Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC
[週刊ファイト10月18日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼UFC229暴動もビジネス年間最大～WWEメルボルン『スーパーショーダウン』～新日両国宴の後
photo:Josh Hedges/Zuffa LLC他 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・宗教戦争!?マクレガー名冠した不味いウィスキーとUFC229暴動
・ボクシング井上尚弥70秒KO中継フジテレビ視聴率8.4%、最高12.6%
・タイトル剥奪だの4-6ヶ月の出場停止や罰金にせよ王座の価値ナシに
・凱旋帰国ヌルマゴ2万人スタジアム歓迎！プーチン大統領が祝福面会
・11・3MSG大会はチケット売れ残り～岐路に立つ新生UFC
・WWEメルボルン7万人『スーパーショーダウン』と新日のスタッフ交代
宗教戦争!?マクレガー名冠した不味いウィスキーとUFC229暴動
―― 今週は良くも悪くも『UFC 229』暴動事件です。なにしろビジネスとしては、コナー・マクレガーの復帰という世間の関心があって、あくまで現段階では予想数値ですけど、有料の成約件数が240万件までいったんじゃないかという・・・。しかも驚いたことに、いわゆるTVでの昔ながらのPPV購入に対して、UFCファイトパス上などからのストリーミング配信での課金というのは、これまでせいぜい5%程度だったものが、今回は20%までハネ上がったという指摘もあります。
オフレコ 悪い話というか、MMA史上最悪の不祥事とまで報道されている。ハビブ・ヌルマゴメドフ（以下、ヌルマゴ）が、世界的な知名度でもダントツNo.1のコナー・マクレガー（以下、マクレガー）を4Rにリアネイキドチョークでタップさせて、ライト級王座を防衛したメインイベントだったんだけど、そこで終わればよかったのに、ヌルマゴが金網を飛び越えて、罵声を浴びせていたマクレガー陣営の柔術コーチに殴りかかった。
―― そこから前代未聞の大乱闘になってしまった。
オフレコ 僕らは、なんかMMA初期の頃のブラジルからのVHS（ペンタゴンコンバット：柔術ヘンゾ・グレイシーvs.ルタ・リブレ＝エウジェニオ・タデウ）で、当時は変換がうまくいかないから白黒映像になってしまうのだけど、大乱闘とかあったのを面白がって見ていた記憶があるけど、久しくそういう試合後に両陣営が殴り合う大乱闘とか見てなくて・・・。
まして薬物検査の厳格化にせよ、もっとも競技化、スポーツ化が顕著なメジャーのUFCで、しかもメイン後でそれが起きたという衝撃は、やはり筆舌に尽くしがたい。
―― YouTubeとかだと、終わってからの会場内でも観客同志のケンカが勃発してしまい、スマホで簡単に動画撮影もできてしまう時代だけに、「会場の通路でもこんなのがあった」とか投稿されてました。不祥事とか、汚点程度のことじゃない、これはもう2018年マット界の大事件です。
オフレコ 要するに、事前の煽り番組見てもわかるように、現ダゲスタン共和国出身のヌルマゴはイスラム教徒で、お祈りの時間とかも欠かさない様子が映像にも出ていたから・・・。
英雄マクレガーが負けたことで、言ってはいけないムスリム蔑視発言が出たのを、頭に血が上ったヌルマゴが殴りに行ってしまった。宗教戦争やね。
―― 事前の記者会見映像でも、マクレガーは自分の名を冠したアイリッシュ・ウィスキー発売があり、今大会のスポンサーでもあるから、会見テーブルにウィスキーとグラスを持ち込んでは、「ほら飲め！ほら飲め」の挑発を繰り返していた。一方のヌルマゴは、そもそもアルコールは飲まないタイプだから、「あの酔っぱらい野郎！」とやり返していたけど、興行の煽りとしての罵り合いレベルを超えていた伏線がありました。
オフレコ どこで一線を越えているのか見極めるのは難しい。世紀の一戦として挑発合戦をやったマクレガーとメイウェザーの場合だと、終わってからのお友達ぶりじゃないが、ビジネスとして煽ってるだけやったけど、こっちはそうじゃなかった。
―― すでに先週号で結果の不安を活字にしてますね。
▼世間とマット界：9・30『RIZIN.13』～新日本プロレス秋の陣～UFC/WWE
オフレコ マクレガーに関しては、例のボクシング対決を例外とするなら、MMAの試合からは2年も遠ざかっていたことになるから、大丈夫なのかと。ましてバス襲撃事件とか、アイルランドの貧しい青年が大金持ちになったはいいが、取り巻き含めて素行不良の欠点がオモテにも出てきて心配だった。