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ブラジルは、リオ・デ・ジャネイロのジュネス・アリーナにて、ナンバーシリーズとなる『UFC 224』が開催された。
メインイベントでは女子バンタム級王座をかけて女王アマンダ・ヌネス(ブラジル 15勝4敗)に同級ランキング2位につけるラケル・ペニントン(アメリカ 9勝6敗)が挑戦。ヌネスのプレッシャーに耐えながら懸命の攻撃を続けたものの、最後はペニントンに馬乗り状態からパウンドを浴びせていったヌネスに、ペニントンの鼻から血かポトポトをキャンバスに落ちて鮮血に染まった。ヌネスは3度目の防衛にして、KO/一本率でもロンダ・ラウジーを抜いている。
セミメインイベントはミドル級のトップコンテンダーの対戦となり、ランキング2位のジャカレ・ソウザ(ブラジル 25勝5敗1ノーコンテスト)と同5位のケルヴィン・ガステラム(アメリカ 15勝3敗1ノーコンテスト)が拳を合わせた。序盤こそワニのように這ってオクタゴンに入るソウザが関節技を仕掛ける展開を見たものの、試合の大半は打撃戦が繰り広げられ、両者ともが力強い打撃を放って一進一退の状況が続く。
フルラウンドの末、ジャッジの判定は分かれたものの、2-1でガステラムに軍配が上がっている。ソウザは判定に納得がいかないようで、「試合は自分が勝ったと思った。多分、第2ラウンドは落としたのかもしれないけど、もっとプレッシャーをかけていったし、いいショットも何発も決めている。ダウンも取ったのに、これだ」と話した。
地元ブラジルで引退試合に臨んだミドル級ランキング9位のビクトー・ベウフォート(ブラジル 26勝13敗1ノーコンテスト)は友人でもある同胞リョート・マチダ(ブラジル 23勝8敗)を相手にラストマッチに挑んだ。第2ラウンド開始直後にマチダが放った前蹴り(俳優スティーヴン・セガール直伝のフロントキック)をまともに食らい、ダウンを喫してノックアウト負け。最後の一戦は黒星を喫したものの、数々の名勝負を繰り広げてきた功績を残し、ベウフォートはグローブを置いてオクタゴンに別れを告げた。
試合を終えてマイクを向けられたベウフォートは「リョートのチームを祝したい。自分のチームやファン、家族には感謝している。人生にはすべて始まり、途中、終わりがある。これからは家族と過ごす時間だ」とコメントしている。
UFC 224の模様は2018年5月19日(土)22時から『FOXスポーツ&エンターテイメント』にて録画放送される予定だ。
次回、UFCはチリのサンティアゴを訪れ、モビスター・アリーナにて『UFCファイトナイト・チリ』が開催される。日本時間5月19日(日)に開催されるチリでのメインイベントはウェルター級ランキング5位のデミアン・マイアと同7位のカマル・ウスマンが対戦することになっており、日本人ファイターの近藤朱里がポリアナ・ボテーリョとの女子ストロー級マッチに挑む予定だ。
■ UFC 224
日時:5月12日(現地時間)
会場:ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ ジュネス・アリーナ
<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
○アマンダ・ヌネス(ブラジル)
5R 2分36秒 レフェリーストップTKO
●ラケル・ペニントン(米国)
アマンダ・ヌネスのコメント
「トレーニングしたことをすべてやった。ロッキー(ペニントン)はタフな選手よ。彼女と5ラウンドを戦うつもりで準備していた。どのラウンドもすべて落ち着いていけたわ。自分にとっては難しい試合だったから、成長につながると思っている。ロッキーとティーシャは私の友達だから、精神的に準備を整えておかないといけなかった。でも、これはここでの人生の理由だから。世界一になることをずっと夢見てきたし、今日もまだ、そこにいられる。前回の試合でケガをして、カムバックできた。これからはもう少し注意していくつもり」
<ミドル級/5分3R>
○ケルヴィン・ガステラム(米国)
判定2-1(29-28.29-28.28-29)
●ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ケルヴィン・ガステラムのコメント
「勝利を洋装していたけど、フィニッシュしてタイトル挑戦をものにしたかった。今はもらえるかどうか分からないけど、できればそうなるといいね。ノックダウンした後はフィニッシュできると思ったんだ。でも、相手はタフだし、本当に忍耐強い。今回は観客にあまり歓迎されなかったけど、勝った後はそれでもいくらか応援してもらえた」
