北区いずみ町8-27/http://okayamabudokan.jp/)
日時:2018年12月16日(日)
認定:JAPAN KICKBOXING INNOVATION(http://kick-innovation.com)

<第15試合 セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント 決勝戦 3分3回戦(延長1ラウンド)
●髙橋 聖人(真門ジム/日本キックボクシング連盟/NKBフェザー級王者/59.0kg)
 判定0-2(29-29、29-30、28-29) ※浅川がトーナメント優勝。
〇 浅川 大立(ダイケンスリーツリー/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフェザー級王者/58.9kg)

公式パンフレットで競馬風に勝敗予想を立てた企画ページがあり、髙橋は5人の識者のうち2名が本命に2名が対抗に推し4名もの白マークをつけたが、浅川には1名が穴に選んだのみで、「最も支持された選手」と「最も支持されなかった選手」のあまりにも意外な決勝戦となった。
好対照はこれに留まらず、髙橋は最年少で平成生まれの20歳、浅川は最年長で昭和生まれの37歳である。
ここまでの2試合、いずれも激戦を勝ち上がったが、涼やかに見える髙橋に対し、浅川はノンストップの激しい試合内容がフルで延長ラウンドまで戦ってるだけに満身創痍ではないかと心配される。
だがしかし、ゴングが鳴ると浅川は、それまでの猛ラッシュ以上の超ラッシュを爆発させ、パンチのみならず左右の肘を凶悪に振り回す。
これに髙橋は、下がらず応戦。
高速右ローキックを立て続けに連打し、上中下に攻撃を散らせて多彩さも発揮する。
頭部の意識が断たれるような攻撃こそ喰らわぬようにしながら、浅川の脚や腹は相当のダメージを被っているに違いないだろうに、髙橋がひとしきりのコンビネーションを叩きつければ、倍返しでパンチとヒジ、ローキックのラッシュをお返しする。
不思議なのは、3試合目のここにきて浅川の技が多様になっていること。
右アッパーやハイキックなど、直打一辺倒ではなくなり、熱意に隠された技術が見え隠れもする。
それにしても両雄のでデタミネーション(覚悟)は凄まじく、観客は開いた口が塞がらない状態。
第2ラウンド終了後、プロモート本部から「ここまでの採点は、2名のジャッジが五分、1名が浅川を支持」と発表される。
最終の第3ラウンド、髙橋は、華麗なテクニックの華を捨て、あえて浅川の「バチバチ」に付き合うように、その分、攻撃を当てる頻度を高めるが、
浅川の勢いは、これまで同様、終盤に向かうにつれ増し増しとなる。
呆れるほどに打ち合う両者を止めることができるのは、試合終了のゴングのみ。延長戦も十二分にあり得る緊張の漂う判定結果は、1名がドロー、2名が浅川を支持し、ここで栄えあるトーナメントチャンピオンが決定した。

髙橋聖人のリング上コメント:最後はグチャグチャになってしまいましたが、もう一度、頑張ります!

浅川大立のリング上コメント:岡山の皆さん、こんにちは! 山梨から来た浅川大立です!
INNOVATON(JAPAN KICKBOXING INNOVATION)のチャンピオンに今年なって、
こうやって優勝させていただくことができました。
37歳になりますが、まだ進化できることを、これからも証明していきます!
優勝賞金の50万円は、山梨から応援に来てくれた仲間たちと一緒に今夜全部岡山で遣います!
山梨も良いところなので、是非、遊びにいらしてください!

浅川大立の優勝後控室インタビュー

——優勝おめでとうございます!

いやはや、最高です!

——大激闘の3試合いかがでしたか?

最初から最後まで気持ち良かったです!

——お身体が心配ですが怪我は?

ローキックがちょい効いたかな(笑)。

——決勝戦前のダメージはいかほどあったのでしょう?

自分で蹴った脚が痛えなくらいっすかね。

——今のお気持ちをお聞かせください。

「してやったり!」ってところです(笑)。
俺は、プロデビューが26歳で遅いけど、
その間に5年のブランクがあって、実質30歳過ぎから本腰入れたみたいなもんで、
それでもこうやって優勝できるんだぞと!

