[週刊ファイト9月28日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼邪道も笑いも内包し、それでもリアルジャパンがストロングスタイルな理由
photo & text by こもとめいこ♂
・小笠原「先生」への笑いを含んだ歓声を即興で利用する、流石のTAJIRIの老獪
・混乱の場外戦で矢口とすれ違い様に新人ライターが思い知った邪道プロレスの真実
・ラジオの神様が喝破した故・永六輔さんの咳払いが場を支配する力
・何故リアルジャパンが「真」日本プロレスであり、ストロングスタイルなのか
リアルジャパンとはなにか。
ストロングスタイルだという。
ではストロングスタイルとは何かというと、これはプロレスが、「底が丸見えの底なし沼」である以上はうかつに結論づける事はできない。
「〇〇はガチ」
はネットスラングとしては有効ではあるが、どれだけ目を懲らしても、プロレスのリング上で日々行われていること全てが、MMAやキックのそれと同じ、とはやはりいえない。
そもそもプロレスと一口にいっても、団体によって、試合によって、選手個々によって意味合いも濃度も異なる。
新日本プロレスが猪木・初代タイガーを擁して全盛期だった当時、
「ウチがやっているプロレスも新日本がやっているプロレスも同じなんですよ」
と馬場が困惑していたという。
そのころ、格闘技経験者に、新日プロレスの虚構性をあげて、馬場プロレスをもてはやす風潮も一部にはみられたのである。日本のプロレスへのカウンターとしてのWWEへの評価も、そういうことでもあろう。
だが、I.Y編集長は、新日プロレスと全日プロレス同じではないと断言していた。ケツ決めをしてはいても、
「新日本プロレスの超過激とは、リング外をさす」
と、内容に歴然と違いがあることを指摘し続けた。