<123ポンド契約/5分3R>
○マッケンジー・ダーン(ブラジル)
1R 2分27秒 リア・ネイキッド・チョーク
●アマンダ・クーパー(米国)
マッケンジー・ダーンのコメント
「パンチを当てていきたかったから、グラウンドとパウンドを見せつけられたことには満足しているけれど、フィニッシュで終われてよかったわ。この1週間、彼女はいろいろと語ってきた。体重を落とせなかったことは分かっているし、それに満足しているなんてことはない。私がミスを犯した。その罰は受けているけれど、彼女は試合を受け入れたの。言い訳を言うタイプじゃない。がんばったんだけどね。もうこれ以上、こんなことがないようにする。試合中、心から父の顔が見たいと思った。きっと父はかなり緊張していたでしょうね。ここを離れたくないし、長くいたい。勝とうが負けようが、ファンが声援を送ってくれると分かっていた。あそこで感じたエネルギーは説明のしようがないわ」
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ジョン・リネカー
3R 3分43秒 KO
●ブライアン・ケレハー
渾身の一撃👊💥#UFC224 pic.twitter.com/EVa2KHFXWN
— UFC Japan (@ufc_jp) 2018年5月13日
ジョン・リネカーのコメント
「拳が戻ってきた。”ハンズ・オブ・ストーン”のニックネームをもう一度とどろかせるためには、こういうノックアウトが必要だった。ブラジルで戦うのは本当にうれしい。ファンも助けてくれるしね。アリーナの中にたくさんのエネルギーがみなぎっている。ファンのためにショーを見せるのが好きだ。俺がやっているのはそういうこと。対戦相手については誰も思いつかないけど、もう一度、タイトルに近づくためにトップ5の人とやりたい。目標はタイトルだから、それを追い求める自分を止めるT.J.ディラショーへの挑戦は敗北じゃない」
<ミドル級/5分3R>
○リョート・マチダ(ブラジル)
2R 1分00秒 フロントキック失神KO(セガールキック)
●ビクトー・ベウフォート(ブラジル)
※ビクトーはグローブをオクタゴンに置いて引退をアピール
リョート・マチダのコメント
「今回の試合に向けてかなりトレーニングしてきたけれど、それほど前蹴りの練習はしていない。でも、しっかりとトレーニングを積んで、しっかりと準備していれば、試合がもっとクリアに見えるし、練習していないことさえもできるようになる。ランディ・クートゥアが引退した時に放った蹴りとかなり似ていたのは分かっている。違いはあの時が右で今回が左だったこと。つまり歴史は繰り返す。UFCが次の対戦相手を用意してくれるのを待とう。自分はマイケル・ビスピンとやりたい。組まれそうで実現しなかった試合だ。今年中にあと数試合を戦いたい」
【プレリム】
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○セザール・フェレイラ
1R 4分45秒 サブミッション(肩固め)
●カール・ロバーソン
セザール・フェレイラのコメント
「ジムで毎日トレーニングしてきたことをすべてやれたから、よりいっそううれしい。自分や自分の動きすべてを導いてくれるコーチたちを見ているような気分だった。俺としてはこれで6連勝だし、パフォーマンスボーナスがあるといいんだけどね。セオドルとの試合の結果には納得がいかないけれど、戦い続けて勝ち続けるためにいる。ボハシーニャ(パウロ・コスタ)については、やりたいと思っているけど、すでに思っていることはすべて言った。あとはUFC次第。誰が用意されようと、俺は戦う」
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクセイ・オレイニク
1R 1分45秒 エゼキエルチョーク
●ジュニオール・アルビニ
アレクセイ・オレイニクのコメント
「リオに向かう前、ブラジルのファンはオクタゴンに上がる外国人ファイターがスキじゃないと言われていた。自分もそう思っていたけど、今日はそれが真実じゃないってことが分かった。ファンは俺を祝ってくれたし、今日の勝利後、かなりの声援を送ってくれたんだ。アルビニのことはとても尊敬している。それは試合前も試合後も変わらない。ものすごくタフなヤツだ。俺が彼よりも良かったってだけ。結局、これはスポーツだから。プロのスポーツ。これもその一部だ」