——何が浅川選手の心の支えになったのでしょう?

普段は、毎日、仕事をしていて、
(基礎建築会社の)社長なんかやてるもんだから、
現場と事務所の往復で、肉体労働だけじゃなく、経理だなんだって苦手な事務仕事もやっている中、
練習の時間を作るわけで、試合なんかよりもよっぽど心が折れそうになる中、耐えてここに来ることができて、
精神的には今日のリングよりも辛い目に遭ってきたから、こうやって平気なんです。
そうして鍛えた精神力は、肉体の限界を凌駕がするってことを少しでも証明できて、
それを皆に感じてもらえれば嬉しいです!

——これで賞金50万円もKNOCK OUT出場権も手に入れました。

KNOCK OUT、楽しみですね! 誰とだってやりますよ! 打ち合ってくれる奴とだったらより最高!
じゃあ、これから50万円を派手に岡山で遣ってきます!(笑)

第14試合 株式会社ミズケイ presents WPMF女子世界フライ級(50.8kg)タイトルマッチ 2分5回戦
× 白築 杏奈(王者/日本/138 KICKBOXING CLUB/WPMF女子世界フライ級王者、元NJKFミネルヴァライトフライ級王者/50.8kg)
〇 タナンチャノック・ゲーオサムリット(挑戦者/タイ/ゲーオサムリットジム/WPMF世界女子フライ級暫定王者、元WPMF世界女子ライトフライ級王者、ミラクルムエタイ女子ワンデートーナメント2018 優勝/50.3kg)
判定0-2(48-49、49-49、48-49) ※タナンチャノックが新王者となる。

「挑戦者の気持ちでいく」と試合前から明言していた白築は、
その言葉の通り、試合開始からすぐにパンチで突進し倒しにいく。
世界的強豪として鳴らすテクニシャンのタナンチャノックは、咄嗟に肘打ちをあわせ、
キレのある右ミドルキックを叩きつける。
勝負は、この白築の突進パンチ、タナンチャノックのミドルキックに終始した。
「ガードするくらいなら相打ちでもパンチを叩き込む」というワイルドな選択をしたのか、
タナンチャノックの鋭い蹴りを一切カットすることなく、中盤までに白築の左わき腹は真っ赤に腫れ上がる。
パワー×テクニックの典型の展開ながら、気迫が湯気をあげるように満ち満ちている白築に負けず、
タナンチャノックも声を張り上げて反撃し、精神面でも激しくノンストップで激突を繰り返す。
タナンチャノックの意外な一面は、力強い白築の首相撲をほとんど技術で封じ込めたこと。
これにより一方的な白築の攻勢場面は、ほとんど見られず、闘牛士のように舞い戦うことができた。
白築の大応援団の声援は、昨年の岡山興行(世界挑戦時)同様に凄まじく、
毎ラウンド、白築にエンジン添加剤を注入して笑顔にするルーティンを繰り返し、
スタミナは無限のように激しく攻め続ける。
そんなアウェーでも気力負けしないタナンチャノックも流石。
そんなフルラウンドの打ち合いは、マジョリティデシジョン(判定2-0)となり、
ジャッジは、タイ人選手を新女王として支持した。

<第13試合 有限会社トータルプランニングルミナス presents WPMF世界スーパーライト級(63.5kg)暫定王者決定戦 3分5回戦>
●ワンマリオ・ゲーオサムリット(スペイン/ゲーオサムリットジム/元WPMF世界ライト級王者/63.2kg)
 判定0-3(47-49、47-49、48-49)
〇 山口 裕人(日本/山口道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/元WBCムエタイ日本スーパーライト級王者、元INNOVATIONスーパーライト級王者、元DEEP☆KICK 63kg級&65kg級王者/63.4kg)
※山口がWPMF世界スーパーライト級暫定王者となる。

