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6月9日(現地時間)にポーランド・グダニスク/ソポトで『KSW 44: The Game』が開催された。
KSW(Konfrontacja Sztuk Walki=コンフロンタチャ・シュトゥク・ヴァルキ)は、ポーランドの総合格闘技団体。団体名はポーランド語で「総合格闘技が激突する」という意味。2009年に地上波Polsatで生中継されたKSW 12は、視聴者数650万人を記録しサッカー EURO 2012に抜かれるまではポーランドのスポーツ中継で史上2位の記録だったほど欧州最大のMMA団体となっている。2017年には本拠地ポーランドで6万人を集めた大会を成功させ、欧州最大のMMA団体として存在感を示している。
今大会は、KSWの絶対エースであり、ワールド・ストロンゲストマン・コンテスト5回優勝という輝かしい経歴を持つマリウス・プジアノフスキーが、元KSWヘビー級王者であるカロル・ベドルフと対戦した。ベドルフは2016年12月にフェルナンド・ロドリゲス・JrにKO負けして王座陥落後、アキレス腱を痛め長期欠場しており、復帰戦となる。対するプジアノフスキーは現在、三連勝中だが、王座戦線とは別次元の絶対エースである為、下馬評はベドルフ有利となっている。試合はいつも通り、開始直後からプジアノフスキーが突っ込んでいくが、ベドルフはいなし、距離をとってローキック攻め。業を煮やしたプジアノフスキーがタックルにいくが、ベドルフはそれを潰し、グランドで上を奪う。そしてキムラを極めるとプジアノフスキーがタップ。ベドルフが下馬評通り、復活勝利した。
また、超ど級のカードが組まれた。人気アクション俳優であるトマシュ・オズウィエンチンスキーがMMA二戦目を行い、しかも相手はボディビルモデルのエルコ・ユンという豪華カードが組まれたのだ。オズウィエンチンスキーは、ポーランドのアクションスターであり映画「ピットブル」シリーズで人気、44歳でMMAデビューし、人気ラッパー、ポペック・モンスターに逆転KO勝ちをしている。元々は喧嘩に明け暮れたアウトローで、反社会的組織の人間だったが、更生したとされているが、俳優として人気があるので噂に尾ひれがついたゴシップとも言われており、それだけ知名度の高い大物である。対するユンはベルギーのボディービルダー、フィットネスモデルで、その圧倒的肉体美で人気があり、今回MMAデビューを果たすという事だ。試合は、開始と同時に突っ込んでいくオズウィエンチンスキが、ブン回しパンチでユンを追いこむが、ユンはサークリングで逃げながら、ローキックを出してくる。それでも前に出てプレッシャーをかけるオズウィエンチンスキが、パンチラッシュで、ユンからダウンを奪うが、なんとかスタンドに戻したユン。更にオズウィエンチンスキがユンに突っ込んでいくが、そこでユンのカウンターの右が炸裂。オズウィエンチンスキは大の字にダウンし、レフェリーがストップ。ユンがMMAデビュー戦で衝撃のKO勝利となった。
■ KSW 44: The Game
日時:2018年6月9日(現地時間)
会場:ポーランド・グダニスク/ソポト エルゴ・アリーナ
<ヘビー級>
○カロル・ベドルフ(ポーランド)
1R 1分51秒 キムラ
●マリウス・プジアノフスキー(ポーランド)
<90キロ契約>
○ミハウ・マテラ(ポーランド)
1R 2分59秒 TKO
●マルチン・ザワダ(ドイツ)
<ヘビー級>
○エルコ・ユン(ベルギー)
1R 2分22秒 KO
●トマシュ・オズウィエンチンスキ(ポーランド)
<68キロ契約>
○クレベル・コイケ(日本)
1R 3分44秒 腕十字
●マリアン・ジュコフスキ(ポーランド)
<フェザー級>
○ダニエル・トーレス(ブラジル)
判定 2-1
●フィリップ・ウォランスキ(ポーランド)
<ライト級>
○グラチアン・サジンスキ(ポーランド)
2R 1分36秒 TKO
●ポール・レッドモンド(アイルランド)
<ライトヘビー級>
○ヴァグネウ・プラド(ブラジル)
2R 2分17秒 TKO
●クリス・フィールズ(アイルランド)