<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ダヴィ・ラモス
1R 4分15秒 リアネイキドチョーク
●ニック・ハイン
ダヴィ・ラモスのコメント
「完全なアスリートになりたい。柔術でもずっとそうやってきた。すべてのツールを持つファイターになりたい。これが俺の戦い方だし、UFCに持っていきたいスタイル。自分のスタイルがありながらも、すべてのやり方を熟知したファイターだ。そのためにやっているけれど、もちろん、今回の試合に向けては相手の背後を取ってフィニッシュすることが目標だった。今は一歩一歩いく。ライト級ではこれが2戦目だけど、この階級のランカーたちからそれほど遠いとは思っていない。誰とでも戦う。学んで成長すべきことはたくさんある。でも、すでにやっているし、自分が将来のライト級王者だと思っている」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○エリゼウ・ザレスキ・ドス・サントス
1R 3分12秒 KO
●ショーン・ストリックランド
エリゼウ・ザレスキ・ドス・サントスのコメント
「コーチとこのカポエイラの打撃をトレーニングしてきたし、思っていた通りにできた。試合には全身全霊で臨んでいる。オクタゴンの中で結果を示したから、パフォーマンスボーナスにつながればいい。コーチの1人がいつも”ショーを見せるんじゃない、戦うんだ”と言ってくれる。俺はファイターだ。戦って全力を尽くす。ファンがいつも大興奮してくれる。自分の試合が戦闘だってことを分かってくれているんだ。みんな、いつも速いフィニッシュを求めてくるけど、俺は自分の仕事を果たす。ベストファイターと戦い続けたい。ショーンはベストファイターの1人だと思っている。ポンジニッビオやウスマンとか、ビッグネームに敗れてきた」
【アーリープレリム】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ワーレイ・アウヴェス
2R 5分00秒 ドクターストップTKO
●スルタン・アリエフ
ワーレイ・アウヴェスのコメント
「地元で勝てて、リオデジャネイロでまた戦えてうれしい。本当に満足している。必死にトレーニングしてきたんだ。相手が常にグラップリングを狙ってくるのは分かっていた。今回の試合に向けてしっかりと準備してきたからね。チーム全体がこの勝利に力を注いでくれた。今後については、とあるヤツが俺との試合は楽勝だとか言っていたくせに、こっちが指名したら俺がランキング入りしていないからやりたくないと言ってきたんだ。ま、ランキングに入りたいし、コルビー・コビントンを打ち負かしてやるよ」
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
●ターレス・レイチ
3R 2分10秒 TKO
○ジャック・ハーマンソン
ジャック・ハーマンソンのコメント
「第1ラウンドで肋骨を折ってしまい、続けるのが難しかった。ターレスは素晴らしいファイターだけど、コーチと取り組んだ最初の柔術クラスでディフェンスを学んだんだ。俺のグラウンド&パウンドは世界で一番だと思っている。一度コネクトしてしまえば、誰にもチャンスはない」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
●アルベルト・ミナ
判定3-0(27-30、27-30、27-30)
○ラマザン・エミーフ
ラマザン・エミーフのコメント
「いい試合だった。ブラジルは素晴らしいファイターがいるし、ミナもその1人だ。最高の相手だったよ。一番大事なのは自分が勝ったこと。そのためにやってきた」
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○マルクス・ペレス
1R 4分28秒 リアネイキドチョーク
●ジェームズ・ボクノビック
マルクス・ペレスのコメント
「実際、最初のラウンドで相手をノックアウトできるようにトレーニングしてきたんだけど、相手がかなりイラツイていてテイクダウンを仕掛けてきた。こっちは黒帯じゃないけれど、柔術ファイターと呼ばれない中ではベストな1人だと思っている。もっと戦いたい。ずっとそこに集中してきた。できるだけたくさん戦うことにね。今回は良いスタートになったし、地元でトレーニングできた。オクタゴンの中にいたのは本物のマルクスさ」