[ファイトクラブ]なぜプロレスにタッグ・マッチがあるのか!? その意味と醍醐味の変遷

[週刊ファイト12月28日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼なぜプロレスにタッグ・マッチがあるのか!? その意味と醍醐味の変遷
 by 安威川敏樹
・tagタッグの意味 鬼ごっこ タグ検索
・日本のプロレスはタッグ・マッチから始まった
・人気を博す“日本最強タッグ・チーム”
・世界最強を名乗る外国人タッグ・チーム
・諸刃の剣となった四天王のタッグ・マッチ


 12月11日、新日本プロレスではWORLD TAG LEAGUE 2017の優勝決定戦が行われ、EVIL&SANADAが初優勝した。
 翌12日には全日本プロレスで、世界最強タッグ決定リーグ戦の優勝が石川修司&諏訪魔に決まり、こちらも初優勝である。

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▼世界最強タッグ決定リーグ戦

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 2017年のプロレス界は、老舗2団体のタッグ・リーグ戦によって事実上、幕を閉じた。プロ野球なら次は日本シリーズというところだが、片方の団体では『最強タッグ“決定”リーグ戦』と銘打っているのだから、それ以上の闘いは必要ないというところか。

 日本のプロレスは年末にタッグ・リーグ戦を行うのが恒例になっているが、もちろんこれは全日本プロレスの最強タッグの影響だろう。全日本プロレスの歴史は最強タッグの歴史と言っていいぐらいだ。

▼世界最強タッグ決定リーグ戦の歴史

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 しかし、みなさんは不思議に思ったことはないだろうか。 「なぜプロレスにはタッグ・マッチがあるのか?」ということを。
 プロレスは強い者を決めるというのが建前なのだから、本来なら2人以上同士の試合など不必要なのではないか?

▼2017年の世界最強タッグ決定リーグ戦で優勝した石川修司&諏訪魔

tagタッグの意味 鬼ごっこ タグ検索
 プロレスのことを知らない人でも“タッグ”という言葉は大抵知っているだろう。『大監督の○○と脚本家の××がタッグを組んで、大作映画の制作に取りかかった』などと芸能ニュースでもよく流れる。つまり、タッグとはプロレス用語で最も有名と言えよう。
 ところでタッグは英語でtagと書くが、どういう意味なのだろうか。

 英和辞典を引いてみると、tagの項には『鬼ごっこ』と書かれている。なんとタッグ・マッチでは、大のプロレスラー同士が鬼ごっこをしているということなのか!?

▼ゴツいオッサンらによる鬼ごっこ!?

 tagは動詞にもなっていて、こちらは『鬼ごっこで鬼が他の人に触れること』という意味になる。これを大阪では『デンする』などというが、鬼が逃げる人にタッチすることで、タッチされた人は鬼と交代する。
 なるほど、プロレスのタッグ・マッチでも、味方にタッチすると交代するので、理にかなった言葉と言える。

 野球用語で『タッチ・アウト』『タッチ・アップ』という言葉があるが、いずれも和製英語である。それぞれ『タッグ・アウト(tag out)』『タッグ・アップ(tag up)』と呼ぶのが正しい。
 つまり、これらの意味を総合してみると『タッグを組む』というのはおかしな表現ということになる。『鬼ごっこを組む』『タッチを組む』という意味になるのだから。正しくは『タッグ・マッチ・チームを組む』といったところか。
 でも『タッグ・マッチ・チームを組む』なんていちいち書くのは面倒くさいので、今後とも『タッグを組む』と書くことにする。

 実はtagには他にも意味があって、付け札のことを指す。インターネット用語でも『タグを付ける』などと言うが、本を読んでいて気になった箇所に付ける付箋のようなイメージだ。
 こういう意味の場合でのtagは、カタカナではタグと書くことが多い。

日本のプロレスはタッグ・マッチから始まった
 日本で本格的なプロレスが始まったのは、太平洋戦争が終結してから僅か8年半後のこと。1954年2月19日、東京・蔵前国技館で力道山&木村政彦vs.シャープ兄弟(ベン、マイク)が行われた。
 それ以前にも日本でプロレスの試合は行われていたが、力道山組vs.シャープ兄弟の試合は日本テレビとNHKで生中継、しかも本放送によるものだったので、このタッグ・マッチこそが事実上、日本におけるプロレスの夜明けと言ってよい。

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