ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』㉑DDTの思い出~後楽園デビュー吉田考志[ファイトクラブ]ビアガーデンプロレス

[週刊ファイト12月7日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼DDTの思い出~後楽園デビュー吉田考志~ビアガーデンプロレス
 by ケン・片谷


11月23日、DDTさんの後楽園ホール大会にお邪魔しました。
オイラの‟最後の弟子”吉田考志(のりゆき)が、DDTさんにお世話になっているのでそのお礼にやってきたのです。

現在、北海道を拠点に活躍中の吉田ですが、彼と初めて会ったのも北海道の札幌でした。もうかれこれ10年以上前の話です。吉田は元々某メジャー団体の練習生でしたが、デビューを目前にして退団。しかし、プロレスラーになりたいという夢を捨てきれず、その後縁あってオイラが預かることになったのです。
タッパがあり、基礎トレーニングはみっちりと叩き込まれていたので呑み込みは早かったです。ただ、格闘技の経験が全くなかったので、明けても暮れてもグランドレスリングのスパーリングばかりやっていた記憶があります。
一番の課題は、体重の増量でした。吉田は、プロレスラーとして致命的ともいえる、食べても食べても太ら(れ)ない体質でした。食事は、毎回「食べ放題」の店に連れて行きました。オイラに比べるとかなり食も細く、若いくせに20才近く年上のオイラの3分の1ほどしか食べません(笑)。無理に食べさせると戻してしまうこともありました。吉田にとっては、‟食べる”ことが何よりキツイ練習だったのかもしれません。
それでも、オイラのところに来た頃よりも10kgほど増量したある日、ようやくデビューにGOサインが出たのです。
プロレスラーとしてはまだまだガリガリでしたが、『泣き虫練習生、プロレスデビュー』というタイトルで、地元のテレビの取材も付きました。それほど吉田のデビューは、北海道のファンから期待されていたのです。もちろん、デビュー戦の相手もオイラが務めました。
今となっては、もうオイラも弟子を取ったり誰かにプロレスを教える気力も体力もありません。だから、吉田が‟最後の弟子”と言われているのです。

その後吉田はフリーとして、あらゆる団体に上がらせていただくチャンスをいただきました。そして昨年は、九州は大分県の団体「プロレスリングFTO」の所属選手になりました。ここに、北海道に住んでいながら九州の団体所属という変わり種プロレスラーが誕生したわけですが、そのおかげで全国に活躍の場を広げようとしています。
そのうちのひとつがDDTさんなのです。

この日は、吉田にとって初めての後楽園ホールのリングでした。言うまでもなく後楽園ホールは、格闘技を志した全ての人間の憧れの聖地です。オイラも初めて後楽園ホールで試合をした時のことは鮮明に覚えています。果たして、吉田にとって‟聖地”のリングはどんな風に映ったのでしょうか…?
これまで吉田は、練習生として後楽園ホールには何十回と訪れてきました。リング設営をしたり、先輩レスラーのセコンドに付きながら、「いつかは俺もこのリングで試合をするぞ!」と夢を抱いていたはず。その‟いつか”がついにやってきたのです。

オイラ自身、後楽園ホールに足を踏み入れるのは久しぶりでした。ファンの頃から数えると、オイラもかれこれ40年この聖地に通っていることになります。その間、何度か改装があったものの、外観は昔の面影のままです。
エレベーターに乗り5階へ。受付で挨拶を済ませ、階下の選手控室へと向かいます。先ずは押しも押されぬプロレス界の大社長、高木三四郎社長にご挨拶です。会社経営のみならず、自身も現役としてリングに上がる多忙さ。この日も、試合前の大変お忙しい時間にお邪魔したため、すっかりご迷惑をおかけしてしまいました。
短い時間でしたが、『吉田がお世話になっています。いつも貴重な経験をさせていただきありがとうございます。これからもよろしくお願いします。』と、最低限のご挨拶だけはできました。高木さん、お忙しいところ申し訳ありませんでした。

続いて、男色ディーノのところへ。今やディーノは、DDTの中心人物といっても過言ではないでしょう! 実は、元はといえばディーノもオイラの教え子なのです。彼(?・笑)も初めはウチ(CMAプロレスリング)の門を叩き、CMAのリングでデビューしています。選手のブッキングやマッチメイクにも携わっているディーノにも、高木さん同様の挨拶とお礼を言いました。
他にざっと控室を見渡したところ、知っている選手はササダンゴマシン選手(早稲田の先輩!笑)くらい。ここ数年でDDTさんもすっかり選手が様変わりしてしまいましたね。

せっかくなので、吉田の試合だけ見させていただくことにしました。
この日も後楽園ホールは超満員! DDTさんの後楽園大会は毎回鉄板です! 両国国技館やさいたまスーパーアリーナといった大会場で興行を行うのもうなずけます。それだけDDTさんの集客力は目を見張るものがありますね。
試合ではディーノとの絡みが多く、徹底して吉田がディーノの餌食になっていました(笑)。ディーノがお客さんに飽きられることなく、10年以上も‟ゲイキャラ”を貫き通していることはすごいと感じましたし、久しぶりに見る吉田の試合ぶりにも成長の跡が伺えました。これも、やはりDDTさんはじめ色々なリングで経験させていただいているおかげだと思いました。
このように、‟二人の教え子”の絡みは見ていてとても感慨深いものがありました。二人ともこれから益々活躍していって欲しいと思います。

さてさて、すっかり前置きが長くなってしまいましたが、ここからはオイラのDDTさんとの思い出を紹介したいと思います。

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