[ファイトクラブ]UFCジャパン会見詳細:アリスター、サキの潜在力絶賛~2階級上げてショーグン秒殺男に挑む岡見の覚悟~夜叉坊涙の理由

[週刊ファイト9月28日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ UFCジャパン会見詳細:アリスター、サキの潜在力絶賛~2階級上げてショーグン秒殺男に挑む岡見の覚悟~夜叉坊涙の理由
 Text by 稲垣 收
・アリスター、元同門のサキの潜在力を絶賛!
・メインで“ショーグン秒殺男”に2階級上げて挑む・岡見の覚悟
・夜叉坊涙の理由
・稲垣、“ノゲイラに最も詳しい日本人”として逆取材さる


いよいよ9月23日(土)に迫ったUFCファイトナイト・ジャパン2017を前に、都内のホテルに出場選手が集結して記者会見を行なった。特別ゲストとして、アリスター・オーレフイム、さらに2年前に引退した“柔術マジシャン”アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラも駆けつけた。
アリスターは元同門のグーカン・サキの潜在力を絶賛。
メインではショーグンがまさかの負傷欠場のため、代打で岡見勇信が2階級上げて出場。
最高にノリノリで会見した石原“夜叉坊”は、インタビュー中に涙を流した。その理由とは?
そして筆者は、“日本一ノゲイラに詳しい記者”として、ノゲイラのドキュメンタリーで逆インタビューをされることに……。

「サキはとても賢い選手。総合でも、結果を出せるぜ」(アリスター)

 今回ゲスト・ファイターとして来日したアリスター・オーフレイムは元K-1&DREAM&ストライクフォース王者だ。UFCではブロック・レスナーをミドルキックでKOし、昨年9月にはヘビー級王者スティーペ・ミオシッチの王座に挑戦した。
 このタイトル戦では1R KO負けを喫したが、その後はマーク・ハントにKO勝ちし前王者のファブリシオ・ヴェウドゥムにも判定勝ちし、現在UFCヘビー級のランキング1位だ。
 次の試合はいつ頃になりそうか、と尋ねると、
「まだ決まってないんだ。11月か12月になりそうだね。タイトルマッチになると思うが……」
 と答えた。
 今回の日本大会もアリスターにはぜひ出場してほしいところだし、本人も“第二の故郷”と呼ぶ日本での試合を望んでいるのだが、UFCとしてはヘビー級ランキング1位の選手は、やはりもナンバー大会でのタイトル戦にとっておきたいのだろう。

 アリスターは昨年11月にもプロモーションのために来日し、筆者はその時もインタビューした。ちょうど“皇帝”ヒョードルがロシアで復帰第2戦を行い、ファビオ・マルドナド(ブラジル)に薄氷の判定で辛勝したばかりだった。
 その試合について、アリスターはこう語っていた。
「あの試合は判定でヒョードルの勝ちになったが、実際は負けていたね。ヒョードルはもう一度引退すべきだ。今の彼はUFCで戦えるレベルじゃない。自分を追い込むことで実力は上がるものだが、彼はそれをしていない。UFCで戦うという選択をしなかったわけだからね」
 と手厳しい意見を述べた。
「もちろんヒョードルはヒーローだし、俺も人間的には好きだが…2010年、俺がストライクフォースの王者だった時、彼もストライクフォースで戦っていたから、俺たちは彼を挑戦者にしようとしたんだが、2度も拒否した。その件に関しては、あまりヒョードルを褒(ほ)めることはできない。彼はUFCで戦わないという選択をしたし、俺と戦わないという選択をしたんだ」

 さらに日本のRIZINでのシング・心・ジャディブとの復帰戦については、
「あんな試合はダメだ。相手は寝ワザを全く知らないんだからね。そして次にマルドナドと戦ったが、マルドナドは連敗してUFCをクビになった選手だから、イージーな相手だと思ったんだろう。だが彼らの予想よりマルドナドは強かった。ヒョードルをほとんどKOしかけた。普通の試合なら、レフェリーにストップされてヒョードルのTKO負けだっただろう。確かに、あそこから盛り返したのは驚いたが、正直言って彼の勝ちではない。ヒョードルは本当にもう一度引退すべきさ」
 そして、その後、ヒョードルはベラトールのNY大会で、UFCをリリースされたマット・ミトリオンと戦い、秒殺KO負けしたのだった……。
 まさにアリスターの忠告通り、再度引退すべきだったかもしれない・