タイで100戦以上も闘い抜きファラン(タイ語:西欧人)のナックムエ(タイ語:ムエタイ選手)として有名なワンマリオは、
日本でこそKNOCK OUTで梅野源治と森井洋介に敗れているが、世界的な強豪であることには変わりない。
初の世界戦に挑む山口は、ムエタイタイトルマッチながら、ワイクルーをスルーするのと同じく、
まったくいつも通りの猛烈なキックボクシングスタイルを貫き通す。
初回から様子見なしにコンビネーションブローからローキックを叩きつけ、
特に右フックのボディーブローを効かせながら、次には同じタイミング右オーバーハンドで頭部を狙う攻撃が何度も当たる。
タフネスに優れたワンマリオは、これらにタジタジになりながら、序盤、中盤を耐え切り、
反撃を始めるかと思われたが、そのきっかけたる首相撲も山口は負けず、
ハイキックのカウンターもかすめるに留まり、それでいながら山口の勢いは最終5ラウンドまで止まらず駆け抜けて
久しぶり(4年ぶり)の判定決着となったが、終始打ち合いの主義は崩さず世界タイトルを手中にした。
セコンドについていた同門で実弟の山口侑馬の目には、涙が光っていた。

山口裕人のリング上コメント:しんどかったー! 判定は4年ぶりやし。
俺も侑馬も勝ったり負けたりで心配かけるけど、これからも二人して面白い試合していきますんで、
皆さん、応援よろしくお願いします! やー、良い年越せるわあー!

<第12試合 有限会社トータルプランニングルミナス presents WPMF世界スーパーウェルター級(69.85kg)暫定王者決定戦 3分5回戦>
〇 シンマニー・ゲーオサムリット(タイ/ゲーオサムリットジム/元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級、スーパーライト級王者ライト級王者、ISUZU杯2012年トーナメント優勝、THAI FIGHT 67kg級2012年優勝、元WPMF世界ウェルター級、スーパーウェルター級王者、元ルンピニースタジアム認定ウェルター級3位、ミラクルムエタイワンデートーナメント2018優勝/69.2kg)
判定3-0(49-46、49-48、49-46) ※シンマニーがWPMF世界スーパーウェルター級暫定王者となる。
●T-98[タクヤ](日本/クロスポイント吉祥寺/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVTIONスーパーウェルター級王者、REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王者、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者、元WPMF世界ミドル級王者、元INNOVTIONウェルター級王者、元WBCムエタイ日本ウェルター級王者、元WPMF日本ウェルター級王者/69.85kg)

シンマニーがムエタイを極めつくし、海外で暴れまわる35歳のベテランならば、
T-98も元ラジャダムナンスタジアム認定王者であり、現在も向上を続ける33歳。
両者ともワイクルーを丹念に踊り、重厚な雰囲気を漂わせる。
だが、試合は「序盤様子見」が定番のムエタイにあらず、開始からサウスポーのシンマニーに
得意の右ストレートをボディーに決め、ローキックを叩き込む。
シンマニーは、速度もタイミング、重さも十分な左ミドルキックを強振。
前半は、このほとんどをT-98が見事にヨックバン(脚を上げるガード)してみせる。
しかし、シンマニーは、鬼の形相で左ミドルを連打すると、カットしきれないT-98の右腕は赤黒く腫れ上がる。
それと同様にシンマニーの左腿も黒くなり、タフマンコンテスト的展開に。
第3ラウンド、その均衡が一気に崩れる。
それまでストレートの単発が主だったシンマニーが狙いすませて右フックを打ちくと
T-98は前のめりに倒れてダウン。
派手な倒れ方のわりに意識は確かな様子のT-98は、追い打ちをかけるシンマニーのラッシュを受け切って反撃開始。
第4ラウンド、第5ラウンドとT-98がゴリラが荒れ狂うように猛撃するが、
流石のベテランムエタイトップファイターが見事に耐え切り、判定勝ちをものにして、
もう何本目かわからないベルトを巻いてその力を誇示した。

<第11試合 72kg契約 3分3回戦 坂本隆行引退試合>
○ フェニックス 森田(米子ジム/ルンピニージャパンスーパーウェルター級8位/71.45kg)
TKO 1R 1分44秒 レフェリーストップ
● 坂本 隆行(岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/71.65kg)

