復活のワンダーバード! 怪物くんを圧倒で不可思反撃の狼煙~KNOCK OUT後楽園熱狂

 6・8KNOCK OUT後楽園大会が終了した。倒し倒されの神興行として辛口でなる本誌を唸らせてきたKNOCK OUTだが、GWの興行ラッシュのベストとなった大阪に続いて今回も激闘決着連発で、超満員札止め(=主催者発表)で埋まった後楽園ホールを熱狂させた。

当日券売り場は早々に店じまい

 第2試合、初代フライ級王座トーナメントは1回戦は“琉童子”仲山大雅がバトルシップ・山田を圧倒。
飛び膝蹴りを見舞うなど手数でも圧倒した仲山が勝利

 第4試合はKNOCK OUTならでは、REBELSのムエタイ王者・小笠原瑛作と、新日本キックの王者・江幡塁という、キックファン必涎の越境王者対決が実現。お互い一歩も譲らぬ激闘で、小野寺プロデューサーがベストバウトと賞賛した1戦となった。1R序盤、江幡のヒジに鼻骨を粉砕された小笠原は、鼻から出血しながら逆に猛攻。1R、2Rと、ポイントを奪う。3Rもポイントを守りに入るどころか果敢に攻めた小笠原だったが、セコンドから再三「狙ってるから気を付けろ」と注意が飛んでいた蹴りを放った直後の右ストレート一閃でリングに大の字、壮絶KO劇となった。

鼻を折られているとは思えない小笠原(左)の鋭い蹴りが江幡を再三捉える


まさに瞬き厳禁、一瞬のKO劇となった

 続く第5試合、初代スーパーライト級王座決定トーナメント準決勝は、実力者をKOして初戦を勝ちあがった同士、マサ佐藤と秀樹が激突。優勢に試合を進めた秀樹のヒジが凶器となって佐藤の額を鋭角にカット。ドクターチェック後一旦は試合が再開されたが、返り血を浴びながらの秀樹の猛攻でさらに出血、レフェリーが試合を止めた。


秀樹が思わず引くぐらい大量の返り血

マサ佐藤の心は折れていなかったが、さすがに続行不可能

 そして迎えたメインイベント、初代スーパーライト級王座決定トーナメント準決勝戦は、怪物くん・鈴木博昭と、ワンダーバード・不可思の一戦。一回戦を壮絶なKO勝ちで突破した鈴木と正反対に、僅差の判定で雑音の中勝ち上がったのが不可思。思い返せばライト級トーナメントで勝次に壮絶に打ち負け、翼を折られたワンダーバードは迷走していた。今年4月にはシュートボクシングのライト級王者海人に挑戦し、ヒジで額を割られてのTKO負けも喫した。
 だが、今日試合後の不可思によると、
「それで自分の課題が見つかった」
という。ボクシングジムにも通ったという不可思は、鈴木相手に序盤から順調にポイントを奪うが、鈴木ファンと共に、前回の判定に疑問を持って判官贔屓的に怪物くんを応援する観客からは不満の声も漏れる。
 3者3様というラウンドもあり、鈴木の脇腹を紅く腫れ上がらせながらポイントを積み重ねた不可思が判定で勝つと
「また…」
という声があがりそうな空気が漂う。そして最終第5ラウンド、ポイント差が明らかな鈴木は飛び道具で一発逆転を狙い、不可思のセコンドからは「焦るな」と自省の声があがる。不可思自身も「熱くならないように」と試合前に心がけていたというが、木槌がなった終了間際にラッシュを見せると遂に鈴木をマットに寝かせた。
 なんとか立ち上がった鈴木だったが、ゴングと同時に再びマットに崩れ落ちる、誰の眼にも明らかな不可思の勝利となった。

ゴング直後、膝から崩れた怪物くんは声をあげずに慟哭

 6試合中に壮絶なKO劇が3試合、これでも充分観客を満足させる興行だったが、メインイベントにポイントで圧倒した不可思がガムシャラに奪ったダウンで、恐らくは負けた鈴木のファンも含め、誰もが納得し、興奮して声高に話題にしながら家路に着く神興行となったと言える。
 8月大会のカードも発表となったが、何より次回も見たくなる試合をやってのけるという、興行の好循環として大正解だった後楽園大会であった。

小野寺プロデューサーの笑顔が大会の成功を雄弁に物語る

 
■ キックスロード KNOCK OUT 2018 SURVIVAL DAYS
日時:6月8日(金) 開始19:00
観衆:1705人(超満員札止め=主催者発表)

<第1試合 初代フライ級王座決定トーナメント1回戦  51.0kg契約3分5R>
〇タネ ヨシホ(直心会/WBCムエタイ日本統一フライ級王者)
 5R 判定3-0 50-46、50-46、50-45
●石川直樹(治政館/新日本キックフライ級王者)

タネ(左)が終始圧倒

<第2試合 初代フライ級王座決定トーナメント1回戦  51.0kg契約3分5R>
〇仲山大雅(RIOTジム/RKAフライ級王者)
 2RKO 1分54秒
●山田航暉(キング・ムエ/WMC日本スーパーフライ級王者)

<第3試合 70.0kg契約3分5R>
〇T-98(クロスポイント吉祥寺 REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王者)
 5R 判定3-0 49-47、49-46、49-46
●菊野克紀(第5代DEEP ライト級チャンピオン)

ムエタイゴリラ・T98(手前)と、求道者・菊野克紀

 DEEPライト級王者で、現在はテコンドーでの東京五輪出場を目指しているという菊野は、1Rこそポイントを奪ったが、そこでスタミナが切れてあとはクリンチ気味の首相撲に終始。T-98のセコンドは「MMAやってただけに押し込みの力は強い」と感嘆しきりだったが、そこから攻めにでられず再三警告を受けての判定負けとなった。

<第4試合 55.5kg契約3分5R>
●小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺 REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
 3R 1分34秒 右ストレート
〇江幡塁(伊原道場 初代WKBA世界スーパーバンタム級王者)

<第5試合 初代スーパーライト級王座決定トーナメント準決勝  64.0kg契約3分5R>
●マサ佐藤(名護ムエタイスクール 蹴拳ムエタイライト級王者)
 TKO 4R 2分23秒 ヒジによるカットでレフェリーストップ
〇秀樹(新宿レフティージム K-1 ULTIMATE VICTOR REVOLUTION FINAL -65kg級世界トーナメント 優勝)

<メインイベント 初代スーパーライト級王座決定トーナメント準決勝  64.0kg契約3分5R>
〇不可思(クロスポイント吉祥寺 REBELS RISEライト級王者)
 5R判定 3-0 50-46、49-46、50-44
●鈴木博昭(ストライキングジムAres SB世界スーパーライト級王者)

飯伏幸太も来場。終了後にはファンサービスに応じていた。

8・19大田区総合体育館大会カード発表!
■ KNOCK OUT SUMMER FES.2018
日時:8月19日(日) 開場14:00 開始16:00
会場:大田区総合体育館(東京都大田区東蒲田1-11-1) TEL:03-5480-6688
アクセス:京急線「梅屋敷駅」徒歩5分、「京急蒲田駅」徒歩7分、JR線・東急線「蒲田駅」徒歩15分
主催:㈱キックスロード
協力:ぴあ(株) (株)RIKIX (株)ブシロード
協賛:ダイヤモンドブログ AINEXX

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