UFC創設25周年記念イベントは劇的な幕切れロドリゲスが5ラウンド4分59秒にコリアンゾンビをノックアウト

Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC

 総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2018年11月11日(日)にアメリカ・コロラド州デンバーにあるペプシ・センターにて”UFCファイトナイト・デンバー”を開催した事を発表した。


 ”コリアンゾンビ”ことジョン・チャンソン(韓国 14勝4敗)とヤイール・ロドリゲス(メキシコ 11勝2敗)が対戦したメインイベントのフェザー級マッチは、両者が激しく打ち合う打撃戦の展開となり、UFC創設25周年記念イベントにふさわしい戦いぶりで観客を大いに沸わかせた。ハイキックや回し蹴りなど派手なアクションで襲いかかるロドリゲスに対し、落ち着いた様子のチャンソンは的確にジャブを当てて有効打を稼ぎ、一進一退の超打撃戦は第5ラウンドにもつれ込む。 
 残り10秒、両者が最後の力を振り絞って打ち合いに挑み、数発の応戦を経てロドリゲスが頭を下げたところにチャンソンが前に出ると、ロドリゲスが下を向いたまま上げた右肘がチャンソンにクリーンヒットし、不到のコリアンゾンビもついに万事休す。失神したチャンソンはオクタゴンに沈み、レフェリーが試合を止めてロドリゲスのKO勝利が決まった。5ラウンド4分59秒、劇的な幕切れで25周年の記念イベントは幕を閉じている。


 また、セミメインイベントでは”カウボーイ”ことドナルド・セラーニ(アメリカ 33勝11敗1ノーコンテスト)がマイク・ペリー(アメリカ 12勝3敗)を迎え撃ち、1ラウンド一本勝ちを収めた。これでキャリア通算34勝目を挙げたセラーニはオクタゴン戦績を21勝とし、UFC最多勝利記録を達成すると同時に、UFC史上最多フィニッシュ(15回)も打ち立てている。
 次回、UFCはアルゼンチンに初上陸し、ブエノスアイレスを舞台にUFCファイトナイト・アルゼンチンを開催する。メインイベントはウェルター級ランキング8位のニール・マグニーに、地元ファイターで同10位につけるサンチアゴ・ポンジニッビオが挑む一戦。また、ニューヨークを拠点にトレーニングに励む佐々木憂流迦がアレクサンドル・パントーハとのフライ級マッチを戦うことになっており、佐々木はトップ10ファイターとの試合にも臆することなく、さらなる高みを目指したいと語っている。UFCファイトナイト・アルゼンチンは日本時間11月18日(日)にパルケ・ロカ・アリーナで行われる予定。

■ UFCファイトナイト・デンバー 
日時:現地時間2018年11月10日(土)、日本時間11日(日)
会場:アメリカ・コロラド州デンバー ペプシ・センター

【メインイベント】
<フェザー級マッチ 5分5ラウンド>
○ヤイール・ロドリゲス
 5ラウンド(4分49秒)KO
●ジョン・チャンソン
勝者ヤイール・ロドリゲスのコメント
「最高の気分だ。とにかくありがとうと言いたい。家族と友達がみんな来てくれているんだ。トレーニングキャンプをやり遂げられるようにと、自宅を開放してくれたカウボーイ・セラーニには感謝しかない。次はショーン・シェルビーとデイナ・ホワイトが用意してくれる相手なら誰でもいい。最終的にはタイトル挑戦にたどり着けると思っている。ここから先、俺が考えないといけないのは自分の時間を常にハッピーに過ごすことだけ。世界最大の企業で自分の大好きなことができるなんて、感謝しかないよ。ありがとう、コロラド。みんな、愛しているぜ」

【セミメインイベント】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ドナルド・セラーニ
 1ラウンド(4分46秒)サブミッション(アームバー)
●マイク・ペリー
勝者ドナルド・セラーニのコメント
「相手に向かってくるように仕向けて耐え続けようとしていたんだ。今回の試合はかなりの自制心が必要だったからね。みんなが父親になったことで変わったのかと聞いてくるが、お決まりの質問だよな。衣装を来た息子の写真を見せられたら感情的にもなるさ。ダメだと思っても止められやしない。赤ん坊ができたことが俺を変えた。今は自分が何のために戦っているのか分かる。”子供の口から食うものを奪えないぞ”とね。そんな風なことは一度も思ったことがなかった」
「UFCの最多勝と最多フィニッシュを記録したことは歴史的勝ちのあることだ。正直、いつも通りに仕事をしただけなんだが、最高だな。俺は自分の仕事を気に入っている。すべてが大好きだ。トライアングル(三角絞め)を仕掛けたと思ったんだけど、アームバーだった。残り30秒だったのは分かっていたから、早めに仕留めないといけなかったんだ」
「155パウンド(ライト級)に戻りたい。誰でも構わないさ。いつやるのかだけ知りたい。ベルトを狙いに行くぜ、ハビブ。カウボーイが戻ってくるぞ」