岡山興行で欠かせない人気選手、坂本がこの試合で引退を先に表明。
相手の森田は、3年前に坂本に勝利しており再戦となる。
大応援団のお祭り騒ぎの声援を受けて派手に入場する坂本。
同じく近隣の米子市から駆け付けた応援団も負けじと森田の入場を盛り上げる。
試合は、予想通りの坂本一発狙いの大振り右フックを森田がかわす展開。
森田がロープ際の膝蹴りで左目尻をカットさせ坂本が流血。
K-1エースの武尊の師匠だけある森田は、ここに前蹴りを合わせる対策をしており、これがズバリと決まる。
一度、ニアダウンの転倒があった後、森田が左前蹴りを坂本フックのカウンターで顔面を打ち抜き
レフェリーストップTKOで坂本最後のリングを締め括った。

試合後、坂本には惜別のテンカウントゴングが贈られた。

<第10試合 セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント 準決勝戦 3分3回戦(延長1ラウンド)>
〇 浅川 大立(ダイケンスリーツリー/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフェザー級王者/58.9kg)
判定0-1(28-28、28-29、28-28)→延長判定0-3(9-10、9-10、9-10) 
● 浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/ILFJ認定ラウェイ王者、元WPMF日本スーパーバンタム級王者/58.95kg)
※浅川が決勝戦進出。

1回戦をフルラウンド戦った疲弊など皆無なのか、それとも速攻KOで終わらせようというのか、
浅川がゴング直後から猛然とラッシュをかける。
それを見越したかのように浜本は、サークリングでそれをいなす展開。
突進してのワンツーを中心に手数足数は盛んながら、浜本は、タイミングを見計らった単発強打を振るう。
勢い的に浅川が呑み込みにかかるかと思われた刹那、浜本が回り込みながら引っ掛けるような左フックでダウンを奪取。
意外な展開に場内騒然となる。
そこからの第2ラウンド、ポイントを取り返すべく浅川がますますギアを上げてる中、
浜川は、カウンター狙いとラッシュを首相撲またはクリンチでかわす。
続く最終回、第3ラウンド、このままでは判定負けしてしまうであろう浅川は、
ひたすらに前進しパンチとローキック、肘を振り回す愚直な戦略のようでありながら、
段々とその攻撃嵐に浜本が巻き込まれ、浅川が言うところの「バチバチの打ち合い」に付き合わされてしまう。
このラウンドが終わり判定は、1名が浜本を支持するも2名はドローでマスト判定の延長戦へ。
勢いからすると浅川有利かと思われながら、前半を支配したのは、こちらも必死の浜本。
ボディーブローなどで浅川は失速していくように思われながら、
またも後半に入ると予備タンクが解放されたように浅川がラッシュ。
その渦は、終了に近づくにつれ荒れ狂い、ゴング間際は一方的になる具合で試合終了。
判定は、3-0で浅川の逆転勝ちとなった。

<第9試合 セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント 準決勝戦 3分3回戦(延長1ラウンド)>
● 岩城 悠介(PCK連闘会/聖域統一スーパーフェザー級王者/58.6kg)
判定0-3(28-29、28-29、28-29) 
〇 髙橋 聖人(真門ジム/日本キックボクシング連盟/NKBフェザー級王者/59.0kg)
※髙橋が決勝戦進出。

両者とも初戦を楽にクリアーはしていないだけにその消耗度が計られるところだが、弱った様子は見られない。
一貫してワンツーストレートを基調とする岩城と足技をジャブのように飛ばす髙橋でパンチ×キックの様相。
髙橋は、すでに赤黒くなっている岩城の左太腿を左ローキック、右内股ローキックで狙い打つ。
されど岩城の表情は変わらず、蹴りにパンチを合わせてダウン奪取を狙うが、髙橋の集中力は切れない。
髙橋にとっては「右ストレートを警戒」という先ほどのTHEPと似た命題をしっかりとこなし、
狙い目の左脚を潰しにかかるという明白なテーマをもって攻撃する作戦を遂行。
それに対し、岩城はワンツーストレートを突破口にヘッドハンティング(頭部狙い)に専念。
そんな対決で明確に頭抜けたのは、髙橋の多彩な蹴り技だった。
第3ラウンドには、ダウンしないのが不思議なほど痛烈にローキックを効かせ、
それでいながらパンチの決定打を一切許さなかった髙橋が、ユナニマス(3-0)の判定勝利。

