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現地時間12月1日(金)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのパーク・シアターにて『ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン26フィナーレ』が開催された。
元ライト級王者のエディ・アルバレス(アメリカ 28勝5敗)とジャスティン・ゲイジー(アメリカ 18勝0敗)がコーチ役を務めたUFCのリアリティ番組『ジ・アルティメット・ファイター(TUF)』のシーズン26フィナーレとして行われた今回のイベントはオープニングマッチから6試合連続でフィニッシュ決着し、会場に詰めかけた多くのファンを魅了した。
メインイベントには初代女子フライ級王者を決める一戦が組まれ、トーナメントを勝ち抜いて決勝戦に進んだニコ・モンターニョ(アメリカ 4勝2敗)とシジャラ・ユーバンクス(アメリカ 3勝2敗)が対戦する予定だったが、試合前日にユーバンクスが体調不良のため欠場を余儀なくされ、準決勝でユーバンクスに敗れたロクサン・モダフェリ(アメリカ 21勝14敗)が繰り上がってタイトルマッチに挑んでいる。
開始直後から距離を詰めた2人は打撃戦を展開し、マウントポジションを取ってパウンドを浴びせるモンターニョに対してモダフェリが下から関節技を狙うなど激しい攻防戦を繰り広げる。第2ラウンド開始直後にはモダフェリがモンターニョに右の一発をヒットさせてダメージを与えたが、すぐに立て直したモンターニョは前に出ながら打ち込んでくるモダフェリの足をかけてテイクダウンし、下からトライアングルチョークを仕掛けつつ、さらにエルボーを打ち込んでいった。手数を増やして有効打を重ねるモダフェリは落ち着いた様子でマイペースにモンターニョにプレッシャーをかけていき、第4ラウンドにはどちらも疲れを見せ始めたものの、モダフェリが力の入ったパンチを繰り出して追い詰めれば、モンターニョもテイクダウンを取ってパウンドを浴びせる。
最終ラウンドはモンターニョがマウントポジションを取ったものの、うまく逃げ切ってスタンディングに戻したモダフェリがジャブやボディキック、膝を打ち込み、優位な体勢を取られながらもモダフェリがアームバーを仕掛けてあと一歩まで追い詰めたが、決めきる力が残っておらず、技が外れて試合終了となっている。結果はユナニマス判定でモンターニョが王座を獲得した。それにしても50-45、49-46、49-46の採点はどうなのか。同じ試合を見たとはとても思えない。本誌は断固抗議したい。
チャンピオンベルトを巻いたモンターニョは「ものすごくうれしいけど、ものすごく疲れたわ。ロクサン(モダフェリ)がすごい試合をしてきたけれど、UFCチャンピオンになれたなんて夢みたい。まさか自分がなれるなんて思ってもみなかったし、今は自分のことを誇りに思う。ロキシー(モダフェリの愛称)はパンチに力があったし、彼女は自分のレンジがシジャラ(ユーバンクス)よりも優れていると分かっていたような気がする。だから、彼女がスタンディングで来るような気がしていたの。速いペースの試合になると思っていた。まだ学ぶことがたくさんあると思うけど、この短期間でもうMMAを4年とか5年くらいやっているような気分。長い道のりだったわ」とコメントし、さらにこう続けました。
「ロキシーみたいな相手を倒せたなんて誇りよ。彼女はずっと刺激になる人だったから。TUFに参加する時、ファイターになるにあたってのインスピレーションを聞かれたの。だからロクサン・モダフェリと答えたわ。彼女は試合に挑んで、自分のやっていることを愛しているし、一度も情熱を失わず、それでも一番優しい心を持った人。最初と最後に笑ってくれた。彼女には感謝してもしきれない。ここを出て、家に戻って自分のスペースに落ち着いたら、ようやく実感がわくような気がする。みんなのサポートを心から誇りに思っているわ。格闘技をスポーツだと思わない人もいるし、野蛮だと言う人もいるけれど・・・。スキルとテクニックが必要なの。フルタイムの仕事を見つけた感じね。覚悟を決めていかないと。今日はちゃんとそれを示せたと思う」
MODAFFERI GETS THE ARMBAR BUT MONTANO ESCAPES!!
