ローマン・コピロフ新王者!ロシアFight Nights Global 85+M-1 Challenge 90

(C)Fight Nights Global

 3月30日(現地時間)にロシア・モスクワで『Fight Nights Global 85』が開催された。
 このファイトナイツグローバルは2010年6月、モスクワ総合格闘技連盟副会長のカミル・ガジエフ、ロシア連邦社会院議員のサンガジ・タルバエフ、元キックボクシング世界王者で政治家のバトゥ・ハシコフが創設したMMA団体であり、2014年、赤字を計上したため、フォーブス2015年版で資産8億ドル(約900億円)の実業家ジヤヴジン・マゴメドフに買収された。2015年からUFCファイトパスで生中継もされた為、一躍、世界の格闘技ファンに知れ渡った(欧州ではテレビ生中継は以前から)。更にあのエメリヤエンコ・ヒョードルが試合した事で更に注目度が増している。またメジャーになった事で、UFCファイトナイトと混同を避けるため、ユーロ・ファイトナイツと呼ばれる事も増えてきた。
 今大会は2階級の王座戦が組まれた。ミドル級王座戦は、ミドル級王座決定トーナメントで優勝を果たし、新王者となったアブスピヤン・アリハノフが初防衛戦を行った。挑戦者はロシア白兵戦闘術を使うローマン・コピロフで、試合は、スタンドで攻めるコピロフに対し、なんとかテイクダウンを奪ってグランドで勝負したいと組みつくアリハノフという展開。しかし、ラウンドが進むにつれ、アリハノフは組みつく事も難しくなり、逆にコピロフがキック、膝蹴りで攻め続け、アリハノフは防戦一方という展開となってきた。4R終了時、アリハノフは試合続行不可能となり、TKO勝利でコピロフは新王者に輝いた。
 ウェルター級王座戦は、MMA11戦全勝無敗という記録で王座に上りつめたアリアシャブ・ヒズリエフが、あのホジマール・トキーニョの挑戦を受けた。トキーニョはUFC、WSOFで圧倒的な強さで王者になるも、レフェリーが止めても技を解かない反則を繰り返す為、遂に両メジャー団体から追放されてしまい欧州に活躍の場を求めたトキーニョ。しかし欧州ではKO負けで2連敗、しかしファイトナイトに参戦して一本勝ちで復活している。ヒズリエフにとって過去最大の強敵との対戦となったが、試合開始と同時にヒズリエフが左ハイキックでトキーニョからダウンを奪う。更に追撃のパウンド連打のヒズリエフだが、トキーニョも下から得意の足関節狙いで反撃。しかし、ひるまないヒズリエフは足を引き抜いて、更に激しくパウンド連打。トキーニョの意識が飛んだのを見てレフェリーがストップ。ヒズリエフはトキーニョに勝利した興奮で客席まで飛び込むほど喜びを見せ、TKO勝利で王座防衛を果たした。

■ Fight Nights Global 85
日時:2018年3月30日(現地時間)
会場:ロシア・モスクワ

<ミドル級王座タイトルマッチ>
○ローマン・コピロフ(挑戦者/ロシア)
 4R終了 TKO
●アブスピヤン・アリハノフ(王者/ロシア)

<ウェルター級王座タイトルマッチ>
○アリアシャブ・ヒズリエフ(王者/ロシア)
 1R 0分58秒 TKO
●ホジマール・トキーニョ(挑戦者/ブラジル)

<ミドル級>
○マゴメド・イスマイロフ(ロシア)
 1R 3分41秒 TKO
●イルデマール・アルカンタラ(ブラジル)

ウェルター級
○レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)
 1R 0分17秒 TKO
●ヴァウジール・アラウージョ(ブラジル)


(C)M-1

 3月30日(現地時間)にロシア・サンクトペテルブルクで『M-1 Challenge 90: Kunchenko vs Butenko』が開催された。
 M-1 Global(エムワン・グローバル)は、ロシアの総合格闘技団体で世界規模で開催されている。会長はワジム・フィンケルシュタインであり、副社長はセルゲイ・マトビエーンコである。かつてM-1 GlobalはAffliction、ゴールデンボーイプロモーションズ、アメリカの億万長者であるドナルド・トランプと協同して『M-1 Global & Affliction』という大規模なトーナメントを始めた事もある。
 今大会では、メインでウェルター級王座戦が組まれ、王者アレクセイ・クンチェンコが、アレキサンダー・ブテンコの挑戦を受けた。クンチェンコはMMA17戦全勝という実績を誇り、下馬評では当然、圧倒している。試合はスタンドでプレッシャーをかけて前に出るクンチェンコだが、ブテンコも粘り、3Rにはテイクダウンに成功する見せ場も作った。しかし、すぐに立ちあがったクンチェンコは、これで逆に火がついたのか、物凄いラッシュでブテンコからダウンを奪う。なんとか立ち上がったブテンコだが、勢いの止まらないクンチェンコは更にパンチ、膝蹴り連打で追い込み、レフェリーがストップ。クンチェンコが見事に王座防衛を果たした。
 また、UFCやストライクフォースで活躍した人気者ジョー・リッグスが、ボリス・ポエザリと対戦した。試合は実力拮抗でドローとなった。

■ M-1 Challenge 90: Kunchenko vs Butenko
日時:2018年3月30日(現地時間)
会場:ロシア・サンクトペテルブルク

<ウェルター級王座タイトルマッチ>
○アレクセイ・クンチェンコ(王者/ロシア)
 3R 4分04TKO
●アレキサンダー・ブテンコ(挑戦者/ウクライナ)

<ミドル級>
△ジョー・リッグス(米国)
 ドロー
△ボリス・ポエザリ(ウクライナ)

<132ポンド契約>
○ラファエル・ディアス(ブラジル)
 2R 4分39秒 肩固め
●ヴァディム・マリギン(ロシア) 

<160ポンド契約>
○マゴメドカミル・マリコフ(ロシア)
 2R 0分30秒 TKO
●サド・ウカール(オーストリア)