[ファイトクラブ]世間とマット界:9・30『RIZIN.13』~新日本プロレス秋の陣~UFC/WWE

[週刊ファイト10月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼世間とマット界:9・30『RIZIN.13』~新日本プロレス秋の陣~UFC/WWE
 photo:こもとめいこ♂ rizinff 泉南友香 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・”神童”那須川天心が”最強”堀口恭司をキックルールで下すも台風の影響
・山本美憂の勝利!♪吹けよ風、呼べよ嵐ピンク・フロイド入場の大砂嵐
・無気力試合15連敗ボブ・サップの笑えるガチンコ絶賛と引退しないミルコ
・さいたまスーパーアリーナ試合順変更でも全6時間興行の課題!
・棚橋弘至『情熱大陸』~10・8両国IWGP王座戦は3wayメインだが・・・
・ハロルド・メイ社長新体制:ロスインゴに浜口ジムから鷹木信悟が加入!?
・WWE『スーパーショーダウン』、UFC229マクレガーWOWOWオンデマンド配信


―― 今週は、やはり台風列島に悩まされた件と『RIZIN.13』ということになりますか。一番重要なフジテレビの平均視聴率は6.7%、瞬間最高は那須川天心vs.堀口恭司の9.7%でした。
さらには、さいたまスーパーアリーナに27208人というのが凄いこと。2001年の『PRIDE.15』の集客数を榊原(信行)代表が持ち出してました。

オフレコ ちょうど同じ日曜夜のTBS系『情熱大陸』で棚橋弘至が特集されて、素晴らしいことなんだけど、「今、プロレスが再びブームで・・・」というのが、どうもひっかかる。確かに「”プ女子”が増えている」とか、それは事実なんだけど、RIZINと合わせて世間でマット界が話題にされているのか否かという。

―― 新日の話は後半にやるので、とりあえずRIZINからにしますが、日曜9月30日、JRの運行が台風で20時で止まるからと試合順を変えて対応。しかもNHKが20時からの大河ドラマの放送を休止とかやったので、その分からフジの視聴率上昇さえ期待したようですが、大して変わらずの数字に。つまり、マニア層にはスターを揃えた大会でも、あるいは山本”KID”徳郁への追悼というお題目があった回なのに、お茶の間には知られてないままなんじゃないかと。

オフレコ うん。会場への集客数は桜庭和志が、当時は未知の強豪だったクイントン”ランペイジ”ジャクソンを破り、ケンドー・カシンこと石澤常光が、ハイアン・グレイシーにリベンジした2001年に匹敵と言われても、あの時代は世間一般が「格闘技」を口にしていたから。
実際、地上波番組で、俳優の佐野史郎が桜庭を称える『トリビュート』という番組が流れるとか、大衆が関心を持って話題にされていたことは事実だから。

“神童”那須川天心が”最強”堀口恭司をキックルールで下すも台風の影響

―― RIZINは台風と重なる不運というか・・・。もっとも、6.7%というのは視聴者数にしたら700万人になります。瞬間最高時点だと1000万人になりますから、視聴率1%いかないテレ朝『ワールドプロレスリング』の深夜放送と比べたら、今週はまず、RIZIN総括からにならないとバランス感を欠いてしまいます。

オフレコ そもそも、訃報の前から天心vs.堀口というのは、2004年大晦日の魔裟斗vs.山本KID戦の再構築というお題目だった。あの時は3400万人が中継を見て、未だに語り草にされているという大前提を確認しないといけない。まぁ、結果は専門家的には、そんなキックボクシング・ルールのカードで、キック初体験の堀口がまぐれにせよ、勝つ確率なんかもの凄く小さいんだけど、世間はそんなMMAとキックとか、そもそもよくわかってないんだから、今回のカードにも関心を持ったという点は指摘しないといけない。

―― 但し、PRIDEがRIZINになったと簡単に説明されますけど、PRIDEは女子格なんかやらなかったし、キック試合がメインというのも、当時とは違うということも活字にしておかないと、専門マスコミの役割を果たしてないとなります。

オフレコ 世界ランクのトップランカー対決が、集客なり関心を呼ぶわけじゃないからねぇ。あくまでスポーツ・エンタテインメントだから、大衆には立ち技キックの方がよりわかりやすいのは事実だろうし。当初は年末にキックトーナメントとか言ってたけど、鉄は熱いうちに打てということで、もうワンマッチで今回に天心vs.堀口をマッチメイクしたのは、プロモーターを誉めないといけない。実際、27208人でさいたまスーパーアリーナが埋まったのだから。

―― その通りです。山本KIDの訃報は9月18日であって、このカードの発表前というのは念を押しておく必要があります。興行としては、RIZINが始まって最高の動員だった点は強調しないといけません。

オフレコ そして、お茶の間的には、もう一つの目玉である姉の山本美憂も試合した。そしてアンディ・ウィンに勝った。リベンジした。まぁ、一本フィニッシュするとかではなかったにせよ、女子チャンピオンの肩書のある相手をテイクダウンで封じ込めたことは事実だから。

山本美憂の勝利!♪吹けよ風、呼べよ嵐ピンク・フロイド入場の大砂嵐

―― 電子書籍購入者のみの収録になりますが、今週号のケーシーさんの四コマ漫画連載はグアムのロッキー・マルティネスなんですけど、さいたまの会場では美憂さんに「Yamamoto Family」のイラストを渡してました。ケーシーさん流のKID追悼ですね。ちゃんと逢えて、渡せてよかったと思います。

オフレコ KIDが入院していたのも、美憂たちがトレーニングしていたのもグアムなんだよね。前は沖縄に移住したとか発表されていたけど、レスリング一家は英語圏の方がなにかと都合が良いんだろうね。

―― そして、ボブ・サップは久しぶりに真面目にガチンコやりました。なにしろ、2010年の勝利(『Obracun Ringu 10』でのサスチャ・ウェインポルター戦)を最後に、ケガせずにカネさえ貰うのが利口とばかりに無気力試合ばかりで15連敗してましたから、大砂嵐がダメ過ぎるのかなんかのか・・・(笑)。

オフレコ 海外ネットワークが売りの本誌としては、速報段階でもっとも聞かれたメール往復が、「サップはガチンコやったのか否か?」だったという・・・。「いや、今回はガチはガチやった。なにしろサップは日本では”スモウ・キラー”として知られているから、試合前はタイでキャンプやって今回ばかりは必死やった」と返したけど。

―― ジョシュ・バーネットの道場で特訓しただけでなく、角界から追放された原因だった無免許運転の経緯も、日本と違って簡単に安く取得できる米国シアトルで無事に交付されて、国際運転免許証を持ち帰ったそうですけど、ちゃんとMMAを習得したのかどうかは・・・

オフレコ ブッチャーの入場曲として昭和のプロレスファンにはお馴染みの、ピンク・フロイドの♪吹けよ風、呼べよ嵐での、エジプトのファラ王のような衣装での登場は笑かしてくれたんだけどねぇ。

―― 試合は酷いものでしたが笑えたからイイんじゃないかと。3Rなんか、二人ともスタミナ切れで立っているのがやっとという有様で。それでも、お客さんは喜んでいたんじゃないかと。天心vs.堀口と一緒で、大衆はMMA世界トップの攻防が見たい訳じゃないですから。

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