アリスターに取材する筆者。リングス初来日の時から、18~19年の付き合いになる

 さて、今回のUFCジャパンでは、オランダのゴールデン・グローリーでアリスターとかつて同門だったグーカン・サキがUFCデビューする。
 アリスターは元K-1ファイターのサキのMMAでの可能性をどう見ているのか?
 アリスター自身、K-1で活躍して王者となり、UFCに乗りこんで実績を出している。
「キックボクサーやK-1選手は総合ではあまり成功できていない。ミルコ・クロコップを例外としてね」
 とアリスターは言う。
「だが、サキなら、総合でも、かなり成功できると思う。なぜなら俺は彼と2005年~2011年ころ、ゴールデン・グローリーのチームメートとして一緒に練習していたんだが、俺はその頃、彼とときどき寝ワザや組み技の練習をやったことがあるんだ。彼には才能があると感じたし、吸収がとても早かったよ。それに彼は対戦相手を研究するのが非常に得意なんだ」

 アリスターは総合では距離を取って戦うが、サキは近い距離で打ち合うことが多かった。その点はどうか?
「サキはとても賢い選手だ。遠い間合いからも相手を支配して戦うことができるよ。だから問題ないと思う。サキはゴールデン・グローリーに所属していたころから、少し総合の練習を始めていた。7年くらい前だな。当時彼はK-1での戦いに集中していたから、それほど総合の練習に力を入れていたわけじゃないがね。だが今は100%総合に集中して練習しているから、いい結果を出せるだろう」
 K-1王者になり、総合でも活躍しているアリスターから、サキにどんなアドバイスを送ったのか?
「サキは俺と練習してた頃より、かなり総合の技術が進歩してるはずだし、彼自身の夢を実現できるよう、俺は応援するぜ。サキは非常に頭のいいファイターだし、相手のことを研究するのが得意だ。だから自分の持っている実力を出せばUFCでも十分通用するはずだよ」

 なお、アリスターは日本に来て、かつてPRIDEで共に戦っていた高山善廣が重体であることを聞き、ツイッターに高山vsドン・フライのPRIDEでの試合のハイライト動画をアップし、「ヨシヒロ・タカヤマがプロレスの試合でケガをし、首から下が麻痺していると聞いたばかりだ。本当に悲しい。気持ちを強く持ってくれ!」と応援メッセージをツイートした。


2階級上の“ショーグン秒殺男”に代打で挑む岡見。「格闘技の神が『挑戦しろ!』と言ってる。懐に入って勝負する」

 今大会ではなんと、メインに出場するはずのショーグンが練習中にヒザを負傷し、欠場となった。そして急きょ代打として指名されたのが岡見勇信(36=和術慧舟會東京本部)だった。
 岡見は、2006年にUFCに参戦し、2011年に当時ミドル級で“絶対王者”と呼ばれたアンデウソン・シウバの王座に挑戦し、2R TKOで敗れた。

 その後2013年、当時ミドル級ランキング6位ながら、UFCをリリースされ、以後はWSOF(ワールド・シリーズ・オブ・ファイティング)を主戦場にしていた。14年11月にはデヴィッド・ブランチのWSOFミドル級王座に挑むが、4R TKOで敗れて戴冠ならず。

 昨年はDEEPやパンクラスで連勝、年末のWSOFのNYマディソン・スクエア・ガーデン大会でもポール・ブラッドリーに勝利、そして今年7月には米ワシントン州で行われたPFLでアンドレ・ロバトに判定勝ちしている。現在4連勝中だ。

 しかし、ここ5試合はミドル級からウェルター級に階級を落として戦っており、今回の試合はライトヘビー級なので、2階級上げることになる。
 しかも、相手はショーグンを秒殺KOしたオーヴィンス・サンプルー(34=米)だ。

 この一戦は岡見にとって、4年ぶりのUFC復帰であり、世界最高峰の舞台であるUFCに再度継続参戦するビッグ・チャンスだが、サンプルーの壁は非常に高い。

「ホントに、こんなことでもないかぎり、やらないでしょうね」
 とライトヘビー級での代打が決まった岡見は言う。

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