アジア最強から世界最大へ!ONE米国TNT3年契約[ファイトクラブ]マレーシア遠征記

[週刊ファイト12月20日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼アジア最強から世界最大へ!ONE米国TNT3年契約~マレーシア遠征記
 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・ターナー・スポーツとの契約は年24大会ネット配信と12回1時間番組
・乗ってみたLLCにはイヤホンも映画もない~ピーナッツバターの恨み
・帰国してから思い出したTVドラマ『快傑ハリマオ』マレーの虎と日本軍
・辛口評あるがアジア発の格闘技プロモーションがUFCのライバルに!
・どうなるRIZIN2019!そして黒船上陸3・31ONE両国国技館大会予想


 マレーシア取材遠征した本誌はわかっていたことだが、ついにONEの世界進出が公式発表された。ターナー・スポーツとの3年契約である。TNTは、ニュースのCNNと並びターナー・ブロードキャスティングのエンタメ局であり、WCWプロレスを皮切りに、UFCやTNAなど、ファイト番組を流してきた実績があり、大衆への浸透度がある。いよいよONEはアジア最強から世界最大へと歩み始めたことになろう。
 本誌は「鷹の爪大賞 2018」でも強調してきたことだが、グローバルに年間回顧をするなら、放送権革命ということになる。繰り返し詳細を報道してきた通り、UFCはTHE WHOの♪Baba O’ Rileyテーマ曲でも馴染みのあったFOXから離れ、ESPNと5年間で年総額$1.5billion(邦貨約1650億円)という信じられない大型契約を締結。これには、グループが新たに始めたESPN+というネットワーク配信サービスでの年間15大会の独占放送が含まれる。さらにWWEは、USAネットワークとのRAWの契約延長が約3倍に高騰、そしてUFCに逃げられたFOXが、ルパード・マードック会長出席の契約交渉の末、SmackDown LIVEもまた約3倍の値段で金曜のプライムタイム(日本表記ゴールデン)に移行という、事件と呼ぶしかない異常事態が現実に。5年契約総額$2.35Billion(邦貨約2590億円)という口あんぐりの高値になっていた。
 さらには、日本進出が先行した英国資本のDAZNが、ボクシングの独占中継と総合のベラトールを目玉に米国に上陸している。ベラトールは、そもそもパラマウント・ネットワークの傘下団体なのだから、そちらで放送される大会とは別に、独占中継する大会のために3年契約で年間$33Million(邦貨約36億3000万円)が果たして妥当なのかは本誌バックナンバーにあるので本稿では繰り返さない。しかし、こういった競争の激化があり、スポーツ系の放送権料がうなぎ上りになっていた経緯である。そこに、ターナー陣営がONE Championshipと3年契約というニュースなのだ。
 ここで美貌のミーシャ・テイトを家族ごとシンガポールに引っ越しさせてまで獲得した謎が解けよう。恐らくは実況解説に加わるものとみられている。投資家グループから$166Million(邦貨約182.6億円)の資金注入があり、デメトリアス・ジョンソン、秋山成勲、エディ・アルバレスらとの契約を次々と発表している最中だ。
 TNTに関しては、同じく新配信サービスのB/R Liveというのが始まる予定であり、アジア各国での開催大会が軸のONEに関しては、米国夜の時間と合わないから、1月19日のジャカルタ大会から年24大会の生中継がB/R Liveで、テレビ番組としては年最低12回、1時間に編集されたものが録画中継されると公表されている。

 考察と分析は記事後半になるが、RIZINが高い授業料を払ってもフロイド・メイウェザーを使うのは、これを機会に北米市場にRIZINのブランドを認知したいという目論見があるからだが、これで決定的な差がついてしまったことになろう。

乗ってみたLLCにはイヤホンも映画もない~ピーナッツバターの恨み

 カナダで拘束されたファーウェイ創業者の娘にして大幹部は、中国と香港で計7つのパスポートを所有していたというから「なんでもあり」とも思うが、一般人はそういうわけにもいかない。初めて乗ったエア・アジアというLCC(Low Cost Carrier)で最初に面食らったのは、エコノミーだろうが国際線というのは映画が、結構新作もたくさん見られると思い込んでいたこと。機内に入って座席前の液晶画面も、中央のスクリーンもなく、イヤホンの穴もなかったのは驚いた。事前に調べてこなかった者が悪いんだが、今後LCC利用を予定される方は気をつけるように。
 一応、エンタメが欲しいならお金を出して小さなタブレットが貸し出され、そこに映画やドラマがあるという仕組みだが、見開きガイドによるとB級作品ばかりだ。字幕なのか吹き替えなのか、たぶん、小さい画面だから最初から吹き替えなんだと思うが、日本国旗マークの映画は1つだけで、周囲を見渡してマレーシア人と思われる帰省客含めて誰も注文していない。座席は覚悟はしていたがギリギリの狭さだし、寝ようと思っても難しい。ブランケットと空気枕のセットを購入したが、荷物になるだけで捨てて帰る客も少なくなかった。

 そういう経験含めて、百聞は一見にしかずなのだと思う。行ったことのなかったマレーシアというのは、いろんな意味で勉強になったから海外では想定外のことが次々に起こるものだと割り切るしかない。日本人関係者も来ており、自分が運転しないから言われるまで気が付かなかったのだが、車は日本と同じハンドル側であり、そうか、イギリス連邦加盟国なんだと。道理でホテルはグラウンド階があって、次が1階というのもあとから教えられる始末である。無知を恥じるしかなかった。英国流も残っているということか、黒ビールのギネスは結構レストランはどこでもあったような。但し、上記の写真でもおわかりのよに、アジア諸国はやはりタイガービールを目にした次第である。自分はアルコールに弱いんであるが・・・(笑)。ほかにも、やたら「タイガーなんたら」が多いのはアジア共通なのだろうか。

 笑うことなかれ。現地に着いて最初に口にしたのはピザ。なんか目の前の写真メニューを見て、オリーブが一杯乗っていてうまそうに見えたからなんだが、ひとつにはピザといっても、絶対に国ごとに味が違うから。だいたい、アメリカ人が日本のピザを食べたら「全然違う」というのだから、食べ比べもありかなと。実際、パイが異なるため食感からして別なのだ。


記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン