[週刊ファイト11月9日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼[ファイトクラブ]挑戦者の資格〜邪道と王道の交差点〜
photo text by こもとめいこ♂
・シカゴのYOSHI-HASHI、IWGP・USヘビー級戦、ブーイングもなき無味無臭
・盛り上がる『Road to POWER STRUGGLE』隆盛の死角
・「クソなベルト」を巻かされるケニー・オメガの憂鬱
・新日本プロレスのレスラーこそ邪道魂継承が必要
・好評企画! 今日の岡&今日の北村
現在ツアー真っ最中の新日本プロレス『Road to POWER STRUGGLE』は、基本、ジュニアのタッグトーナメントと、11・5大阪POWER STRUGGLEのタイトルマッチを軸に、その前哨戦を組み合わせた興行となっている。
飯伏幸太が語っていたように、まさにこれぞ新日本プロレスで、6人タッグや10人タッグにまで、それぞれテーマのある試合なのは、さすがで、平日の後楽園が満員札止めなのもむべなるかなといったところ。
ただ、10・29後楽園、第3試合でバレッタが突然ケニー・オメガのIWGPUSヘビー級に挑戦した辺りはあまりに唐突の感は拭えない。
ついこの間まで、高橋裕二郎が新日本プロレスのヘビー級は甘くないといいがかりを付け、争っていたバレッタである。
いまとなって、高橋裕二郎との抗争はこの為だったのかと腑に落ちたわけだが、何故バレッタなのかを観る側に巧く説明出来ているとは言いがたい。
振りかえれば10・15シカゴROH×新日本プロレス GROBAL WARSのメーンだったYOSHI-HASHIとのタイトルマッチ戦も、ケニー・オメガの方は試合前から露骨に気乗り薄で、
「外道が悪いんだろ」
と、アングルを引っ繰り返す様な醒めたコメントを出したが、今回も、
「売り上げもないのにチャンピオンになってどうする?」
と、辛辣なコメント。
そもそもUSヘビー級の王座を取った時、ケニー・オメガは
「このベルトはクソだが、俺が価値を高める」
と、息巻いていた。
だが、最初に挑戦を表明した時の「いわされてる感」が漂っていたYOSHI-HASHIからベルトへの執念が感じられなかったし、実際シカゴの試合でも、メーンイベントでありながらブーイングもまばらな惨状。
弱い物虐め感さえ漂ったYOSHI-HASHIのファイトより、ケイオスとして乱入、レフェリーの脚を引っ張ってカウントの邪魔をし、肩をすくめた矢野通の方が浴びたブーイングの量、質共にはるかに上だった。
予想通りとはいえ、ケニー・オメガとしても北米侵攻を前にうらぶれた気持ちにならざるを得なかったのではないか。