DDTプロレスの7・25両国国技館大会。ここでプロレスリング・ノアの丸藤正道は、昨年4月に対戦するはずだったDDTの飯伏幸太と対戦するはずだった。
プロレスの天才同士のこの注目の一戦は、当初昨年4月に実現するはずだったが、そのときは丸藤がヒザの負傷により欠場(代打は石森太二)。約1年越しの約束を両国という大舞台で実現することになった。
しかし今度は試合直前に飯伏がケガで欠場することが決定。飯伏は新日本プロレスの「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」準決勝でのプリンス・デヴィットとの試合中、右肩を負傷してその後欠場していたのだが、丸藤戦が復帰戦となる予定だった。
ところが練習中に治りかけていた肩を再び痛めてしまった。DDTとしても両国大会の目玉カードの1つだった飯伏VS丸藤戦の消滅は思わぬ痛手で、実際に払い戻しを希望した観客もいたという。
飯伏の代打として、タッグパートナーであるケニー・オメガが丸藤と対戦することになったのだが、事件は飯伏VS丸藤戦の二度目の消滅に止まらなかった。
試合開始早々、オメガは丸藤をニークラッシャーの体勢に抱え上げると、そのままコーナーポストに叩きつけていったのだが、その際丸藤は首をロープに強打!
そのとき丸藤を首を負傷してしまい、その後15分以上も右腕が使えない状況で試合を続けたのだ。試合後、すぐに右腕をテーピングで固定して病院に直行した丸藤だったが、変形性頚椎症性神経根症と診断されて「復帰時期は未定」と発表されて欠場することになった。
そのため新日本プロレスの『G1クライマックス』初出場も消滅。今年は20周年記念大会となる『G1』にとって、ノアから潮崎豪と丸藤が参戦するのことは大会の目玉だった。
しかも新日プロジュニアヘビー級を総ナメにした丸藤と、新日ヘビー級戦士の対戦を1番の楽しみにしていたファンは多いだろう。なにせAブロックにエントリーしていた丸藤は、現IWGPヘビー級王者の真壁刀義や棚橋弘至との対戦が実現するはずだったのだ。棚橋との対戦なんて、「名勝負製造機」同士の一戦なだけに、間違いなく好勝負になったはずだ。
せっかく前売り券が順調に伸びていた『G1』にとっては、バッドニュース以外の何物でもないが、一番ショックを受けたのは新日プロのマッチメーカーだ。
なにせ『G1』は今週の金曜日(6日)に開幕戦を迎えるが、5日前の8月1日の時点でまだ丸藤の代打となる選手がなかなか発表されない。新日プロのマッチメーカーは睡眠不足に陥るぐらいでは済まない状況なのだろう。
難しいのはワンマッチではなく、巡業をしながら連日トップファイターとシングルマッチで対戦しなければならない『G1』だからである。
それでもファンからは「○○○○がいいじゃん!」とか「△△△△なら納得だな」と、それぞれ丸藤の“代打”になりそうな選手の名前が挙がっているが、どうも裏側ではそうスンナリと代打選手を極められない事情があるようだ。その辺の事情をお教えしよう。