<第8試合 INNOVATIONスーパーバンタム級(5534kg)王者決定戦 3分5回戦(延長1ラウンド)>
○ 安本 晴翔(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーバンタム級1位、元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者/本日20時計量予定)
KO 3R 1分12秒
● 和斗(井上道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーバンタム級3位/55.1kg)
 ※安本がINNOVATONスーパーバンタム級王者となる。

和斗と同階級とは思えないほど、手足が長く肩幅広く発達した安本の容貌はサラブレッド感が漂う。
試合開始すぐに速いローキックを打ち込む安本は、サウスポーから始めるが、数秒刻みに左右を入れ変えて構えるスイッチを頻繁に行う。
キックのフェイントも激しく、ローキックとハイキックが見分けがつかない打ち方で素早く打ち込むが、
和斗は、それを熟知している様子で、固く上げた両腕のガードを下げないでブロックし続ける。
そうした和斗の集中力は凄まじいが、安本はそれを「どこ吹く風?」とばかりに意に介さない。
ガードの上からでも圧倒的に攻め続ける和斗が攻撃に転じれる場面もほとんどないまま第3ラウンドに突入すると、
安本が単発の左ボディーフックを狙いすまして直撃させる。
これにたまらずうずくまる和斗がダウン。
なんとか立ち上がるも、これまで鉄壁を維持していたガードは消え去り、もう一発、
同じボディーを喰らった和斗は、悶絶して立ち上がることができずにテンカウントを聞いた。

<第7試合 67kg契約 3分3回戦>
●ヨードナティー・ポー・ムアンペット(タイ/ポー・ムアンペットジム/MAX MUAYTHAI GLOBAL Challenge 1位/66.4kg)
判定0-3(26-29、26-29、26-29)
〇 ジン・シジュン(韓国/Psychopitbulls/大韓キックボクシングCKSミドル級王者、ヨンナム地域KBC王者、TAS7チャンピオンシップ優勝/66.8kg)

開始早々、ジンの右ミドルキックをキャッチしたヨードナティーの左フックの返しが強く、KOする気満々を感じさせる。
猛ファイターのジンが最初からサウスポーのヨードナティーの前進に下がらされる意外な展開。
ところが、ロープ際の攻防で突如としてジンが放ったオーバーハンドのワイルドフックが直撃し、
バランスを崩し気味ながらヨードナティーがダウン。
その後、ジンはコーナーに詰めての高速右バックキックも鋭く直撃し、初回KOを予見させるが、
声を出してミドルキックや膝蹴りで前進し続けるヨードナティーの気力がそれをさせなかった。
第2ラウンド、ヨードナティーは、サウスポーが基本の構えながら歩くように前に出て、離れても掴んでも膝蹴りを連打。
これにやや苦戦し始めたジンだが、ヨードナティーの左の蹴りにあわせた左ボディーフックが鮮やかにきまりダウン。
これは決定打かと思われたが、それでも立ち上がる、
このラウンド終了後のインターバルでヨードナティーは嘔吐するほどのダメージがありながら、
最終回の第3ラウンドを、声を出して気迫を表し、前進と膝蹴りで攻撃し続け判定決着にまで持ち込んでみせた。
採点は当然の大差でジンが勝利し、その強さを誇示しながら、ヨードナティーの本気も光った。

<第6試合 INNOVATIONフライ級(50.8kg)新人王決定戦 3分3回戦(延長1ラウンド)>
● 清水 陽斗(マイウェイスピリッツジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/50.8kg)
KO 1R 2分3秒
○ MASAKING(岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/50.65kg)

開始早々に鋭い右ローキックを連打し、左ローも交えて手数の多い清水に
単発の攻撃を時々かえすMASAKINGが劣勢の様相だったが、
ロープ際でワンツーを強振したMASAKINGの右ストレートが清水を吹き飛ばし昏倒しながらのダウン。
それでも立ち上がろうとする清水だったが、テンカウントアウトでMASAKINGが鮮烈な1RKO勝利。

