[ファイトクラブ]王者陥落、因縁決着、新時代到来:RIZIN10年目の大晦日、激動の一夜

[週刊ファイト1月8日期間] [ファイトクラブ]公開中

▼王者陥落、因縁決着、新時代到来:RIZIN10年目の大晦日、激動の一夜
  photo: 松橋隆樹&タダシ☆タナカ by 野村友梨乃
・絶対王者陥落、想定外の連鎖:RIZIN10周年が生んだ無数のドラマ
・リングの外で生まれた名場面:RIZIN10周年大晦日で心を掴んだ瞬間
・覚悟を持ち挑むも現実は残酷だった:シェイドゥラエフ、朝倉未来を粉砕
・絶対王者ホベルト・サトシ・ソウザ13秒で陥落:ライト級再編の始まり
・RENAの一撃が会場を揺らした女子スーパーアトム級タイトルマッチ
・裏メインと呼ばれた理由が詰まった福田龍彌vs.安藤達也の一戦
・10年を締めくくった大晦日:勝者と敗者、それぞれの物語は次章へ


▼想定外のカード変更:RIZIN10周年・大晦日で露呈した期待と疑問

[ファイトクラブ]想定外のカード変更:RIZIN10周年・大晦日で露呈した期待と疑問

▼RIZINバンタム級:王者井上直樹を軸に新世代猛者群雄覇権争奪戦

[ファイトクラブ]RIZINバンタム級:王者井上直樹を軸に新世代猛者群雄覇権争奪戦

絶対王者陥落、想定外の連鎖:RIZIN10周年が生んだ無数のドラマ
 2025年12月31日(水)、さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN師走の超強者祭り』が開催された。入場者数は45,043人。RIZINの10年の歴史を締めくくる大晦日決戦は、5大王座戦を軸に、まさに“集大成”と呼ぶにふさわしい豪華カードが並んだ。

 メインイベントの朝倉未来vs.ラジャブアリ・シェイドゥラエフを筆頭に、タイトルマッチはもちろん、福田龍彌vs.安藤達也、神龍誠vs.ヒロヤ、新居すぐるvs.秋元強真といった世代と立場の異なる注目カードが一夜に凝縮。どの試合も意味を持ち、どのカードも“見逃せない”――そんな完成度の高いマッチメイクが、大晦日の空気をさらに熱くした。

 しかし、この夜を象徴したのは、祝祭感だけではない。RIZIN10周年の節目にして、リング上では次々と“想定外”が起きた。絶対王者として君臨してきたホベルト・サトシ・ソウザのKO敗戦、そして王座を守り続けてきた井上直樹の陥落。盤石と思われていた構図が崩れ、RIZINの勢力図は大きく揺れ動いた。

 英雄が倒れ、新たな主役が名乗りを上げる。『RIZIN師走の超強者祭り』は、10年の歴史を総括すると同時に、次の10年へ向けた“激動の号砲”となった一夜だった。

▼RIZIN大晦日狂宴:シェイドゥラエフvs.朝倉未来 秒殺か反逆か

[ファイトクラブ]RIZIN大晦日狂宴:シェイドゥラエフvs朝倉未来 秒殺か反逆か

リングの外で生まれた名場面:RIZIN10周年大晦日で心を掴んだ瞬間
 今回のRIZINは試合だけでは心を揺さぶられた瞬間が、いくつもあった。RIZIN10周年の最後を飾るこの大会は、オープニングから特別だった。暗転した会場に響き渡るオーケストラの生演奏。照明、映像、音が重なり合い、まるで巨大なコンサートの幕開けのような迫力に、胸の奥から込み上げてくるものがあった。あれほど大がかりなセレモニーが用意されたのは、それだけRIZINの10年間が濃密で、積み重ねてきた物語が本物だったからだろう。約20分に及ぶオープニングは決して長く感じられず、むしろ「まだ続いてほしい」と思わせるほど観客を惹きつけ、ワクワクが止まらなかった。

 そして、試合以外で最も胸を打たれたのが、YA-MANのマイクだった。本来なら怪我の回復に専念すべき状況にもかかわらず、リングに立ち、観客とファンに向けて謝罪の言葉を口にした。誰一人として彼を責める人などいないはずだ。それでも真正面から向き合い、誠心誠意を尽くす姿勢に、自然と胸が締めつけられた。

