[ファイトクラブ]大阪プロレスファン大満足! 全日本プロレス~ゼウス祭り~

[週刊ファイト11月23日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼大阪プロレスファン大満足! 全日本プロレス~ゼウス祭り~
 by 猫山いそみ
・ノア府立大会とかぶるも大盛況の興行その秘密を探る
・いまは昔、ボディガー誕生の瞬間に立ち会ったしょっぱい思い出
・時は流れしたたかに生き残るドインディーレスラーたち
・まるで大阪プロレス同窓会に大観衆が狂喜した
・本当に神っていた府議会議員もお祝いに駆けつける大神ゼウスの人柄


 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

 まことゼウス選手のことのようだと、大阪のプロレスファンは口を揃えて言う。
 リングの上ではさながらWWEのジョン・シナ選手のような恵まれた体格で存分に暴れまくる荒ぶる大神ゼウス選手だが、ひとたびリングを降りると本当に謙虚で、礼儀正しい人格者の評判高い。
 思えば昭和のプロレスラーのオンオフがまさにそうだったように思う。
 翻って、近年のプロレスラーのプライベートの評判は選手にもよるが、芳しくない話も散見する。
 良くも悪くも、選手とお客さんの距離が近くなりすぎてしまったというのもあるかもしれない。
 ミスター雁之助選手はSNSでかつてのFMWはお伽の国で、プロレスラーはお伽の国の住人だったとつぶやいていたが彼らを浮世の人扱いするようになったのは、お客さんだ。
 ゼウス選手は、先日別の興行の会場でゼウス祭りの取材を前に挨拶をさせていただいたときも、こちらが恐縮してしまうほどきちんと応対してくださった。
 前述の雁之助選手も鬼神の異名を取るほどすさまじいプレイをする選手だが、お客さんを大切にすることではやはり定評がある。
 確かに世の中は不景気だがいつの時代も景気に左右されず生き残れる人たちは結論「出来た人」だと思う。
 今回のゼウス祭りの会場は、駅から徒歩25分以上の距離で、しかも興行当日は天候も芳しくなかった。にもかかわらず超満員札止め、立ち見のお客さんであふれかえった。しかもそんな大混雑にあって、お客さんのマナーも本当に良く、大阪らしく選手との親近感をほうふつさせる温かい声援は飛ぶも雰囲気を壊すような口汚い野次はなくトラブルは一切なかった。
 
 その人がどんな商売をしてきたか
 取り巻いているお客さんを見れば一目瞭然だ。
 見ればわかる、シビアだがそういうことだ。
 この日府立でノアの興行が被っていたにもかかわらず超満員だった。
 ゼウス選手と盟友ボディガー選手のかげひなたない奮闘努力、尽力が、集客に反映していると見受けられた。

 それにしてもだ。
 私のプロレス初観戦は、幼少の頃父に連れていってもらった、全日本プロレスは・・・
 ジャイアント馬場、スタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディ
 いまも語り継がれる「伝説」が会場ところせましと縦横無尽に駆け回っていた
 外国人ヒールレスラーは、本当に怖かったし、かつまた怪しげで、ブッチャーをはじめとしそんじょそこら歩いていても絶対にいない(苦笑)人たちばかりだった。
 新日本より見世物小屋感があったと思う。
 それでいてこれぞプロレスエンターテイメントという有無を言わさぬ王道のにおいで、別格の輝きを放っていたのはやはりそこにジャイアント馬場という巨星の存在があったからだと思う。
 
 翌年急逝した父との筆者の思い出の記憶は全日本プロレス観戦ほぼそれだけと言って良い。
 余談としてその後母が求人欄で全日本プロレスの事務員募集の広告を見つけて面接に行った際も筆者は馬場さんに抱っこしてもらえてラッキーだったが勤務形態他折り合いがつかず母は不採用となった。
 
 時は流れた。
 時代も変わった。
 全日本プロレスもリング上の華やかさと客席の盛況は変わらないが私が見てきた往時の面影をこの日のリング上どこを探しても見つけることはできなかった。
 当日挨拶させていただいたリングアナウンサーの方・・・これまでおじゃまして挨拶をさせていただいてきた他団体のリングアナさんと違い、笑顔なしおあいそなしクールな印象だったということ位で、そのとき改めて、そうだきょうは全日本プロレスにおじゃましているのだということを認識したこと位で。
 いや、本来それが普通なのか・・・。
 インディーズ団体と違って、きさくでないのが、メジャーのリングアナということか・・。
 いや、そんなこともない。
 昨年2016年12月大阪府立エディオンアリーナで開催された「ドリーム」興行で遭遇した和田京平レフェリーは、めっちゃ気さくにツーショット撮影に応じてくださった。

 その時の写真(撮影者、宮本和志選手)
 
 閑話休題。
 
 私のボケも、大阪のプロレスファンならご理解いただけることだと思う。
 なぜなら当日の出場選手をざっと振り返ってみても、ゼウス、ボディガー、ビリーケンキッド、ツバサ、空牙、タコヤキーダー、アルティメットスパイダーjr.三原一晃…

 出てくる選手出てくる選手みな大阪のプロレスファンには馴染みがありすぎる選手ばかり。
 それもそのはず、今回興行を企画したゼウス選手ボディガー選手はもともとかつて千日前に常設リングを構えて興行を打っていたご当地プロレスのさきがけ的な存在で人気を博した大阪プロレスの出身だったのだ。
 かく申す私はボディガー選手のリングネームを空牙選手が発表した日に、立ち会っている。
 

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