[週刊ファイト5月17日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼渕正信セミリタイア 彼のプロレス人生は恵まれていたのか?
by 井上 譲二
・44年間も現役を続けながら1度も移籍がないキャリアは珍しい
・渕の長いプロレス人生の中で移籍のチャンスは少なくとも2度あった
・「ガチガチの馬場派」として警戒される
・プライベートでは自由奔放に過ごしてきた
・六本木の「ナッちゃん」
6年前、一時的に契約上はフリーになったものの、1974年のデビュー戦(4・22徳島=大仁田厚戦)以来、全日本プロレス一筋の渕正信(64)。44年間も現役を続けながら1度も移籍がないというキャリアは珍しい。これがサラリーマンなら高く評価されるところだが、レスラーの場合、「商品価値がなかったため」と言われかねない。実際はどうだったのか?
長年、全日本プロレスで活躍してきた渕正信
昨年から全日本プロレスの興行ポスターから顔写真がはずされ、試合も「関東地区限定」になった渕正信。年齢的にも、いつ引退してもおかしくない状況に置かれているが、44年間も選手生活を送りながら1度も移籍がないのは極めて稀だ。
渕が忠誠心を誓ったジャイアント馬場
関係者によって見方は異なる。ある人は「ジャイアント馬場さんと元子さんに忠誠心を誓っていたため」と言い、別の人は「レスラーとして商品価値がなかった」と言う。また、「まったく人望がなかった」と証言する全日OBも・・・。
私はこの3つの要因が重なって、どこからもヘッドハンティングされなかったと見ている。
渕の長いプロレス人生の中で移籍のチャンスは少なくとも2度あった。