 さらに「正直、今後どうなるか分からない。リングでしゃべるのも最後になるかもしれないので……応援してくれた皆さん、ありがとうございました」と声を震わせて語った瞬間、会場の空気が一変した。聞いているこちらまで動揺が走り、言葉の重さがそのまま伝わってきた。

 YA-MANがリングを降りようとした、その時だった。榊原信行CEOがマイクを取り、「YA-MAN、諦めんなよ。何言ってんの。戻ってくるんだろ?」と真正面から声をかけた。観客席からも「諦めんなよ!」「YA-MANがんばれ!」という声援が次々に飛び、会場全体がひとつの感情で包まれていく。勝敗や結果を超え、人の想いが交差する――それこそがRIZINのリングなのだと、改めて思い知らされた瞬間だった。

 10周年の大晦日、ひとりのファイターの言葉と、それを受け止める団体とファンの姿が、強烈な余韻を残した。YA-MANの復活を、心から待ちたい。あの夜の声援が、きっと彼を再びリングへ導くはずだと信じている。

▼RIZINライト級覇道:ホベルト・サトシ・ソウザ、進化止まらぬ怪物劇

[ファイトクラブ]RIZINライト級覇道:ホベルト・サトシ・ソウザ、進化止まらぬ怪物劇

覚悟を持ち挑むも現実は残酷だった:シェイドゥラエフ、朝倉未来を粉砕
<第15試合 フェザー級王座戦 RIZIN MMAルール5分3R 66.0kg>
〇ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス/IhlasX/現RIZINフェザー級王者)
 1R 2分54秒 グランドパンチTKO
●朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)


 下馬評は圧倒的にシェイドゥラエフ有利。それでも、朝倉未来の心は折れていなかった。前日計量のフェイスオフで見せた表情は、これまでとは明らかに違う。鋭く、研ぎ澄まされた視線。どこか“目がイっている”とさえ感じさせるほどで、画面越しでもただならぬ覚悟が伝わってきた。

 セミメインで絶対王者ホベルト・サトシ・ソウザが敗れた直後だったこともあり、「もしかしたら朝倉が続くのではないか」という期待が、会場全体に静かに広がっていた。

 試合開始直後、その期待は一瞬だけ現実味を帯びる。朝倉はこれまでの対戦相手とは違い、シェイドゥラエフの圧力に怯むことなく前へ出た。距離を詰め、真っ向からぶつかりにいく姿勢は、まさに“覚悟を決めた挑戦者”そのものだった。

 しかし、それでもシェイドゥラエフのフィジカルと支配力は別次元だった。組みの展開から軽々と朝倉を持ち上げると、そのまま強烈なテイクダウン。思わず「どれだけ持ち上げるんだ」と感じてしまうほど、朝倉の身体をまるで玩具のようにコントロールする。

 グラウンドに持ち込まれてからは、完全にシェイドゥラエフの時間だった。逃がさないポジショニング、容赦ないパウンド。何発も、何発も打ち下ろされ、レフェリーが割って入って試合は終了。1R2分54秒、圧倒的なTKO決着だった。

 試合後、朝倉は首を固定され担架で運ばれ、そのまま救急搬送。勝敗以上に、シェイドゥラエフの“えげつない強さ”だけが強烈な印象として残った一戦だった。

 試合後インタビューでシェイドゥラエフは、落ち着いた口調でこう語った。
「2026年は、もっと迫力のある素晴らしい試合を見せたい。ノジモフ選手が66kgを狙うなら、私は71kgでも構わない。どの階級でも対応する」

 その言葉に、誇張や虚勢は感じられなかった。むしろ、2階級制覇さえ現実的に思わせる説得力があった。サトシを破ったノジモフ、そしてフェザー級を蹂躙するシェイドゥラエフ。2026年、この二人の激突はもはや避けられない運命だろう。

 中央アジア勢が席巻するRIZINの頂点で、日本人ファイターは再び勝つことができるのか――。このメインイベントは、その問いをより鮮明に突きつける試合となった。

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