【メインカード】
<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャーメイン・デ・ランダミー
 判定3-0(27-30、27-30、27-30)
●ラケル・ペニントン
勝者ジャーメイン・デ・ランダミーのコメント
「また試合をして勝てたから最高の気分。今は自分のすべてを出せるようになっていればいいんだけれど。タフな相手と戦った。ものすごく長く感じたわ。戦っている最中はね。あんなにクリンチされるなんてびっくり。私とは殴り合いを仕掛けてくるだろうと思っていたから。彼女はタフだし、オクタゴンで彼女と時間をシェアできたことは光栄に思っている。ようやく戻ってこられた。それが何よりも重要よ」
「この勝利で(女子)バンタム級のどこにつけられるのか分からない。次にタイトル戦ができるとは思っていないわ。アマンダとサイボーグの戦いがどうなるか見てみる。あと何度か試合をしないといけないかもしれないわね。抱きしめ合うんじゃなくて、戦いに向かってきてくれる人とやりたいわ」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ベニール・ダリウシュ
 判定3-0(30-25、30-25、30-26)
●ティアゴ・モイゼス
勝者ベニール・ダリウシュのコメント
「勝利街道に戻ってこられてよかったけど、常にフィニッシュを狙っている。何度かあと少しまでいった。決められなかったのはフラストレーションを感じるけど、勝てたことにはとても喜んでいる。勝ち星なしで2年だからな。感謝しかない。勝てなかったらどうしていいか分からなかっただろう。ギロチンで仕留めようとしているのはわかった。それで攻めてくればいいと思ったんだけどね。腕が疲れてしまったみたいだ。指名する相手はいない」

<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○メイシー・バーバー
 2ラウンド(2分01秒)TKO
●ハンナ・シファーズ
勝者メイシー・バーバーのコメント
「25周年記念のイベントでUFC初勝利を決められて本当にうれしい。彼女は直前のオファーで試合を受けてくれた。やる必要はなかったのに。だから、本当に感謝している。グラウンドでエルボーを打っていくのが好きだし、フィニッシュしたい。私がポジションを取っている限り、フィニッシュしてみせるわ。彼女は本当に強い。計量で握手をした時に”わお、ものすごく強い”って思った。間違いなく、今まで戦ってきた中で最強の人だった。だからこそ、それが私の背中を押してくれたの。取り組んできた技術を見せたかっただけ。このアリーナでやるべきことをたくさん得た。みんなに分かることではないと思うけど、自分に改善が必要なところを私は分かっている」
「私は勝つために戦う。チャンピオンを見たければ私のキャリアを追いかけて。とにかく次の試合がしたいし、日付を決めたい。何度かマッケンジー・ダーンを指名してきた。彼女との試合を実現させたい」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○マイケル・トリザーノ
 判定2-1(28-29、29-28、30-27)
●ルイス・ペーニャ
勝者マイケル・トリザーノのコメント
「やるべき仕事は常にある。来週にはもっと腕を磨くために戻るつもりだ。相手が全力で来ると予想していたけど、もっと早めに打ってくるだろうと思っていた。みんな、俺とはスタンディングでやりたいと言うけど、無理だってことを思い知るのさ。次に向けてもっと生かせるようにがんばるしかない。頭を振っているってことは俺の打撃が効いているという動かぬサインだ。つまり、実際に打たれて効いていることを相手が実感しているってことだ」
「誰かを指名するつもりはない。ジ・アルティメット・ファイターに出ていない誰かとやりたい。もう(TUFは)これでおしまい。彼に呼ばれて、きっと勝つつもりできたんだろうけど、こうなった。俺は前に進む。俺は今回のショーと無関係だし、ただのUFCの試合だ。相手の方が意味は大きかっただろうし、たぶん、自分自身でプレッシャーをかけてしまったんじゃないか。でも俺はルイスをとても尊敬している。彼は素晴らしいファイターだし、これで終わったわけじゃない。きっと復活してくるし、成長し続けると思っている」

