全日本プロレス後楽園 三冠王者宮原健斗王道の至宝死守! 昭和カルテットで鶴田! オー!! 復活

 全日本プロレス後楽園ホール大会が終了した。人気者・青柳優馬を負傷で欠いての平日興行にも関わらず、超満員札止め(=取材者発表)の大人気。秋山体制となっての反転攻勢が一時の勢いでなく、完全な回復を感じさせる。

 関東地区限定出場の渕正信は第2試合、元気に登場。ボディプレスで相手を投げた直後に自らの腰を押さえる場面もあったが、試合後は秋山に促され、コーナーポストに昇ると故・ジャンボ鶴田の『Jのテーマ』に乗って、「ツールータッ! オー!! 」を大森・西村と共に披露、客席と一体になって往時を偲んだ。

 第4試合には、世界タッグ王座のベルトをフリー参戦の手形代わりにつけ狙うTAJIRI&KAI組が鈴木鼓太郎を伴って登場。

TAJIRI(左)とKAI(右)

 ここ最近は一歩引いて周りのアシストに回る試合も多いTAJIRIだが、世界タッグに照準を定めたこの日は場外で王者ディラン・ジェイムスと再三やりあい、悲鳴を挙げて女性客の脚にすがるなどやりたい放題。

「プロレスで出す技は2つか3つでいい」
との自らのセオリーを実践するように伝家の宝刀グリーンミストで勝利をアシストすると、試合後はベルトを掲げ、ゴングを鳴らし傍若無人の振る舞いでヘイトを集める。
 喜怒哀楽を表現する表情も含め、これぞWWEを席巻したジャパニーズバズソウ! とばかりに面目躍如。乞われて海外でプロレスのコーチも行う名レスラーの試合を間近で見れる全日本プロレスの若手陣は何よりの勉強となっていよう。

 メインでは、チャンピオンカーニバル決勝で一敗地に塗れた三冠王者宮原健斗が、雪辱を期してNOAHの刺客・丸藤正道戦に挑んだ。王者が先に入場という虚を突いた演出を仕掛けた宮原は、場外戦で客席に鈍い音が響き渡る危険な頭突き合戦で超満員の客席を一気に掴む。

 エプロンへのパイルドライバーなど、丸藤の危険な技で朦朧となった宮原だったが、最期はシャットダウンスープレックスホールドで完璧なカウントスリー。試合後は「後楽園ホールの皆さん最高ですか〜」「最高! 」「満場一致の最高頂きました〜」と締めた。
 会見では、故・三沢光晴の名前を挙げて、三冠ベルトが似合う2人目のレスラーだとの自負を語り、次戦、6・12後楽園大会での防衛戦に自信を覗かせた。

 
 渕・秋山らによる古き良き昭和王道プロレス、TAJIRIによるWWEエンタテインメントプロレス、そして宮原健斗に代表される、新・王道継承プロレスとが渾然一体となって観客を熱中させる全日本プロレスが、夏を迎えてますます熱く燃え上がりそうだ。 
 
■ 全日本プロレス 2018 SUPER POWER SERIES
日時:5月24日(木) 開始18時30分
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1680人(超満員札止め=主催者発表)

<三冠ヘビー級選手権試合>
【王者】
〇宮原健斗
 25分52秒 シャットダウンスープレックスホールド
●丸藤正道(2018 チャンピオン・カーニバル優勝者)
【挑戦者】
※第60代王者初防衛に成功

<ジェイク・リー復帰戦 タッグマッチ>
〇ジェイク・リー 岩本煌史
 12分24秒 バックドロップ⇒片エビ固め
●野村直矢 ヨシタツ

復帰戦を豪快なバックドロップで飾ったジェイク・リー

<世界タッグ選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ>
崔領二 ディラン・ジェイムス ●佐藤恵一
 14分10秒 ブルーディステニー⇒片エビ固め
TAJIRI KAI 〇鈴木鼓太郎

<8人タッグマッチ>
〇諏訪魔 石川修司 青木篤志 佐藤光留
 13分29秒 新型ラストマウンテン⇒体固め
ゼウス ジョー・ドーリング ●丸山敦 ブラック・タイガーⅦ

華麗な空中戦も!!

<ジャンボ鶴田メモリアルマッチ>
〇秋山準 西村修
 10分38秒 横入り式エビ固め
大森隆男 ●渕正信

<シングルマッチ>
〇中島洋平
 6分08秒 跳後廻蹴⇒片エビ固め
●石切


▼詳細拡大版収録
’18年05月31日号TV放送権WWE-UFC 全日後楽園 R木村命日 I編集長 秋山準 浜田文子