リングサイドで撮影している場合、試合の邪魔にならないよう、ファンの視線を遮らないよう、極力空気になるよう心がけるのは共通認識と思う。
だから、試合に集中しつつも、ひょうきんな動きやギャグで笑うことはあまりない。
だが、声をあげて何度も笑ってしまった覆面MANIA39での失態には反省はしているが後悔はしていない。
それぐらい、覆面MANIAは面白い興行だった。
全5試合はなるほど多いとはいえないがそれだけに色々な要素が詰まった試合となっている。
第1試合は、杉浦ーブライアン戦が急遽タッグマッチに変更。
若いブライアンが捕まっての敗戦後、マッチョパンプが登場。
カード変更の原因はブライアンのたるんだ身体だと暴露し、返す刀で杉浦の体型にも言及。
「内藤になれる逸材だと思ってるのに」
と、苦言を呈し、2人が腹筋を割ったら試合を組むと宣言して帰っていく一幕。
続いては、誰にも気付いて貰えなかったが「デビュー10周年」だと自ら実況に売り込んだHAMATANI、山本組と、子供がインフルエンザに罹患したKATSUMURAとEL920の試合。
これらの情報を織り交ぜながらの実況が面白く、会場を沸かせる。
「今日は週刊ファイトさんが〜」と弄られたのは初である。
記念に、HAMATANNI10周年を見出しに入れさせて頂いた。
私事ではございますが、皆様のお陰をもちまして10周年!
まだまだ若輩者の47歳です。
浜谷完全体を目指して懲りずに精進させていただきます。
マイペースな現代っ子なので、あと30年くらいかかりますかね…。心をこめて
サンキューベリーハマッチ!— HAMATANI (@hamatanikiyoshi) 2018年2月4日
第3試合は菊タローのセクハラ攻撃炸裂。
MeToo運動発祥の地、アメリカ進出を図るレスラーとは思えない下ネタ連発で、大人のファンを爆笑させる。
最期はセクハラ攻撃に鬱憤を溜めた茉莉が杖をついた老人のがばいじいちゃんを思い切り蹴り飛ばしての爆笑のフィニッシュ。
ここで休憩となり、菊タローの『BUFFET CLUB』Tシャツが完売になるなど、大盛況。
後半、セミファイナルは打って変わってシリアスなルチャ。
かつてはメキシカンストレッチと一括りに扱ってきた間接の取り合い、ジャベが中心となる実力者同士の好勝負。
王者正宗が防衛に成功した。
メーンは、CMLLのPUMAを、かつて父と闘ったミステル・カカオが迎え打った6人タッグ。
試合前、片付けようとした紙テープを奪って暴れるPUMAはさすがCMLLのルードの風格。
SUGIの忍者っぷり、スペル・チノの酔拳もPUMAが受け止め、フィニッシュは伝家の宝刀・ラ・カシータ(カサス家の高速ラ・マヒストラル)で、エースのミステル・カカオ自らが3カウントをきいた。
提携中の新日本プロレス以外のリングにPUMAを招聘することの困難さを考えれば、負けてなおあっぱれであって、ミステル・カカオも試合後、マスクの下でうかがい知れなかったが、悔しさよりは達成感が伝わってきた感動のフィニッシュ。
リング上で「僕たちにしか出来ないルチャ」と胸を張ったミステル・カカオの言葉に、新木場を埋めたファンの声援が飛んだ。
遅咲きのデビューのミステル・カカオが、正々堂々新日本プロレスと互したこの日の新木場は、まさに日本のアレナ・メヒコだった。
■ 覆面MANIA 39
日時:2月4日(日) 開場11:30 開始12:00
会場:東京・新木場1stRING
<メーンイベント 時間無制限1本勝負>
●ミステル・カカオ SUGI スペル・チノ
17分39秒 ラ・カシータ
〇プーマ(CMLL) エル・ホルネット 破裏拳 KID
<セミファイナル 時間無制限1本勝負~覆面MANIAスーパーライト級選手権試合~>
[王者]
〇政宗
11分38秒 変形逆さ抑え込み
●フィエスタ・メヒカーナ
[挑戦者]
※王者が初防衛に成功
<第3試合 60分1本勝負>
バンクーバーキャット 真琴 〇茉莉
15分50秒 ハイキック⇒片エビ固め
菊タロー ●がばいじいちゃん 焙煎たがい。
<第2試合 30分1本勝負>
〇KATSUMURA(勝村周一朗) EL 920
16分10秒 ニンジャチョーク⇒TKO
●山本裕次郎 HAMATANI
<第1試合 30分1本勝負>
杉浦透 ●ブライアン
8分12秒 逆さ押さえ込み
〇ディスポジシオン・デ・ティグレエース ディスポジシオン・デ・ティグレブラック
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