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5月19日(現地時間)にロシア・ロストフ・ナ・ドヌで『Fight Nights Global 87』が開催された。
このファイトナイツグローバルは2010年6月、モスクワ総合格闘技連盟副会長のカミル・ガジエフ、ロシア連邦社会院議員のサンガジ・タルバエフ、元キックボクシング世界王者で政治家のバトゥ・ハシコフが創設したMMA団体であり、2014年、赤字を計上したため、フォーブス2015年版で資産8億ドル(約900億円)の実業家ジヤヴジン・マゴメドフに買収された。2015年からUFCファイトパスで生中継もされた為、一躍、世界の格闘技ファンに知れ渡った(欧州ではテレビ生中継は以前から)。更にあのエメリヤエンコ・ヒョードルが試合した事で更に注目度が増している。またメジャーになった事で、UFCファイトナイトと混同を避けるため、ユーロ・ファイトナイツと呼ばれる事も増えてきた。
実質メインと言えるのはライトヘビー級王座戦で、王者ファビオ・マルドナドがニキータ・クリーロフの挑戦を受けた。マルドナドは元UFC戦士で、ファイトナイトでは、あのヒョードルに事実上、勝利した(普通ならレフェリーが試合を止めるレベルでマルドナドはヒョードルを失神KOに追い込んだが、ヒョードルを負けさせたくない空気を読んだレフェリーがストップせず、試合が続行されヒョードルが疑惑の判定勝ちとなった)実績を持つ。そしてクルバン・オマロフとの王座決定戦に勝利して新王者に輝いた。対するクリーロフも、元UFCでUFC6勝3敗でフリーエージェントとなっており、戦績が振るわずにリリースされた訳ではない実力者だ。UFCで現役ばりばりで活躍していた実績もあり下馬評はクリーロフが有利となっている。試合は、いきなりクリーロフの前蹴りがマルドナドの金的に当たるというアクシデントがあったものの、その後はクリーロフ有利で進む。そして2R、スタンドで追い込むクリーロフが、マルドナドのバックに組みつき、振り向かせた瞬間、強烈な右フック。これがマルドナドの顎を打ち抜き、マルドナドは前のめりにダウン。追撃の必要もない完璧なKOでクリーロフがTKO勝利となり、見事に新王者に輝いた。
メインでは、デイビット・ハチャトゥリアン対ピーター・クウィリーというファイトナイトを主戦場にしている選手同士のカードが組まれた。実績から下馬評はハチャトゥリアンだったが、試合はなんと1Rにスタンドでクウィリーが追い込み右ストレートで、ハチャトゥリアンがダウン。追撃のパウンドをレフェリーが止めて、クウィリーがTKO勝利した。ハチャトゥリアンはストップが早いと抗議するも、判定は覆らず、クウィリーは金網によじ登って、アップセット勝利に興奮してアピールした。
また元ジャングル・ファイトのライト級王者、UFCでも活躍したアドリアーノ・マルチンスがファイトナイトに初参戦し、アレキサンダー・シャビーと対戦した。試合はシャビーの判定勝ちとなり、マルチンスはACB初勝利にはならなかった。
■ Fight Nights Global 87
日時:2018年5月19日(現地時間)
会場:ロシア・ロストフ・ナ・ドヌ
<ライト級>
○ピーター・クウィリー(アイルランド)
1R 3分52秒 TKO
●デイビット・ハチャトゥリアン(アルメニア)
<ライトヘビー級王座タイトルマッチ>
○ニキータ・クリーロフ(ロシア/挑戦者)
2R 3分33秒 TKO
●ファビオ・マルドナド(ブラジル/王者)
<ライト級>
○アレキサンダー・シャビー(ロシア)
判定 3-0
●アドリアーノ・マルチンス(ブラジル)