<第5試合 セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント 1回戦 3分3回戦(延長1ラウンド)>
○ 浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/ILFJ認定ラウェイ王者、元WPMF日本スーパーバンタム級王者/58.95kg)
判定3-0(29-27、29-27、28-28) 
● 深田 一樹(龍生塾ファントム道場/シュートボクシング協会/SB日本スーパーフェザー級王者、元SB日本フェザー級王者/58.9kg)
※浜本が準決勝戦進出。

優勝候補筆頭と多くの関係者が名前を挙げる深田は、流石に技が多彩でパンチも肘も膝もまんべんなく打ち進む。
それに対し浜本は、サークリングのフットワークを維持して、単発ながら当て勘のいい左フックなどを繰り出していく。
近づくとクルリと回り込むか、クリンチ的でも首相撲に持ち込む浜川に淡々と深田が攻め続ける展開の中、
第3ラウンド、コーナー際の攻防で飛び込んで打った右縦肘打ちがクリーンヒットし、深田が倒れ込む。
更には、眉間の右を大きく縦に斬り裂かれドクターチェックも入る。
いきなり勝負が傾き、残り時間も数十秒。
深田は、冷静に逆転のダウンを奪いにかかるが、全力でこれを凌ぎにいった浜本が逃げ切り番狂わせの判定勝ちをものにした。

<第4試合 セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント 1回戦 3分3回戦(延長1ラウンド)>
● 北薗 翔大(K-LIFEキックボクシングジム/KOSフェザー級王者/58.8kg)
判定0-3(28-29、28-29、28-29)
○ 浅川 大立(ダイケンスリーツリー/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフェザー級王者/58.9kg)
 ※浅川が準決勝戦進出。

まずは、右ローキックから、そして、右ストレートの大砲につなぐ浅川の武骨さは、いつもと変わらず。
対する北薗は、左ボディーフックを中心に、蹴りもパンチも多彩でスタイリッシュな好対照。
タイミングを取るのも上手く、力の抜けたコンビネーションを打つ北薗が一歩上のようでありながら、
打たれてもかわされても怯まない浅川が右パンチの大砲を当てて大きく吹き飛ばしてはポイントを取り戻す展開。
2ラウンド終了後に発表された採点の途中経過は、19-19のドロー。
1Rを浅川、2Rを北薗で綺麗に取り合った状態。
勝負の3R、それを心得た両者は、更に手数を増してノンストップに打ち合う。
前半、北薗の軽快な技術が冴えてそのまま押し切るかのように見えながら、
後半、ターボチャージがかかったかのように暴れる浅川の脅威的なラッシュが止まらない。
結果、終始前に出続けた浅川が「まったく次戦を考えない」ような全力ファイトで接戦をものにした。

<第3試合 セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント 1回戦 3分3回戦(延長1ラウンド)>
○ 髙橋 聖人(真門ジム/日本キックボクシング連盟/NKBフェザー級王者/59.0kg)
判定3-0(30-29、30-29、29-28)
● THEP[テープ](タイ/JOE GYM/元WBA世界スーパーフライ級王者/58.6kg)
 ※髙橋が準決勝戦進出。

入場時、THEPは、あの黒ベルトに黄金のクラウンが輝くWBA世界王者のベルトを誇示。
どっしりと構えるTHEPの右ストレートがガードの上からでも吹き飛ばす威力があり、これをボディーにも決める強さに場内騒然。
だが、鋭く速い蹴りを合わせる髙橋の手数は多く、THEPの強打1発の間に3発は蹴っているイメージ。
髙橋の右ローキックをTHEPはカットせずに右ストレートの相打ちで倒す方向で強振するが、脚は効いている模様。
そんなTHEPの右強打でコーナーまでたたらを踏んで吹き飛んだ髙橋にダウンを宣告するかレフェリーは凝視するが、
何とかコーナーに寄りかかり転倒を避けてダウン宣告を免れる。
第2ラウンド、やや疲れが見えるTHEPに髙橋は、ローキックを基調としながら多彩な蹴りをしかける。
左三日月蹴りも盛んに入れ、これもTHEPは嫌がっている模様。
首相撲の展開になっても髙橋が巧みに膝蹴りでボディーを効かせていく。
第3ラウンド、THEPは、とにかくKO狙いで右強打を振るうがそのアタックにバリエーションは少なく、
髙橋は徹底してこれをかわしてパンチも交えたコンビネーションでポイントを奪う。
パワー×スピード&テクニックの展開で3-0のジャッジの支持を得たのは、速度と技術の髙橋だった。