This fight!!! What a fight!! Wow!!
Who goes home the NEW UFC women's flyweight champ? #TUFFinale pic.twitter.com/tLi0Rtb7RP
— UFC (@ufc) 2017年12月2日
一方、前日のオファーを受けてタイトルマッチに臨んだモダフェリは「すべてを出し切りましたし、ベストを尽くしました」と感想を語っている。日本でプロデビューを果たし、『TUFシーズン18』に参加したもののトーナメント初戦で敗れたモダフェリはInvicta FCでキャリアを積み、フライ級タイトルマッチに挑むもベルトは取れず、今回のビッグチャンスを生かしたいところだったが、惜しくも判定負けとなった。
Congratulations, Nicco! You are amazing. It was an honor to share the cage with you, and to have a shot at the title. I will get stronger. Thank you @ufc @danawhite & everyone! 負けてしまいましたが、これからも頑張って強くなる。ニッコちゃん、おめでとう! pic.twitter.com/VLqDEuMkuI
— Roxanne Modafferi (@Roxyfighter) 2017年12月2日
日本時間12月3日(日)には『UFC 218』がアメリカ・ミシガン州デトロイトで開催される。メインイベントではフェザー級王者マックス・ホロウェイ(アメリカ 18勝3敗)に元チャンピオンでレジェンドのジョゼ・アルド(ブラジル 26勝3敗)が挑戦者として挑むタイトルマッチが行われる予定だ。セミメインイベントにはヘビー級タイトル戦線の行方を占う注目の一戦が組まれ、ランキング1位のアリスター・オーフレイム(オランダ 43勝15敗)と同4位フランシス・ガヌー(カメルーン 10勝1敗)が対決する。さらに、『TUFシーズン26』でコーチ役を務めたアルバレスとゲイジーもライト級マッチとしてメインカードで対戦することになっている。
全13試合が行われる『UFC 218』は日本時間12月3日(日)午前8時15分からアーリープレリムがスタートし、朝10時からスタートするプレリムと合わせた8試合がUFCファイトパスで生配信され、正午に開始されるメインカードの5試合は『DAZN』で生中継される。また、12月9日(土)22時から『FOXスポーツ&エンターテイメント』にて録画放送される予定だ。なお、放送時間および放送内容は事情により変更される場合がある。予めご了承ください。
※電子書籍版は’17年12月14日号鷹の爪2ドン荒川追悼新間寿原点回帰馬場最強タッグJewelsポーゴに収録されました。
■ TUFシーズン26フィナーレ
日時:現地時間2017年12月1日(金)、日本時間2日(土)
会場:パーク・シアター(ネバダ州ラスベガス)
【メインイベント】
<女子フライ級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○ニコ・モンターニョ vs. ロクサン・モダフェリ
判定3-0(50-45、49-46、49-46)
【メインカード】
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ショーン・オマリー vs. テリオン・ウェア
判定3-0(29-28、29-28、29-28)
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
バーブ・ホンチャック vs. ローレン・マーフィー○
判定2-1(28-29、29-28、28-29)
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
エリック・スパイスリー vs. ジェラルド・マーシャート○
2ラウンド(2分18秒)TKO
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
△ディアナ・ベネット vs. メリンダ・ファビアン△
判定1-0(28-28、29-27、28-28)引き分け
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
ジョー・ソト vs. ブレット・ジョーンズ○
1ラウンド(0分30秒)サブミッション(カーフスライサー)
【プレリム】
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
クリスティーナ・マークス vs. モンタナ・デ・ラ・ロサ○
1ラウンド(2分00秒)サブミッション(アームバー)
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
アンドリュー・サンチェス vs. ライアン・ジェーンズ○
3ラウンド(0分58秒)TKO
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
カリネ・ゲボーギアン vs. レイチェル・オストビッチ○
1ラウンド(1分40秒)サブミッション(アームバー)
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
アリエル・ベック vs. シャナ・ドブソン○
2ラウンド(2分53秒)TKO
【アーリープレリム】
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ジリアン・ロバートソン vs. エミリー・ウィットマイア
1ラウンド(2分12秒)サブミッション(アームバー)
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