【プレリム】
<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○アシュリー・ヨーダー
 判定2-1(29-28、29-28、27-30)
●アマンダ・クーパー
勝者アシュリー・ヨーダーのコメント
「最高の試合になって本当にうれしいし、アマンダのような相手と戦えてうれしい。接戦の試合だったことは分かっていた。ここは標高がすごいから、打撃がかなり速くなる。ものすごく実感するの。成長しているところだから、ちゃんと見ていてね。彼女のテイクダウンはまったく予想していなかった。私は正直、テイクダウンのディフェンスはうまいと思っているんだけど、彼女はガードを外してきた。とても良いシーソーゲームだったと思うわ。接戦になるだろうってことは分かっていたから。パフォーマンス的にはもっと速くいけたと思うし、アグレッシブにもなれたと思うけど、外に出てしまうと状況は違うわ」
「次なんて分からない。今はとても感情が高ぶっているから。ジムに戻って、ミスを修正して、もっと自分を良くしていきたい」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○ボビー・モフェット
2ラウンド(2分43秒)TKO
 チャス・スケリー
勝者ボビー・モフェットのコメント
「こういう状況だと変な感じだけど、ここで勝てるなんて夢に勝った気分だ。レフェリーの裁量ではあるけど、こんな風に終わってしまって申し訳ない気持ち。俺はただ、相手にチョークを決めていると思っていたし、チョークでいけると思っていた。相手はタップしようとしていなかったし、こっちはこっちで絞め続けるつもりだった。レフェリーが止めてきたから、チョークで落としきれなくなったんだ。離れないといけなかったから。俺は絞まっていたと思うし、レフェリーも同じように考えていた」
「UFCの誰が相手でも戦う。もう一度、チェスとやってほしいというなら、彼にとってはもっと悪いことになると思うぜ。だってそうなれば今度は確実に眠らせてやるからな」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ダヴィ・ラモス
 1ラウンド(1分57秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●ジョン・ガンサー
勝者ダヴィ・ラモスのコメント
「最高の気分だ。成長しないといけないことはたくさんある。もっと打撃を見せたかったし、トレーニングもかなり積んできた。打撃をもっと改善しないといけないけれど、相手がテイクダウンを狙っていたことは分かっていた。自分のパフォーマンスにはとても満足している。これで3連続一本勝ちだ。今回は理解するのが難しい相手じゃなかった。相手の試合はレスリングだから、それが理由で打撃に集中してきたんだ。でも、ダウンしてからは俺が取ってやった」
「ハビブとやりたい。この階級のベストとやってチャンピオンになりたい。この階級で俺を打ち破れるやつはいない。もっともっとがんばらないと。もっと戦いたいし、経験を積みたい。ハビブは27試合やっているけど、俺は11試合だけ。もっと経験を積みたいけど、間違いなく俺の方が彼よりも上回っている自信がある。彼の打撃は俺ほど良くない。俺の打撃はもちろん改善の必要があるけど、かなりトレーニングを積んでいる。彼と俺の柔術を比べるなんてできないさ。あいつにあるのはすべてレスリングだろ。何を出してくるのか見てみようぜ」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○デボンテ・スミス
 1ラウンド(0分46秒)KO
●ジュリアン・エローサ
勝者デボンテ・スミスのコメント
「最高の気分だ。試合に臨んで自分のベストを尽くすだけだと分かっていた。ノックアウトするか勝つか、だ。相手が手を低く落としたことが何度かあったはず。ケリで騙しながら、相手の頭が前に出て頭がさがるのを見ていたんだ。それで捕まえた。相手が落ちてみんなの叫び声を聞いた途端、”これは打ち続けないと”って感じだったけど、レフェリーが止めにきたんだ。これ以上、いい勝ち方ってないだろ」
「ロス・ピアソン、スマートな試合になるんじゃないかな。彼はベテランだ。これまでずっと戦うチャンスはあったと思う。今は自分がデビューして、UFCに自分の力を見せつけたい。うまくやり遂げようぜ」

【アーリープレリム】
<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○エリック・シェルトン
 判定2-1(28-29、30-27、27-30)
●ジョセフ・モラレス
勝者エリック・シェルトンのコメント
「もともとのプランはスタンドの打撃戦だったけど、上がっちゃって。毎回、ここを出ると少し影響を受けるし、自分のレスリングを使うことになる。相手はテイクダウンしやすかったから、確実に勝てるようにした。ギロチンは決められたことがない。ただ俺は相手を座らせて押し込みながら腕を使い切らせようとしたのさ。俺はああいう守りには長けているんでね。キャリアを通して決められたことがない。それに関してはプライドがある」
「ウィルソン・ヘイスが何度か試合をしたいと言っていた。彼は優れたグラップラーだから、彼とやりたい。みんなは俺がストライカーだと分かっているだろうから、別の力があるってことを見せたい」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○マーク・デ・ラ・ロサ
 判定2-1(29-28、28-29、30-27)
●ジョビー・サンチェス
勝者マーク・デ・ラ・ロサのコメント
「コーチたちが自信を与えてくれた。ケージの中央に行くたびに、これは俺のケージなんだ、相手は俺の目じゃないと言ってくれる。相手を押し込みながら用心させておくんだ。ジャブは思っていたより少し速かった。いくつかもらったけど、食らいたくはなかった。彼はタフなUFCのベテランだからね」
「直前の試合オファーを受けてきた。次はきちんと完全なキャンプをやって、試合に備えていきたい。UFCが用意してくれる相手なら誰でもいい。世界一の団体で戦えることがとにかくうれしい」


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