平昌オリンピックも後半に突入し、いよいよ大詰めを迎えようとしている。日本中を最も沸かせた競技は、2大会連続金メダルを獲得した羽生結弦と、銀メダルの宇野昌磨を生んだ男子フィギュア・スケートだろう。
ところが、その男子フィギュアでとんでもない疑惑が浮上した。ジャッジに不正があったというのである。
初日のショート・プログラムでは羽生結弦が1位、2位はハビエル・フェルナンデス(スペイン)、3位に宇野昌磨、そして4位が中国の金博洋となっていた。
2日目のフリーで高得点をマークすれば、この4人はメダルに手が届くという展開、ここで不正ジャッジが行われたという。
中国人審判のチェン・ウェイグアン氏が、同じ中国人選手の金博洋に異常な高得点を与えたのである。逆に、ショートで3位だった宇野昌磨や2位のハビエル・フェルナンデスといったライバルに対しては不当に低い得点を与え、金博洋にメダルを獲らせようとしたというのだ。
しかもチェン・ウェイグアン氏は、金メダルの羽生結弦よりも金博洋に高得点を与えていたのである。
あまりにも露骨な自国ビイキ判定。しかし、プロレス・ファンは既視感を覚えるのではないだろうか。
そう、全日本女子プロレスの名(迷?)レフェリーだった故・阿部四郎である。
阿部四郎レフェリーは、ダンプ松本率いる極悪同盟を徹底的にヒイキして不公平なジャッジを行い、敵対するライオネス飛鳥と長与千種のクラッシュ・ギャルズを怒らせる。それ以上に怒っていたのは、クラッシュ信者の女の子たちと志生野温夫アナだ。
なにしろ極悪同盟がカバーすれば目にも止まらぬ高速カウントを行い、クラッシュ・ギャルズがカバーしてもナメクジのようなノロさでしかカウントを取らない。
極悪同盟が反則しようが凶器攻撃をしようが、阿部四郎レフェリーは見て見ぬふり。逆に抗議したクラッシュ・ギャルズの反則を取るといった有様。
アントニオ猪木も、タイガー・ジェット・シンの地元モントリオールで試合をした時、地元レフェリーが徹底的にシンの味方をして、
「ひ、ひどいホームタウン・デシジョン――地元えこひいきもあったものだが……」
と憤慨していた。もっとも、これは漫画『プロレススーパースター列伝(原作:梶原一騎、作画:原田久仁信)』で語られていたエピソードだから、真偽のほどは定かではない。
それにしても、阿部四郎レフェリーのような審判がオリンピックにも登場したとは驚きである。まあ、どんなスポーツでもホームタウン・デシジョンはあるのだが。
いや、阿部四郎レフェリーだって、3本勝負のうちの1本は、ちゃんとクラッシュ・ギャルズのピン・フォールを認めていた。
ちなみに、フィギュアでは公平性を保つために、項目別ジャッジのうちの最高点と最低点は含まないことになっている。したがって、チェン・ウェイグアン氏は最高点を全て金博洋に付けていたため、チェン・ウェイグアン氏のジャッジは全部無効になってしまったのだ。
結局、チェン・ウェイグアン氏のヒイキ判定は何の役にも立たなかったばかりか、結果的に金博洋の足を引っ張ったのである。
金博洋だって、チェン・ウェイグアン氏のおかげであらぬ疑いをかけられたので、いい迷惑だっただろう。
極悪レフェリー阿部四郎よりも酷い審判がオリンピックに存在したことは憶えておきたい。
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