<第2試合 セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント 1回戦 3分3回戦(延長1ラウンド)>
● 翔貴(岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/ルンピニージャパンフェザー級王者/58.9kg)
TKO 3R 2分34秒 レフェリーストップ
○ 岩城 悠介(PCK連闘会/聖域統一スーパーフェザー級王者/58.6kg)
 ※岩城が準決勝戦進出。

翔貴は、オリジナルリミックスの入場曲の冒頭で「母の日」について語るリリックを入れ、今秋急逝した母の想いを乗せる。
立ち上がり、まずの一発、翔貴の左ミドルキックの重さに場内どよめく。
だが、岩城は表情ひとつ変えずワンツーストレートを打ち込む。
前進とワンツーを愚直に繰り返すように見える岩城だが、その右ストレートの角度は、インサイドとオーバーハンドのかぶせを巧みに使い分けている。
いきなりの左ボディーフックや左インローキック、右ハイキックなど多彩な攻撃は翔貴。
時折、左のバックハンドブローと回転左バック肘打ちを前進する岩城に合わせるなどハイセンス。
第2ラウンド、前進とプレッシャーを強める岩城に下がりながら左フックを中心に攻撃を返す翔貴で互角の展開。
第3ラウンド、ますます激しく前に出る岩城に打ち合わなければ勝利がおぼつかない翔貴が焦るところ、
翔貴の左ローキックに合わせた岩城の右ストレートで翔貴がダウン。
蹴り足合わせのカウンターだけにダメージの濃淡が見えずらかったが、これが効いている様子の翔貴。
岩城が猛然と前に出てワンツーを打ち抜く右ストレートで後方に倒れた翔貴は半失神気味でレフェリーが試合を即ストップした。

<第1試合 バンタム級(53.52kg) 3分3回戦>
○ 壱・センチャイジム[イッセイ・センチャイジム](センチャイムエタイジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/ルンピニージャパンバンタム級王者、MuayThaiOpenバンタム級5位、同スーパーバンタム級4位/53.4kg)
TKO 3R 0分34秒 レフェリーストップ
● 平松 侑(岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフライ級8位、ルンピニージャパンフライ級1位、MuayThaiOpenスーパーバンタム級6位/53.52kg)

サウスポー同士、壱は、静かな立ち上がり、平松は前に出る。
それを下がりながら様子を伺う壱。
平松は、左ローキックと左ストレートを強振。
それに合わせる形ながら要所で壱は、左ストレートを強く振り切る。
中盤過ぎ、その左ストレートで平松がダウン。
そこから壱は、一転してプレッシャーを強めて前に出る。
更に同じくワンツーからの左ストレートで平松2度目のダウン。
しかし、平松も勇敢に左ストレートで迎撃。
これに多少怯んで下がる壱に平松がワンツー左ストレートで転倒させダウンを奪い返す。
平松は、激しく鼻血を吹き出し、壱は、左目じりを腫らせている激しいラウンドだった。
第2ラウンド、壱が前に出るが平松も受けて立つ形で激しく打ち合う中、
平本の右ローキックに合わせた壱の左ストレートで平本ダウン。
更には壱がワンツーの追撃からのヒザ蹴りで平松から4度目のダウンを奪う。
平松に絶望的な展開ながら勇敢に右ストレートを強振し勝負を諦めない中、
その一発が壱の膝を弛ませるダメージを与える。
第3ラウンド、壱は、初っ端から前に出て猛攻を仕掛ける。
平松も受けて立つが、打ち合いの中で左ストレートで平松が倒れたところでレフェリーはノーカウントで試合をストップ。
第5回岡山ジム主催興行の壮絶な幕開けとなった。


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