最強地下アイドル川村虹花爆腕炸裂! アウトサイダーキャバ嬢を轟沈TKO!!

 前売り券で完売という超満員札止め(主催者発表)の観衆で埋まったDEEP JEWELS20新宿FACEが終了した。空前の女子格闘技ブームの牽引役であるDEEP JEWELSも空席が目立つ時期もあったが、その黎明期を支えたスギロックがこの日引退セレモニー。

 
 6・9(ロック)の日の引退となったスギロック。初代・第4代アトム級女王だったスギロックに新造のレプリカのベルトが贈呈…される筈が間に合わず、現女王・黒部三奈から借り受けるというオチ。結果、彼女らしい笑顔での卒業となった。

 そんな時代の節目となった今大会で、総合格闘技の新たなトレンドとなりそうな『打撃重視』の風が吹いた。
 発端は第3試合、最強地下アイドル『仮面女子』の川村虹花。川村は喧嘩屋キャバ嬢としてアウトサイダーのリングで暴れていた山崎桃子の開始早々のパンチで片眼の視界が一時的に飛んでしまいパニックになりかけたが
「同じ事をすれば相手も同じ状態になる」
という瞬時の発想の転換で激しい打ち合いに。壮絶な乱打戦となり、元々脱臼癖があった(佐伯代表談)という山崎の肩が外れる。リング際、棒立ちで一方的に攻められる状態となり、レフェリーが試合を止めた。

 僅か39秒、まさに秒殺となった戦慄のTKO劇。川村はプロデビュー2戦目で、プロ格闘家としての初勝利を飾った。
 そんな川村の猛撃を見ていた第5試合の杉山しずかは『川村虹花戦法』と評して自身も試合で再現を試みると終始優勢な展開でドン・キホーテから『ドンペン賞』を授かる圧勝劇となった。
 セミファイナルでは、来月シュートボクシングへの出場が決まっているKINGレイナが強烈なミドルキックを見舞っての秒殺劇、メインでは、『韓国の殴り姫』パク・ジョンウンが二つ名通りのパンチで猛攻。だがそんな殴り姫を「想像以上に強かった」と言わしめた打撃で反撃した富松が3Rではポイントを奪ってみせた。
 各ジム、グラウンドでの戦術の研究が進んだ総合格闘技の現状、打開策として打撃に突破口を見出す動きを加速させそうな大会となったと言えよう。

<第3試合 女子アトム級 5分2R>
〇川村虹花(仮面女子/48.00kg)
  1R 0分39秒
●山崎桃子(フリー/45.20kg)

 激勝直後にマイクを取った川村は来場していた榊原RIZIN実行委員長に出場を直訴。「もう少し頑張ったら」との言質を取った。
 9月の次回JEWELS出場は決定的で、もう一戦、DEEPの方に出場、連勝、もしくは内容ある試合をみせれば念願の「アイドルと格闘家両方でのさいたまスーパーアリーナ出場」が実現する事となった。

■ DEEP JEWELS 20
日時:6月9日(土) 開場18:00 開始18:30 
会場:新宿FACE

<メインイベント(第8試合) 女子アトム級(頭部顔面への肘有り)5分3R>
●富松恵美(パラエストラ松戸/47.95kg)
 判定0-3 3者28-29
〇パク・ジョンウン(韓国/チーム・ストロング・ウルフ/47.60kg)


 実妹のメタルギタリストRie a.k.a. Suzakuの演奏で登場した富松(2枚目左)。負傷欠場明けにも関わらず殴り姫に負けない打撃をみせた。

<セミファイナル(第7試合) 女子フェザー級(頭部顔面への肘有り)5分3R>
〇KINGレイナ(FIGHT CLUB 428/66.20kg)
 1R 1分40秒 チョークスリーパー
●チェ・ウンジ (韓国/MAX FC 4 Fearless GYM/64.30kg)

「アップ(練習)かなと思った」というレイナ様(上)はグラウンドでも10kgのウェートダウンしたとは思えないフィジカルの強さで圧倒、マウント⇒スリーパーの必殺フルコースを見せて完勝。 

<第6試合 女子フライ級(頭部顔面への肘有り)5分3R>
●奈部ゆかり(HMC JAPAN/56.45kg)
 判定0-2 2名 27-29 1名28-28
〇渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW/57.00kg)


 お互い顔が腫れ上がる激闘で、渡辺(2枚目上)は「格闘家らしい顔になった」と笑いをみせた。判定に納得のいかない観客から疑問の声もあがったが、渡辺の投げを奈部が再三ロープを掴んで耐えた(反則)ため、リングの外に飛び出しそうになる場面も見受けられた(奈部にイエローカード1枚)のがジャッジに影響した感は否めない。3月のリマッチであったが、再度DEEPのケージで3度目の決着戦も考えられる。
 いずれにせよ、女子格版『名勝負数え歌』を奏でていきそうではある。

<第5試合 女子フライ級(頭部顔面への肘有り)5分3R>
〇杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We/56.95kg)
 判定3-0 3名30-27
●藤森祥子(Brightness/56.50kg)

 杉山(上)はドンペリ賞に「私?」と驚きをみせたが、打撃でもグラウンドでも圧倒した。

<第4試合 女子アトム級 5分2R>
●古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY/47.50kg)
 判定0-3 3名18-20
〇青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘/48.00kg)

 前回川村虹花を圧倒したJK古瀬(下)。腕ひしぎであわやの場面もあったが青野に終始支配されての完敗。

<第2試合 女子ストロー級 5分2R>
●ジェット・イズミ(M16ムエタイスタイル/52.30kg)
 判定0-3 3名18-20
〇齋藤裕子(暁道場/51.80kg)

 7年振りの復帰戦となった打撃屋ジェット・イズミ(手前)だったが、打ち合いとはならず敗れた。

<第1試合 女子ストロー級 5分2R>
●RYO ko SKY WALKER(BRAVE/51.80kg)
 判定0-3 3名18-20
〇MAO(フリー/51.95kg)

 圧倒したMAO(左)だったがRYO Koの粘りで極めきれず判定となった。